イベントを成功させるためには、効果的な集客が欠かせません。本記事では、集客率を高めるイベントの開催案内・案内文の書き方を5つのポイントに分けてわかりやすく解説。合わせて、すぐに使えるテンプレートもご紹介します。ぜひ、最大限の集客を実現するための参考にしてみてください。
イベントの開催案内・案内メールを出す目的
イベントの開催案内や、案内メール・案内状を作成する前に、まずは案内状を出す目的を明確にしておきましょう。下記で紹介する主な3つの目的を参考にし、自社の具体例に照らし合わせながら、開催案内を出す目的を整理してみてください。

目的1.集客率を高める
案内状を出す最大の目的は集客率を高めることです。特に、イベント企画時に想定していた特定の対象者にアプローチし、イベントにて興味を持ってもらい、確実な集客につなげたいときは案内状や案内メールを送ります。
あわせて、不特定多数のメディア関係者や、生活者に広く情報を発信するためには、案内状とあわせてプレスリリース、ニュースリリースの配信や、広告出稿を検討したほうがよいでしょう。
目的2.期待値を調整する
案内状では、イベントの目的や来場者のメリットを的確に伝えて、参加者の期待値を調節することも重要です。参加者が想像していた内容と、実際のイベントのコンテンツが異なることで、満足度が低下するのを防ぎます。以下の3点を事前に伝えておきましょう。
- 開催の背景
- 開催の目的・実現したいこと
- 参加者が得られるメリット
これらを参加者に分かりやすく伝え、誤解やズレが生じないよう配慮してください。必要に応じて、書面だけでなく、対面や口頭で補足することも検討しましょう。
目的3.案内先との有益なコミュニケーションを図る
案内状は、イベント自体の成功に直結する重要なコミュニケーションツールです。その出し方や内容次第で、案内先との信頼関係を深めるきっかけにもなります。
案内状の送付方法としては、手渡し、手紙、メールなどが一般的ですが、状況に応じて工夫しましょう。たとえば、イベント専用のWebサイトがある場合、メールでURLを案内すれば効率的に誘導できます。一方で、特別な関係性を築きたい相手には、手渡しで渡すことで、より温かみのあるコミュニケーションを図ることも可能です。
案内状を送る目的や、送る相手に応じて最適な手段を選び、案内状を有効に活用しましょう。
イベントの開催案内状・案内メールを送るタイミング・相手・内容とは
イベントの開催が決まった後は、いつ(タイミング)、誰(対象者)に対して、どのような内容の開催案内を出せばよいのでしょうか。次に、イベントの案内状・案内メールを送るタイミングと相手、内容について解説します。
案内状を出すタイミング:イベントの1ヵ月前が目安
案内状は、できるだけ早く送ることが重要です。参加を希望している相手のスケジュールが埋まってしまう前に案内を届けることで、機会を逃さずに済みます。ただし、案内が早すぎると、季節感や時流にそぐわず、関心が薄れる可能性もあります。
理想は開催の1ヵ月前に送付を開始し、遅くとも2週間前までには案内を終えるよう計画しましょう。もし早めに案内を出す場合は、開催が近づいたタイミングでリマインドを送ることで、参加意欲を高めるフォローができます。
参考:出し方で集客効果が大きく変わる!招待状/案内状の5つの鉄則 | 展示会から確実に売上を上げるための教科書サイト
案内状を出す先はイベントによって毎回検討
案内状を送る対象者は、イベントの目的やゴールに応じて慎重に選定する必要があります。イベントの案内状を出すべき人・メディアは、イベントの内容によって異なります。イベントの目的・ゴール・対象者と照らし合わせながら、その都度検討しましょう。
特に、メディアへのアプローチに関しては、注意が必要です。タレントを呼んだ記者発表会の場合はテレビ関係者、BtoB向けのイベントの場合は業界紙やビジネス誌の記者など、イベントの内容に適した関係者をリストアップしましょう。
- 案内状を出すべき人・メディアの例
【サービス・プロダクト関連のイベントの場合】
・業界に詳しい記者・メディア関係者
・見込み顧客、既存顧客 など
【採用・コーポレート関連のイベントの場合】
・採用メディア関係者者
・他社のコーポレート担当者
・採用候補者 など
案内状に必ず入れたい内容
案内状の内容は、イベントの目的に沿った期待値調整を行うことがポイントです。前述したように、「開催の背景」「開催の目的・実現したいこと」「参加するメリット」は必ず入れるようにしましょう。そのほかは、以下の基本構成に沿って、できる限りシンプルに要件を伝える工夫をしてください。
イベントの案内文の基本構成
どんな構成の案内文にすれば、受け取った相手にとってわかりやすく、参加してみたいと思ってもらえる案内状にできるのでしょうか。まずは、イベントの案内状の基本構成を確認してみましょう。
【イベントの案内文の基本構成】
- 宛名
- 差出人(主催者)
- 発信日:手元に届くタイミングを考慮し、いつ時点の情報か明確にするため
- タイトル::例:「〇〇イベント開催のご案内」など、簡潔で内容が一目でわかるもの
- 本文::イベントの趣旨、参加メリット、日時や場所の詳細
- 申し込み条件・参加費用:必要に応じて記載します
- 費用
- 日時/会場/交通アクセス:迷わないように具体的に案内します
- 特記事項:申し込み方法/持ち物/ドレスコード/専用WebサイトのURLなど
- 問い合わせ先::返信や質問に対応できるよう必ず明記します
詳しくは、後述「イベントの案内文の書き方5つのポイント」も参照してください。
イベントの開催案内の書き方5つのポイント
ここまで案内文の基本構成をご紹介しましたが、さらに効果的な開催案内を作成するために、各要素を書く際の5つのポイントを解説します。多くのイベントが開催される中で、参加者の興味を引き、必要な情報を的確に伝える工夫が重要です。
開催日時・場所などの基本情報はもちろん、イベントの魅力も最大限伝えられるよう工夫しましょう。

ポイント1.対象者がひと目でわかる表現にする
どんな人を対象としたイベントなのか、ひと目でわかるよう記載しましょう。例えば、研修・セミナーのようなイベントなら「営業スキルをさらに向上させたいビジネスパーソンの皆さまを対象としたセミナーです」。採用候補者向けのイベントなら「〇〇業界に興味がある方向けの説明会です」などの形で記載します。
案内状を受け取った相手に、「まさに自分向けのイベントだ」と思ってもらうことで、集客率を高められます。イベントを「自分ごと」として捉えてもらえるよう、対象者の表現を工夫してみましょう。
ポイント2.開催日時・場所・参加費など概要をわかりやすく伝える
開催日時・場所・参加費など概要は絶対に欠かせない要素です。さらに、アクセス方法や地図を添えておくと参加者が迷わずに到着できるようになり親切です。
また、参加費はイベントに参加するかどうか検討するうえで大切なポイントです。参加費が無料の場合はその旨を記載しておくことで、参加のハードルを下げられます。
有料の場合は、税込みの正確な金額を明記してください。また、請求書の発行についても記載しておきましょう。
ポイント3.当日のタイムスケジュールを明記する
開始から終了までに複数のプログラムがある場合、タイムスケジュールを案内状に記載しましょう。
参加者の中にはイベントの前後に別の予定がある方もいるでしょう。詳細なタイムスケジュールをあらかじめ伝えておくことで、前後の移動プランなどが立てやすくなります。また、途中入場・退出が可能なイベントであれば、タイムスケジュールを記載することで興味のあるコンテンツの時間にピンポイントで参加してもらうこともできます。
ポイント4.参加するメリットを具体的に伝える
案内状には、単に「参加してください」でなく、「このイベントに参加することであなたにはこんなメリットがあります」と魅力を伝えることは案内状の大切な機能のひとつです。
スキルを身につけられる、最新情報を得られる、人脈を作れるなど、イベントによって参加のメリットはさまざまでしょう。齟齬が生まれる表現や過剰な訴求は避けなければいけませんが、参加者にとっていかに魅力的かをわかりやすく伝えることが重要です。期待値調整と対象者にとって何がメリットになるのか、イベントの目的とも照らし合わせ、集客につなげましょう。
ポイント5.申し込み導線をスムーズに整える
参加のために申し込みが必要なイベントの場合には、案内状の中に申し込み方法の情報を必ず組み込みましょう。申し込み方法がわからない案内状は参加者を戸惑わせてしまうだけでなく、主催者側に問い合わせが発生する可能性もあり、結果的に双方の手をわずらわせてしまう可能性があります。
Webフォーム、メール、電話、FAXなど申し込み方法はいくつかありますが、申し込み手順を簡潔かつスムーズに設計することで、参加希望者の離脱を防ぎ、集客率アップに寄与します。
イベントの開催案内文の例文・テンプレート
◯◯◯◯年◯月◯日
◯◯株式会社
◯◯事業部 □□ □□
◯◯様
平素より大変お世話になっております。株式会社●● イベント運営事務局の●●です。
このたび、◯◯のスキルアップを目指すビジネスパーソンの皆さまを対象として、△△イベントを開催する運びとなりました。
これまでのご参加者さまよりリクエストのあった◯◯大学 □□教授をお招きし、クライアントとの信頼関係の強化を主軸にお話しいただきます。
皆さまお誘い合わせのうえ、ぜひご来場いただきますようよろしくお願いいたします。
-記-
開催日時:◯◯◯◯年◯月◯日 △時△分〜△時△分
会場:住所、会場名、地図など
アクセス:最寄り駅、道順など
参加費:◯,◯◯◯円(税込み 当日現地にてお支払いください)
持ち物:名刺を2枚ご持参ください
申し込み方法:下記のWebフォームよりお申し込みください。(お申込み期限:◯◯◯◯年◯月◯日)
https://◯◯◯◯
お問い合わせ先:株式会社 ●● イベント運営事務局●● 0120-□□□-□□□□
社内向けに気軽さを出した例文
社内向けのお誘いは、基本的にはビジネスの体裁を保ちつつも、少し柔らかい言い回しを入れることで参加しやすい空気をつくることができます。
特に、部署を横断するイベントや勉強会では「気軽にどうぞ」というニュアンスを添えることで、形式ばった案内よりも参加率が上がりやすくなります。とはいえ、日時・場所・目的といった最低限の情報は明示し、社内連絡としての丁寧さは保つことが大切です。
<例文>
◯月◯日に、社内向けの小規模勉強会を開催します。
テーマは「業務効率化のアイデア共有」で、日頃の気づきや工夫を持ち寄る軽いセッションです。途中参加・退出も大歓迎ですので、都合が合う方はぜひ気軽にご参加ください。詳細は添付の案内をご確認いただければ幸いです。
社外向けに関係性がある相手を少し柔らかく誘う例文
すでに継続的な取引や、やり取りがある相手には、丁寧なビジネス文体を保ちつつも、適度な柔らかさを加えることで参加への心理的ハードルを下げられます。この場合、フランクになりすぎると信頼を損ねる可能性があるため、「少しくだけた表現を添える」程度に留めるのがポイントです。
共有したい情報や役立つテーマなどのこちら側の意図も明確に示すと、相手に理由と価値が伝わり参加しやすくなります。
<例文>
日頃より大変お世話になっております。◯◯株式会社の◯◯です。
来週、少人数での意見交換イベントを開催することとなり、ぜひ◯◯様にもご参加いただければと思いご連絡いたしました。日頃の業務にもお役立ていただける内容を予定していますので、お時間が合えばお気軽にお立ち寄りくださいませ。
既存顧客・パートナーをカジュアルに誘う例文
既存顧客やパートナー企業には、一定の信頼関係があるため、形式的すぎる文面よりも「あなたのために企画しています」という距離感の近いトーンが効果的です。しかし、営業色が強すぎたり砕けすぎた表現を入れすぎると逆効果にもなるため、ビジネスとしての節度を保ちながら参加しやすさを演出することが大切です。
相手にとってのメリットや、リラックスした雰囲気のイベントであることを伝えると効果的です。
<文例>
平素より格別のご愛顧を賜り、誠にありがとうございます。◯◯株式会社の◯◯です。来月、日頃お世話になっている皆さま向けに、少しカジュアルな交流イベントを企画いたしました。
堅苦しい内容ではなく、業界の最新トレンドを共有しながら情報交換やネットワーキングできる会です。もしご予定が合いましたら、ぜひお気軽にご参加ください。
イベント案内で避けたいNG表現とマナー
ここまで、イベント案内文の書き方や例文を紹介してきましたが、ご自身でアレンジするときに「この内容を入れても大丈夫かな」と不安に思われる方もいらっしゃるでしょう。そこで次に、イベント案内をするときに避けたいNGな表現とマナーについても紹介します。
強制的に感じさせる表現を避ける
イベント案内では「必ずご参加ください」「来ないと困ります」など、相手に義務を強いるような表現は避けるべきです。ビジネスシーンでは、相手の都合や状況への配慮が欠けている印象を与え、関係性を損ねる可能性があります。
「よろしければご参加ください」「ご都合が合えば嬉しく思います」など、選択権が相手にあることを示す表現が望ましいといえます。
情報が曖昧で誤解を生む書き方を避ける
日時・場所・参加方法・費用などの基本情報が曖昧な案内は、読み手に混乱を与え、問い合わせや不参加につながります。
特に、オンライン開催の場合は「使用ツール」「入室方法」「URL」の記載漏れに注意が必要です。案内文はこの一通を読むだけで参加できるレベルの明瞭さを意識し、必要な情報を漏れなく提示することがマナーです。
返信・催促のタイミングとマナー
相手の返信がない場合、すぐに催促すると負担を与えてしまいます。一般的には、案内送付から3〜5営業日後、もしくはイベント1週間前を目安にフォローすると自然です。
催促文では「ご多忙のところ恐れ入りますが」というクッション言葉を用いて気遣いを示し、参加を強要しないトーンが重要です。返信締切を設ける場合も、余裕をもって設定するようにしましょう。
イベント案内メールに関するQ&A
最後に、イベント案内文に関するよくある質問をQ&A形式で紹介します。

急な案内になってしまったときの丁寧な書き方は?
急な案内は相手に負担を与えやすいため、まずは「急なご連絡となり恐縮ですが」と前置きを入れることが基本です。そのうえで、急ぎの理由を簡潔に説明し、無理のない範囲で検討いただければ大丈夫であることを明示します。
参加を強制するのではなく「もしお時間が合えば」などの柔らかい表現にすることで、相手への配慮が伝わります。
人数限定イベントの案内はどう書く?
人数を限定する場合は、「限定◯名」「先着順」「抽選制」など条件を明確に記載し、誤解が生まれないようにすることが重要です。限定イベントは訴求力がある一方で、枠が取れなかった相手に不快感を与える可能性もあります。
「満席の場合は別日をご案内します」「次回優先的にご案内いたします」など、フォローの姿勢を示すと好印象です。
返信がない場合のフォロー方法は?
返信がない相手には、催促ではなく「確認」を目的としたメッセージを送ることが適切です。たとえば「ご案内がお手元に届いているか念のためご連絡いたしました」という表現が有効です。
相手に負担を感じさせずに再度案内でき、催促の圧を避けられます。また、電話ではなくメールでフォローすることで、相手の都合に配慮した対応となります。
複数名を一括で誘うときの注意点は?
複数名へ一斉に案内する際は、宛名の扱いに注意が必要です。個人名を伏せる場合は「関係各位」「ご担当者様」などの包括的な表現を使うと安全です。また、TOに複数のメールアドレスを並べるのは情報漏洩のリスクがあるため、必ずBCCを利用してください。
文面も「皆さま」に向けたトーンに調整し、個別対応が必要な場合は別途フォローすることが望ましいでしょう。
案内状でイベントの魅力を伝えて、最大の集客を実現しよう
イベント案内状は、参加者に必要な情報を正確かつわかりやすく伝えるだけでなく、参加者の関心を引き、参加意欲を高めるための重要なツールです。
本文で紹介した「対象者の明確化」「基本情報の整理」「タイムスケジュールの提供」「参加メリットの強調」「スムーズな申し込み導線」の5つのポイントを押さえることで、案内状の効果を最大限に引き出すことができます。
本記事で紹介した内容を反映しイベントの魅力をしっかりと伝える案内状を作成することで、集客力をアップさせ、より多くの参加者を引きつけましょう。
<編集:PR TIMES MAGAZINE編集部>
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