PR TIMES MAGAZINE|広報PRのナレッジを発信するWebメディア
記事検索
title

調査リリースを作成するための調査方法・調査の流れとは?知っておきたい注意点まで解説

調査リリース」とは、企業が自社のサービスや商品に関係する調査を実施し、プレスリリースとして配信する広報手段のひとつです。調査リリースを作成するには、調査実施にあたり調査方法や注意点を知る必要があります。

本記事は、調査方法や調査の流れ、注意点をご紹介します。

調査リリースのための「調査方法」は?

はじめに、「調査方法」をご紹介します。調査方法は主に「定量調査」と「定性調査」に分けられます。調査リリースは主に「定量調査」を用いることが多いため、「定量調査」の調査方法を紹介していきます。それぞれのメリット・デメリットを把握したうえで、適当な調査方法を選びましょう。

調査方法1.インターネット調査/Web調査

インターネット調査は、インターネットを活用し、対象者にアンケートを配信して実施する調査方法です。回答数の回収が比較的容易にでき、広範囲の調査、特定範囲の調査いずれも可能です。また、コストを抑えて運用することも可能なため、調査リリースに最も利用される調査方法のひとつです。一方で、インターネットを利用していない層へアプローチできないため、出現率を事前に確認する、回収後にウエイトバック集計を行うなど、考慮すべき点を認識しておきましょう。

調査方法2.郵送調査

郵送調査は、ユーザーの自宅に直接アンケートを郵送し、回答してもらう調査方法です。回答者は自身の都合で回答を進めることができるため、質問量が多い場合など時間を要する調査内容に適しています。一方で、なかなか見てもらえない、留守時間が多くて受け取ってもらえない、返送するのが手間となるため、回収率は低くなる傾向があります。

調査方法3.街頭調査

該当調査は、調査員が街頭に出てランダムに対象者を選び、その場でアンケートを実施する調査方法です。テレビ番組等でもその調査の様子が放映されるなど、目にされたことがある方も多いのではないでしょうか。その場で回答を得られるため回収率が高く、急な調査リリースにも適しています。また、実際の回答者の存在を対外的に示すことができることもあり、メディアに対しても有効です。一方で、回収できる数は調査員の数と比例するため、多くの回答は得られづらく、調査員は調査協力を求めるコミュニケーション能力も必要となります。

調査方法4.会場調査(CLT)

会場調査は、セミナーやイベントが開催されたときに直接ユーザーに調査を取る方法です。紙でのアンケートになる場合、集計が手作業になるため、多少の手間がかかってしまいます。会場でQRコードを読み取ってもらい、Web上でアンケートを回答できるようにすると、集計の手間が省けます。

調査方法5.電話調査

電話調査は、ユーザーに直接電話を掛け、アンケートに回答してもらう調査方法です。街頭調査同様、具体的な回答を聞けることはメリットですが、設問量が多い場合は不向きと言えるでしょう。また、架電対象に対して不信感を持たれないような調査協力依頼をする必要があります。

調査方法6.ホームユーステスト(HUT)

ホームユーステストは、調査したい商品を対象者の自宅に送付、一定期間の使用後、意見や感想を得る調査方法です。長期間に渡るアンケートとなり、期間の経過による意見の変化を見ることができます。一方で、商品発送や回収に手間がかかるため、一度に多くの回答が必要な調査には適さず、実施側の管理工数も大きくなります。

資料

調査リリースのための調査の流れ、5ステップ

次に、調査の流れを5つのステップに分けてご紹介します。

STEP1.目的とゴールの設定

どんな目的で調査を実施するのか、集まった調査結果をどのように使用するのか、「目的」と「ゴール」を明確にします

メディアに取り上げられるうえで、調査結果が客観的かつ中立的であることが重要です。生活者も同様、自社宣伝と捉えられると信ぴょう性が下がるでしょう。メディアや生活者の視点を忘れずに目的やゴールの設定を行いましょう。

目的とゴールを設定した後、調査の対象者設定や、どんなデータをどのくらい集めることができればいいのか、などの具体的な設計を行います。

STEP2.調査の種類決め

主な調査は「Web調査」と「紙調査」の2種類です。回答数を多く得たい場合は、回収までのスピードが速く、回収後の集計も簡易なWeb調査をおすすめします。その他、回収したい対象ユーザー層を踏まえ、調査の種類を決めましょう。

STEP3.調査票とアンケートフォームの作成

調査票の作成とアンケートフォームへの落とし込みを行います。調査票を作成せず、直接、アンケートフォームに調査項目を流し込んでいる方も多いのではないでしょうか。直接アンケートフォームに調査項目を流し込んでしまうと、調査結果を見た際に回答対象者が不明瞭で正確な分析ができない、設問の順番がおかしい、重複している項目がある……など、修正が必要な際に手間がかかることになります。

一度Excelなどで調査票を作成し、設問文と選択肢を洗い出し、適切な設問の配置決めを行いましょう。Excelでの調査票が完成後、設問や選択肢、分岐に誤りはないか他者から確認をしてもらったうえで、アンケートフォームへ落とし込みます。

また、調査リリースはメディアが安心して取り上げられるよう、生活者が信ぴょう性があるものとして認識できるよう、調査概要の記載が必須です。調査機関、調査対象、有効回答数(サンプル数)、調査方法などをリリースに明記できるよう、あらかじめ準備をしておきましょう。

【関連記事】
PR TIMESコンテンツ基準|(2022/6/16改定)調査リリースの発表に関する内容

ここで、調査票を作成するうえで必要な知識として、「SA」「MA」「排他」について簡単にご紹介します。

3-1.SA(単一回答)

SAは、単一回答という意味を持つ「シングルアンサー」の略語です。これは、ひとつの質問に対して、選択肢から回答をひとつだけ選んでもらう回答方法です。

例:「下記の選択肢から、当てはまるものをひとつだけお選びください」など

3-2.MA(複数回答)

MAは、複数回答という意味を持つ「マルチアンサー」の略語です。これは、ひとつの質問に対して、選択肢から複数の回答を選んでもらう回答方法です。

例:「下記の選択肢から、当てはまるものを3つお選びください」、「下記の選択肢から複数お選びください」など

3-3.排他

排他とは、MA(複数回答)の選択肢で「当てはまるものはない」「その他」など、他の選択肢と重複することがあり得ない選択肢です。

STEP4.実査

ここまでのSTEPを経て、ようやく実査です。実査開始後、調査の回答数の収集進捗を見ながら、回答期限を延長する判断が必要な時がありますので、開始前にどのタイミングで誰が判断するのか、など決めておくとよいでしょう。

STEP5.集計

調査完了後、集計に入ります。集計方法は2つあり、「単純集計」と「クロス集計」です。「単純集計」は、設問ごとのトータルを示す集計方法です。「クロス集計」は設問と設問をかけ合わせて集計する方法です。単純集計で全体の傾向を俯瞰し、クロス集計で詳細を分析するなど、集計の特性を活かして分析しましょう。

調査リリースのための調査で気をつけたい5つの注意点

調査を行ったとしても、回答者は限定されます。回答者の負担を少しでも軽減し、回答率を高めるために気をつけたい5つの注意点を見ていきます。

注意点1.事前に調査の目的、期限、所要時間を記載する/伝える

どの調査方法でも、急に設問に入らずに「目的」「期限」「所要時間」の3つを記載、または、口頭説明してください。調査目的の説明がないと、回答者は「何のためにアンケートを取るのか」「どのようにして自分の回答が使われるのか」などの、疑問を抱いてしまいます。きちんと説明することで、回答者は安心し、回答率を高めます。

1-1.目的

まず、調査の目的を記載します。「この調査の目的はなにか」「この調査結果がどのように使われるのか」、調査に協力する意味を回答者に理解してもらいましょう。

1-2.期限

回答期限はいつまでなのかを記載します。記載がない場合、回答を先延ばしにされる可能性が高まりますので注意が必要です。

例:2022年8月31日(水)23:59まで

1-3.所要時間

アンケートにかかる所要時間を記載しましょう。アンケートの所要時間が短いと、回収スピード、回収率共に上がります。所要時間が長い場合も偽りなく記載しましょう。回答開始後、実際の所要時間と大幅に乖離がある場合、回答者の不満につながります。

例:最大8問、3分ほどで、ご回答いただける内容です。

注意点2.回答者の負担にならない設問数の設定

次に、調査の設問の数です。設問数は10までが、ストレスなく回答できる上限と言われています。10以上は回答者にストレスがかかってしまい、調査を離脱される可能性が高くなるため、注意が必要です。設問数が多い場合には、本当にその設問が必要かを再考しましょう。

注意点3.誰が見てもわかりやすい言葉で作成する

設問文や選択肢は、誰が見てもわかりやすい言葉で作成をしましょう。専門用語や難しい言葉は使用せず、わかりやすい言葉に変えて作成すること。また、設問文選択肢ともに、長々と書かずに、簡潔にまとめて書くことを意識して作成しましょう。

注意点4.設問文を適切な順番に配置

設問文は適切な順番に配置を行い、回答者がスムーズに回答できるように心がけましょう。適切な順番で設問文が配置されていないと、回答者が混乱してしまいます。答えづらい設問が一番はじめにきていると、調査から離脱してしまうこともあります。設問は、回答者の思考の流れを考慮し、回答者によって前提が異なることがないような聞き方を心がけましょう。

注意点5.回答者へのメリット記載

回答者へのメリットがあれば記載しましょう。調査に回答して、抽選でギフト券などの特典がプレゼントされる場合は、その旨を記載してください。特典が抽選で当たる場合、回答内容と抽選には関係のないことを記載しましょう。

注意点

正しい調査方法で、質の高い調査リリースを作成しよう

今回の記事では、調査リリース作成の際の調査方法について、Web調査を中心にご紹介しました。調査リリースに大切なことは、目的とゴールに沿った調査方法を見つけ、明らかにしたいことが明確に結果として表れ、分析できる調査にすること、調査は中立であることが重要です。調査の流れや注意点を留意し、質の高い調査リリースとなるような調査を行いましょう。

調査リリースの書き方は、こちらで紹介してますので合わせてご覧ください。

PR TIMES MAGAZINE編集部 2022.6.1更新

調査リリースを作成するための調査の方法や流れに関するQ&A

PR TIMESのご利用を希望される方は、以下より企業登録申請をお願いいたします。登録申請方法料金プランをあわせてご確認ください。

PR TIMESの企業登録申請をするPR TIMESをご利用希望の方はこちら企業登録申請をする

この記事の監修者

松田 昇子

松田 昇子

スタートアップ企業にて広報PRチームの立ち上げを経験後、2021年4月にPR TIMESへ入社。カスタマーリレーションズ本部にてカスタマーサポートを担当し、2022年3月より審査プロセス担当に着任。現在はお客様対応に携わる一方で、PR TIMESの掲載基準や企業登録審査プロセスの改善を行っています。

このライターの記事一覧へ