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現役広報が教える、広報の横のつながりを作る5つの方法とポイントを紹介

製品やサービスの品質が高まり、品質だけで選ばれることが難しくなった現代では、消費活動において共感が重視されるようになり、ビジョンやストーリーを伝える手法として広報が企業にとって重要な役割として認知されるようになりました。

とはいえ、ベンチャー企業や中小企業などでは広報の専任担当者は一人配置するのが精一杯だという場合も多く、広報担当者は業務の悩みを相談したり共感し合える仲間が欲しくなるかもしれません。

そんなとき重要となってくるのが、広報担当者同士の横のつながりです。本記事では、広報の横のつながりを作る5つの方法や、その際の注意点などを解説していきます。

広報が横のつながりを作るメリット・必要性とは?

広報が横のつながりを作るためには、様々なイベントや勉強会に顔を出すなど時間や手間もかかります。社内だけで仕事を完結させることはできるにも関わらず、わざわざ横のつながりを作るメリットや必要性とは何でしょうか。

広報が横のつながりを作るメリットや必要性

本項では、「悩みを共有できる」「視野を広く持てる」「企業同士のコラボレーションに繋がる可能性がある」「結果的にメディア関係者とのつながりも増える」という4つのメリットについて説明します。

メリット1.悩みを共有できる

広報の横のつながりを持つことで、広報担当者ならではの悩みを共有できるメリットがあります。

悩んでいるのは自分だけじゃないと知ることで孤独感が解消されるでしょう。特に自社に広報担当者が自分一人だけの場合、業務の悩みを誰にもわかってもらえないつらさがあるため、横のつながりを持って不安を払拭するのは効果的です。

さらには他社で似たような問題にアプローチした方法などを教えてもらえる可能性があり、相談することで問題解決に繋がる場合もあります。

メリット2.視野を広く持てる

他社の広報担当者と日頃から情報交換していると、視野を広く持てるようになります。

他社の取り組み(新規事業、CSR活動、社内イベントなど)や、広報活動(社外広報、社内広報、採用広報など)を参考にして自社の取り組みに活かせるのです。

業界知識を持つ広報担当者同士が集まることで、自社とは全く接点のない業界のトレンドなどを知り見識を広げることもできます

業界内や自社内だけの狭い視野ではなく、社会全体を広く捉える力は広報担当者に必須です。横のつながりを持つことでカバーしましょう。

メリット3.企業同士のコラボレーションに繋がる可能性がある

広報担当者同士の情報交換がきっかけで、企業同士のコラボレーションに繋がることがあります。

それぞれの事業内容がリンクし協業に繋がれば、事業にもプラスの影響が出せる上に広報ネタも一つ増えることになります。お互いの企業に良い作用が得られますね。

企業同士のコラボレーション

事業内容でコラボレーションができなかったとしても、似たような取り組みをしていれば一緒にメディアアプローチをするなど、広報活動上で協力できる可能性もあります。

メリット4.結果的にメディア関係者とのつながりも増える

広報の横のつながりを構築することで、結果的にメディア関係者とのつながりも増えます。

広報担当者同士で記者を紹介し合うことも有益です。馴染みの記者が探しているネタを自社が提供できない場合に、知り合いの広報がいる企業が思い当れば紹介してあげましょう。記者にも広報担当者にも喜ばれるでしょう。逆に、他の広報担当者が記者と繋いでくれることもあります。

それぞれに利益のあるwin-winの関係性が築けるはずです。記者にとっても、取材先を探しているときに何らかの力になってくれる広報担当者は心強いと感じます。つまり横のつながりが広い広報担当者は記者から重宝されるということです。

広報が横のつながりを作る5つの方法

ここまで広報が横のつながりを作るメリットや重要性を説明しました。

では、具体的にどんな方法で他社の広報担当者とつながりを作ればよいのでしょうか。

本項では、「勉強会に参加する」「広報コミュニティに所属する」「SNSを通じてアプローチする」「広報担当者同士のつながりを使って紹介してもらう」「社内のつながりを使って紹介してもらう」という5つの方法を紹介します。

1.勉強会に参加する

広報の勉強会に参加することで、他社の広報担当者とつながりやすくなります。

勉強会は交流会がセットになっているものも多く、名刺交換の機会も十分にあります。

同じ課題意識を持った広報担当者が集まっているため、協力し合える仲間が見つかりやすいでしょう。

2.広報コミュニティに所属する

広報コミュニティに所属してみるのも有効な方法です。

SNS上のグループで情報交換するものや、自社のナレッジを発表し合うもの、チームを組んで継続的に課題に取り組むものなど、様々なコミュニティがあります。自分がコミュニケーションを取りやすいと感じる集まりを探してみましょう。

コミュニティに所属するメリットは、何度か顔を合わせる広報担当者ができることです。単発の勉強会やセミナーに参加するよりも声をかけやすくなります。

3.SNSを通じてアプローチする

Facebookなど、SNS上の同じ広報コミュニティに所属している人に個別で連絡をとるアプローチ方法もあります。

配信イメージ

SNSで他社の広報担当者とつながることにはメリットがあります。1つ目は普段の投稿内容からその会社がどんな取り組みをしているか、どんな切り口でメディア露出しているかなどがわかる点です。2つ目は、ダイレクトメッセージ機能を使って簡単に連絡ができることです。

先述のような広報コミュニティに所属していない場合でも、X(旧Twitter)などで「〇〇社の広報」と明記してSNSをやっている広報担当者は多いため簡単に見つけてつながることができるでしょう。

4.広報担当者同士のつながりを使って紹介してもらう

広報担当者同士のつながりを使って、別の広報担当者を紹介してもらうパターンもあります。

事業内容が似ているから、歳が近いから、気が合いそうだからなど、理由は様々ですが、広報担当者同士で情報交換しようという趣旨のカジュアルな集まりで引き合わせてもらい、人脈が広がることがあります。

知り合いの広報担当者が自分の気になる広報担当者とコンタクトを取ってることがわかったら、直接紹介をお願いして繋いでもらうのも良いでしょう。

5.社内のつながりを使って紹介してもらう

社内のつながりを使って他社の広報担当者を紹介してもらえることもあります。

たとえば取引先企業の広報担当者を自社の営業担当に紹介してもらったり、社長同士が仲の良い企業で広報同士もコンタクトを取るようになったりと、様々なパターンがあります。

自社と取引のある企業の広報担当者とつながりを持っておくと、その後業務提携や協業の機会があった際に共同プレスリリースの作成などがスムーズに進みます。

他社の広報担当者とのつながりを作りたいことを、社内のメンバーに共有しておくといいでしょう。

広報が横のつながりを作るときの4つのポイント・注意点

ここまで広報が横のつながりを作るメリットや、その具体的な方法について説明してきました。

では、実際に横のつながりを作るときに注意すべきポイントはあるのでしょうか。

本項では、「自社情報の共有範囲を決めておく」「社内でのコミュニケーションも大切にする」「あくまで自力でメディアリレーションズを築く意識を持つ」「親しき中にも礼儀ありの意識を持つ」という4点について説明していきます。

1.自社情報の共有範囲を決めておく

他社の広報担当者と交流する際には、自社情報の共有範囲をあらかじめ決めておきましょう

社外に共有しても良い情報はどの範囲までなのか、事前に社長や上司に確認しておきます。

広報担当者は経営層と距離が近く、重要な情報や社内の最先端の情報を多く持っています。それが社外に話してしまっても良い内容なのか、まだどこにも公開すべきではない情報なのか、きちんと把握しておくことが大切です。

特に同業の広報担当者とコミュニケーションを取る際には注意しましょう。漏らしてしまった情報が直接的に自社の不利益につながることも考えられます。

2.社内でのコミュニケーションも大切にする

他社の広報担当者と交流する際には、社内でのコミュニケーションも大切にしましょう。

広報担当者同士の関係性構築は、世界が広がり楽しいものです。とはいえ社外にばかり目が向いてしまうのは問題です。

まずはなにより自社のことを知り、社内の人とコミュニケーションをとって業務の基盤を構築することが大切です。社内で適切なコミュニケーションが取れる環境を作っておくことは広報活動における土台とも言えます。

社外でのつながりを重視した結果社内の人間関係がないがしろになるようなことがないよう、注意しましょう。

3.あくまで自力でメディアリレーションズを築く意識を持つ

他社の広報担当者と交流を広げることのみに注力せず、あくまで自力でメディアリレーションズを築く意識を持つことも大切です。

広報担当者同士のつながりができると、自社に合ったネタを探している記者を紹介してもらえるなど、メディアリレーションズのきっかけを提供してもらえる機会も増えます。

メディアリレーションを築く

それに甘んじて、他社の広報担当者に頼るマインドを持たないように注意しましょう。

たしかに記者への最初のアプローチは難しく心が折れそうになることもあります。それでも、自社の情報をどのメディア(どの記者)にどんなふうに取り上げてもらうことが社会や会社にとってベストかを考えた上で戦略的にアプローチすることや、その戦略の立案も広報担当者の仕事なのです。その点を怠らないためにも、メディアリレーションズはあくまで自力で行うことを肝に銘じておきましょう。

4.親しき中にも礼儀ありの意識を持つ

広報の横のつながりがある程度構築されていく中で、親しい友人のような感覚になることもあるでしょう。それはもちろん悪いことではありませんが、親しき仲にも礼儀ありの意識を忘れないようにしましょう。

記者の紹介などで協力してもらったらお礼を伝える、相談に乗ってもらったら貴重な時間を割いてくれたことに感謝するなど、当たり前の礼儀を尽くすべきです。

お互いをいち企業の広報担当者同士として尊重する意識を忘れずに接しましょう。

広報同士の横のつながりの構築にはメリットが多い

本記事では広報の横のつながりを作る方法や注意点について解説しました。

広報同士の横のつながりを持つことは、企業間コラボレーションのきっかけになり得ることや記者を紹介し合えるなどという業務上のメリットだけでなく、悩みを共有したり相談相手になってもらったりと、精神的にも支えになることでしょう。

横のつながりを構築することで、一人で社内にこもって仕事をしているだけでは得られないような情報や経験を手にできます。

ぜひ本記事を参考につながりを広げていってください。

広報の横のつながりの作り方に関するQ&A

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この記事のライター

ならきち

ならきち

在宅ライター主婦。会社員時代は中古IT機器の専門商社で広報をしていました。取材対応をはじめとするメディアリレーション全般、プレスリリース執筆、危機管理対応、記者会見の企画・運営、自社ブログ記事の企画・執筆などを担当した経験を活かし、広報担当者の役に立つ記事を書きたいです。現在はわんぱくな息子に翻弄されながら在宅でライターの仕事をしています。

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