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行動心理学とは?仕事やマーケティング・PRに使える13選【身近な例・しぐさ一覧あり】

行動心理学」とは、人の無意識の行動や選択の背後にある心理を読み解く学問であり、日常生活はもちろんビジネスシーンでも活用することで高い効果を発揮します特に、マーケティング業務や営業、広報PR業務に携わる方は、知っておいて損はないでしょう。

本記事では、仕事にすぐに活かせる行動心理学の法則を10個厳選し、実際のビジネスの現場での活用例とともにご紹介します。身近な事例とあわせて解説しているので、ぜひご自身の業務に照らし合わせながらご活用ください。

目次
  1. 行動心理学とは?

  2. 仕事・マーケティングで使える行動心理学10選

  3. 広報PR活動に活かしたい行動心理学3選

  4. しぐさから本音がわかる?身近な具体例と行動心理学的な意味一覧

  5. 行動心理学をビジネスに活かす3つのポイント

  6. 【初心者向け】行動心理学を学ぶのにおすすめの本3選

  7. 行動心理学の資格「行動心理士」とは

  8. 行動心理学を用いてマーケティングや広報PRの効果を高めよう

  9. 行動心理学に関するQ&A

行動心理学とは?

行動心理学とは、人間が無意識に示す行動やしぐさから、その心理や感情を読み解く学問です。声のトーン、目線、姿勢、手の動きなど「外から観察できるサイン」を手がかりに、相手が何を感じているのかを読み解きます。アメリカの臨床心理学者ジョン・ブレイザー博士によって体系化され、ビジネスや日常生活のあらゆる場面で活用されています。

相対する人の本音を完全に把握するものではありませんが、コミュニケーションの精度を高めたり、対人関係をスムーズにするための実践的なヒントとして幅広く活用されています。

行動心理学とは?

行動心理学と一般的な心理学・行動経済学の違い

行動心理学の特徴は、内面そのものではなく「外に表れた行動」に焦点を当てる点にあります。一般的な心理学が感情・認知・性格など心の構造を広く扱うのに対し、行動心理学は観察可能な行動から心理を推測するという、より実務向きのアプローチです。

一方で行動経済学は、価格や選択肢の見せ方によって判断が歪むといった「意思決定の偏り」をデータで分析する学問です。選ばれやすい商品配置や価格設定など、購買行動に影響する構造を解明する点が特徴といえます。

ビジネスの現場では、これらを組み合わせて使うことで理解が立体的になります。心理学でターゲットの価値観をつかみ、行動経済学で選ばれやすい設計を考え、行動心理学で実際の反応やしぐさを読み取る。こうした複数の視点を持つことで、マーケティングや広報PRの精度も高まりやすくなるでしょう。

仕事・マーケティングで使える行動心理学10選

行動心理学は多くの種類がありますが、ここではとくに仕事やマーケティングの現場で応用しやすいものを10個厳選してご紹介します。無意識のうちに使っている手法から、戦略的に取り入れたい法則まで、具体例を交えて解説します。

1.クレショフ効果:前後の文脈で印象をつける

仕事・マーケティングで使える1個目の行動心理学は、「クレショフ効果」です。

クレショフ効果とは、画像や映像を見た際、頭の中で勝手に意味付けや関連付けをしてしまう心理現象のこと。例えば、新商品を発売する際、青空の写真や水しぶきが写っている写真などを広報素材に入れると、新商品のイメージを自然に爽やかさと関連付けられます。このようにクレショフ効果は、商品イメージやブランドイメージを確立したいときに活かせます。

2.テンション・リダクション効果:高額購入後に財布のひもがゆるむ心理

仕事・マーケティングで使える2個目の行動心理学は、「テンション・リダクション効果」です。

テンション・リダクションとは、緊張状態が消滅したあとの気が緩んだ状態を指します。高価な商品を購入したあとは財布のひもが緩みやすく、安価な商品の提案が受け入れられやすい傾向にあるのが特徴といわれています。

マーケティング活動の際、高価な商品と価格差のある商品を用意。高価な商品の購入が決まったあとの適切なタイミングでもうひとつの商品を提案することで、売り上げアップを狙えます。

3.アンカリング効果:最初に提示された情報が判断の基準になる

仕事・マーケティングで使える3個目の行動心理学は、「アンカリング効果」です。

入手できる情報が少ないとき、人は特定の情報をもとに意思決定を下します。例えば、ある商品の相場価格を知らない場合、人は値引きされる前の情報をもとに、値引き後の価格が得か損かを判断しています。

この心理現象を「アンカリング効果」と呼びます。効果を発揮するのは、商品やサービスについての前情報がない状態が前提ですが、Web広告などでよく用いられている行動心理学のひとつです。

4.ザイオンス効果(単純接触効果):接触回数が多いほど好感が高まる

仕事・マーケティングで使える4個目の行動心理学は、「ザイオンス効果」です。

単純接触効果とも呼ばれ、よく知られている心理のひとつ。同じ情報に何度も接触するうちに好感を持ったり、好印象に変化したりするといわれています。

ザイオンス効果を活かせるのは、ダイレクトメールやSNSの広告など。ひとりに対してさまざまな角度からアプローチすることで、ブランドや商品へのイメージが向上します。

ただし、ザイオンス効果が得られる回数の上限は10回とされており、それ以上接触しても効果が上がらない点は要注意。

5.カクテルパーティー効果:自分に関係する情報だけを選んで聞いてしまう

仕事・マーケティングで使える5個目の行動心理学は、「カクテルパーティー効果」です。

「騒がしいパーティーの中でも、自分の名前が呼ばれれば反応できる」という経験をした方も多いでしょう。カクテルパーティー効果は、大勢が話している空間でも、自分に関係のある言葉だけが自然と耳に入ってくる現象として知られています。

人は膨大な情報の中から、「自分に関係がある」「自分にメリットがある」と認知した情報だけを無意識に選択して受け取る傾向があります。

この性質を理解しておくと、マーケティングやコミュニケーションで「情報の埋もれ防止」に役立ちます。

特に応用しやすいのは、メールマガジンや広告のタイトル・見出しづくりです。美容系商品であれば「きれいになりたいあなたへ」のように、読み手自身を主語にした表現を使うだけで、自分ごと化が生まれ、開封率やクリック率の向上が期待できます。

「誰に向けた情報なのか」をひと目で伝えることで、ターゲットの注意を自然に引きつけられるのが、カクテルパーティー効果を活かす最大のポイントです。

6.ウィンザー効果:本人より「第三者の声」を信じてしまう

仕事・マーケティングで使える6個目の行動心理学は、「ウィンザー効果」です。

第三者を介した情報のほうが信頼性が増すという心理現象。口コミがそれに該当します。自社で商品やサービスをアピールするよりも、実際に利用しているユーザーの声をまとめたほうが評価の信憑性が上がります。商品発売のプレスリリースや、発売後のデータを公表するプレスリリースなどで活用できる行動心理学です。

7.リフレーミング効果:言い換えで価値の見え方が変わる

仕事・マーケティングで使える7個目の行動心理学は、「リフレーミング効果」です。

物事を見るフレームを変え、新たな価値を見出す心理現象のこと。「死亡率が10%の手術」と、「生存率が90%の手術」だったらどちらの手術に同意するのか?という問いが有名です。

ポイントは、単なるポジティブな言い換えではなく、物事を逆の視点から見て、新たな価値を見出したり、違う意味を持たせたりすること。メディアへの掲載を促す際の切り口を考える場合に活かせます。

8.アンダードッグ効果:不利な立場のほうを応援したくなる

仕事・マーケティングで使える8個目の行動心理学は、「アンダードッグ効果」です。

不利な状況にあるものを、同情心から応援してしまう心理状態のこと。例えば、発注ミスで商品が過剰に届いてしまったというSNSの投稿は、アンダードッグ効果を用いたマーケティングです。

ポイントは、その背景にさまざまな施策を行い、努力した形跡が見られること。商品やサービスが伸びない場合の最後の手段として用いるのがおすすめ。逆境で頑張っているけれど成果が上がらない様をありのままに見せることで、関心が集まり応援してもらえる状況を作れます。

9.シャルパンティエ効果:言い方・単位の変化で「重さ」が変わる

仕事・マーケティングで使える9個目の行動心理学は、「シャルパンティエ効果」です。

わかりやすい例えによって心理的錯覚を起こすこと。例えば、通年で払う金額が12,000円だとしても、月額1,000円、1日当たりの金額は30円程度と記載されているとお得に感じやすい。使用した際のメリットをイメージしやすい表現を用いることで、心理的な抵抗感が少なくなり、購買促進などにつながります。

10.ディドロ効果:1つの買い物が連鎖していく心理

仕事・マーケティングで使える10個目の行動心理学は、「ディドロ効果」です。

理想とする新たな価値観を手にした際、所有物や環境などをそれに合わせて統一したくなる心理現象のことを指します。一貫性のある行動をとりたくなる人間の性質により起こります。セット売りやシリーズ販売などは、このディドロ効果を利用した販売手法です。

広報PR活動に活かしたい行動心理学3選

広報PR活動で活かせる、3つの行動心理学を解説。自社の商品やサービスの特徴に合わせて利用すれば、メディアへの掲載数を増やせたり、プレスリリースそのものが話題に上りやすくなったりするという効果の向上を期待できます。

広報PR活動に活かしたい行動心理学

1.スノッブ効果:希少性が「欲しい」を生み出す

広報PR活動に活かしたい1個目の行動心理学は、「スノッブ効果」です。

多くの人が持っているものに対しての興味・関心は少なく、希少性が高いものには魅力を感じやすいという心理現象。商品やサービスを差別化し、希少性があると思わせ購買を促したい場合に活かせる心理学のひとつです。

スノッブ効果を広報PR活動で活かす場合、自社サービスを広報する際に商品の数を限定したり、販売地域を限定したりすることで、一般生活者の興味関心を喚起させられます。

2.バンドワゴン効果:多数派に乗りたくなる群集心理

広報PR活動に活かしたい2個目の行動心理学は、「バンドワゴン効果」です。

大勢の人が支持している商品やサービスほど、需要が増加する現象を指しています。人が持っているものを自分も持ちたい、流行に乗り遅れたくないという心理から起こるといわれています。

バンドワゴン効果を広報PR活動で活かす場合、具体的な数字をPRすることで、特定の層に情報が刺さりやすくなります。例えば、20代の利用者のうち何%が利用しているか、業界関係者の利用者数などのデータを収集するのがよいでしょう。

3.ヴェブレン効果:高価格そのものがステータスになる

広報PR活動に活かしたい3個目の行動心理学は、「ヴェブレン効果」です。

価値のある商品を他人に顕示したい心理作用により起こる効果のこと。例えば、ラグジュアリーブランドは社会的に価値が認められているため、ヴェブレン効果が表れやすいといわれています。

広報PR活動ではブランドの認知度を高めることから始めることが多いため、ブランドそのものの価値を利用するのはやや困難。商品であればパッケージにこだわって高級感を演出したり、多くの方が欲しがるような付加価値を付けたりしてPRするのがおすすめです。

しぐさから本音がわかる?身近な具体例と行動心理学的な意味一覧

人のしぐさはその一つひとつに意味があるといわれています。ビジネスシーンで打ち合わせをする際などに気になる、手や目の動きなどからも、その人が何を考えているのかをざっくりと把握できます。10つのしぐさの例と、行動心理学的な意味を解説します。

しぐさの例1.髪の毛をいじる:不安・緊張・好意のサイン

しぐさの1つ目の例は、髪の毛をいじることです。特に女性によく見られるしぐさといわれています。髪をねじったりなでたりするのは「なだめ行動」と呼ばれており、ストレスがある場合や逆にリラックスしている場合に表れます。

例えば、髪に風を通すようなしぐさが挙げられます。頻繁に髪を持ち上げてうなじを出す行動が見られる場合、ストレスや暑さを感じており、そうした気持ちを落ち着かせるために行っていると考えられています。

しぐさの例2.唇をかむ:言いたいことを我慢している

しぐさの2つ目の例は、唇をかむことです。何か言いたいことを我慢しているときや、感情を押し殺しているときなどに見られるしぐさのひとつ。例えば、会話中にこの行動が見られる場合は、会話の内容に対して不満があったり、もしくはうそをついていたりするといわれています。

これは、歯を食いしばるのと同じ心理状態です。我慢強かったり、意思が強かったりする方によく表れるしぐさのひとつです。

しぐさの例3.顔を触る:退屈・不安・甘えたい気持ち など

しぐさの3つ目の例は、顔を触ることです。目や鼻、口など触る箇所によって心理状態が異なります。

例えば、目や耳を触る場合は退屈を感じていたり、暇だと思っていたりします。頬に触れている場合は心配事を抱えている証拠。唇に手を置くしぐさがくせになっている方は、人に甘えたい欲求を持っていることが多いとされています。

しぐさの例4.手の動き:心を閉ざす・本題に入る準備 など

しぐさの4つ目の例は、手の動きです。無意識的な手の動きからも相手の心理を読み取れます。例えば有名なのは腕を組むしぐさ。相手に不快感を抱いており、物理的に距離を取りたい場合に取られる行動といわれています。

ほかにも、ネクタイを直す行動は不快感を解消したり、スーツの上着を正す行動は本題に入ろうとしたりとそれぞれの心理状態を表しています。商談や打ち合わせなどビジネスシーンでよく見られる行動が多く、しぐさとその意味を覚えておくと話をスムーズに進めたい場合などに活かせます。

しぐさの例5.目線・まばたき:記憶・感情・緊張の手がかり

しぐさの5つ目の例は、目線です。目の動きからは、考えていることの傾向が読み取れます。特に、目線がどこを向いているのか、その方向をチェックしてみてください。

例えば、右上を見ている人は、先のことを考えている傾向にあります。逆に左上を見ている場合は、過去の記憶を掘り起こしている状態です。そのほか、右下の場合は過去の体験や感情を、左下は直近の出来事を振り返り、内省をしている可能性があります。

よく見られる目の動きとしては、まばたきの回数も気になります。通常よりも速いペースでまばたきをしている場合、緊張していることを表します。相手に伝わりやすいしぐさのため、自身が行っていないかも注意してみてください。

しぐさの例6.足を組み替える:落ち着かなさ・不快感の表れ

足を頻繁に組み替えるしぐさは、落ち着きのなさや不快感の表れとされています。商談中や会話の途中で足を組み替える場合、話の内容に不安や焦りを感じている可能性があります。

一方で、足をきっちりと揃えて座っている場合は、相手に対して敬意を払っていたり、緊張していたりする状態です。特に無意識の下半身の動きは、その人の本音が出やすい部位といえます。

しぐさの例7.顎に手を添える:判断に迷っている・吟味している

顎に手を当てるしぐさは、思考中や判断に迷っているときに見られる動作です。

例えば、プレゼン中に顎に手を置いている相手がいれば、それは話の内容を吟味しているサインとも取れます。

さらに、顎を触りながら首をかしげている場合は、相手に対して懐疑的だったり、何かを疑っている心理状態が考えられます。

しぐさの例8.口元を隠す:本音を隠したい・照れや恥ずかしさ

話している最中に手で口元を隠すのは、「言いたくない」「本音を隠している」といった心理が働いている可能性があります。また、笑うときに口元を覆うしぐさも、照れや恥ずかしさ、あるいは自信のなさを意味します。

口は本音を伝える場所でもあるため、そこを隠す行動には強い心理的意味が含まれることが多いといわれています。

しぐさの例9.首をさする・触る:ストレスや不安を和らげたい

首をさすったり、襟元を触ったりするしぐさは、ストレスや不安、緊張を感じている状態でよく見られます。

首元は急所のひとつであり、無意識のうちに防御姿勢に入っているとも解釈できます。とくにプレッシャーのかかる場面や、立場の弱い状態で見られやすい行動です。

しぐさの例10.貧乏ゆすりをする:イライラや緊張・集中できない状態

足を小刻みに動かす、いわゆる「貧乏ゆすり」は、イライラしている、集中できていない、もしくは無意識の不安感が表に出ている可能性があります。

周囲に対する配慮が欠けていると捉えられやすいため、ビジネスの場ではネガティブな印象を与えてしまうこともあります。逆に、相手がこのしぐさを始めたときは、話の内容や場の空気を変えるタイミングかもしれません。

行動心理学をビジネスに活かす3つのポイント

行動心理学は活用しやすい一方で、誤った使い方をすると相手への理解を誤ったり、意図せず不信感を与えてしまうこともあります。ビジネスの現場で効果的かつ健全に使うためには、知識をそのまま当てはめるのではなく、適切な前提や検証の姿勢が欠かせません。

次に、実務で行動心理学を取り入れる際に意識したい3つのポイントを紹介します。

ポイント

ポイント1.「絶対の正解」ではなく仮説として使う

行動心理学の知識は便利ですが、「このしぐさが出たから必ずこの心理だ」と断定してしまうのは危険です。

同じ腕組みでも、相手が寒いだけの場合もあれば、姿勢を落ち着かせたいだけということもあり、心理状態と行動が常に一致するとは限りません。
そのためビジネスでは、「提案に不安を感じている可能性があるかもしれない」「価格に納得していないサインかもしれない」といった「仮説」として扱い、その後の質問や対話で確かめていく姿勢が重要です。

行動心理学は「答えを断定するツール」ではなく、相手の本音に近づくためのヒント集として使うことで、状況判断の精度を高めやすくなります。

ポイント2.データや行動ログと組み合わせて検証する

行動心理学は、理解しただけでは効果を実感しにくい場合があります。

マーケティングなら、アンカリング効果を意識した価格設計を行い、ABテストで成約率の変化を検証する。プレスリリースなら、見出しや構成を変えて掲載数や流入数を比較する。こうした「仮説 → 実行 → 検証」のプロセスを回すことで、心理効果がどの程度作用しているのかが明確になります。

しぐさの読み取りにおいても、商談メモや商談後アンケートを残し、「どの反応が受注率に結びついたか」を振り返ることで、知識が再現性のあるナレッジに変わります。
定量指標と組み合わせて積み上げることで、組織全体にノウハウとして定着しやすくなる点も大きなメリットです。

ポイント3.相手を操作しすぎないための倫理観を持つ

行動心理学は強力なツールだからこそ、使い方を誤ると「相手を意図的に動かすためのテクニック」になってしまうリスクがあります。

たとえ短期的な成果が出たとしても、過度に不安をあおる伝え方や、都合の良い情報だけを強調したコミュニケーションは、長期的にはブランド毀損や信頼低下につながります。

ビジネスで活用する際は、「相手にとって良い選択をしやすくするために使う」という倫理観を持ち続けることが重要です。その上で、表現が誤解を招かないか、強調しすぎていないかを自分自身でチェックし、必要に応じて法務やコンプライアンス部門と連携して整える姿勢が求められます。

行動心理学を「信頼関係を深めるためのサポートツールとして扱う」という共通認識をチーム内で持つことで、組織として健全に活用しやすくなるでしょう。

【初心者向け】行動心理学を学ぶのにおすすめの本3選

行動心理学を学ぶなら、まずは本を何冊か読むのがおすすめです。行動心理学とは何かという基礎的な知識から、ビジネスで応用する際の注意点までを学べます。ピックアップした3冊に目を通しながら、行動心理学を自身の仕事に取り入れ、どんな効果を狙いたいのかを考えてみてください。

おすすめの行動心理学の本1.あなたのサービスが思わず『買いたくなる!』 行動心理マーケティング79の法則:お客様の『心』を動かす禁断のテクニック

初心者が行動心理学を学ぶのにおすすめの書籍1冊目は、『あなたのサービスが思わず『買いたくなる!』 行動心理マーケティング79の法則:お客様の『心』を動かす禁断のテクニック』です。

行動心理学をマーケティングに活かすための79の方法が一冊にまとめられています。さまざまな手法を試してみたけれど、いまいち購買につながらないと感じている広報担当者におすすめの書籍です。

電子書籍(Kindle)「あなたのサービスが思わず『買いたくなる!』 行動心理マーケティング79の法則:お客様の『心』を動かす禁断のテクニック」DESIGN

おすすめの行動心理学の本2.予想どおりに不合理:行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」

初心者が行動心理学を学ぶのにおすすめの書籍2冊目は、『予想どおりに不合理:行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』です。

人間の行動は合理的に見えて、実は不合理であることを説明しています。実際に行った研究や調査の結果をもとに書かれているので納得感があり、マーケティング活動や広報活動で活かせそうな顧客心理を学ぶことができます。

例えば、1,000円・3,000円・5,000円の商品がある場合、売り上げがいちばん高いのは中心の金額といわれています。この心理を利用して、もっとも売りたい商品の金額を中間に設定し、安価な商品と高価な商品とともにラインナップすれば、狙い通りの数を売ることも可能です。

人が何を基準に商品を選んでいるのか、どのような商品ラインナップやセット商品を作れば選ばれるのかなどを知りたい方におすすめの書籍です。

予想どおりに不合理──行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」

おすすめの行動心理学の本3.[買わせる]の心理学 消費者の心を動かすデザインの技法61

初心者が行動心理学を学ぶのにおすすめの書籍3冊目は、『[買わせる]の心理学 消費者の心を動かすデザインの技法61』です。

ネット上に公開する情報をどのように扱い、見せれば一般生活者に興味を持ってもらえるのかがわかる書籍。61の心理効果についてエピソードを取り入れながら解説しているため、活用シーンを想像しながら読み進められます。

広報担当者はプロダクトのデザインを考える機会は少ないものの、文章を考えたり、広報に使用する画像を選定したりすることはあります。本書で学んだ心理効果を活かすことで、一般生活者の興味・関心を引きやすい情報の伝え方ができるでしょう。

[買わせる]の心理学 消費者の心を動かすデザインの技法61

行動心理学の資格「行動心理士」とは

行動心理学をしっかりと学び、その知見を仕事に活かすなら「行動心理士」という資格の取得も検討してみてください。「行動心理士」とは、相手のしぐさから心理を読み取って適切な対応方法を考え、円滑なコミュニケーションを行うスペシャリストのこと。状況やその場にいる方に応じて適切なアドバイスを行い、人間関係の悩みを解決に導きます。

「行動心理士」の資格は、日本能力開発推進協会が指定する認定教育機関で必要なカリキュラムをすべて受講することで、試験の受験資格を得られます。1日の学習時間は約20分で、疑問点は講師にスマホですぐに聞ける環境が整えられており、初学者でも学習しやすいのが特徴です。その後、「行動心理士」の試験に合格することで、資格を取得できます。

  • 行動心理学基礎理論
  • 行動と人間心理の関係性
  • 行動が表す心理学的意味
  • 行動心理学を用いた対人対応法
  • 行動心理士の活動

上記の5項目が学習範囲。初学者にとっては難易度が高いように思えますが、一部の認定教育機関では、1日15分の学習で効率的に学べるよう、要点をまとめた教材を用意。試験も在宅で受けられ、得点率70%以上で合格と難易度は低めに設定されています。

費用もカリキュラムを受講する際に使用する教材費に加え、受験料を入れても5万円以下におさまります。「行動心理士」は、働きながらでも取得しやすいおすすめの資格です。

行動心理学を用いてマーケティングや広報PRの効果を高めよう

実は行動心理学はビジネスのさまざまなシーンで用いられています。ただし、無意識に使用している場合が多いため、効果を存分に発揮できていないことも。それぞれどのような心理が働いていて、どのような条件がそろっていれば効果が出やすいのかを把握することで、広報活動を効果的に行えます。自社が扱っている商品やサービスと相性がよい行動心理学を用いて、ブランドイメージの認知拡大や商品の売り上げ向上を狙ってみてください。

<編集:PR TIMES MAGAZINE編集部>

行動心理学に関するQ&A

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この記事のライター

佐藤 杏樹

佐藤 杏樹

フリーのライター・編集者。PR TIMESに新卒入社しメディア事業部にてコンテンツ編集者・SNS運用・イベントなど担当。現在も執筆業に携わりながら広報・PRの仕事もしています。広報実務を通して得た知見や実践しやすい広報ノウハウ、最初に知っておきたい広報の基礎など、みなさまに分かりやすくお伝えします。

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