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誠実かつ巧妙なつくりから共感が生まれる。5月に使える「母の日」プレスリリース事例

5月の第二日曜日は「母の日」。日付ではなく曜日に基づいて制定された記念日のひとつです。

諸説あるなかでも「女性が亡き母を追悼するために赤いカーネーションを配ったのが始まり」という説が最も知られており、現在では母親へ日頃の感謝を伝える日となっています。

母の日には、起源にもなったカーネーションなど贈り物を渡す風習がいまも残っており、近年は母と子で一緒に体験する企画なども増えています。今年は新型コロナウイルスの影響で屋外イベントの実施は難しい分、屋内で一緒に経験できるものやギフトの提案が増えるのではないでしょう。

今回は、「母の日」に関連したプレスリリースをPR TIMES MAGAZINE編集部でピックアップ!2019年4月18日に配信された、オムロン ヘルスケア株式会社さんのプレスリリースを紐解いていきます。

◆オムロン ヘルスケア株式会社さんのプレスリリースはこちら
「健康を話そう」プロジェクト始動!母の日をきっかけに数字がつむぐ親子の物語

プレゼントは意外なもの?オムロン ヘルスケア株式会社の「母の日」プレスリリース事例

オムロン ヘルスケア株式会社の「母の日」プレスリリース事例

同社は、大手電気機器メーカーであるオムロン株式会社さんの子会社で、家庭用・医療用健康機器の開発や販売などを行っています。

今回のプレスリリースでは、母の日をきっかけに親子で健康について語り合うことを促進するコンセプトムービーの公開を発表しています。

ギフト提案が多くなる母の日関連のプレスリリースでこちらが注目を集めた秘密を紐解いたところ

  • モノでも体験でもない贈り物で企画自体を差別化
  • 視聴ハードルを下げつつ興味を持たせる事例紹介
  • プロジェクトの意義を裏付ける調査結果の活用

の3つのポイントが見えてきました。

GOODポイント1:モノでも体験でもない贈り物で企画自体を差別化

「母の日」といえば感謝の気持ちを伝える贈り物が定番。幼いころの”肩たたき券”にはじまり、カーネーション、ケーキ、アクセサリーや旅行券と、読者のみなさんもこれまでいろいろなもの・コトをプレゼントしてきたことでしょう。

そんな中、オムロン ヘルスケアさんが母の日ギフトとして提案したのは、健康について共に話す「機会・きっかけ」です。コンセプトムービーを見る限り、この情報をもっとも届けたかった相手は、自身も親世代となった大人たち。「日頃の感謝」に加え「長生きしてね」というメッセージも込められ、大人になったからこそ芽生えた気持ちに寄り添った贈り物の提案になっています。

「モノ」や「体験」とも異なる「機会・きっかけ」の提供は、「母の日ギフト」として新鮮みを増し、数ある母の日関連情報の中から差別化されやすくなります。加えて、「健康ですこやかな生活に貢献する」という自社の企業理念にも沿っていて、読み手に意義が伝わりやすくなります。かたちある商品を持ち合わせていない会社でも取り入れやすいアイデアです。

GOODポイント2:視聴ハードルを下げつつ興味を持たせる事例紹介

数字をテーマに親子の絆エピソードを話す……テキストだけでは読み手が実際の場面でどんなことを話せばいいのか少し想像がつきにくいかもしれません。そこでオムロン ヘルスケアさんが工夫されたのが、サンプルムービーごとのエピソードの要約です。

とりわけ動画の1シーンを抜粋してまとめたり、撮影の裏側を添えたりすることで、動画の内容すべてを語らずとも読み手の関心を惹きつけ動画の視聴に繋げられます。動画のスクリーンショットも豊富で思わず見入ってしまいますね。中でもアイキャッチにもなるメイン画像は「この数字は何を指しているのだろう」と謎解きのような感覚で本文を思わずクリックした方も少なくないでしょう。

事例紹介画像
画像が豊富に添えられたプレスリリース本文内

ちなみに、コンセプトムービーのリンク先を特別サイトにしたことで、コンセプトをしっかり伝えられる工夫もされていました。なお、ムービーをYouTubeなどに公開している場合は、 本文内に動画のリンクを直接埋め込むという手段も有効です。プレスリリース本文内での動画視聴を促したり、リリース滞在時間が長くなったりというメリットもあります。

GOODポイント3:プロジェクトの意義を裏付ける調査結果の活用

プレスリリースには、自社で実施した調査結果や厚生労働省のデータがプロジェクト紹介の前後に挟まれ、読み手の潜在的なニーズやプロジェクトの有用性を過度に表現することなく、客観的なデータに基づく説明がなされていました。

加えて、アプリやメールなどの機能説明を前半に紹介し、ムービー等による想いの発信を後半に分けていたのも印象的です。仕組みできちんと行動をサポートしてもらえるという安心感があるからこそ、取り組んでみようという共感や興味が生まれます

アプリやメールなどの機能イメージ

リリースを読み進めて健康を語り合う大切さや必要性について、客観的なデータでも伝えた上で、最後に母の日ギフトセットを案内。読み手の気持ちに沿った文章展開はどの企業も意識すべきポイントでしょう。

誠実な文章と効果的な構成で想いを届ける

画像が随所で挿し込まれているものの、文章量の多いプレスリリースではあります。ですが、誠実な文章と構成から企業理念やプロジェクトに懸ける想いが真摯に伝わってきました

読み手の潜在的な悩みを引き出し、必要性を認識してもらったところで、「きっかけ」として母の日ギフトを提案するという、”読みごこちの良い”プレスリリースでしたね。

押し付けがましさがなく、また「母の日」という行事をフックに行動を促せるプロジェクトは、どんな業種業態にも応用できるはずです。

今年は新型コロナウイルスの影響で母親と共に何かを体験することも、ギフトを直接渡すことでさえも叶わないかもしれません。しかし、母のことを想う気持ちは、たとえ会えなくとも伝わるもの。今年はそのような機会を提案してみてはいかがでしょうか。

<編集/岡 陽香>

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この記事のライター

大森 美野

大森 美野

2015年にPR TIMES入社。主にPR活動レポート作成をしていましたが、もっとお客様の声が聞きたくて2019年よりカスタマーリレーションズ本部に異動。情報を欲していた広報担当時代を思い出しながら、PR TIMES MAGAZINEではたくさんのアレコレを届けていきたいと思います。石橋は叩きすぎて壊すタイプ。でもたまにスキップで渡っちゃいます。

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