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韓国コスメに学ぶ、新商品の期待値を高める秘訣、認知を拡大するポイント|コスメ・化粧品業界の広報PR

日々、新たな製品が発売されるコスメ・化粧品業界。発売後、製品を話題化させるには、発売前の細かな情報発信と一貫した広報PR活動の姿勢が大切です。人気の韓国コスメから、認知を拡大するための広報PR活動のポイントを学びましょう。

コスメ・化粧品業界のメーカーが認知を高めるためのPRの3つのポイント

コスメや化粧品の新製品の広報PR活動は、どんな内容が効果的なのでしょうか。まずは基本を押さえておきましょう。コスメ・化粧品業界のメーカーが認知を高めるためのPRの3つのポイントを紹介します。

ポイント

1.ペルソナを明確に定める

コスメ・化粧品業界のメーカーが認知を高めるためのPRの1つ目のポイントは、ペルソナを明確に定めることです。

コスメや化粧品は、年代によって好みの傾向が明確に異なります。10代・20代であれば、プチプラコスメやトレンドコスメが話題になりやすく、30代・40代であればメイクの仕上がりや質感が重視されます。

年代によって有効な施策も異なります。若い世代であればSNSを中心とした広報PR活動が適していますし、40代以上の年代であればテレビや雑誌が効果的です。認知度を高めるには明確なペルソナを定め、そのペルソナに適した広報PR活動を行う必要があるのです。

2.SNSでのUGC醸成を重視する

コスメ・化粧品業界のメーカーが認知を高めるためのPRの2つ目のポイントは、SNSでのUGC(User Generated Content)醸成を重視することです。

若年層を中心に、生活者はコスメや化粧品を購入する際に口コミをもっとも重視します。つまり、メーカー側が製品の良さを伝えるよりも、メーカーと利益関係にない第三者が良さを伝えるほうが製品の購買につながりやすいのです。

製品の発売後はUGCの醸成に力を入れましょう。モニター施策やキャンペーン施策などを行うことで、製品に関するレビューや率直な意見を自然な形で増やすことができます。

3.情報は一度ではなく少しずつ解禁する

コスメ・化粧品業界のメーカーが認知を高めるためのPRの3つ目のポイントは、情報は一度ではなく少しずつ解禁することです。

コスメフリークと呼ばれるコスメや化粧品への関心が高い生活者は、常日頃から新製品の情報を収集しています。自身のアカウントで積極的に紹介してくれることも多いため、発売前から製品への注目が集まりやすい傾向にあります。

ブランドのローンチ日、アンバサダーの就任情報、どこで購入できるかなど、情報を小出しにすることでプレスリリースを配信する機会も増やせます。発売前のリサーチ期間を長く設けておけば、製品について検索し、情報を知ってもらうための時間も作れます。製品への期待を自然と高め、発売直後に話題化しやすい状態を作ることが可能です。

コスメ・化粧品業界のメーカーが認知を高めるためのPR方法

コスメや化粧品の新製品は年間を通して数多く発売されます。認知を獲得してファンを増やすには、戦略的な広報PR活動が大切です。新製品を発売した際に必ず取り組みたい、コスメ・化粧品業界のメーカーが製品の認知を高めるためのPR方法を5つご紹介します。

1.配信代行サービスを使いプレスリリースを配信する

1つ目のPR方法は、配信代行サービスを使ったプレスリリースの配信です。メディアリストを作成し、配信設定を行うだけで多くのメディア・メディア関係者宛てに一斉配信できるのがメリット。1人で多くのメディアにアプローチをしなくてはならない場合に、効率的に情報提供ができます。配信代行サービスによっては、メール・FAXの両方に対応しています。

配信代行サービスを使いつつ、確実な記事化を狙う場合は、面識のあるメディア関係者宛てに個別メールを送るのもマストです。掲載してほしいメディアの特色に合わせて、強調したい部分を変更したプレスリリースを送りましょう。

2.日本で人気のタレントをアンバサダーやミューズに起用する

2つ目のPR方法は、日本で人気のタレントをアンバサダーやミューズに起用することです。多くの海外コスメブランドでは、発祥国で人気のタレントがアンバサダーになっているケースが多くありますが、日本での認知度を高めたいという目的がある場合はあまり効果的ではありません。必ず日本で人気があるタレントをアンバサダーとして起用しましょう。

意識しておきたいのは、必ずしも日本のタレントである必要はないということ。例えば、韓国の人気タレントは日本でも認知されているケースが多くあります。親和性があれば彼女・彼が使っているということでブランドイメージが向上することも考えられるので、その場合は日本のタレントにこだわらないキャスティングを行いましょう。

3.Instagram・TikTokを活用した発売前のティザー施策

3つ目のPR方法は、SNSを活用した発売前のティザー施策です。コスメや化粧品は、国内外を問わず常日頃から情報をチェックしている生活者が多い商材です。発売前から情報を小出しにして注目を集め、生活者の期待を高めることで、新商品のローンチが話題になりやすくなります。

おすすめの方法は、InstagramやTikTokを使った動画の投稿です。実際の使用感やパッケージ、価格などをブランド公式アカウントから投稿することで、商品について発売前に知ってもらうことができます。メディア関係者にも情報を届けておけば、発売後すぐの掲載も狙えるでしょう。

4.実際に商品に触れられるタッチポイントを増やす

4つ目のPR方法は、実際に商品に触れられるタッチポイントを増やすことです。最近はECのみで販売しているブランドも数多くありますが、コスメや化粧品の場合は実際に使ってみた質感を重視して購入する生活者が少なくありません。

ティザー施策により興味を持った生活者が商品に触れられる場所として、ポップアップや実店舗などのタッチポイントを増やすことはコスメや化粧品の広報PR活動においてはマストです。人の通行量が多い場所であれば、偶然通りがかった方が商品を購入する可能性も考えられます。

5.美容・コスメ系YouTuberとのコラボ施策を行う

5つ目のPR方法は、美容・コスメ系YouTuberとのコラボ施策を行うことです。コスメは見た目のかわいさに加えて、使用感が重視される商材です。実店舗やポップアップによるタッチポイントを作ることが難しい場合は、使用感が伝わりやすい動画を使った施策に力を入れましょう。

効果的なのは、美容・コスメ系YouTuberとのコラボ施策です。商品を提供したタイアップのほか、自社ブランドに所属しているメイクアップアーティストや有名なヘアメイクとのコラボ動画もおすすめ。YouTuberは芸能人に比べて生活者に近い立場であると認識している方が多いので、参考になるメイクのHowTo動画を配信することは商品のPRにつながります。

動画配信イメージ

人気韓国コスメ「Wonjungyo」に学ぶ成功事例3選

2022年10月14日より販売を開始した韓国コスメ「Wonjungyo(ウォンジョンヨ)」は、「TWICE」のメンバー9名中4名の専属メイクアップアーティストであるウォン・ジョンヨ氏が監修しているブランドです。発売から2ヵ月後にはPLAZAのコスメ部門で売り上げTOP5に入り、コスメフリークから注目を集めています。そんな「Wonjungyo」に学ぶ広報PR活動の成功事例を紹介します。

1.発売前から検索数を上げた施策

「Wonjungyo」は2022年10月リリースにもかかわらず、9月から徐々にブランド名の検索数を増やしています。ブランドの情報解禁そのものは8月17日。プレスリリースを配信し、10月17日に一部店舗を除くPLAZA・ロフト・ハンズなどで店頭販売することをお知らせしています。

韓国の人気アイドルグループ「TWICE」のメンバー9名中4名の専属メイクアップアーティストが監修するブランドということで、情報解禁と共にある程度検索数は上がっています。早いところであれば、情報解禁と同時に記事にしているメディアもあります。

情報をプレスリリースで小出しにすることはもちろん、「Wonjungyo」に関してはブランドミューズである「TWICE」のモモの情報を後出しにしたことが検索数に大きく影響しています。それによりTWICEのファンがブランドについて検索を行い、発売前から検索数を上げることに成功しました。

2.ブランド認知を高めたYouTuberとのコラボ施策

「Wonjungyo」は、YouTuberと積極的にコラボしています。製品を提供するのではなく、ブランドを監修しているウォン・ジョンヨ氏とコラボし、製品を使ったメイクHowTo動画を紹介する構成になっているのが特徴です。

コラボは美容・コスメ系のYouTuberを中心に行っています。製品の発売に合わせて動画を公開しているほか、ブランドの情報解禁後の早いタイミングで公開されている動画もあります。

メイクのHowto動画の発信で再生回数を上げつつ、ブランドの商品購入につなげているのもポイント。期間を決めて集中的にコラボ動画を公開することで、戦略的に認知度を高めることに成功した参考にしたい事例です。

3.他社と差別化したプレスリリース

「Wonjungyo」が他社のコスメや化粧品と差別化を行ったプレスリリースに、TikTokでのお知らせがあります。

「Wonjungyo」は若者世代向けのブランドとして、注力するSNSを絞っています。積極的に運用されているのがInstagramとTikTokの2つです。特に、TikTokはメイク動画との相性を考慮してなのか、アカウントの開設をお知らせするプレスリリースを配信し、アカウントの認知拡大に努めています。

アカウントの方向性を「メイクのHow to動画の配信」に絞っているのもポイント。製品のお知らせ用としてではなく、生活者とコミュニケーションを取るためのアカウントとして運用することは、ユーザーエンゲージメントを高めることにもつながります。

コスメ・化粧品業界のメーカーがPRをするメリット・注意点

広報PR活動は、売り上げはもちろんのこと、ブランドや製品の認知拡大やファンを獲得するためにも積極的に取り組まなければなりません。特に、現代はブランドストーリーが重視される時代です。数ある選択肢の中から製品を購入する理由を、生活者側が求めています。そうした理由作りとしても広報PR活動は大切です。コスメ・化粧品業界のメーカーがPRをするメリットと注意点を解説します。

メディアへの掲載数が増え、認知度・売り上げの向上が期待できる

通常、メーカーが公式ページで公開するプレスリリースは閲覧する人の数が限られます。また、メーカーのホームページにアクセスしてまで、新商品が発売されるかどうかをチェックする生活者はほとんどいません。広報PR活動を行うことで、情報を積極的に取りに行かない層にまで情報を届けられます

特に、プレスリリースの配信代行サービスは、親和性の高いメディアをリスト化して一度に配信できるほか、内容をそのまま転載する仕組みがあるので、一定数のメディア露出が望めるのがメリットです。認知度向上に加えて、売り上げ向上が期待できます。

メーカーやブランド側のストーリーを届けられる

広報PR活動は、メーカーやブランド側のストーリーを届ける機会にもなります。商品の良さを語るだけでなく、なぜ商品が発売されたのか、企画・開発・発売に至るまでの裏側の話をメディア関係者や情報を受け取る生活者に直接伝えられます。

ブランド側のストーリーを届ける手段は、プレスリリースの配信やメディアによるインタビュー記事などがあります。また、タイアップであればブランド側が伝えたい情報や思いを記事形式で発信することも可能です。情報の伝え方や表現をブランド側でコントロールできるため、ブランドイメージを大切にしたい場合に効果的です。

メーカー・ブランドイメージの構築は戦略的に行う

生活者の目に触れやすい広報PR活動は、メーカーやブランドのイメージ構築に大きな影響を与えます。そのため、一貫した戦略が必要です。

例えば、先ほど例に挙げた「Wonjungyo」は、「涙袋メイクの第一人者」「TWICE(9名中4名)の専属メイクアップアーティスト」というポイントだけでなく、韓国アイドルのメイクHow toを生活者に伝えるというコンセプトで発信しています。

ローンチ初期から変わらない姿勢を生活者に見せることで、徐々にブランドイメージを構築しているのが特徴です。

ブランドイメージを構築することで、製品のターゲットがより定まりやすくなります。広報PR活動としてどんな施策を実施するべきなのかを明確にすることにもつながる、非常に重要なポイントです。

情報解禁から商品ローンチまでに期待感を醸成するのがコスメ・化粧品業界の広報PR活動のポイント

コスメや化粧品などは発売後の旬の時期が比較的短いため、認知を拡大して売り上げを向上させるには期待値を高めるような施策を行わなければなりません。ブランドや商品の情報を小出しにしつつ、発売日まで徐々に生活者からの注目を集めることができるよう、スケジュールに沿って大きな情報解禁のポイントをいくつか計画しておきましょう。数ある人気韓国コスメの施策を参考にして、自社商品の広報PR活動に役立ててみてください。

コスメ・化粧品業界のPRに関するQ&A

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この記事のライター

佐藤 杏樹

佐藤 杏樹

フリーのライター・編集者。PR TIMESに新卒入社しメディア事業部にてコンテンツ編集者・SNS運用・イベントなど担当。現在も執筆業に携わりながら広報・PRの仕事もしています。広報実務を通して得た知見や実践しやすい広報ノウハウ、最初に知っておきたい広報の基礎など、みなさまに分かりやすくお伝えします。

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