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ペルソナとは?設定する方法・必要な要素・3つの注意点などの基礎知識を紹介

対象となるユーザーを詳細にイメージした「ペルソナ」は、広報PR・マーケティング活動の効果を最大化するために設定する項目です。

本記事では、ペルソナに関する基礎知識を解説しながら、設定する方法や3つの注意点などもご紹介。広報PR・マーケティング活動の効果がなかなか出ない、これからペルソナを設定したいと考える広報PR担当の方は、本記事の内容を参考にしてみてくださいね。

広報PR・マーケティングにおけるペルソナとは?

「ペルソナ」は、マーケティングの分野で頻出する単語ですが、なんとなくの理解にとどまっている方も多いのではないでしょうか。まずはペルソナの意味や、「ペルソナ分析」について解説します。

また、混同して覚えていることの多いターゲットとペルソナの違いについても確認しておきましょう。

ペルソナ分析の意味

ペルソナは「人格(Persona)」の意味を持つ単語です。元は、俳優が演技をする際に役の仮面をかぶることを指していましたが、そこから転じて、人格や性格などを意味するようになったといわれています。

マーケティング分野におけるペルソナとは「特定の商品をリーチしたい架空の人物」を表すことが一般的です。商品開発やサービスの改良・販促などを行う際にペルソナを詳細に設定していく手法を「ペルソナ分析」と呼び、多くの企業がマーケティングのひとつとして取り入れています。

ペルソナとターゲットの違い

ペルソナ

ペルソナと似た言葉に「ターゲット」があります。ペルソナとターゲットの大きな違いは、商品を訴求したい属性・対象です。ペルソナが「架空の人物像」を指すのに対し、ターゲットは「実在する属性の集団」のことを指します

例えば、ペルソナは「38歳男性、職業は食品メーカーの営業職で現在は3社目。20代で結婚し、9歳になる男の子の父親でもある」と詳細を定めるのに対し、ターゲット設定では「30代既婚男性」との属性のくくりがマーケティングの訴求対象です。

ペルソナを設定していたつもりなのに、ターゲット設定止まりだったというケースはよくあります。ペルソナとターゲットの意味の違いを曖昧に捉えていた方は、設定したマーケティング活動の訴求対象を改めて振り返ってみてもよいでしょう。

ペルソナの作り方・決め方3つのステップ

ペルソナを設定する際には、どのように進めたらよいのでしょうか。

ペルソナを決めるうえでもっとも重要なのは、人物像を決定付けるための情報の量です。可能な限り多くの情報を収集し、リアルなペルソナを設定していきましょう。

STEP1.お客様アンケートやヒアリングを実施する

まずは自社のユーザーに対し、アンケートやヒアリングを行うことで、ユーザー像の大枠をつかみます。

アンケートは店頭やメール、SNSなどで行うのが一般的です。店舗ではアンケートと同時にヒアリングも実施し、属性には分類しきれない踏み込んだ情報を得られるような質問を用意しておくとよいでしょう。

すでに自社のユーザーに関するデータを持っている場合は、その情報とアンケートやヒアリングで得た情報を組み合わせるのがおすすめです。2つのデータから得られる傾向を反映させることで、より詳細な情報を集めることができます。

STEP2.データをグルーピングする

アンケートやヒアリングで情報を収集した後は、そのデータを以下の2つにグルーピングして整理していきます。

デモグラフィック:年齢・性別・職種・家族構成などの人口統計学的な属性

サイコグラフィック:人格・価値観・興味・ライフスタイルなどの心理学的な変数

情報を2つの分類でまとめることで、ペルソナに設定するべき人物像が見えてきます。

STEP3.具体的な人物像を構築する

最後に、グルーピングした情報をもとにペルソナを定めていきます。その際、より詳細な人物像を設定できるよう、情報をまとめた「ペルソナシート」を作り、必要な要素を埋めていくとよいでしょう。設定時に参考になる必要な項目や要素をいくつかご紹介します。

  • 名前
  • 年齢
  • 性別
  • 職業 / 役職
  • 年収
  • 通勤にかかる時間
  • 住所
  • 趣味(複数でも可)
  • 家族構成
  • 身長や体重
  • 結婚や恋人の有無
  • 交友関係
  • 日課にしていること
  • 1日のスケジュール(平日 / 休日別)
  • 利用しているSNS
  • 情報収集の方法
  • よく見ている映画・動画チャンネル
  • 購読している雑誌
  • 好きなブランド
  • 最近の悩み(複数でも可)
  • 将来の夢
ペルソナ

名前や年齢、性別、職業などの基本的な情報は箇条書きで、趣味や日課、最近の悩みなどは文章でまとめるのがおすすめです。趣味や悩みなどの数は1つに限定せず、収集したデータをもとに可能な限り書き出しましょう。

さらに、テキスト以外に写真やイラストなどのイメージを作るのもおすすめです。ビジュアルイメージがあると、チーム内でペルソナを理解しやすくなります。

マーケティングでペルソナを設定する3つのメリット

次に、ペルソナを設定することによって得られる3つのメリットを解説します。

メリット1.ターゲットの人物像をチームで共有しやすくなる

ペルソナを設定する1つ目のメリットは、ターゲットとなる人物像の具体的なイメージをチームで共有しやすくなることです。例えば「30代男性」とターゲットを決めている場合は範囲が広く、人によって人物像のイメージが異なることも。チーム内で提案するマーケティング活動や、商品に反映するべき内容などの部分で、意見の食い違いが起こるかもしれません。

ペルソナの設定は、属性以外の心理的な要素や普段の行動範囲など、実在する人物のプロフィールを考えるようにして肉付けしていきます。ターゲットをよりリアルに想像することで認識のズレが起こりにくくなり、打ち合わせや施策の決定などがスムーズに行えます。

メリット2.ユーザーの需要に応える商品開発ができる

ペルソナを設定する2つ目のメリットは、具体的なユーザー視点で商品開発が可能になることです。アプローチしたい人物像が幅広く設定されている場合、商品開発に反映すべき項目はたくさん思いつきますが、項目ごとの優先順位が曖昧になりがちです。結果、幅広い層に訴求はできても、深く刺さりにくい商品やサービスが生まれることがあります。

ペルソナの設定では、個人の行動範囲や、日常的に関心があること、解決したい悩みなどを分析する過程で、商品・サービスに反映すべきことを明確にできます。ペルソナの目線で欲しい商品・サービスについて考えることで、具体的なニーズを満たす商品開発がしやすくなるのです。

メリット3.マーケティング活動の精度が上がる

ペルソナを設定する3つ目のメリットは、データを肉付けしていくことでマーケティング活動の精度が上がることです。特にアンケートなど、ペルソナに近い人がどのような反応を示すのかがわかるデータを使えると、具体性が高まります。課題や要望に応えたコンテンツ、デザインなどに落とし込みつつ、もっとも効果を期待できるマーケティング活動を選択できます。

小さな施策を並行して行うより、精度の高い施策に集中しやすくなるのもメリットです。業務を効率化したり、費用を適切に配分したりすることにもつながります。

例えば記念日などにまつわるプレスリリースを書く際にも、ペルソナ設定を行って「刺さる」発信を狙うことができるでしょう。

ペルソナを設定するときの3つの注意点

ペルソナを正確に設定できれば個別具体的なマーケティング活動が行えるため、特定の層に刺さる商品・サービスの「認知拡大」「売り上げ増」につながる可能性があります。しかし、設定する際の方向性を間違えると、ペルソナが現実離れしてしまい、想定した効果が得られないリスクもあります。

最後に、ペルソナを設定するときに注意したい3つのポイントを解説します。

注意点1.収集データの正確性

ペルソナを設定するときの1つ目の注意点は、収集データの正確性を意識することです。ペルソナの設定は、データの内容次第で人物像が大きく変わります。そのため、収集するデータの正確性は重要なポイントとして覚えておきましょう。

正確なデータを集めるには、情報に偏りが生じないようにアンケートやインタビューの母数を多くしたり、人口動態調査総務省統計局が発表するデータを活用したりといった方法があげられます。インターネット上からユーザーの口コミ情報を集める場合は、投稿された内容の信ぴょう性を重視しながら情報をまとめていきましょう。

注意点2.現実的なペルソナ設定

ペルソナを設定するときの2つ目の注意点は、現実的なペルソナを設定することです。ペルソナは架空の人物ですが、現実の正確なデータに基づいた人物像を設定しなければ、適切な販促効果は得られません。根拠がないにもかかわらず、想像や思い込みでペルソナを設定することは避けましょう。

現実的な設定ができているか不安になったら、人物像をデータで説明できるかどうかで判断するのがおすすめです。ペルソナ設定後も、非現実的な人物像になっていないか、確認を忘れないようにしてください。

注意点3.内面まで詳細に設定する

ペルソナを設定するときの3つ目の注意点は、ペルソナの内面まで詳細に設定することです。ペルソナの設定で重要なのは、どれだけリアルな人物像を作れるかということ。氏名や年齢だけでなく、趣味、住んでいる場所や間取り、家賃などの情報もわかれば、どのような嗜好でライフスタイルを決めているか、といった要素も詳細に設定できます。

個人の嗜好やアイデンティティに対する考え方などは、世代の違いや時流によっても変化する部分です。時間の経過でペルソナの心理状況に変化はないかなど、定期的な見直しも行いましょう。

リアルな人物像を設定すると、販促効果のアップが期待できる

ペルソナの設定は、具体的であればあるほど販促効果が期待できます。本記事で紹介したポイントをもとに、架空の人物でありながら、実際にどこかに存在していると思わせられるような人物像を作り出すことを目指してみてください。

マーケティングの成果が伸び悩んでいる場合は、まずペルソナの設定を見直すところから始めてみてはいかがでしょうか。

<編集:PR TIMES MAGAZINE編集部> 

ペルソナに関するQ&A

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この記事のライター

佐藤 杏樹

佐藤 杏樹

フリーのライター・編集者。PR TIMESに新卒入社しメディア事業部にてコンテンツ編集者・SNS運用・イベントなど担当。現在も執筆業に携わりながら広報・PRの仕事もしています。広報実務を通して得た知見や実践しやすい広報ノウハウ、最初に知っておきたい広報の基礎など、みなさまに分かりやすくお伝えします。

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