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読んでもらえる広報誌のデザイン・レイアウトとは?事例や自前で作る方法も紹介

自分たちの活動を多くの人に知ってもらうために制作する「広報誌」。制作の目的やターゲット、コンテンツは明確になったものの、「どうデザイン・レイアウトしたらいいのかわからない……」といった悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。

本記事では、広報誌のデザイン・レイアウトを考える際のポイントや参考事例、自社で制作するときのおすすめツールなどを紹介します。

広報誌の役割や広報紙との違い、作成のポイントについては広報誌とは?「広報紙」との違い・作成時の7つのポイント【事例紹介あり】で紹介しています。

読んでもらえる広報誌を作るためにはデザイン・レイアウトが重要

広報誌を作る際にもっとも重要なのは、広報誌の基本的な目的や存在意義、果たすべき役割を明確にすることですが、広報誌をより多くの人に読んでもらうためには、デザインレイアウトによって視覚的に読みやすくする必要があります。

コンテンツを文字で羅列するだけにしてしまうと、そもそも読む気が起きなかったり、どこに何が書いてあるかわかりにくかったりと、情報が適切に伝わらない恐れがあります。

デザインの力を活用することで、広報誌で伝えたい情報をイメージとしてわかりやすく届けることができます。コンテンツの内容はもちろん大事ですが、読んでもらうためにはデザイン・レイアウトなどの視覚表現も重要な役割を果たすことを覚えておきましょう。

デザインの力で広報誌の影響力を高めた事例:埼玉県三芳町

埼玉県三芳町 広報誌見本

当時、埼玉県三芳町の広報担当職員だった佐久間智之さんは、町の広報誌が大量に捨てられているのを目にします。そのときのショックをきっかけに、「手に取ってもらえる広報誌」を目指し、同誌のリニューアルを行いました。

子育て支援センターや児童館で町民にヒアリングをした結果、おしゃれなデザインの表紙のほうが手に取ってもらいやすいことが判明し、ファッション雑誌のような表紙へと大幅にデザインを変更。

表紙の写真には町の主役である住民に登場してもらい、「読者と目が合うように」正面カットを採用するようにしました。さらに町の魅力を鮮やかに表現するために、表紙をカラー刷りに。

デザインの変更から5年後(2015年)に住民意識調査を実施したところ、「広報誌から行政情報を得ている」と答えた20代が74%から80%に、70代も86%から94%まで上昇していました。さらに、広告収入も1.5倍になったそうです。

デザインの力で広報誌の影響力が大きく変わるということを示す事例です。

広報誌に必要な5つの項目とレイアウト

広報誌のレイアウトはどのようなことに注意して決めていけばよいでしょうか。ここからは、広報誌に必要な5つの項目ごとにレイアウトのポイントを紹介します。

広報誌のデザインを検討

1.表紙

表紙は、広報誌が読まれるかどうかを左右する重要な項目です。広報誌を通じて伝えたいことや、発信する企業や団体のイメージ・世界観とリンクするデザインにしましょう。

表紙には、以下の5つの内容を盛り込むことが一般的です。

  1. 広報誌のタイトルロゴ
  2. 発行月もしくは発行日
  3. キャッチコピー
  4. 特集内容や連載記事など、メインとなるコンテンツのタイトル
  5. 写真やイラストなどのメインビジュアル

レイアウトを行うときは、タイトルロゴは上部(横書きの場合は中央寄せor左寄せ)が基本です。広報誌名は重要なので、インパクトを与えられるサイズ・色にすることを意識しましょう。

また、メインビジュアルは表紙の全面にレイアウトすることが多いです。写真の場合は、被写体は人で、かつ1人だと訴求力が上がると言われています。

2.目次

企画一覧とページ数を掲載する「目次」は、読者が求めている情報を手早く見つけるための項目です。

広報誌にどんな情報が載っているのか、構造が一目でわかるようにシンプルなレイアウトを心がけましょう。

3.見出し

情報が多い場合、大見出し・中見出し・小見出しなど、見出しを分けてレイアウトすると内容が伝わりやすくなります。原稿のボリュームや文脈に応じて見出しを分類しましょう。

大見出し(記事タイトル)、中見出し、コラムなど、階層ごとに文字サイズや色の濃淡も変えると構造が一目でわかり、読みやすくなります。大見出しほどインパクトを与えられるデザインになるよう調整しましょう。

4.本文

伝えたいことがたくさんあったとしても、文字が詰まりすぎていると読みにくくなってしまいます。読者の年齢に合わせた文字サイズにするなどの点を心がけましょう。また、本文のフォントは誰にでも読みやすい「UD書体」がおすすめです。

基本的には写真やイラストなどを活用し、文字を最小限に抑えることを意識します。より詳しい情報を知りたい人のためには、QRコードを挿入してWebサイトにアクセスできるようにするなどの工夫を行うとよいでしょう。

レイアウトに関しては、下図のように写真を中央に1枚大きく配置し、文字は「L字形」で入れる構成が簡単で美しい配置です。

L字の長い線の部分は横書き、短い線の部分は縦書きにするとメリハリが生まれます。

広報誌 レイアウト見本

色覚障害の人に配慮し、白黒にしたときも読みやすい色分け(彩度)になっているか確認するようにしましょう。

5.写真・イラスト

文字情報を補足し、読者を引きつける役割を果たすのが写真やイラストです。本文の内容に合った写真やイラストを積極的に盛り込むようにしましょう。

フリー素材ではなく、自社・自団体の人やモノなどオリジナルの写真・イラストを使うと訴求力が上がります。

また、本文が重要な内容や堅い内容のときは、シルエットのみのイラスト、青や黒の写真などを使うと雰囲気を壊さず、読みやすさを向上させることができます。

お手本になる広報誌のデザイン・レイアウト事例

「広報誌を作成するにあたり、ほかの企業の広報誌を参考にしたい」という方も多いのではないでしょうか。

ここからは、広報誌を作る際に参考にしたいデザイン・レイアウトの事例や、探し方をご紹介します。

広報誌のデザイン事例1.愛媛県西条市

愛媛県西条市 広報誌事例

愛媛県西条市が発行する『広報さいじょう』2021年7月号は、「令和4年全国広報コンクール」の広報紙(市部)部門において特選(全国1位)に選ばれ、総務大臣賞を受賞しました。

住民の生き生きとした表情がはっきりとわかる、写真を大きく用いた表紙のデザインが印象的です。

本文ページは余白を大きめに取り、読みやすいレイアウトとなっています。色や装飾はシンプルに押さえ、写真を多用することで必要な情報をわかりやすくしています。

参考:愛媛県西条市が広報コンクールで全国1位を獲得!「移住全国1位」だけじゃない、新たな称号がまちへの誇りに

広報誌のデザイン事例2.はやしテレンプ株式会社

はやしテレンプ株式会社 広報誌事例

自動車内装部品メーカーの林テレンプ株式会社は、「社内報アワード2022」の「紙社内報部門(連載・常設企画)」でシルバー賞、「紙社内報部門(1冊子19ページ以下)」でブロンズ賞を受賞しました。

従業員のプロフェッショナリズムを伝える、シックな色合いやフォントが特徴的です。

製造現場の従業員を表紙に掲載しているほか、従業員が自らデザインやレイアウトを手がけており、広報誌全体を通じてモノづくりへの情熱を体現しています。

参考:林テレンプの社内報 「HAYATELE NEWS」が社内報アワード2022でシルバー賞・ブロンズ賞をダブル受賞

広報誌のデザイン事例3.奈良県三宅町

奈良県三宅町 広報誌事例

奈良県三宅町の広報誌『広報みやけ 特別号』では、従来の雑誌型レイアウトにとらわれず、内容ごとにバナーを作成。レイアウトの手間を削減すると同時に、必要な情報がどこにあるかをわかりやすく表現しています。

町民アンケートでは、78%が「わかりやすい」と回答。さらに給付金の申請数が想定の3倍以上になるなど、グラフィックを重視した発信による大きな効果が上がっているようです。

参考:奈良県三宅町の広報誌はアンケート回答者の8割の方がわかりやすいと回答。給付金の申請数も3倍に。行政情報をわかりやすく発信するAIシステム「POTETO Design (β版)」を活用。

広報誌のデザイン事例4.社会医療法人愛仁会 千船病院

社会医療法人愛仁会 千船病院 広報誌事例

社会医療法⼈愛仁会 千船病院は、「これまでのものとは一味違う広報誌」を目指した病院広報誌を創刊しました。

プロのクリエイターを制作陣に迎えたという誌面では、病院の所在地である大阪市西淀川区が大阪湾や淀川など水辺の町であることから、「波」のモチーフを随所に活用しています。

また、病院で働く人々や地域のお店などの写真を多数掲載し、巻末には院内の各科について確認できるQRコードを一覧で記載するなど、機能面・情緒面の双方で充実した内容となっています。

参考:『虹くじら』千船病院広報誌創刊

広報誌のデザイン事例5.株式会社サニクリーン

株式会社サニクリーン 広報誌事例

清掃・衛生領域で事業を展開する株式会社サニクリーンは、法人顧客向けの広報誌をリニューアル。用紙サイズをタブロイド判からA4サイズへと変更し、仕事の合間に読めるよう読みやすさを追求したデザインに一新しました。

お役立ち情報などを中心に比較的文字が多い誌面ですが、多くのコーナーにイラストを掲載していることで読みやすさを担保しています。また、イラストはすべて、同社のブランドイメージを意識したやさしいタッチで統一されています。

参考:サステナビリティに配慮した広報誌へと進化!用紙使用量を約45%削減。サニクリーンの季刊広報誌が2022年冬号よりリニューアルしました

広報誌のデザイン・レイアウト事例の探し方

Webサイトやプラットフォームサービスを活用し、多種多様な企業・団体による広報誌のデザイン・レイアウト事例を探すことができます。自社(団体)と異なる領域のものも含め、複数の広報誌のデザイン・レイアウトを参考にするとアイデアや視点が広がるでしょう。

Pinterestで探す

Web上にあるさまざまな画像を集めてブックマークできるWebサービスが「Pinterest」です。「広報誌」というキーワードで検索してみると、ほかのユーザーがブックマークしたいろいろ色々な広報誌の事例を見ることができます。

マイ広報誌で探す

「マイ広報誌」は、自治体など等の広報誌を記事ごとにデータ化し、インターネット上で無料配信・検索可能にするサービスです。定期的に最新号がアップされているので、デザインのトレンドをリサーチするうえでも役立ちます。

広報誌のコンクール受賞作品を調べる

公益社団法人・日本広報協会が自治体を対象に開催している「広報コンクール」や、株式会社ウィズワークが社内報を対象に開催している「社内報アワード」など、さまざまな広報誌のコンクールが存在します。

そういったコンクールで表彰されている広報誌のデザインを参考にするのもひとつの手です。

印刷会社の事例を調べる

広報誌のデザインや印刷を請け負っている印刷会社の中には、制作実績をホームページで紹介しているケースがあります。実績の中から気に入ったものがあれば、デザインの参考にしたり、制作を依頼をしてみたりするのもよ良いでしょう。

プレスリリースから探す

広報誌とは?「広報紙」との違い・作成時の7つのポイント【事例紹介あり】で紹介していますが、広報誌の発行をプレスリリースを通じて発信することは、より多くの人に広報誌を読んでもらうために有効な手段のひとつ。

そのため、プレスリリースの中から「広報誌」に関するものを探してみると、デザインや企画などでさまざまな工夫を凝らしている事例が見つかることがあります。

広報誌のデザインを依頼したときの金額の相場

広報誌の原稿や写真素材は用意できても、デザインやレイアウトまで自前で完成させるのは難しいと感じている方もいるのではないでしょうか。デザインを外部に依頼するうえでの検討材料として、必要な費用の相場を知っておくことが大切です。

PR TIMES MAGAZINE編集部の調査によると、広報誌のデザインを外部に依頼するときの相場は、デザインのみ依頼した場合で1ページ約10,000~12,000円です。もちろん画像の加工や打ち合わせの回数、修正回数によって金額は変動しますので、あくまで参考程度としてください。

広報誌をデザインするときにおすすめのツール

広報誌のデザインやレイアウトは、専用ソフトやWebサービスを使えば簡単に行うことができます

ここからは、自前で広報誌を制作するときに活用できる、デザイン知識がなくても使いやすいツールを3つご紹介します。

本格的に作成するならInDesign

InDesign

「InDesign」は、ページデザインとレイアウトを行うためのアプリです。チラシやパンフレット、雑誌や書籍、カタログやリーフレットといった、印刷を前提とするさまざまなコンテンツを効率よく作ることができます。

デザイン・印刷のプロも使用しているため、レイアウトや文字組み(文字間の距離)など非常に細かい設定ができ、洗練されたレイアウトを作ることが可能です。

公式サイト上に、ケースごとに使い方を紹介したチュートリアルが公開されています。参考にしながら作成を進めてみてください。

テンプレートを使って簡単に作成するならCanva

Canva

「Canva」は、Web上で使える無料のグラフィックデザインサービスです。7万点以上の無料テンプレートがそろっており、「広報誌」で検索すると、広報誌の表紙などのテンプレートがたくさん表示されます。

ドラッグ&ドロップなど直感的な操作だけでデザイン・レイアウトが完成するので、デザインに苦手意識がある方でも簡単に始めることができます。

自社のイメージに合った広報誌デザイン・レイアウトを考えよう

広報誌が読んでもらえるかどうかは、内容だけでなくデザイン・レイアウトにも大きく左右されます。広報誌に必要な5つの項目、「表紙」「目次」「見出し」「本文」「写真・イラスト」、それぞれのレイアウトやデザインのポイントを押さえ、ツールを駆使して制作を進めましょう。

「Pinterest」や「マイ広報誌」、コンクール受賞作品やプレスリリースなどから参考になる事例を探すのも重要です。

リソースによっては外注も検討する必要があるため、必要な費用の相場も紹介しました。

一方で、レイアウト・デザインまで内製することは情報整理や制作のスキルアップにもつながります。広報PR担当者として、わかりやすい広報誌のデザイン・レイアウトに取り組んでみてください。

参考文献:『すぐに使える!公務員のデザイン大全』(佐久間智之著/学陽書房)

<編集:PR TIMES MAGAZINE編集部>

広報誌のデザイン・レイアウトに関するQ&A

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この記事のライター

野崎 有希

野崎 有希

PR Agency、HR TechにてPRとマーケティングを経験したのち、現在は通販会社(ショップジャパン)の広報部に所属。コーポレートPR、プロダクトPR、採用PRの戦略立案に従事。社会人キャリアはずっとコミュニケーションに関わる仕事をしています。人生のミッションは、「みんなの応援団」!周りの方が幸せになるきっかけをPRの力で作りたい。‟その人“の魅力を引き出すインタビュー記事は、読むのも書くのも好き。

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