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媒体研究の方法は?現役広報が教える調査項目と3つのポイント

メディア露出を目指す広報担当者にとって媒体研究は欠かせません。媒体研究の意味を確認したうえで、広報担当者が媒体研究を行うメリット、調査する手順や項目、留意すべきポイントを確認していきます。

媒体研究とは?

媒体研究とは、新聞・テレビ・雑誌・Webなどの媒体特性を調べ、媒体理解を深めることです。媒体の読者層、発行部数、視聴者数など確認し、報道してほしい媒体を選定、メディア関係者へ情報提供をしてメディア露出を目指します。媒体読者・視聴者に自社情報を届けるために、掲載先である媒体を理解する必要があるのです。

媒体イメージ

媒体研究を行う3つのメリット

媒体研究の目的を明確にするためにも、媒体研究を通じて得られるメリットを把握していきます。

メリット1.自社情報にマッチする媒体を見逃さない

媒体を幅広く研究すると、自社情報を求めている媒体を見逃さずに済みます。媒体には、多くのWebメディアやテレビ番組、業界紙をはじめとする紙媒体など、相当な種類があります。例えば建築業界は、設備や部材に関する情報紙も含めると100紙以上存在しています。関連媒体を網羅的に調べるからこそ、自社が発信する情報を必要としている読者層・視聴者層と出合うチャンスにつながるのです

メリット2.伝えたい相手に情報が伝わる

メディアは読者・視聴者にとって有益な情報を提供するために活動をしています。媒体研究の際には、最終的な情報の届け先である媒体読者・視聴者に伝えたいメッセージを検討し、その人たちがどのような媒体に触れているかを逆算して考えることで対象者に伝えたい情報が届きやすくなります。

メリット3.メディアとの信頼構築につながる

メディア関係者は日々大量の情報に触れているため、手当たり次第に情報を届けるのではなく、媒体特性にあった情報を提案すると喜んでもらえるだけでなく、信頼獲得につながります。媒体研究を通じて、想定読者・視聴者層に有益な情報を提供するパートナーとしてメディア関係者が必要としている情報を理解し、情報交換していける関係性が目指せます

媒体研究の方法は?研究を行う手順5ステップ

読者・視聴者に自社情報を届けるために必要となる、媒体研究の手順を紹介します。「誰に、何を、どのように」伝えるのかを考えていきましょう。

メディアの情報収集をしている

STEP1.広報戦略を立てる

やみくもに掲載・報道を目指して媒体研究を始めるのではなく、まずは広報戦略を立てます。ステークホルダー別に獲得したい評価や戦略をまとめて、経営陣と共通認識を持つことが必要です。「誰に、何を伝えたいのか、どうなってほしいのか」を定義することで、自社が発信したい情報が明確になり、媒体選定時の基準になります。

STEP2.関連メディアの種類を確認、リスト化する

発信したい情報が定まってきたら、自社情報に関連するメディアの種類を把握、リスト化していきます。メディアが一覧で掲載されているのが『月刊メディア・データ』『広報・マスコミハンドブック(PR手帳)』や「雑誌広告ドットコム」です。媒体名、発行部数をリスト化します。国立国会図書館に足を運び実際に媒体を手に取るのもおすすめです。「日経テレコン」や「テレビでた蔵」、Web検索で関連キーワードに対して報道実績がある媒体一覧を確認するのも効果的です。

STEP3.コーナーを選定する

媒体選定にとどまらず、報道を獲得したい特集、コーナーまで深掘りをします。代表インタビュー、新規事業の紹介、ユーザーインタビューなど、決まった傾向で企画が組まれているコーナーはどの媒体にも存在します。このコーナーなら自社の情報が読者・視聴者の役に立つのではないか、報道の可能性を考えながらコーナーの選定をします。

STEP4.媒体の運営体制を理解する

媒体・コーナーの選定ができたら、媒体の運営体制に対する理解を深めていきます。報道時間や媒体販売サイクル、記事の更新頻度を理解し、メディア関係者に適切なタイミングで情報提供をします。必要な情報を適切なタイミングで渡されたらうれしいはずです。相手への理解を深めることで、配慮ができ、メディア関係者と信頼関係を築ける可能性が高くなります。

STEP5.情報収集を習慣づける

新しい媒体の出現はもちろんのこと、媒体のコーナーは常に入れ替わります。情報更新に対応するためには、日々、媒体研究を行う習慣をつけます。メディア関係者のSNSがわかる場合はフォローします。メルマガの登録もよいでしょう。RSS設定でメールやメッセージアプリと連携をして、関連キーワードに関するニュースの通知を受け取り、常に最新の情報に触れるよう心がけます。

参考:RSSとは?基本の仕組みと使い方をわかりやすく解説

媒体研究で調査する6つの項目

媒体研究は何を調べていくのか、具体的に6つの項目に分けて解説をしていきます。

1.媒体の目的、想定読者・視聴者

対象媒体の想定読者・視聴者層の把握に加え、媒体の存在意義や方向性も確認していきます。メディアの目指す姿も自社情報が役に立てるのかを検討するうえで必要な情報です。

多くのメディアは広告収入を得るために広告主に向けて媒体資料を公開しています。媒体の概要・広告料金・発行部数・読者データ、今後の展望など媒体情報や媒体の存在意義が集約して掲載されているため、媒体研究時は必ず目を通します。

2.構成・コーナー

記事や番組の構成を把握します。新聞であれば面建て(めんだて)・建てページ、雑誌であれば紙面構成、テレビであれば番組構成と呼ばれます。自社の情報と関連性が高いコーナーに提案できるようにしておきます。

多くの新聞はWeb上に面建てが掲載されています。テレビや雑誌も掲載されているケースもありますが、実際に報道を定期的に確認することも大切です。関連する企画やコーナーを把握、常設のコーナーか、季節や週替わりのコーナーか確認して、提案の機会損失を防ぎます。

3.報道内容

報道を目指す媒体、コーナーが定まったら、既に報道されている企業はどのようなサービスを提供しているのか、会社規模はどれくらいか、どういった打ち出しで取り上げられているのか、報道内容を確認します。

報道されている情報特性を研究することは、企画立案時の参考になるだけではありません。自社が報道を目指す媒体で競合他社が報道されている場合は、想定読者・視聴者が合致している可能性が高いとわかります。

4.署名記事、部署、連絡先

媒体研究を経てメディア関係者に情報提供をするために、署名記事やクレジットから情報収集をします。署名記事とは、記者の名前が明記されている記事を指します。テレビ番組であれば番組エンディングロールにディレクターやプロデューサーの名前がある場合があります。

SNSを駆使して名前を検索したり、ホームページの問い合わせフォームからの問い合わせもできますが、『広報・マスコミハンドブック (PR手帳)』などで媒体の電話番号を調べて連絡、取り次いでもらったりします。アナログな方法ですが、直接話ができることが少なくありません。総合受付や広告部ではなく、編集部等担当部署などに連絡するように気を付けます。

5.リクルートページやコーポレートサイト

媒体の社内体制、勤務サイクルを理解するために有効なのが、媒体を運営する企業のリクルートページやコーポレートサイトです。記者の1日の過ごし方や、インタビューページを見ると、メディア関係者の動きが把握できます。

媒体特性やメディア関係者の行動パターンを理解すると相手に考慮した行動がとれるため、長期的にメディア関係者と信頼関係を築く土台になります。

6.記者の興味関心

メディア関係者の関心を把握します。同じ媒体でも記者によって関心や得意領域がまるで異なります。メディア関係者が必要としている情報は何か、仮説を立てるためにも既存の記事や媒体特性の理解が必須です。

「日経テレコン」を用いると記者名が添付された記事が確認できます。記者の名前がわかったらWebサイトで検索、過去の執筆記事の内容を確認していきましょう。

媒体研究を行う3つのポイント

媒体研究を効率的に行うために、役に立つポイントを紹介します。

チェックポイント

ポイント1.類似の業態や競合企業をチェックする

キーワードから媒体検索を行う際、競合他社や業態が同じ企業名を洗い出し、「日経テレコン」やWebサイトで検索をすると、自社が持つ情報と相性が良い媒体、コーナー、記者情報が手に入る可能性が高くなります。企画も参考にできるため、ほかの媒体への提案も可能になります。

ポイント2.研究だけでは意味がない、適切なアプローチを

媒体研究の目的は研究ではなく、自社の情報を伝えたい人に届ける手段を得ることにあります。メディア、コーナー選定、アプローチの適切なタイミングなど、情報が集まったら企画を立ててメディアアプローチを行います。

記者名を把握している場合は電話にて伝え、つないでもらえるようにします。電話のほかにも資料の郵送、寄稿の提案、イベントへの参加と、手段を検討しながらアプローチします。

ポイント3.業界紙を侮るべからず

一般紙やマスメディアに比べると読者・視聴者数が少ないこともある業界紙ですが、種類が豊富です。読者も明確な目的を持って情報を得ている人たちである可能性が高いため、より自社が伝えたい情報が伝達可能です。

業界紙のメディア関係者は情報収集に余念がなく、取材も快く引き受けてくれる傾向があり、部署移動の頻度も少ないのが特徴です。マスメディアのメディア関係者も、情報収集で業界紙から学びを得ていることがあるため、媒体の知名度にとらわれず、まずは業界紙の研究をするのもよいでしょう

媒体研究を適切に行いメディア露出も可能に

媒体研究の意義は、メディア露出を通じたステークホルダーとのコミュニケーションを行うことです。媒体に詳しくなることは、報道機会の損失を防ぎ、メディア関係者が欲しい情報を適切な方法で提供でき、信頼構築をにつながります。一方的な情報提供にな注意し、報道がゴールにならないようにしましょう。

報道企画を自ら作りにいくための準備となる媒体研究、自分が日頃から視聴していメディアの特徴・傾向・どういったコーナーがあるのか意識するところから始めてもよいかもしれません。できることから着手してみてはいかがでしょうか。

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この記事のライター

坂下 彩花

合同会社KOUYO代表。スタートアップ企業で広報と人事を兼務しながら、広報業務を一通り経験。提供する情報がない中での企画作り、メディアアプローチが強みです。これまでの広報経験を生かして広報担当者さんの役に立ちたいと思いPRTIMES MAGAZINEに参画。現在シェアハウスの愉快な仲間たちと賑やかに暮らしています。

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