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仕事やマーケティングに使える10個の行動心理学を紹介!身近なしぐさから本音を読み取ろう

行動心理学」は、日常生活だけでなくビジネスシーンでも活用できる学問です。特に、マーケティング業務に携わる機会が多い広報担当者は、知っておいて損はないでしょう。

プレスリリースを書く際や、メディアプロモートを行う際にも活かせる10個の行動心理学をご紹介。具体例を挙げて説明しているので、ぜひ参考にしてみてください。

目次
  1. 行動心理学とは?

  2. 仕事・マーケティングで使える行動心理学10選

  3. 広報PR活動に活かしたい行動心理学3選

  4. しぐさから本音がわかる?具体例と行動心理学的な意味

  5. 【初心者向け】行動心理学を学ぶのにおすすめの本3選

  6. 行動心理学の資格「行動心理士」とは

  7. 行動心理学を用いて広報PRの効果を高めよう

  8. 行動心理学に関するQ&A

行動心理学とは?

「行動心理学」は、アメリカの臨床心理学者ジョン・ブレイザー博士が確立した学問です。人が無意識に行っているしぐさから本音を読み解くことができるため、ビジネスシーンだけでなく日常生活のさまざまなシーンで活かせます。

心理を読み解くしぐさは、声色や話し方、手や目など、さまざまな動きが対象。相対する人の本音を完全に読めるわけではないものの、何を考えているのか、どんな心情なのかなどをざっくりとつかみ、よい関係を構築するためのコミュニケーションに活かせます。

行動心理学とは?

仕事・マーケティングで使える行動心理学10選

行動心理学は多くの種類がありますが、なかには仕事やマーケティング活動で活かせる心理学も存在します。無意識に使われているものから有名なものまで、具体例とともに解説します。

仕事で使える行動心理学1.クレショフ効果

仕事・マーケティングで使える1個目の行動心理学は、「クレショフ効果」です。

クレショフ効果とは、画像や映像を見た際、頭の中で勝手に意味付けや関連付けをしてしまう心理現象のこと。例えば、新商品を発売する際、青空の写真や水しぶきが写っている写真などを広報素材に入れると、新商品のイメージを自然に爽やかさと関連付けられます。このようにクレショフ効果は、商品イメージやブランドイメージが確立したいときに活かせます。

仕事で使える行動心理学2.テンション・リダクション効果

仕事・マーケティングで使える2個目の行動心理学は、「テンション・リダクション効果」です。

テンション・リダクションとは、緊張状態が消滅したあとの気が緩んだ状態を指します。高価な商品を購入したあとは財布のひもが緩みやすく、安価な商品の提案が受け入れられやすい傾向にあるのが特徴といわれています。

マーケティング活動の際、高価な商品と価格差のある商品を用意。高価な商品の購入が決まったあとの適切なタイミングでもうひとつの商品を提案することで、売り上げアップを狙えます。

仕事で使える行動心理学3.アンカリング効果

仕事・マーケティングで使える3個目の行動心理学は、「アンカリング効果」です。

入手できる情報が少ないとき、人は特定の情報をもとに意思決定を下します。例えば、ある商品の相場価格を知らない場合、人は値引きされる前の情報をもとに、値引き後の価格が得か損かを判断しています。

この心理現象を「アンカリング効果」と呼びます。効果を発揮するのは、商品やサービスについての前情報がない状態が前提ですが、Web広告などでよく用いられている行動心理学のひとつです。

仕事で使える行動心理学4.ザイオンス効果

仕事・マーケティングで使える4個目の行動心理学は、「ザイオンス効果」です。

単純接触効果とも呼ばれ、よく知られている心理のひとつ。同じ情報に何度も接触するうちに好感を持ったり、好印象に変化したりするといわれています。

ザイオンス効果を活かせるのは、ダイレクトメールやSNSの広告など。ひとりに対してさまざまな角度からアプローチすることで、ブランドや商品へのイメージが向上します。

ただし、ザイオンス効果が得られる回数の上限は10回とされており、それ以上接触しても効果が上がらない点は要注意。

仕事で使える行動心理学5.カクテルパーティー効果

仕事・マーケティングで使える5個目の行動心理学は、「カクテルパーティー効果」です。

よく知られている心理学のひとつです。自社商品やサービスの情報が埋もれないよう、しっかりとターゲットに届けたい場合に活用できます。

頻繁に利用されている例として挙げられるのは、メールマガジンです。例えば、美容に関する商品なら「きれいになりたいあなたへ」などのタイトルを付けるだけで、開封率の向上が期待できます。

仕事で使える行動心理学6.ウィンザー効果

仕事・マーケティングで使える6個目の行動心理学は、「ウィンザー効果」です。

第三者を介した情報のほうが信頼性が増すという心理現象。口コミがそれに該当します。自社で商品やサービスをアピールするよりも、実際に利用しているユーザーの声をまとめたほうが評価の信憑性が上がります。商品発売のプレスリリースや、発売後のデータを公表するプレスリリースなどで活用できる行動心理学です。

仕事で使える行動心理学7.リフレーミング効果

仕事・マーケティングで使える7個目の行動心理学は、「リフレーミング効果」です。

物事を見るフレームを変え、新たな価値を見出す心理現象のこと。「死亡率が10%の手術」と、「生存率が90%の手術」だったらどちらの手術に同意するのか?という問いが有名です。

ポイントは、単なるポジティブな言い換えではなく、物事を逆の視点から見て、新たな価値を見出したり、違う意味を持たせたりすること。メディアへの掲載を促す際の切り口を考える場合に活かせます。

仕事で使える行動心理学8.アンダードッグ効果

仕事・マーケティングで使える8個目の行動心理学は、「アンダードッグ効果」です。

不利な状況にあるものを、同情心から応援してしまう心理状態のこと。例えば、発注ミスで商品が過剰に届いてしまったというSNSの投稿は、アンダードッグ効果を用いたマーケティングです。

ポイントは、その背景にさまざまな施策を行い、努力した形跡が見られること。商品やサービスが伸びない場合の最後の手段として用いるのがおすすめ。逆境で頑張っているけれど成果が上がらない様をありのままに見せることで、関心が集まり応援してもらえる状況を作れます。

仕事で使える行動心理学9.シャルパンティエ効果

仕事・マーケティングで使える9個目の行動心理学は、「シャルパンティエ効果」です。

わかりやすい例えによって心理的錯覚を起こすこと。例えば、通年で払う金額が12,000円だとしても、月額1,000円、1日当たりの金額は30円程度と記載されているとお得に感じやすい。使用した際のメリットをイメージしやすい表現を用いることで、心理的な抵抗感が少なくなり、購買促進などにつながります。

仕事で使える行動心理学10.ディドロ効果

仕事・マーケティングで使える10個目の行動心理学は、「ディドロ効果」です。

理想とする新たな価値観を手にした際、所有物や環境などをそれに合わせて統一したくなる心理現象のことを指します。一貫性のある行動をとりたくなる人間の性質により起こります。セット売りやシリーズ販売などは、このディドロ効果を利用した販売手法です。

広報PR活動に活かしたい行動心理学3選

広報PR活動で活かせる、3つの行動心理学を解説。自社の商品やサービスの特徴に合わせて利用すれば、メディアへの掲載数を増やせたり、プレスリリースそのものが話題に上りやすくなったりするという効果の向上を期待できます。

広報PR活動に活かしたい行動心理学

広報PRに活かしたい行動心理学1.スノッブ効果

広報PR活動に活かしたい1個目の行動心理学は、「スノッブ効果」です。

多くの人が持っているものに対しての興味・関心は少なく、希少性が高いものには魅力を感じやすいという心理現象。商品やサービスを差別化し、希少性があると思わせ購買を促したい場合に活かせる心理学のひとつです。

スノッブ効果を広報PR活動で活かす場合、自社サービスを広報する際に商品の数を限定したり、販売地域を限定したりすることで、一般生活者の興味関心を喚起させられます。

広報PRに活かしたい行動心理学2.バンドワゴン効果

広報PR活動に活かしたい2個目の行動心理学は、「バンドワゴン効果」です。

大勢の人が支持している商品やサービスほど、需要が増加する現象を指しています。人が持っているものを自分も持ちたい、流行に乗り遅れたくないという心理から起こるといわれています。

バンドワゴン効果を広報PR活動で活かす場合、具体的な数字をPRすることで、特定の層に情報が刺さりやすくなります。例えば、20代の利用者のうち何%が利用しているか、業界関係者の利用者数などのデータを収集するのがよいでしょう。

広報PRに活かしたい行動心理学3.ヴェブレン効果

広報PR活動に活かしたい3個目の行動心理学は、「ヴェブレン効果」です。

価値のある商品を他人に顕示したい心理作用により起こる効果のこと。例えば、ラグジュアリーブランドは社会的に価値が認められているため、ヴェブレン効果が表れやすいといわれています。

広報PR活動ではブランドの認知度を高めることから始めることが多いため、ブランドそのものの価値を利用するのはやや困難。商品であればパッケージにこだわって高級感を演出したり、多くの方が欲しがるような付加価値を付けたりしてPRするのがおすすめです。

しぐさから本音がわかる?具体例と行動心理学的な意味

人のしぐさはその一つひとつに意味があるといわれています。ビジネスシーンで打ち合わせをする際などに気になる、手や目の動きなどからも、その人が何を考えているのかをざっくりと把握できます。5つのしぐさの例と、行動心理学的な意味を解説します。

しぐさの例1.髪の毛をいじる

しぐさの1つ目の例は、髪の毛をいじることです。特に女性によく見られるしぐさといわれています。髪をねじったりなでたりするのは「なだめ行動」と呼ばれており、ストレスがある場合や逆にリラックスしている場合に表れます。

例えば、髪に風を通すようなしぐさが挙げられます。頻繁に髪を持ち上げてうなじを出す行動が見られる場合、ストレスや暑さを感じており、そうした気持ちを落ち着かせるために行っていると考えられています。

しぐさの例2.唇をかむ

しぐさの2つ目の例は、唇をかむことです。何か言いたいことを我慢しているときや、感情を押し殺しているときなどに見られるしぐさのひとつ。例えば、会話中にこの行動が見られる場合は、会話の内容に対して不満があったり、もしくはうそをついていたりするといわれています。

これは、歯を食いしばるのと同じ心理状態です。我慢強かったり、意思が強かったりする方によく表れるしぐさのひとつです。

しぐさの例3.顔を触る

しぐさの3つ目の例は、顔を触ることです。目や鼻、口など触る箇所によって心理状態が異なります。

例えば、目や耳を触る場合は退屈を感じていたり、暇だと思っていたりします。頬に触れている場合は心配事を抱えている証拠。唇に手を置くしぐさがくせになっている方は、人に甘えたい欲求を持っていることが多いとされています。

しぐさの例4.手の動き

しぐさの4つ目の例は、手の動きです。無意識的な手の動きからも相手の心理を読み取れます。例えば有名なのは腕を組むしぐさ。相手に不快感を抱いており、物理的に距離を取りたい場合に取られる行動といわれています。

ほかにも、ネクタイを直す行動は不快感を解消したり、スーツの上着を正す行動は本題に入ろうとしたりとそれぞれの心理状態を表しています。商談や打ち合わせなどビジネスシーンでよく見られる行動が多く、しぐさとその意味を覚えておくと話をスムーズに進めたい場合などに活かせます。

しぐさの例5.目線

しぐさの5つ目の例は、目線です。目の動きからは、考えていることの傾向が読み取れます。特に、目線がどこを向いているのか、その方向をチェックしてみてください。

例えば、右上を見ている人は、先のことを考えている傾向にあります。逆に左上を見ている場合は、過去の記憶を掘り起こしている状態です。そのほか、右下の場合は過去の体験や感情を、左下を直近の出来事を振り返り、内省をしている可能性があります。

よく見られる目の動きとしては、まばたきの回数も気になります。通常よりも速いペースでまばたきをしている場合、緊張していることを表します。相手に伝わりやすいしぐさのため、自身が行っていないかも注意してみてください。

【初心者向け】行動心理学を学ぶのにおすすめの本3選

行動心理学を学ぶなら、まずは本を何冊か読むのがおすすめです。行動心理学とは何かという基礎的な知識から、ビジネスで応用する際の注意点までを学べます。ピックアップした3冊に目を通しながら、行動心理学を自身の仕事に取り入れ、どんな効果を狙いたいのかを考えてみてください。

おすすめの行動心理学の本1.あなたのサービスが思わず『買いたくなる!』 行動心理マーケティング79の法則:お客様の『心』を動かす禁断のテクニック

初心者が行動心理学を学ぶのにおすすめの書籍1冊目は、『あなたのサービスが思わず『買いたくなる!』 行動心理マーケティング79の法則:お客様の『心』を動かす禁断のテクニック』です。

行動心理学をマーケティングに活かすための79の方法が一冊にまとめられています。さまざまな手法を試してみたけれど、いまいち購買につながらないと感じている広報担当者におすすめの書籍です。

電子書籍(Kindle)「あなたのサービスが思わず『買いたくなる!』 行動心理マーケティング79の法則:お客様の『心』を動かす禁断のテクニック」DESIGN

おすすめの行動心理学の本2.予想どおりに不合理:行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」

初心者が行動心理学を学ぶのにおすすめの書籍2冊目は、『予想どおりに不合理:行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』です。

人間の行動は合理的に見えて、実は不合理であることを説明しています。実際に行った研究や調査の結果をもとに書かれているので納得感があり、マーケティング活動や広報活動で活かせそうな顧客心理を学ぶことができます。

例えば、1,000円・3,000円・5,000円の商品がある場合、売り上げがいちばん高いのは中心の金額といわれています。この心理を利用して、もっとも売りたい商品の金額を中間に設定し、安価な商品と高価な商品とともにラインナップすれば、狙い通りの数を売ることも可能です。

人が何を基準に商品を選んでいるのか、どのような商品ラインナップやセット商品を作れば選ばれるのかなどを知りたい方におすすめの書籍です。

予想どおりに不合理──行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」

おすすめの行動心理学の本3.[買わせる]の心理学 消費者の心を動かすデザインの技法61

初心者が行動心理学を学ぶのにおすすめの書籍3冊目は、『[買わせる]の心理学 消費者の心を動かすデザインの技法61』です。

ネット上に公開する情報をどのように扱い、見せれば一般生活者に興味を持ってもらえるのかがわかる書籍。61の心理効果についてエピソードを取り入れながら解説しているため、活用シーンを想像しながら読み進められます。

広報担当者はプロダクトのデザインを考える機会は少ないものの、文章を考えたり、広報に使用する画像を選定したりすることはあります。本書で学んだ心理効果を活かすことで、一般生活者の興味・関心を引きやすい情報の伝え方ができるでしょう。

[買わせる]の心理学 消費者の心を動かすデザインの技法61

行動心理学の資格「行動心理士」とは

行動心理学をしっかりと学び、その知見を仕事に活かすなら「行動心理士」という資格の取得も検討してみてください。「行動心理士」とは、相手のしぐさから心理を読み取って適切な対応方法を考え、円滑なコミュニケーションを行うスペシャリストのこと。状況やその場にいる方に応じて適したアドバイスを行い、人間関係の悩みを解決に導きます。

「行動心理士」の資格は、日本能力開発推進協会が指定する認定教育機関で必要なカリキュラムをすべて受講することで、試験の受験資格を得られます。1日の学習時間は約20分で、疑問点は講師にスマホですぐに聞ける環境が整えられており、初学者でも学習しやすいのが特徴です。その後、「行動心理士」の試験に合格することで、資格を取得できます。

  • 行動心理学基礎理論
  • 行動と人間心理の関係性
  • 行動が表す心理学的意味
  • 行動心理学を用いた対人対応法
  • 行動心理士の活動

上記の5項目が学習範囲。初学者にとっては難易度が高いように思えますが、一部の認定教育機関では、1日15分の学習で効率的に学べるよう、要点をまとめた教材を用意。試験も在宅で受けられ、得点率70%以上で合格と難易度は低めに設定されています。

費用もカリキュラムを受講する際に使用する教材費に加え、受験料を入れても5万円以下におさまります。「行動心理士」は、働きながらでも取得しやすいおすすめの資格です。

行動心理学を用いて広報PRの効果を高めよう

実は行動心理学はビジネスのさまざまなシーンで用いられています。ただし、無意識に使用している場合が多いため、効果を存分に発揮できていないことも。それぞれどのような心理が働いていて、どのような条件がそろっていれば効果が出やすいのかを把握することで、広報活動を効果的に行えます。自社が扱っている商品やサービスと相性がよい行動心理学を用いて、ブランドイメージの認知拡大や商品の売り上げ向上を狙ってみてください。

行動心理学に関するQ&A

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この記事のライター

佐藤 杏樹

佐藤 杏樹

フリーのライター・編集者。PR TIMESに新卒入社しメディア事業部にてコンテンツ編集者・SNS運用・イベントなど担当。現在も執筆業に携わりながら広報・PRの仕事もしています。広報実務を通して得た知見や実践しやすい広報ノウハウ、最初に知っておきたい広報の基礎など、みなさまに分かりやすくお伝えします。

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