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時節のあるワードにイマドキな仕掛けがニクイ!3月に使える「卒業」プレスリリース事例

冬の終わりを迎える2月と春の始まりの4月の狭間である3月は、生活環境にも変化を迎える季節です。そんな3月に頻出するワードが「卒業」。今年は新型コロナウイルスという目に見えない脅威に対する懸念から、思いがけないかたちで、この卒業シーズンを迎えられている人も多くいることでしょう。

本来であれば、卒業旅行や卒業記念の遠出など、仲間と過ごす思い出作りのイベント情報や卒業生に向けたキャンペーン企画のプレスリリースが増加しますが、今年はやはり限定的に配信されている状況です。

そのような中でも、卒業を迎える人や大切な人が卒業という節目に当たる人々に対して、どんなエールを送るのか。そんな気持ちを例年以上に込められるのが卒業に関連するプレスリリースではないでしょうか。

既存のプロダクトにバリエーションを持たせたり、新たな企画を打ち出したりと思考を凝らして卒業の持つ淋しさ華やかさをプレスリリースに反映してみてはいかがでしょうか。

今回は、プロダクトエールの送り方も企業らしさが垣間見える卒業にまつわるプレスリリースの中から、PR TIMES MAGAZINE編集部がピックアップした2019年3月配信の株式会社ECCさんのプレスリリースを事例として紹介します!

◆株式会社ECCさんのプレスリリースはこちら
東大生が中高校生に贈る「#平成最後の卒業試験」~あなたは解ける?天才による超難解クイズ~

思わずSNSでシェアしたくなる!株式会社ECCの「卒業」プレスリリース事例

株式会社ECCの渋谷駅キャンペーンのプレスリリース画像

今回の注目事例は、株式会社ECCさんの卒業に関連するプレスリリース。株式会社ECCさんが運営するECC外語学院は、2019年4月より高校生向けの英会話カリキュラムの提供を開始しており、2019年に初めてプログラム展開後の卒業シーズンを迎えました

このタイミングにちなんで中学校、高校を卒業する人々へ向けたメッセージを教育事業を運営する企業らしくクイズ形式を絡めて送ったのが今回のプレスリリースの企画です。

JR渋谷駅や首都圏内の高校通学路の交通広告、特設キャンペーンサイトにてクイズを掲載し、Web上で回答をしてもらう読み手の参加型の本企画。さらにプログラム展開後初となる記念すべきタイミングで、自社らしくクイズを盛り込んだ企画になっています。

企画内容に参加する多くの人がSNSで反応し、その様子をメディアが取り上げていました。


このプレスリリースの人気の理由を紐解いてみたところ、

  • イマドキな仕掛けを組んだタイトル
  • コアターゲット以外にもヒットする設計
  • アクションを起こしやすいまとまった構成

の3つのポイントが見えてきました。

GOODポイント1:イマドキな仕掛けを組んだタイトル

「#平成最後の卒業試験」とハッシュタグをタイトルに盛り込んでいるのが特徴的な同プレスリリース。このハッシュタグをタイトルへ含むことにより、SNSに関連する参加型キャンペーンであることが自然と想起できるようになっています。

参加型キャンペーンは生活者の需要も高く、キャンペーン前から期間中、キャンペーン後と継続的な話題となるので、メディアも取り上げやすい切り口です。企画や運用に力もいりますが、ここぞという時にはぜひ活用したいもの。

特によくあるのが、キャンペーンの応募条件として「指定のハッシュタグをつけて、SNSのフォローやシェアでエントリー」という手法です。この手法は自然と応募している人のSNSから情報が広がっていくため、多くの人の目にもとまりやすくなります

ただ、よく見て頂きたいのが今回のキャンペーンの応募方法。実は、同キャンペーンの応募資格はキャンペーンサイトによる解答と応募で実際にSNSを活用しなければならない条件はついていません。

このプレスリリースの面白い結果としてSNSでのシェアが必須でないにも関わらず、結果的に「#平成最後の卒業試験」のハッシュタグはキャンペーン参加者で盛り上がる形になりました。ひと工夫で自然と参加者がSNSに投稿したくなる、仕組みづくりは、まさに工夫を凝らした仕掛けの賜物ではないでしょうか。

企画名の巧妙さとそれをプレスリリースのタイトルにも用いることによって、情報拡散力がグッと増した好事例です。

GOODポイント2:コアターゲット以外にもヒットする設計

高校生に向けた英会話カリキュラムを展開する事業内容の特徴を活かしつつ「謎解き」ブームも交えた企画が目を惹きます。さらに、テレビ番組などに出演歴のある話題の東大生とタッグを組むことにより、大人でも楽しめるしっかりと作りこまれた企画が多くの人の目にとまった好評ポイントではないでしょうか。

キャンペーン賞品に無料受講権が含まれているように、実際の応募条件は関東エリアの学院に通学可能な高校生であることなど対象者がかなり限られたものになっています。しかし、老若男女問わず楽しめるクイズ形式によって対象者以外の幅広い層で話題になりました

キャンペーンを打ち出す際はターゲット層をしっかり絞りこんで親和性の高いネタを組み込むことによって効果的なアピールになります。しかし、同キャンペーンのように実際のターゲットを絞りこみつつ、幅広い人々が楽しめる設計も自社ブランドの構築のお手本になるのではないでしょうか

プレスリリースの配信日はキャンペーン開始日とオンタイムな配信になっており、情報を得たその日にアクションを起こしやすい交通広告と絡めた仕掛けになっているのでキャンペーン内容にもマッチしたタイミングで配信されています

GOODポイント3:アクションを起こしやすいまとまった構成

同プレスリリースでは、キャンペーンの概要や商品、応募に関する概要情報がすっきりと完結にまとまっています。またプレスリリースの導入部分では、事業内容やキャンペーンの背景、関係者のメッセージもしっかりと伝わってくる構成です。

このように、情報が過不足なくすっきりまとまっているプレスリリースはメディア関係者にとっても好印象。メディア関係者が記事を作成する際に必要な情報をキャッチしやすくなります。また、生活者が直接読んでも「参加してみたい!」「面白そう!」と魅力が伝わりやすくなります。

卒業は自社らしさを演出できるトピックス

卒業という明確な日付で見えにくいトピックスだからこそ、調査リリースやプロダクトに関連する切り口、キャンペーンと幅広い戦略が可能になります。配信タイミングやネタの自由度が高いからこそ、「自社×卒業」という切り口で自社らしい広報PRに取り組んでみてはいかがでしょうか。

卒業の対象者向けにもその他多くの生活者向けにも卒業のネタは配信できます。どちらにもいい点はあるので、企画の意図と目的をしっかり分解して組み立ててみる工夫もできますね。

<編集/鈴木 碩子>

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この記事のライター

大森 美野

大森 美野

2015年にPR TIMES入社。主にPR活動レポート作成をしていましたが、もっとお客様の声が聞きたくて2019年よりカスタマーリレーションズ本部に異動。情報を欲していた広報担当時代を思い出しながら、PR TIMES MAGAZINEではたくさんのアレコレを届けていきたいと思います。石橋は叩きすぎて壊すタイプ。でもたまにスキップで渡っちゃいます。

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