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オウンドメディアとは?企業がオウンドメディアを持つ5つのメリットと始め方

近年、急激に増加している企業のオウンドメディア。自社のWebサイトへの流入やファンづくりなどさまざまな目的を掲げ、企業が持っている情報を読者に有益なかたちで届けています。オウンドメディアの運営にゴールはなく、常に試行錯誤していくことこそが大切です。そのような前提でも、成長するオウンドメディアを作るにはどうすればよいのでしょうか。

本記事では、企業がオウンドメディアを持つことのメリットやオウンドメディアの始め方、注意したいポイントや事例などをご紹介します。

オウンドメディアとは?

オウンドメディアとは、自社で保有するメディアの総称です。自社のWebサイトやアプリ、紙媒体の会報誌など企業が制作・発信しているものすべてを含みます。日本では、Webマーケティングのために企業が運営するWebマガジンやブログのことを指すことが多いです。

スマートフォンやSNSの普及によって、口コミをはじめ生活者が触れられる情報の量は爆発的に増えました。そのため広告などの一方的なコミュニケーションは、生活者から信頼性が低いと捉えられる場合もあります。

自社で所有している情報を読者に有益なコンテンツとして発信し、広告以外の方法でコーポレートや自社サービスの認知度・好意度を高め、マーケティングやブランディングに寄与することができるのが、オウンドメディアです。また、Webサイトへの流入やコンバージョンを増やす目的で活用されるケースもあるでしょう。

認知度アップを目的に運営しているオウンドメディア

企業がオウンドメディアを持つ5つのメリット

オウンドメディアを持つことで、企業にはどんなメリットがあるのでしょうか。代表的なものを5つご紹介します。

1.自社の資産になる

オウンドメディアは、自社が持っている情報を記事コンテンツとしてストックできるのが大きなメリット。X(旧 Twitter)やInstagramなどのSNSアカウントを利用した情報発信は、リアルタイム性が強いためコンテンツをストックするには不向きです。対してオウンドメディアはストックが可能なので、検索流入などから長期にわたって読者の目に触れる可能性が高くなります。

SEO対策(検索エンジン最適化)を実施したり、自社のSNSで記事コンテンツを拡散したり、オウンドメディアを中心に自社のWebサイトへの流入の増加を見込める施策を行いましょう。

2.読者をファン化してロイヤリティをアップできる

読者への有益性を追求して地道にオウンドメディアを運営していけば、長期的には自社のファンを育て、ロイヤリティを向上させることができます。そのためには、読者が必要としている情報や、おもしろいと思ってくれる情報を発信し続ける施策を研究し、こつこつと取り組むことも大切です。

読者との強固な関係が築ければ、記事コンテンツがSNSでシェアされ、自社の商品が購入を検討されることにもつながります。好意度が高く、自社へのロイヤリティが高まるほど、LTV(顧客生涯価値)の向上も見込めるのです。

3.自社のブランディング基盤として利用できる

オウンドメディアは、自社が得意とする分野において、専門家の立場にあることをブランディングするための基盤であるといえます。専門性や独自性の高いコンテンツを発信し続けることで「あの情報といえば、この企業」という認知を獲得することができ、専門家としての地位を確立できます。専門家ならではの意見が求められ、取材依頼を増やす効果も期待できるため、発信の機会の拡大にもつながります。

4.広報PR活動のPDCAをまわしやすい

オウンドメディアは、広報PR活動の中でもPDCAサイクルをまわしやすい手法のひとつです。コンテンツの検索流入やCVR(コンバージョンレート)など数値の分析が可能なので、評価と改善をスピーディーに実施できます。

数値分析を通して、自社のファンである読者への理解も深まるため、オウンドメディア以外の広報PR活動へ活かせることが多いのも大きなメリットです。

5.広告費を削減できる

オウンドメディアを運営することで広告費を削減することが可能です。本来、費用をかけて他社のメディアへの広告記事を作成・掲載しますが、自社のメディアならば自由に制作・掲載ができます。記事制作費は必要ですが、広告費よりはコストを抑えられるのが魅力です。

口コミなどの増加により広告自体が信用されにくいという現状もふまえると、読者に必要とされるかたちで自社の情報を発信できることは、実際にかかる金額以上にメリットが大きいといえるでしょう。

オウンドメディアの始め方5ステップ

オウンドメディアを作るために、企画から記事作成までの流れを5つのステップにまとめました。これから新たにオウンドメディアの立ち上げを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

STEP

1.目的を決める

まずは、どのような目的でオウンドメディアを運営するのかを明確にしましょう。「自社のブランディング」と一言でいっても、何がどのような状態になることを目指すのか、具体化する必要があります。サービスのリード獲得や、ファンづくりなど、設定する目的はさまざまです。

目的が明確でないと、運営方針やWebサイトのデザイン、コンテンツの内容などが決めづらくなります。目的が決まったら、その目的を達成するための中間目標を設定し、運営戦略を作成しましょう。

2.運営方法を決める

続いて、メディア運営方法を決定します。自社のみですべてをまかなう場合と、制作会社などへ外注する場合が考えられるので、自社の状況に合わせて選択しましょう。

自社ですべてを行う場合は、運営ノウハウが蓄積されやすいことが特徴です。コンテンツの数だけでなく、コンテンツ制作の知見もストックできます。さらに、社内のリソースのみを利用するため、金銭的なコストが抑えられるメリットも。一方で、業務が属人化していると担当者の退職によって影響を受けたり、担当者が他業務と兼任していると継続的な更新が難しかったりすることがあります。

外注の場合は、すでに知見を持った制作会社が運営を行うため、短期間でメディアを軌道に乗せられるでしょう。滞りなくコンテンツを配信し続けることも可能です。ただ、自社だけで運営するよりは金銭的なコストがかかり、自社にノウハウを蓄積しづらい懸念点もあります。

3.Webサイトを作成する

運営戦略に基づいて、Webサイトを作成します。Webサイト作成も自社で行う場合と外注する場合が考えられるので、自社の状況に合わせて選択してください。プログラミングの知識がなくても、WordPressなどの外部サービスを利用してページを作成することができます。

デザインなどにこだわらず、先行投資を極力抑えて始めたいという場合は、無料または低コストで企業向けプランが利用できるプラットフォームを活用するパターンも増えているようです。

4.対策キーワードを決める

SEO対策のために強化したいキーワードを決定します。自社Webサイトへの流入増加を狙うためには、より検索ボリュームの多い検索キーワードで検索エンジンの上位に表示されることが必要です。検索ボリュームが多く、競合の少ないキーワードから対策していくことで、効率的な運営が可能になります。

キーワードの検索数や競合になりそうな記事の調査はもちろん、Googleキーワードプランナー、Googleサーチコンソールなどのツールを利用して検索上位が狙えるキーワードを決めていきましょう。

5.記事を作成する

対策キーワードの選定ができたら、記事コンテンツを作成していきます。対策キーワードを意識したタイトルや構成にすことがポイントです。本文中にも対策キーワードを盛り込むようにしましょう。

キーワード以外にも、検索上位に表示されるため、SEOに影響すると考えられるポイントはいくつかあります。

  • 記事全体の文字数
  • 内部リンクの構成
  • メタディスクリプションの設定 など

検索エンジンのアルゴリズムは日々変化するため、記事を公開したあとも検索流入などの数値分析を行い、リライトなどで不備を補い手を入れながら常に対策をとることが重要です。

オウンドメディアを始めるときの注意点

続いて、オウンドメディアを実際に開始するために注意したい3つのポイントをまとめました。あらかじめ想定しておくと、いざというときに慌てずに済むのでしっかり備えておきましょう。

注意点とは?

1.更新頻度を保てる体制づくり

オウンドメディアの更新頻度を保てる体制を整えましょう。コンテンツがストックされるメディアだからこそ、情報が常に最新のものになっていることが、オウンドメディア運営では重要です。自社だけで運営しているとコンテンツ制作が間に合わないときもあり、ライティングなどの一部の業務を外注することで解決できる場合があります。

2.SEOを意識する

SEOを意識したコンテンツを作りましょう。オウンドメディアは、検索エンジンの上位に表示されて流入されてこそ実力を発揮するメディアです。記事の内容が良質であることはもちろんですが、検索上位に表示されなければ読者に見つけてもらうことすらできません。SEO対策を行って、読者の目に触れるコンテンツを作ることを心がけましょう。

3.SNS拡散を意識する

WebサイトをSNSで拡散されるための設計にするようにしましょう。記事コンテンツは、SNSで拡散されることで多くの人の目に触れる機会が生まれます。SNSのシェアボタンを設置したり、最新記事を投稿するためにSNSとの共同運営を行ったりするなど、拡散されるための動線を作るようにしましょう。

オウンドメディアの事例

ここでは、オウンドメディアの事例を3つご紹介します。一口にオウンドメディアと言っても、メディアの運営方針や、記事の作り方などはさまざま。多くの事例を目にすることも、大切なインプットとなります。

北欧、暮らしの道具店|株式会社クラシコム

株式会社クラシコムが運営するECサイトです。商品のストーリーや利用シーンを伝えるオウンドメディアをECサイト内で一体化しています。読者は商品購入後の自分の生活がイメージしやすいため、購買につながりやすい点がメリットです。ほかにもオリジナルドラマやラジオなどテキスト以外のコンテンツ配信を行っています。

株式会社クラシコム
参考:「北欧、暮らしの道具店」スマホアプリが3年で300万DL突破、売上比率65%へ。初のテレビ放送とマーケティングチーム発足で過去最高ダウンロード数を記録。

ウチコト|東京ガス株式会社

東京ガス株式会社が運営するオウンドメディアです。自宅での生活に役立つ、レシピや家事に関する情報を発信しています。東京ガスが提供するガスや電気に関するサービスについて情報を発信することで、ファンを増やしている事例です。

東京ガス株式会社
参考:東京ガス 生活情報メディア「ウチコト」を開設

FEATURES!|株式会社WOWOW

株式会社WOWOWが運営するオウンドメディアで、「コンテンツ&サービス」「テクノロジー」「社会への取り組み」などカテゴリに分けてページを設けています。特に「働く人」では、実際の仕事内容や環境・制度をインタビュー記事として取り上げ、採用面でも読み手にアプローチしているのが特徴です。

株式会社WOWOW
参考:WOWOW公式オウンドメディア「FEATURES!」リニューアルのお知らせ

見つけてもらえるコンテンツを作ろう

オウンドメディアのメリットや実際の運営方法について紹介してきました。検索流入で企業のオウンドメディアを見つけてもらうことで、実力を発揮します。

現在はさまざまなオウンドメディアが運営され、乱立している状態です。どんなに良いコンテンツを作っても、検索上位に表示されて見つけてもらえなければ宝の持ち腐れになってしまいます。読者から見つけてもらえるコンテンツ作りを常に意識して運営をしていきたいですね。

<編集:PR TIMES MAGAZINE編集部>

オウンドメディアに関するQ&A

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この記事のライター

長瀬 みなみ

長瀬 みなみ

ITベンチャーにて広報PRを担当したのち、ヘルスケアベンチャーにて広報PR部門の立ち上げ、ブランド責任者として取締役就任。YouTubeチャンネル運営など、さまざまなメディアを活用した分ランディングや広報活動を行う。独立後は、広報PR・ブランディング・コミュニティ運営など幅広く活動している。これまでの経験から広報・ブランディングに関する戦略立案からプレスリリース執筆まで幅広くカバーしたコンテンツを作っています。

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