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コーポレートサイトに掲載すべきコンテンツとは?広報担当者が押さえる基本から応用まで解説

広報活動には「コーポレート広報」と「サービス広報」があるように、企業のホームページも「コーポレートサイト」と「サービスサイト」に大別されます。

サービスサイトが商品やサービスの魅力を伝える場であるのに対し、コーポレートサイトは企業そのものの姿を示し、ブランドイメージを形成する基盤です。採用候補者、投資家、顧客、メディアなど多様なステークホルダーが訪れる場だからこそ、広報担当者にとって戦略的に関わることが欠かせません。

本記事では、コーポレートサイトに掲載すべき基本コンテンツから応用的な施策までを整理し、広報担当者が押さえておくべきポイントを解説します。

目次
  1. コーポレートサイト(企業サイト)の役割

  2. コーポレートサイトの運用に広報が関わる意義とは?

  3. 【基礎編】広報としてコーポレートサイトに必ず準備しておきたい基本コンテンツ5選

  4. 【応用編】+αで実施したいコーポレートサイトの7つの広報施策・コンテンツ

  5. 広報がコーポレートサイトの運用をするときの4つの注意点

  6. コーポレートサイトの効果測定と改善サイクル

  7. ステークホルダーから信頼を得られるコーポレートサイト作りは広報においても重要

  8. コーポレートサイトに関するQ&A

コーポレートサイト(企業サイト)の役割

コーポレートサイトは、企業の「公式な顔」としての役割を担う重要な情報発信拠点です。サービスサイトが商品やサービスに焦点を当てているのに対し、コーポレートサイトは顧客や生活者、採用候補者、投資家、メディアといった多様なステークホルダーに向け、企業全体の姿を伝える役割を持ちます。そこには会社概要や事業内容、理念、CSR活動、IR情報などが掲載され、信頼できる一次情報源として活用されます。

また、広報の観点からは、コーポレートサイトはメディアが取材時に参照する「広報サイト」としての役割も果たします。情報が整理され、鮮度が保たれていれば、記事化や露出の機会にも直結します。さらに、採用候補者にとっては企業文化や社風を知る窓口となり、投資家にとっては判断材料となるなど、利用者の意思決定を左右する存在でもあります。つまり、コーポレートサイトは単なるプロフィールページではなく、広報戦略の中核として企業の信頼性とブランド価値を形作る基盤なのです。

コーポレートサイトイメージ

コーポレートサイトの運用に広報が関わる意義とは?

前述の通り、コーポレートサイトは単なる会社情報の掲載ページにとどまらず、自社の姿を社会に発信する「広報メディア」としての機能を持ちます。特に、中小企業などでメディアとの接点が限られている場合、コーポレートサイトを通じて情報発信を強化することは、認知拡大や信頼構築に大きく貢献します。

一方で、知名度のある大企業にとっても、広報がコーポレートサイトの運営に積極的に関与する意義は大きいといえます。ブランドメッセージやビジュアルを一貫させることで企業の信頼性を高め、投資家や顧客、採用候補者など多様なステークホルダーとの関係を強化できるからです。つまり、企業規模を問わず、広報担当者がコーポレートサイトを戦略的に活用することは不可欠だといえるでしょう。

【基礎編】広報としてコーポレートサイトに必ず準備しておきたい基本コンテンツ5選

コーポレートサイトには広報として必ず準備しておきたい、5つのコンテンツがあります。以下で紹介する5つの内容が自社のサイトに含まれているのか確認してみましょう。

基本コンテンツ1.会社概要

コーポレートサイトに準備しておきたい1つ目のコンテンツは、会社概要です。

会社概要は、自社に関する基本的な情報を簡潔に記載しましょう。以下のような項目が挙げられているとよいでしょう。

  • 会社名
  • 代表者名
  • 所在地
  • 資本金
  • 設立日
  • 事業内容
  • 取引銀行
  • 役員名 

この他に、電話番号やFAX番号、従業員数、主要取引先、関連企業などの情報も別途追記すると、より信用度を高められます。

基本コンテンツ2.最新情報・ニュースリリース

コーポレートサイトに準備しておきたい2つ目のコンテンツは、自社に関する最新情報です。新商品発売やサービス開始などのニュースリリースや自社に関する最新情報について、コーポレートサイト上にリアルタイムで掲載していきましょう。

最新情報を発信する際は、コーポレートサイトのトップページの目立つ場所に、ニュースのタイトルと日付を付けを掲載するのがおすすめです。

更新が多いほど、丁寧にステークホルダーとのコミュニケーションを取ろうとしている姿勢も伝わるので、定期的な更新を心がけましょう。

基本コンテンツ3.商品・サービスの紹介

コーポレートサイトに準備しておきたい3つ目のコンテンツは、商品・サービスの紹介です。

コーポレートサイトと別に、商品やサービスに関するサービスサイトを運用・制作している場合は、コーポレートサイトから誘導リンクを設置しておくと親切です。

コーポレートサイトに掲載する商品やサービスに関する概要や詳細が、サービスサイトの情報と整合性が取れているか、関係部署とのコミュニケーションや連携をしっかり取ることも念頭におくといいですね。

基本コンテンツ4.IR情報

コーポレートサイトに準備しておきたい4つ目のコンテンツは、IR情報です。特に、上場企業の場合、IR情報はコーポレートサイトに必須の項目でしょう。

投資のプロから一般投資家が見ることを想定して、財務情報や業績情報など幅広く提供し、企業への理解度をより深め、投資対象としての魅力を持ってもらえるページを目指しましょう。

また、別途IRサイトを運用・制作している企業も少なくありません。この場合は、コーポレートサイトに誘導リンクを設定するなどの配慮をし、わかりやすい導線作りを心がけましょう。

基本コンテンツ5.お問い合わせ

コーポレートサイトに準備しておきたい5つ目のコンテンツは、お問い合わせページです。顧客からのお問い合わせのページは、電話番号を掲載するだけでなく、お問い合わせフォームを設けて、いつでも連絡できるようにしておくとよいでしょう。

また、顧客から問い合わせの多い内容をQ&A形式で一覧にして掲載しておくと、顧客が問い合わせることなく疑問を解決することにも繋がり、顧客満足度も向上します。さらに、社内で対応にかかる時間や労力も減るので効率的です。

お問い合わせフォームを設置する際には、お客様の氏名やメールアドレスなど個人情報を受け取ることになりますので、「個人情報保護方針」もあわせて記載することも留意しましょう。

【応用編】+αで実施したいコーポレートサイトの7つの広報施策・コンテンツ

前述の【基礎編】では、コーポレートサイトに必ず入れたいコンテンツを5つ紹介しました。以下では、【応用編】として広報施策の観点から見て取り入れたい+αのコンテンツ7つを解説します。

企業の方針によっては、応用編を充実させたサイトにしたい場合もあるかもしれません。基礎編のコンテンツとのバランスを図りながら、発信したいコンテンツとユーザーに求められているコンテンツの偏りのないサイト作りを意識してみるのも心掛けましょう。

1.企業理念・ミッション・バリュー

企業理念・ミッション・バリューなどをコーポレートサイトに掲載するのも一案です。社内のスタッフが一丸となるための道筋としてだけでなく、一般生活者・顧客・株主などあらゆるステークホルダーに対して企業のスタンスを示せます。

それぞれ似ているようですが、

ミッション=「会社が抱く使命」

ビジョン=「将来、実現したい会社の在り方」

バリュー=「社員が持つべき価値観や行動基準」

といった明確な違いがあります。齟齬なく理解してもらえるように、図やイラストなどを工夫して自社らしさをアピールするコンテンツを目指しましょう。

2.代表メッセージ

創業者や代表の考えや想いを掲載する代表メッセージは、顧客や社外の人が会社のイメージをつかむ手立てになるコンテンツです。

代表者メッセージを確認して、商品やサービスの購入をしたり、商談を検討する際に信用できるかどうかを判断したり、応募を検討している新入社員や中途社員の応募者の判断材料にもなったりと、様々な役割を持ちます。実際にコーポレートサイトの中では、アクセス数も多いページです。

代表メッセージでは、会社や社員に対する想い・お客様への感謝の気持ち・事業を始めたきっかけなどを人柄が伝わるような内容にすることがポイントです。

また、商品やサービスに関するエピソードやストーリーなども盛り込み、読み手をぐっと引き込めるコンテンツを意識してみましょう。

3.最新の採用情報

採用情報もまた自社の強みをアピールできるコンテンツです。募集している職種・求める人材・応募方法・エントリー方法などをわかりやすく掲載しましょう。

募集職種で活躍している社員から新卒・中途入社社員へ、社員の体験談や業務のやりがいなどメッセージを掲載するのもおすすめです。

また、楽しそうに仕事を取り組んでる社員やオフィスの雰囲気など画像も盛り込めば、「ここで仕事がしたい!」「この人たちと一緒に働きたい!」と思ってもらえる機会になります。

より多くの優秀な人材を得るためにも、コーポレートサイトの採用情報は充実した内容にしていきましょう。

4.公式SNSアカウントへの導線

企業がSNSの公式アカウントを所有している場合は、コーポレートサイトとSNSの連携をさせることもポイントです。SNSからコーポレートサイトへのアクセスを高められますし、コーポレートサイトで伝えきれなかったことをSNSで伝えることもできます。

コーポレートサイトには、SNSそれぞれのアイコンを並べて表示させる方法が一般的。サイトのトップページなど目につきやすく気付きやすい場所に設置することがポイントです。

また、アカウントは所有しているけれど実際の運用や更新頻度が充実していない場合は、SNSの運用を見直し、発信力を上げ企業へのエンゲージメントを高め、コーポレートサイトとの連携を効果的なものにしていきましょう。

5.社員ブログ

職場の雰囲気や働く社員のイメージなど会社の魅力を発信できる社員ブログは、コーポレートサイトへのアクセスを伸ばすために欠かせないコンテンツです。

社員のオフィスでの些細な日常や、親しみやすい内容から、企業や取り組み、担当している業務に関する想いなど、働く社員のリアルな雰囲気を知ってもらい自社に親近感をもってもらえるような内容を発信していきましょう。

6.サステナビリティ・CSR情報

近年はESGやSDGsが注目され、企業の社会的責任に関する情報発信が求められています。CSR活動や環境への取り組みをコーポレートサイトに掲載することで、企業の信頼性や好感度を高めることができます。

また、透明性の高い情報公開は投資家や取引先からの評価向上にもつながり、グローバルな競争環境において差別化要素となります。

7.受賞歴・メディア掲載実績

企業が受賞した賞やメディアに掲載された記事をまとめることも効果的です。第三者からの評価や報道は、広報メッセージよりも高い信頼性を持ち、企業価値を裏付ける証拠になります。

特にBtoB企業では、顧客やパートナーが安心して取引できるかどうかを判断する材料にもなるため、体系的に整理し公開しておくことが重要です。

社員ブログ

広報がコーポレートサイトの運用をするときの4つの注意点

最後に、広報がコーポレートサイトを運用するときに知っておきたい4つの注意点を紹介します。

注意点1.企業ブランディングを一貫させる

コーポレートサイトに掲載している情報は、会社概要や企業理念、商品やサービスに関するニュース、採用情報など多岐に渡ります。それぞれのコンテンツやページで伝えているメッセージにばらつきがあると、企業ブランディング自体もブレてしまいます。

トーン&マナーの統一や情報を更新する際のチェックリストなどを作成しておき、発信する中核メッセージの一貫性を重視するようにしましょう。

注意点2.情報の新規追加や更新を怠らない

企業のコーポレートサイトが数ヵ月、または1年以上も古いままの状態であれば、閲覧者(ユーザー)は「この情報は最新のものなのだろうか?」など不安を持たせてしまいます。そして、ホームページの更新ができていないと、顧客を大切にする姿勢や経営状況へ悪印象を持たれる可能性も否めません。

特にニュース欄の更新頻度は重要です。新しい情報をもとにユーザーが問い合わせをしたり、資料請求を行ったりするなど、最終的には商品購入やサービス受注に辿り着く可能性も期待できます。また、お問い合わせに関するQ&Aも、情報の修正や更新の必要があるにもかかわらず情報を古いままにしておけば、混乱やトラブルにも繋がってしまいます。

コーポレートサイトの更新は、あらゆるステークホルダーに安心感や信用できる企業イメージを持ってもらうために重要です。新規顧客の獲得や顧客満足度も見据えた運用を行い、定期的な更新を行いましょう。

注意点3.法令遵守(薬機法・景品表示法など)を徹底する

コーポレートサイトにおける広報活動では、発信する情報が法令に抵触しないか常に確認することが不可欠です。特に医薬品や化粧品、健康食品を扱う場合は薬機法、販促施策では景品表示法に注意が必要です。

法律違反は企業イメージの失墜や行政処分につながる可能性があるため、専門部門と連携し、コンテンツ公開前にチェック体制を整備しておくことが大切です。

注意点4.トラブル発生時のルールを作る

コーポレートサイトでは、「問い合わせのページが繋がらない」や「リンク先が開かない」といったトラブルが起きてしまうこともあります。また、コーポレートサイトの公開やリニューアルした直後はトラブルが頻発することも。

トラブルが発生した際は、第一に経緯を把握し、原因をつきとめ、機能の改善を行う必要があります。スムーズに対応するためにも、日頃からシステムの関連部署やエンジニアチームと連携して、トラブル対応時のマニュアルやルールを作る、エスカレーション先を明確にしておくなど、コミュニケーション方法を明確にしておきましょう。

コーポレートサイトの効果測定と改善サイクル

コーポレートサイトは作って終わりではなく、運用を通じて効果を測定し、改善を繰り返すことで成果を最大化できます。アクセス数や問い合わせ数といった指標を定期的に確認することで、広報施策やブランディング活動がどの程度効果を発揮しているのかを可視化できます。広報担当者が主体的に分析と改善を繰り返すことで、サイトを企業の成長に活用していきましょう。

最後に、コーポレートサイトの運用サイクルについて解説します。

アクセス解析での閲覧数・滞在時間の把握

コーポレートサイトでは、Googleアナリティクスなどの分析ツールを活用し、閲覧数やページごとの滞在時間を分析することは必須です。特に、会社概要や採用情報などの重要ページでの離脱率が高い場合は、コンテンツの分かりやすさや導線設計を見直す必要があります。

数字だけでなく、ユーザーがどのページを起点に訪れ、どのページで興味を失っているかを把握することで、改善点を具体的に導き出せます。

閲覧数だけではなく、クリック数や、ダウンロード数などの数値がわかるように分析環境を整えておきましょう。

問い合わせ件数・採用応募数との関連測定

広報サイトの役割は閲覧数の増加だけでなく、問い合わせや採用応募といった具体的な行動につなげることです。問い合わせ件数や応募数を定期的にトラッキングし、どのページやコンテンツが成果に寄与しているのかを測定しましょう。

特定のプレスリリースや事例紹介ページが応募増に貢献している場合、そのフォーマットを横展開することで成果を再現でき、広報活動全体の効率を高められます。

定期的なサイト改善と情報拡充のサイクル構築

コーポレートサイトは、公開直後が完成形ではなく、定期的な改善と更新によって価値を高めていくものです。半年に一度のペースでサイト全体をレビューし、情報の鮮度や表現方法を見直す体制を整えることが望ましいです。

さらに、新規事業やCSR活動、採用情報の更新などを適切なタイミングで追加することで、常に最新の企業像を発信できます。この改善サイクルを回すことで、広報活動の効果が継続的に高まります。

ステークホルダーから信頼を得られるコーポレートサイト作りは広報においても重要

企業に関するあらゆる情報を発信するコーポレートサイトは、今や会社の顔としてなくてはならない存在になっています。インターネット上での広報、マーケティングやセールスが当たり前になっている今、しっかりとしたコーポレートサイトの制作、運用は企業にとって重要です。

本記事でお伝えしたコーポレートサイトを作成する際に取り入れたいコンテンツ内容やポイントを参考にし、社内だけでなく、社外のステークホルダーにも有効なアプローチができる、充実したコーポレートサイトを作成したうえで広報活動に取り組んでみてはいかがでしょうか。

コーポレートサイトに関するQ&A

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この記事のライター

マッケンジー友紀

マッケンジー友紀

会社員時代に、化粧品、時計、ファッションの広報を経験。ピラティストレーナーをしながら2016年、PR TIMESのプレスリリース作成チームにジョイン。2020年からはPR TIMES MAGAZINEのメンバーに。公式Twitter@PRTIMESMAGも担当しています。広報PRに従事する人の多彩なポテンシャルを開花するようなコンテンツを目指したいです!

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