
「野菜フライ」の日
8月23日は「油の日」。今回は「油の日」の意味や由来を解説します。
また、「油の日」をきっかけに広報PR活動を行う効果やポイントと、広報PRのヒントになる事例もご紹介。
広報やマーケティングネタを探している方、特に飲食業界の方や、油の開発・製造事業に関連する企業の方は、ぜひ参考にしてみてください。
8月23日は「油の日」。京都府大山崎町の離宮八幡宮と、油脂事業を展開するカネダ株式会社が共同で制定しました。
日付は、859年(貞観元年)の8月23日に、宇佐八幡宮が九州から大山崎に遷宮された出来事にちなんでいます。日本の精油発祥の地といわれる離宮八幡宮をきっかけに、さまざまな油について考えるきっかけにしてもらうことが、記念日制定の目的です。
日本で製油が本格的に行われるようになったのは、荏胡麻(えごま)油の製造が発端とされています。現代では菜種油がポピュラーですが、国産の油はもちろん、海外製の商品を紹介したり、自社で取り扱っている材料について発信したりといった広報PRに有用な記念日といえるでしょう。
記念日は、一般社団法人・日本記念日協会により認定、登録されました。
「油の日」は、メディアがトレンドとして取り上げやすいテーマです。プレスリリースを始め、「油の日」に関する自社の取り組みを発信することで、普段は接点が少ないメディアの目にも届く可能性が高まります。
特にSNSの場合、時節やトレンドにあった内容は、企業アカウントの投稿も受け入れられやすいもの。「油の日」をネタにした投稿は、ステークホルダーとのコミュニケーションを取りやすく、自社に親しみをもってもらえるきっかけになります。
自社プロダクトやキャンペーン、自社の取り組みなどを合わせて紹介することで、より自社のことを知ってもらえるチャンスが生まれるでしょう。
「油の日」をきっかけとした広報PR活動は、以下の流れで行うことが一般的です。
STEP1.「油の日」の由来や、意識調査などから情報収集を行い、今年の傾向を掴む
STEP2.コミュニケーションを取りたいターゲットやゴールを決める
STEP3.自社サービスやプロダクトと「油の日」をかけ合わせ、発信内容を検討する
STEP4.発信するコンテンツを作成する
STEP5.媒体を選び情報発信する
特に、メディア関係者に届けたい場合はプレスリリースの配信がおすすめです。生活者とカジュアルにコミュニケーションを取りたい場合はSNSを活用するのもよいですね。
トレンドキーワードを元に、広報PR活動に落とし込む詳細は以下の記事からご確認ください。
「油の日」を具体的にどのように広報PRに活かすのか悩む方も多いでしょう。
次に、これから「油の日」に関するイベントやキャンペーンなどを検討する際の参考になる事例と、GOODポイントを紹介します。記念日に関した事例ではないものも、今後「油の日」を広報PRに活かすうえでヒントになるでしょう。
有限会社影山製油所は、クラウドファンディングサイトMakuakeにて「隠岐の島 菜種油」を先行販売することをプレスリリースで発表しました。ユネスコ世界ジオパークに認定されている隠岐の島で栽培した、希少な純国産菜種を原料とし、伝統の圧搾製法で丁寧に搾られた菜種油です。
プレスリリースでは、プロジェクト背景や商品の希少性・独自性を説明し、さらに常葉大学の学生との産学連携によるパッケージデザインをサブタイトルや画像も交えて紹介しています。商品のストーリーやデザイン面まで丁寧に伝えることで、価値や魅力を際立たせている点が参考になります。「油の日」との直接的な関連付けはないものの、限定性を打ち出すことで商品の訴求力を高める構成となっており、記念日施策以外でも活用できる好事例といえるでしょう。
参考:影山製油所「隠岐の島 菜種油」をMakuakeにて先行発売 〜 ユネスコ世界ジオパーク・隠岐の島で育てた「日本で1%未満」の純国産菜種を、出雲の老舗製油所が伝統の圧搾製法で丁寧に搾油。
国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所は、共同研究により、植物油に含まれるオメガ3脂肪酸などの多価不飽和脂肪酸を完全固相合成する方法を開発。さらに、この技術を用いて新しい抗炎症性脂肪酸を発見したことをプレスリリースで発表しています。
プレスリリースでは、研究成果のポイントを箇条書きで整理し、読み手の理解を促しています。加えて、従来の課題や今回の発見の意義、今後の展望までストーリー性を持たせて紹介。研究成果の背景と意義をわかりやすく伝えている点が参考になります。「油の日」との関連付けはありませんが、研究成果や調査結果をタイミングに合わせて発表する構成として応用できる事例です。
参考:オメガ3脂肪酸などの迅速精密合成法の開発と 新しい抗炎症性脂肪酸の発見
株式会社ウテナは、高知県北川村産のゆずを使用したサステナブルヘアケア「ゆず油」シリーズから新商品「ゆず油/ヘアミルク」を発売することをプレスリリースで発表しました。
プレスリリースでは、シリーズ全体の累計販売数やSNSでの反響を取り上げ、話題性を伝えています。新商品の発売をきっかけにシリーズ全体の認知拡大につなげる構成になっている点が参考になります。記念日に合わせた配信ではありませんが、新商品を軸にブランド全体の価値を印象づける手法として活用できる好事例です。
参考:サステナブルヘアケア「ゆず油」シリーズから、タンパク質ケア&ボンドリペア発想の「ゆず油/ヘアミルク」が9月1日に新登場!
8月23日の「油の日」は、料理酒をはじめとする油製品に注目が集まりやすい日です。食品の製造に携わっている方や、一般家庭向けの製品開発・販売をなどを行う企業の方にとっては特に、「油の日」を切り口として自社商品・サービスの魅力を伝える良い機会になるでしょう。
お伝えした事例を参考に、ぜひ自社商品・サービスと「油の日」をかけ合わせた広報PR施策を考えてみてください。
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