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飲食・フード業界向け月別PR施策12選|季節別イベント・キャンペーン企画

1997年、29兆円あった外食産業市場は、2000年以降20年以上、27兆円を下回り続けています(※)。また、コロナ禍の規制緩和、価格改定による一次的な顧客単価増の影響で売り上げは新型コロナウイルス感染症が拡大する前の2019年と比較しても回復していますが、円安の影響が重くのしかかっています。

このような状況下で大切なことは、新たに外食する機会を設けてもらい産業自体を活性化させること。そのためには、顧客のニーズに応え、メディアや地域を巻き込んでいくことが大切です。

本記事では、飲食店がPR施策を考える3つのポイント、飲食店向けの季節に合わせたPR施策を事例とともにご紹介します。

※一般社団法人日本フードサービス協会「JF外食産業市場動向調査」より

飲食・フード業界がPR施策を考える3つのポイント

最低限、押さえておきたい飲食・フード業界向けのPR施策を考える際のポイントは以下の3つです。

ポイント

ポイント1.顧客にニーズがあること(顧客目線)

PR施策がどんなに優れていても実施タイミングがずれたり、訴求したい顧客にとって魅力的でなかったりすると意味がありません。訴求したい顧客層の生活をイメージし、顧客が喜ぶ内容になっているか、メリットがあることは何かを考えてみましょう。

ポイント2.通常の運営に負荷がかからないこと(自社目線)

PR施策を実施するための予算、店舗の運営を十分に加味した内容にする必要があります。特に、継続して稼働していないスタッフが多い、経験が浅いスタッフが多い場合はオペレーションや人員配置、シフトもあわせて検討しましょう。

ポイント3.ニュース性があること(社会目線)

「新メニューが出ました」「○○キャンペーンを始めました」だけでは、なかなかニュースになりません。メディアに取り上げられるには季節感や時流があること、社会背景があることが重要なポイントのひとつです。

(例)

  • 自然災害で農作物に影響があった →農家の支援になるような企画
  • 家計が苦しい人が増えた →低価格企画/あえてのプチ贅沢企画
  • 個食が増えた →おひとりさまプラン/あえての団らんプラン

また、1点目の顧客のニーズにもかかわるポイントです。生活者の消費行動は、モノ消費からコト消費、トキ消費に変化しています。消費行動、社会的背景を踏まえ、ニュース性のあるPR施策を実施しましょう。

以下の記事では、PR施策に役立つ「メディアフック」について解説しています。

月別飲食・フード業界向け季節に合わせたPR施策

まずは、季節に合わせたPR施策を月ごとにご紹介します。

1月|名前を忘れていても大丈夫! グラスチャームプレゼント

久しぶりの再会や大人数の会食の際に、「顔はわかるけど名前なんだっけ……」という経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか。グラスチャームを用意することで、自然に会話することができ、その会の記念品としても持ち帰ることができます。また、チャームを作製する都合上、通常よりも早い予約受付のアプローチもできます。

企画内容:団体利用の来店者にグラスチャームプレゼントプラン
顧客目線:当日の会話促進、記念になる
自社目線:準備工数はかかるものの、事前に予約を確定できる
社会目線:トキ消費(その時/その場にいた人だけの限定という点が訴求ポイント)
訴求対象:毎年大人数での利用が予想される団体客、帰省が多い地域の幹事役
使用シーン:新年会、忘年会、同窓会

2月|肉の日(2月9日)に合わせて「利き肉」プラン

肉の日に合わせ、「利き肉」勝負など参加型の企画。例えば3つの部位を用意して、それぞれを実食し当てるというもので、当たった部位は1皿半額提供、外れた場合は2人前必須注文、など外れても顧客の負荷にならない程度の注文促進を条件とします。そのほか、年中ある記念日「○○の日」にちなんだ催しは、どのような業態の飲食店にもおすすめのPR施策です。

企画内容:「利き肉」勝負で勝てば半額、負ければ2倍の量で2倍の金額プラン
顧客目線:参加型、損はしない
自社目線:来店促進、注文促進できる
社会目線:記念日(メディア目線だが、記念日に合わせた企画はスポットで取り上げられる)
訴求対象:友人、同僚、これから交流を深めたい人
使用シーン:問わない

関連リンク:今日は何の日 | PR TIMES MAGAZINE

ステーキイメージ

3月|桜肉を味わうインドアお花見プラン

桜の開花時期は早まり、東京都では3月に満開を迎えることが多くなりました。東京都の3月の平均気温は1桁になることは少なくなりましたが、それでも10〜12℃(※)。外でのお花見は冷え、桜の名所と呼ばれる場所はコロナ禍を除くと多くの人が訪れており、長時間の滞在はしづらいものです。屋内でお花見を体験できる空間をつくることで、その課題を解消し、話題になった事例もあります。

<参考>

また、お花見にちなんだメニューを出す飲食店は多いはず。桜やイチゴなど、お花見を連想させる華やかなメニューはもちろん、脂肪を蓄え冬を越した春の馬肉(桜肉)や春が旬のサクラエビ、春に獲れるマダイ(桜鯛)など、「桜」のキーワードかつ旬のメニューを加えるのはいかがでしょうか。

企画内容:店舗全体をお花見空間に、桜肉(桜にちなんだ)メニュープラン
顧客目線:お花見のイベントを室内で楽しめる
自社目線:来店促進
社会目線:季節イベント、意外性・変化、キャッチ(花見は外で行うものという逆説を活かす、コロナ禍の心境調査があれば変化を表現する、「花より団子」などのキャッチをつくる)
訴求対象:友人、同僚、これから交流を深めたい人
使用シーン:問わない

※国土交通省気象庁「東京 日平均気温の月平均値」より

4月|料理が苦手な新社会人も安心/定額プラン・サブスクプラン

新しい生活が始まり、忙しくなる4月。食事に時間がかけられない、少しでも楽をしたいなど、自炊を軽減したい方に向けたプランです。

また、新たに入学した方に向けた新歓、新たな入社、配属者の歓迎会や新しい部署でのキックオフなど、会食も多くなる月です。個人で食べるときは健康に気を使ったものを食したい方向けというアプローチ、外食が続くことで食費は抑えたい方向けに食べ放題というアプローチなど、その時期に合わせた訴求をしましょう。

<参考>

そのほか、大人数での催しも多くなる月です。1月、12月の事例もあわせて参考にしてみてください。

企画内容:定額で毎日食べられる満腹プラン、環境の変化も気づかう安心プラン
顧客目線:割安に利用できる、手間が省ける
自社目線:売り上げが安定する、長期利用が見込める
社会目線:サブスク、健康志向、家事代行、賃金停滞……などの社会問題からさまざまな切り口
訴求対象:新社会人・新入生、健康志向の人、共働き子育て世代など
使用シーン:問わない

5月|母の日に親子で料理教室プラン

お店のレシピを自宅でつくれるように教える料理教室プランです。食事に加え、一緒につくるという体験も提供できます。飲食店からすると、普段外食しない顧客層にお店を知ってもらうきっかけになるかもしれません。

企画内容:普段外食しない母に体験をプレゼント、親子での料理教室プラン
顧客目線:通常と少し異なる贈り物になる、当日の食事だけでなく、自宅でも活かせる
自社目線:新規層の獲得、既存顧客・ファンの満足度向上
社会目線:トキ消費(その時/その場にいた人だけの限定という点が訴求ポイント)
訴求対象:普段外食をあまりしない人、既存顧客
使用シーン:家族や友人のお祝い、料理教室としての楽しみ

6月|雨が多い季節は室内で推し活応援プラン

推し活のジャンルはアニメ、アイドルだけでなく、鉄道や飛行機などの乗り物、観光地、歴史、城……多数あります。普段、自宅では楽しめない推し活の時間を過ごせるプランを検討してみてはいかがでしょうか。映像を投影できたり、大きな音量が許容される環境は重宝されます。通常夜のみの営業の店舗は、推しのカラーのケーキをはじめ、前日に準備できるものに限定し、食事提供をメインにしないことで仕込みもできます。そのため、客席の開放、前日と当日開店前の片付けを行えば、時間を有効に使うことも可能です。

企画内容:空き時間を好きなだけ使える推し活プラン
顧客目線:大好きな推し活が大音量でできる
自社目線:新規層の獲得、入りづらい時間帯対策、単価アップ、話題性(ライブやCD発売などイベントとの相互作用が期待できる、SNSに投稿される可能性が高い)
社会目線:トキ消費(その時/その場にいた人だけの限定という点が訴求ポイント)
訴求対象:推し活に興味のあるミレニアム世代、海外(日本限定の特典により)
使用シーン:推しのバースデイ

7月|健康的に歩いた分だけお酒を楽しむ街散策プラン

汗ばむ時期になり運動を避ける一方で、冷たいお酒がおいしく感じる季節。健康を促進し、来店時の歩数や街の散策をした方向けのプランを用意してみてはいかがでしょうか。

(例)

■1日の歩数1万歩以上で1杯サービス
■地域の御朱印3つ提示でデザートプレゼント(神社が有名な地域)
■スポットで撮影した写真3枚提示で5%OFF(観光スポットがある地域)

<参考>

告知する際は、単なる顧客向けの特典と打ち出すのではなく、「歩く=健康」「お酒≠健康」、「神社=神聖」「高カロリー(背徳)≠神聖」など、意外性をつけて訴求しましょう。

企画内容:歩数に応じて&街散策でお得プラン
顧客目線:通常の外出をイベント化できる、知らない街への外出など、新たな選択肢ができる
自社目線:新規層の獲得、話題性(イベントとの相互作用、SNSの投稿も期待できる)
社会目線:地域性・季節性(ひとつでは話題になりづらい内容も、かけ合わせて訴求強化)
訴求対象:友人、パートナーと外出を検討している人
使用シーン:友人、パートナーとの食事

8月|人手不足の飲食店を応援!ホール・キッチンECOプラン

学生アルバイトや主婦・夫の就業比率が高い飲食店は、8月はじめ、定期的に人手不足になったり、シフト調整に悩まされたりしているのではないでしょうか。その状況を逆手に取って、キャンペーンとして打ち出すのがこのプラン。店員の工数を削減できるものに限り、特典を設定します。

(例)

■1日マイグラスプラン:グラス交換をなくし、食器を洗う手間を削減
■店長お助けプラン1:カウンターで手渡しし、配膳する手間を削減
■店長お助けプラン2:使用済み食器を下げ、片づける手間を削減

企画内容:ホールとキッチンの人手不足解消プラン
顧客目線:低コストで楽しめる
自社目線:新規層の獲得、観光地トピックが少なくても自らつくれる
社会目線:地域性、時流・季節性
訴求対象:ひとりでの食事、友人との飲み会
使用シーン:敬老の日、ほか記念日

ビールやサワーをサーバーから注ぐ、という点をお客さまにお任せしているお店もあります。単なるサービス特典に終わらせず、店舗とのかかわりを持ってもらうことでロイヤルティー向上にもつなげたいものです。

9月|長寿1位(※1)の滋賀県食材「近江牛」でお祝いプラン

毎年9月の第3月曜日は敬老の日。両親にプレゼントをしたり、家族で食事をする人に向け、メッセージ性のあるプランを考えてみるのはいかがでしょうか。男性の平均寿命が5年に一度の統計調査で2回連続1位、女性も最新調査で2位の滋賀県。近江牛という特別感もあるメニューを加えることで、お祝いにふさわしいものになるでしょう。

<参考>

また、記念日に合わせたプランはほかにもたくさん検討できます。

  • 女性の長寿1位の岡山県名物ばらずしテイクアウト
    母の日のプレゼントにお子さまから「ありがとうと元気でいてね」の気持ちをこめて
  • 離婚率が最も低い1位(※2)の新潟県食材を活かしたプラン(のどぐろやベニズワイガニ)
    ご両親の結婚記念日にお子さまから「ずっと夫婦円満でいてね」の気持ちをこめて

企画内容:滋賀の食材で長寿のメッセージを、産地にあやかりプラン
顧客目線:プレゼントにメッセージをこめられる、記念日などの時にイベント化しやすい
自社目線:新規層の獲得、観光地トピックが少なくても自らつくれる
社会目線:地域性、時流・季節性、最上級・希少性、逆説……など、メディアフックの切り口は無限
訴求対象:誕生日、結婚記念日、旅行したいが行動に移せていない人
使用シーン:敬老の日、ほか記念日

※1 厚生労働省「令和2年都道府県別生命表の概況」より
※2 厚生労働省「令和4年度 離婚に関する統計の概況」より

10月|食欲の秋は食べて地元を応援、ご当地からあげ対決

どの料理が一番売れるかを競う、店舗も盛り上がる対決です。売上個数、売上金額、食べた後の満足度……など、複数の1位を決めてもよいかもしれません。

ザンギ(北海道)、せんざんき(愛媛)、中津からあげ(大分)など有名なからあげをメニューに。からあげとは少し違いますが、手羽先(愛知)、とり天(大分)、チキン南蛮(宮崎)も一緒に並べることもできそうです。

そのほかにも、店舗運営の点で問題なく、共通点がある料理を検討してみてください。

(例)

■肉料理対決
牛部門:牛タン(宮城)、シロコロホルモン(神奈川)、肉豆腐(京都)
豚部門:焼き豚玉子飯(愛媛)、豚バラ焼き鳥(福岡)、黒豚とんかつ(鹿児島)
鶏部門:骨付鶏(香川)、今治焼き鳥(愛媛)、とり皮(福岡)
その他:ジンギスカン(北海道)、くじら(尾の身)の刺身(和歌山)、馬刺し(熊本)

■魚料理対決
かつおのたたき(高知)、じゃこ天(愛媛)、かきフライ(広島)、いかしゅうまい(佐賀)、

■鉄板焼き対決
鉄板イタリアン(愛知)、山芋鉄板(福岡)、鉄なべ餃子(福岡)、鉄板焼き肉(福岡)、地鶏の炭火焼き(宮崎)

■鍋料理対決
ちゃんこ鍋(東京)、赤から(愛知)、ちりとり鍋(大阪)、湯豆腐(京都)、もつ鍋(福岡)、水炊き(福岡)

■〆対決(ご飯)
鯛のだし茶漬け(静岡)、肉巻きおにぎり(宮崎)、鶏飯(鹿児島)、ジューシー(沖縄)

■〆対決(麺)
信州そば(長野)、ごぼ天うどん(福岡)、辛麺(宮崎)

<参考>

人手が足りず、メニューを増やすなど煩雑な運営が難しい場合は、北海道コース、金沢コース、広島コース、福岡コースなどエリアごとのコースメニューにしてもよいかもしれません。

企画内容:からあげの一番を決めるご当地対決プラン
顧客目線:地元の料理が味わえる、会話のきっかけになる
自社目線:新規層の獲得、トピックが少なくても自らつくれる
社会目線:地域性、対立
訴求対象:友人、同僚
使用シーン:問わない

食欲の秋イメージ

11月|親しい仲間と早期忘年会プラン

忘年会シーズン、年末の締め業務で多忙になる12月は、仕事関係者との予定で埋まってしまう方も多いはず。そんな方たち向けに、親しい方との時間を大人数で楽しめるプランを提案してみましょう。

(例)

■〇〇(店名)が名前につく方の人数分、デザートプレートプレゼント

■5人以上でビールサーバー貸し出し無料

企画内容:早期忘年会プラン
顧客目線:忘年会プランが少ないなかでお得、11月に集まるきっかけになる
自社目線:繁忙期以外の集客ができる
社会目線:季節性
訴求対象:友人、同僚
使用シーン:問わない

「#ハッシュタグ」をつけた投稿を促進している飲食店も多いと思いますが、このプランの場合、当時と当日の写真と合わせて投稿してもらうなど、プランの特色を出したものを目指しましょう。

12月|帰省者が主役、地元におかえりプラン

帰省で多くの人が地元を訪れる12月。帰省者とひとくくりにはできませんが、自店にとって訴求したいグループ像を想像して、家族や友人たちと楽しめるプランを考えてみてはいかがでしょうか。

どんな方を対象にするか考えるには?

  • 親族の集まり向け×人数(少人数/大人数)
    ──少人数の親族世帯(親子とおじいちゃん・おばあちゃんのグループ)
    ──複数家庭が集まる親族世帯(兄弟・姉妹の家族も一堂に集まるグループ)
  • 友人向け
    ──少人数(幼稚園から一緒など、親しい仲間のグループ)
    ──大人数(部活やゼミの世代を超えたグループ)

企画内容:地元出身の証明と現住所を提示して特典が得られるおかえりプラン
顧客目線:自宅で食事を用意する手間が省ける、地元に戻る友人へのサプライズになる
自社目線:(地方の飲食店は)普段以上の集客が期待できる
社会目線:季節性
訴求対象:家族、友人
使用シーン:帰省する家族、友人との食事

飲食店がPRを企画・実施する流れ

ご紹介した事例を参考に、自社の店舗で実施するPR施策を考えてみましょう。企画・実施する際の3つのステップを解説します。

1.目的を定め、目標を決める

さまざまな課題や自店の考えがあると思います。実施するプランを通して何を実現するか、何を目的とするかを考えましょう。

(例)

  • 新規顧客の獲得(今は男性30代が多いが、女性30~40代にも訴求したい)
  • リピート数向上(大人数利用の後、個人的な少人数での利用につなげたい)
  • 1人当たりの利用金額増(食事がメインでもう少し長い時間楽しんでほしい)

また、実施後にその企画を継続するのか、別の企画を行うのか、はたまたやめるのか。目標を決め、振り返り、次につなげられるようにしましょう。

2.訴求したい顧客層と利用機会を決める

年代(何歳くらいか)、属性(大学生、会社員、主婦・夫なのか)、仕事の状況(アルバイトの状況や正社員の場合の業界)、一緒に住んでいる構成、生活環境などを踏まえ、具体的にどんな人に訴求したいかを決めます。あわせて、その人がどんなシチュエーションで利用するのかも考慮しましょう。

3.対象者に知ってもらえる訴求を検討する

1「目的・目標」、2「顧客層・利用機会」に沿ったPR施策ができたら、あとは多くの人に届けるために、訴求するのみです。新しい顧客層を開拓するのか、現在と同じ顧客層に対し、より深くアプローチするのか。自店に合った訴求を検討しましょう。

  • LINE・Facebook:来店したことがある人(完全顕在層)
  • Instagram:過去の来店有無にかかわらず、その地域で飲食店を探している人(ほぼ顕在層)
  • SNS/Web広告:行動に沿った広告出稿のため、比較的ニーズがある人(潜在層に近い顕在層)
  • チラシ:来店の可能性が高い地域すべての人(顕在層に近い潜在層)
  • 口コミ:その時に飲食店を探していなくても、いつか来店する可能性がある人(ほぼ潜在層)
  • テレビCM:SNS/Web広告と比較して制限をあまりしない、とにかく多くの人(完全潜在層)

広告を利用せず、多くの人に訴求できるのがプレスリリースです。しかし、新規性、ニュース性がないと目に留まらないため、企画の段階からどう訴求するかも念頭に入れておきましょう。

飲食店がプレスリリースを配信するメリット

ここでは、広告を使わずに多くの人に訴求することができるプレスリリースのメリットを紹介します。ほかの訴求手段とあわせて検討してみてください。

新たなお客さまの獲得につながる

プレスリリースを配信することで、メディア掲載につながる可能性があります。第三者の客観的な視点で情報発信されるため、単純に多くの人に知ってもらえるだけでなく、信頼も生まれます。また、生活者も自ら情報を得やすくなった時代。Web検索やSNSからプレスリリースの情報を得ることも多くなりました。

そのため、企画の内容によっては、全国から新しいお客さまの来店につながります。また、生活圏内にいるにもかかわらず、これまでは来店していなかった人に知ってもらうきっかけにもなるでしょう。エリアを問わず、多くの人に知ってもらうことで、新たなお客さまの獲得につながります。

競合店舗と差別化ができる

生活者自らが情報を得やすくなった一方で、似た業態や価格帯が並ぶと、なかなか差別化を図ることができません。

  • なぜ、この土地で開業したのか(地元の住人からの声・要望、シェフの出身、食材の仕入れのこだわりなど)
  • なぜ、この業態・メニューなのか(修業した業態を活かした、受け継いだタレの話など)
  • なぜ、この食材なのか(使う食材・仕入れ先のこだわり、時期によって変える食材の話など)

自らが発信しないと知られることのない、自店の想いやメニュー開発の背景などを伝えることで、値段や立地だけではないほかとは異なる魅力を伝えることができます。

めずらしい料理・業態を知ってもらえる

Webやアプリで情報を得る機会が増えると、検索条件から漏れ、目に留まる可能性すらなくなってしまうことが多々あります。特に、めずらしい料理や業態、普段人通りが少ないエリアなどは、まずは知ってもらうことが必要です。プレスリリースを配信し、メディア掲載から生活者へ、またWebやSNSで広く生活者へ直接、認知拡大が期待できます。

関連リンク:飲食 | PR TIMES MAGAZINE

プレスリリース

新しい取り組みにニュース性を持たせて発信してみましょう

外食する機会を設けてもらい産業自体を活性化させるため、また、そのなかで自社の顧客集客につながるよう差別化させるために、季節に合わせたPR施策は有効な手段のひとつです。

飲食店がPR施策を考えるポイントである「1.顧客にニーズがあること(顧客目線)」「2.通常の運営に負荷がかからないこと(自社目線)」「3.ニュース性があること(社会目線)」はすべて重要です。1、2は実現できるがニュース性がなくPRにならないケース、3を意識しすぎて1、2が欠けているケースが見受けられるため、3点は必ず意識し、自社でできる施策を検討してみてください。

そして、訴求するときは固定概念を捨て、これまで実施していない方法も含め、目的・目標にあった手段で発信してみましょう。

飲食・フード業界向けのPR施策に関するQ&A

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この記事のライター

丸花 由加里

丸花 由加里

PR TIMES MAGAZINE編集長。2021年、PR TIMESに入社し、「PR TIMES MAGAZINE」、ご利用企業向けのコミュニティイベント「PR TIMESカレッジ」の企画・運営を行う。2009年に新卒入社した大手インターネットサービス運営会社では法人営業、営業マネージャーとして9年半、その後オウンドメディアの立ち上げに参画。Webコンテンツの企画や調査設計に携わる。メディアリレーションズを主とした広報を経て、現職。

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