PR TIMES MAGAZINE|広報PRのナレッジを発信するWebメディア
記事検索
title

周年記念のプレスリリースの書き方|配信する3つのメリット&配信事例5選【PR TIMESテンプレート】

企業が創業してから、あるいはサービスや商品の提供を始めてからの節目をお祝いする周年記念。企業において重要なマイルストーンであり、同時に会社のことやサービス・商品の認知拡大を図れる絶好のタイミングでもあります。

しかし、「何から始めればよいのかわからない」「どのような発信をすればよいのか迷ってしまう」など、不安に思われる方も多いのではないでしょうか。

本記事では、周年記念のプレスリリースを作成・配信する際に押さえておきたいポイントや注意点、さらには参考になる配信事例までを一挙に紹介します。

ダウンロードファイルは、「解説付きWordのテンプレート」と「PR Editorのテンプレート」の2種類。活用方法については、「Wordファイルインポート機能とは?使い方とメリット・注意点」をご覧ください。

周年記念のプレスリリースを配信する3つのメリット

周年記念のプレスリリースは、単なる節目の報告ではありません。これまでの歩みや成果につながった背景を丁寧に伝えることで、自社が大切にしてきた価値観や、これから描く未来に対する共感を得るチャンスです。結果として、顧客や取引先、メディア、地域社会などあらゆるステークホルダーからの信頼や支持につながる可能性も高まります。

ここでは周年記念のプレスリリースを配信することで得られる3つの主なメリットをご紹介します。

メリット1.企業やブランドの価値向上につながる

周年の節目にあわせて、これまでの歩みや成果、それらを支えた思いをストーリーとして発信することで、知られていなかった企業の魅力に共感が集まり、ブランドへの愛着や信頼感の醸成につながります。

例えば、周年記念イベントや限定企画の開催、記念商品の発売などと組み合わせてプレスリリースを配信することで、企業の成長をより印象的に伝えることができます。実績紹介には図表などのビジュアルを活用することで、読み手がひと目で理解しやすくなります。

こうしたストーリー性のある情報がメディアに取り上げられれば、着実に成長を遂げてきた企業としての認知を得る契機にもなるでしょう。

メリット2.ステークホルダーとの関係が深まる

周年記念のタイミングは、これまで支えてくれた人に対して感謝を伝える機会でもあります。プレスリリースを通して、直接メッセージを発信することで、ステークホルダーとの関係性を深めることができるかもしれません。例えば、記念イベントの機会を設けることで顧客の声を直接聞く、記念事業を立ち上げることで従業員が一丸となって取り組むなど、仕掛けをつくります。

周年記念後に取引先との共同プロジェクトやコラボレーションにつながることも。他社との連携を通じてアウトプット、発信の機会が広がれば、メディアに掲載されるなどの副次的な効果も期待できます。

メリット3.新たな顧客・支援者を増やせる

今まで歩んできた道のりを振り返ると同時に、これからの目標に対する特別な思いを伝えることができるのも周年記念ならではです。

過去の実績や成果を並べるだけでなく、企業としてどのような未来を実現したいのか、その背景にあるストーリーや価値観、そこに至るための行動計画までしっかり伝えるようにします。それらの情報によって、共感され、応援したくなるという思いを抱くのです。「この会社の掲げる未来の実現に向けて支援したい」「次の周年記念も一緒にお祝いしたい」と思ってもらうことができれば、新たな顧客・支援者の獲得にもつながるでしょう。

周年記念のプレスリリースを成功させるための準備

周年記念の企画やイベントについてプレスリリースで配信する際、多くの人の心に残るためには、ただ情報をまとめるだけでなく、共感を得て注目を集めることが重要です。その第一歩として、事前の調査や社内全体の協力を得るための準備が不可欠です。ここでは、周年記念のプレスリリースを作成する前に準備しておきたい項目を3つお伝えします。

1.顧客のニーズを理解する

自社のサービスや商品のうち、顧客が本当に求めているもの、関心を寄せている要素を把握しておくと、喜ばれる周年企画を考えるベースになります。どれだけ力を尽くして企画をしても、顧客が求めているものと異なれば、印象に残る周年記念にならない可能性も。

人気のサービスや商品、これまでメディアで取り上げられたテーマをリサーチしてみましょう。具体的には社内外でアンケートを実施したり、SNSから反響をチェックしたりするのも有効です。また、企画自体を募集することも一案。「お客さまからの声をもとに企画」「ファンからのリクエストを反映」することで、ステークホルダーも周年記念に参加しているという一体感を感じられます。

2.その年ならではのトレンドを取り入れる

周年記念では、時流や話題性を取り入れることで注目度を高める工夫も必要です。1で把握した、自社のサービスや商品と、今注目されているテーマやコンテンツをかけ合わせることで、その年ならではの独自性のある企画を考えることができます。

具体的には、自社業界のトレンドをSNSや業界メディアでリサーチしたり、ステークホルダーへのアンケートで関心の高い話題を探ったりしてみましょう。メディアの目に留まり、取材や掲載につながれば、潜在層への新たな認知にもつながります。

3.知られていないストーリーを洗い出す

周年記念は、表に出ていなかった自社のストーリーや、社員の思いに光を当てる機会でもあります。社内で愛着を持たれたサービスや商品、長年大切にしてきた取り組みなどを振り返り、盛り込むことで、発信する内容に「深み」や「人間味」が生まれます。

例えば「社員が選んだ思い出の商品ランキング」や「開発当時の裏話」などがあることで、ストーリー性のある情報発信になります。復刻版としての販売の場合には、再注目される機会になるかもしれません。このように、社内の多くのメンバーを巻き込んで準備を進めることで、インナーブランディングにもつながる周年記念になるでしょう。

以下の記事では、周年記念実施時に行いたいこととして、インナーブランディングを紹介しています。あわせてご確認ください。

周年記念のプレスリリース作成における3つの注意点

周年記念のプレスリリースを作成する際は、実績や感謝の言葉、今後の展望を伝えることが基本ですが、読み手に「伝わる」「共感される」構成かが、成果を大きく左右します。

ここでは、周年記念に関する情報を効果的に届けるために押さえておきたい3つの注意点を紹介します。

1.会社の歩みをひと目でわかる工夫をする

周年記念のプレスリリースでは、企業やサービスの成長過程や成果を視覚的に伝える工夫が重要です。特に、事業の拡大や利用者数の推移といった定量的な実績は、図表や年表などを活用してひと目でわかるよう整理することで、読み手の理解度が高まります

例えば、カレンダーシェアアプリ「TimeTree」を提供する株式会社TimeTreeの10周年記念を伝えるプレスリリースでは、登録ユーザーの分布を国旗付きの世界地図で表現したり、アプリの進化を年表で紹介したりと、成長ストーリーを視覚的に伝える工夫がされています。

こうした一覧やグラフィックは、プレスリリースだけでなくセレモニー会場などに掲示することで、歩みを振り返る機会にも。創業当初から大切にしてきた価値観や軌跡を知ってもらうことで、エンゲージメントの向上にもつながるでしょう。

参考:カレンダーシェアアプリ「TimeTree」サービス開始10周年記念インフォグラフィックス「数字で見るTimeTreeとTimeTreeユーザーの10年」を公開

2.自社だけで完結しない内容にする

周年記念を迎えられたのは、社内外の多くの支えがあってこそです。そのことをしっかり伝えることも、周年記念のプレスリリースにおいて大切な要素です。関係者への感謝を明確に示すことで、読み手に「自分もこの節目に関わっている」と感じてもらえるような、発信を心がけましょう

近年では、社外からのお祝いを辞退し、代わりに寄付の呼びかけを行う企業も増えています。こうした配慮を示すことで、相手への負担を減らしつつ、社会貢献や企業姿勢を伝える機会にもなります。

3.実績を振り返りで終わらせず、未来を描く

過去の実績をしっかり伝えることは大切ですが、それだけで終わってしまうと、読み手にとっては単なる報告として受け取られかねません。

周年記念のタイミングは、「この先、どこを目指すのか」を明確に伝えていくチャンスでもあります。経営目標や新規事業への取り組み、社会課題への挑戦など、未来に向けた展望を具体的に示すことで、「成長を止めない企業」としての期待や信頼を得られるようにしましょう。

また、ビジョンやミッションとリンクさせた計画や数値目標、設定した背景や達成までの計画も記すことで、ストーリー性と説得力を両立したメッセージになります。読み手の心に残る、未来を感じる周年記念プレスリリースを目指しましょう。

担当者推薦!プレスリリース配信事例5選

ここからは、自社ならではのこれまでの想いやさまざまなステークホルダーへの感謝、社会に対する未来への約束を余すことなく伝えているプレスリリースの配信事例をご紹介します。これらの事例は、心が動かされるストーリー性や期待値が高まる今後の展望など、周年記念のプレスリリースとして参考になるポイントが盛りだくさんの事例ですので、ぜひご覧ください。

事例1.セイコーウオッチ株式会社

  • 他社とコラボレーションした商品を主宰者のコメントをもとに期待値が高まる紹介をしている
  • 周年記念を期に新たに込められた想いを商品紹介でも一貫して伝えてブランド価値を高めている

参考:ブランド誕生30周年を迎える<セイコー ルキア>より、「フラワーガーデン」をテーマとした新作が登場 ~一人ひとりの魅力が花開くよう、願いを込めて

事例2.森永製菓株式会社

  • 周年記念に際しパッケージを変更したことを新旧2枚の画像を使って新規性をわかりやすく伝えている
  • 商品にまつわる研究結果を紹介することで新パッケージの目的と変化に対して説得力をもたせている
  • 創業時から時代とともに移り変わってきた『ハイチュウ』の歴史を画像で掲載し技術の向上と成長が感じられる

参考:「ハイチュウ」史上初!3つの味がひと粒になった50CHEW(周)年記念フレーバー「ハイチュウ<王道ミックス>」2月18日(火)より新発売

事例3.公益財団法人田附興風会 医学研究所北野病院

  • 感謝を込めた周年事業をイラストやAI画像を使ってイメージ画像を掲載し期待値を高めている
  • 100周年記念ムービーやこれまでの歴史がわかる動画へ誘導しボリュームのある内容を読み手に負担がないように伝える工夫をしている
  • 未来への展望を建築家との意見交換を踏まえて伝えるという新規性や独自性のある打ち出をしている

参考:財団創立から100周年、感謝の気持ちをこめた取り組みをスタート!

事例4.ケンミン食品株式会社

  • マスコットキャラクターの歴史や各企業のマスコットキャラクターの歴史を画像1枚で表現し、長い歴史の移り変わりを感じられる
  • マスコットキャラクターに込められた当時の社員の夢を掲げ若手社員の夢が実現したというストーリー性のある展開をしている
  • マスコットキャラクターに対する今後の期待や想いを踏まえ愛着がもてるような構成になっている

参考:創業75周年&ケンミンぼうや誕生60周年記念!ケンミンぼうやの着ぐるみがついに誕生

事例5.エイ・エイ・ピー・シー・ジャパン株式会社(アコーホテルズ)

  • 動画への導線を作ることで当事者の言葉や表情をもとに感謝を伝えられる仕組みを作っている
  • 各サービスの実績をまとめて紹介することでこれからの成長に期待値が高まる構成になっている

参考:オールインクルーシブのリゾートホテル【グランドメルキュール】【メルキュール】22軒が2025年4月1日、リブランドオープン1周年を迎えました。

周年記念を話題化させる広報PR施策

周年記念は、企業にとって大切な節目です。日頃、商品・サービスを利用していただいている顧客へ感謝を伝えることはもちろん、企画を検討しメディア関係者をはじめ、多くの方に周知するのも一案です。ここでは、周年記念をきっかけに話題化させる広報PR施策をご紹介。ぜひ、参考にしてみてください。

1.周年記念の特別イベントを実施する

周年記念を祝う特別イベントの開催は、企業を取り巻く多くのステークホルダーにこれまでの感謝を伝えられる場でもあります。また、あらためて自社の今後の取り組みや展望など示す場としても適しています。

周年記念を実施する際は、開催前と開催後にプレスリリースを配信するのもおすすめです。特に、イベント後に、当日の様子がわかる実施レポートを配信すれば、参加できなかった人たちにも共有することが可能です。情報を広く届けることで、メディア関係者の目にもとまりやすくなります。

2.ファン参加型の企画を考案する

これまで自社の商品やサービスを支えてくれたファンに、感謝を伝えられるような参加型の企画を考案するのも施策のひとつです。ファンと一緒に今までの実績や出来事を振り返ることで、昔を懐かしんだり、今をよりよく感じさせたりするきっかけになります。

例えば、周年に合わせてファンミーティングやファンへの感謝祭と称したイベントを実施するのもよいでしょう。周年記念といった特別な機会に、企業との一体感を得られる参加型の企画は、顧客ロイヤリティを高めるきっかけにもなります。ファンとともに創る企画がさらなるファンを呼び、話題になることも。顧客の満足度が高いイベントは、メディア関係者の目にもとまり、記事化される可能があります。

3.企業のストーリーが伝わるコンテンツを制作する

周年記念に関する情報を公式ホームページやSNSを活用して発信したり、限定商品を展開したりする企業は多いのではないでしょうか。関連したコンテンツを制作することで、長年愛されてきた企業であることを幅広い層に伝えられます。

例えば、創立当初の様子がわかる画像の公開、周年にちなんだ年数が経ったワインや年数分の輪が入ったバームクーヘンを記念品にするなど、企業の特色や積み重ねてきたものをテーマに展開するのもよいでしょう。ほかにも、創業当初に販売されていた商品や、創業当初に流行ったものを再現した商品を販売するのも一案です。周年を機に、これまでの歴史を感じられるストーリー性が意識されたコンテンツは、注目を集めやすいものです。

プレスリリース作成の基礎知識

プレスリリース作成にあたり大切なのは、行動した人の想いを込めること。しかし、見せ方にも工夫は必要です。

どのようなプレスリリースにもあてはまる、プレスリリース作成の基礎知識をご紹介します。

プレスリリース作成の基礎

POINT解説付き!テンプレートダウンロードはこちら

テンプレートを使ったインポート機能の詳細は、以下の記事をご覧ください。

さいごに:単なる報告で終わらせない周年記念の広報PR活用

周年記念は、実績を社内だけで振り返る節目ではありません。これまで支えてくれた顧客や取引先、地域社会など、社外のステークホルダーとともに歩んできた軌跡を再確認し、未来への一歩を踏み出す絶好の機会です。

これからも支え続けたいと社外の関係者にも思ってもらうために、「この企業を応援してきてよかった」「次の周年も一緒に祝いたい」と感じられるよう、自社が大切にしてきた価値観や未来にかける熱意を届けられるプレスリリースを作成しましょう。

PR TIMESのご利用を希望される方は、以下より企業登録申請をお願いいたします。登録申請方法料金プランをあわせてご確認ください。

PR TIMESの企業登録申請をするPR TIMESをご利用希望の方はこちら企業登録申請をする

この記事のライター

PR TIMES MAGAZINE執筆担当

PR TIMES MAGAZINE執筆担当

『PR TIMES MAGAZINE』は、プレスリリース配信サービス「PR TIMES」等を運営する株式会社 PR TIMESのオウンドメディアです。日々多数のプレスリリースを目にし、広報・PR担当者と密に関わっている編集部メンバーが監修、編集、執筆を担当しています。

このライターの記事一覧へ