PR TIMES MAGAZINE|広報PRのナレッジを発信するWebメディア
記事検索
title

広報PRと宣伝の違いとは?連携してシナジー効果を生む4つのポイントを解説

広報PRと宣伝は混同されやすい言葉ですが、目的や情報を届けたい対象、掲載内容など、違いは多々あります。また、広報PRと宣伝は連携することで互いの効果を最大限に発揮することができます。

本記事では、広報PRと宣伝の違いについての説明と、双方が連携することでのシナジー効果を生むポイントについてもまとめました。より効果的に施策を実施するため、それぞれの違いや連携することでの効果を把握しておきましょう。

広報PRと宣伝の違いとは?

広報PRと宣伝は混同されることが多い言葉ですが、情報発信の対象が大きく異なります。情報発信先が「会社関係者やメディア」なのが広報PRで、「商品やサービスのユーザー」が宣伝です。まずはこの広報PRと宣伝の違いについて、5つ説明していきます。

広報PRと宣伝の違いとは?

広報PRと宣伝の目的の違い

広報PRの目的は、「情報発信を通じてステークホルダーからの信頼を獲得し、望ましい関係を構築すること」です。一方、宣伝の目的は、商品やサービスを理解してもらい「購入やコンバージョンにつなげること」です。

広報PRは認知拡大や理解促進によって信頼を得るためのものであり、宣伝は売り上げに直接つなげるという違いがあります。

そのため、効果測定の方法にも違いがあります。広報PRでは認知向上や理解の浸透を測ることが多く、どのくらい情報が広がったのかを広告換算で測ったり、どのくらいの理解が選られたかアンケートを実施したりします。宣伝では購入につなげることを目標とすることが多く、購入数、購入金額など、コンバージョンにつながる数字を追っていきます。

この違いを混同してしまうと、せっかく施策を行ったのに成果につながらなかったということが起こる可能性があります。施策を実施する際は、広報PR施策なのか宣伝施策なのか、目的やゴール設定などの期待値調整を行うことが大切です。

広報PRと宣伝の対象の違い

前提として、広報PRには社外広報と社内広報などの種類があり、社外広報はさらにコーポレート広報とサービス広報に分けられます。

広報PRの分類やそれぞれの役割について、詳細は以下をご確認ください。

広報PRは全ステークホルダーを対象とする活動ですが、「社外広報」は主にメディアとコミュニケーションを取り、自社で発信したプレスリリースをもとに、メディアを通じてより広く社会に情報を届けていきます。

また、「社内広報」は、社内のコミュニケーション活性化が役割のため、主に従業員とコミュニケーションを取ります。このように、広報PRはその分類によって対象者も変化します。

一方で、宣伝の主な対象者は商品やサービスのユーザーです。ユーザーに対して自社の視点で商品やサービスの内容を伝えていきます。伝えたい内容は同じでも届けたい対象が異なることで、情報のどの部分を伝えるか、どう伝えていくかが変わるため、そこを意識した施策設計が必要です。

広報PRと宣伝の手法・業務内容の違い

広報PRではメディアに情報を提供し、メディアが第三者視点での発信をします。そのため、「自社の情報にいかに興味を持って見てもらえるか」という第三者の視点で考えることが重要です。

プレスリリースの作成や自社の情報だけでなく、関連する情報もまとめてメディアにアプローチする企画を実施します。宣伝では、広告出稿やイベントなどで代理店と一緒に自社の視点で商品やサービスの内容を伝えていきます。そのため、自社の伝えたい情報は何かを言語化し、一緒に仕事をする社外の代理店の方に正しく伝えていくことが重要になります。

広報PRと宣伝の費用の違い

広報PRでは、「メディアに対して情報提供」を行いますが、企業とメディアの間に金銭のやりとりは発生しません。一方宣伝では、広告出稿やイベント、プロモーションなど多くの施策で費用が発生します。広告出稿ではメディアの掲載枠の購入、イベントでは社外に運営を依頼する場合は代理店の費用がかかりますし、自社運営で実施する場合もイベントの制作費がかかります。

企業の予算や目的によって施策を検討しましょう。

広報PRと宣伝の掲載内容の違い

広報PRと宣伝では、メディアへ掲載する内容を決定する権限が企業とメディアのどちらにあるのかという点が大きく異なります。広報PR担当者は「メディアの記者・編集者・ディレクターに情報を提供する」という立ち位置なので、取り上げてほしい情報をメディアに伝えることはできますが、掲載可否はもちろん、最終的な掲載内容に関してもメディア側が決定します。企業側がコントロールすることはできません。

一方宣伝は、基本的には自社からの発信したい内容にすることができます。企業がメディアへの掲載枠を購入していたり、自社でイベントを設計したりするので、一定の条件を満たせばどのような内容でも自由に掲載することが可能です。

そのため、広報PRと宣伝では、受け取り手が感じる情報の信頼性が異なることが想定されます。広報PRでは、メディアという企業と利害関係のない第三者の目線での発信になります。一方で宣伝では、情報の発信主体が企業です。この違いを理解したうえで、バランスよく施策を検討していきましょう。

広報PR担当者が知っておきたい広報と似た概念

宣伝以外にも広報と混同されやすい概念として、今回はPR、マーケティング、広告の3つをピックアップしました。それぞれについて詳細を紹介している記事もありますので、興味のある方はそちらも合わせてご覧ください。

PR(パブリック・リレーションズ)

広報は、PR(パブリック・リレーションズ)に内包されている概念であり、企業とステークホルダーがよりよい関係を築くことが目的です。そのため、「広く報せる」だけではなく、あらゆる関係者と相互的なコミュニケーションを実践することが求められます。

それは社外も社内も等しく、たとえばメディアで報じられることが企業ブランディングとなり、そこからさらに「この会社にいてよかった」「誇りに思える」と従業員のエンゲージメントやモチベーションの向上につながります。活動を通じて、携わった人たちすべてによりよい影響を与えていくことがPRの仕事です。

広報とPRの違いについては、以下で詳しく解説しています。

マーケティング

マーケティングとは、顧客ニーズを把握し、商品やサービスを購入まで導く活動のことです。

市場リサーチから製品開発、プロモーション、販売促進、配信などといったさまざまなプロセスから構成されます。

「消費者の興味・関心を引くために情報を届ける」というプロセスにおいて、手段のひとつとしてプレスリリースの配信やメディアリレーションズが含まれる場合もあり、「広報」と「マーケティング」で目的は異なりながらも、同様の活動内容を実施することもあります。

広報とマーケティングの違いについての詳細は、以下をご覧ください。

広告

広報と広告の大きな違いは、メディア掲載を実施する主体にあります。「メディアが、企業の発信した情報に興味を持ち取材・報道する」ことを企業として促すのが広報PRで、「企業が、メディアへの掲載枠を購入し自社の宣伝を行う」のが広告です。

また、広告と宣伝も混同されることが多くありますが、広告は宣伝の一部であり、広告自体が宣伝の手法のひとつです。広告はマスメディアやWeb上の広告を指しますが、宣伝はその他イベントや展示会セミナーなど、より広義な意味を持ちます。

広報と広告の違いについては、以下で解説しています。

広報PRと宣伝を連携させてシナジーを生む4つのポイント

広報PRと宣伝はそれぞれ単独で施策を行うより、連携していくことでより効果が大きくなります。企業によっては担当者が異なる場合もありますが、それぞれの業務の違いや連携するメリットを理解したうえで、一緒に施策を進めていくことが重要です。今回はシナジーを生む4つのポイントをピックアップしましたので、施策を行う際の参考にしてください。

ポイント

ポイント1.掲載数の増加で認知の山場を創出

たとえば、新商品の発売に合わせてメディア掲載を増やせるように広報PRの施策を実施します。そのタイミングでイベントの開催や広告出稿を同時期に行うなどの宣伝活動をすることで、認知の山場を作ることができます。

そうすることで、ユーザーは「この商品、最近よく目にするな」と認知し、記憶に残りやすくなります。企業ではそれぞれ担当者が異なる場合もありますので、実施タイミングを合わせるなど連携して施策を行っていきましょう。

ポイント2.掲載メディアの多角化・同じツールでの強調

広報PRでは、Webや紙媒体のメディアでの掲載、テレビの報道などが発信先として挙げられますが、メディアへの広告、SNSでの発信などの宣伝施策を通じて対象者と接点を増やすことで、広報PR活動だけではリーチできなかった層にも注目してもらうことができます。

対象者の生活動線を理解し、その中で自然に情報に触れてもらえるような施策作りをすることがポイントです。

ポイント3.「自社から」と「第三者視点から」両面からの訴求

「広報PRと宣伝の掲載内容の違い」でも記述した通り、宣伝だけでは、情報の発信主体が企業となるため、「企業にとって都合のよいことばかりを伝えている」と受け取られてしまう可能性があります。

自社として伝えたい内容を発信し、メディアからの第三者視点で発信を増やすことで信頼性を増すことができます。さらにイベントなどでユーザーを巻き込み、ユーザーからのSNS発信やレビューを増やすことも可能です。

ポイント4.オンライン、オフラインで訴求の最大化を目指す

オンラインではメディア掲載やWeb広告で商品やサービスについて認知を広げたり、ビジュアルでわかりやすく訴求をします。

さらにオフラインの宣伝施策としてイベントや展示会などを行い、実際に商品やサービスなどを試してもらう場をつくることで、オンラインで訴求しきれない部分をユーザーに伝えることが可能です。特に商品として手に取れるもの、大きさや香りなど五感に訴えかけられる特徴があるもの、ユーザーが実際に体験できるものは、オフラインの施策も有効ですので、届けたい情報に合わせて施策を検討していきましょう。

まとめ:広報と宣伝の違いを理解したうえで、双方が連携し効果的な活用を

広報PRと宣伝は「自社の情報を発信する」という部分は共通していますが、届けたい対象や届ける手法、届けられる際の情報も大きく異なります。

この違いについては担当者だけでなく、一緒に案件を進める社内の関係者にも把握をしてもらうことが大切です。せっかく時間や費用をかけて行ったものが、期待外れだったとならないように、目的やゴールをしっかりと設定したうえで施策を進めていく必要があります。

また、広報PRと宣伝は施策を掛け合わせていくことで、よりその効果を発揮します。目的や予算に応じて適切な施策設計を行っていきましょう。

PR TIMESのご利用を希望される方は、以下より企業登録申請をお願いいたします。登録申請方法料金プランをあわせてご確認ください。

PR TIMESの企業登録申請をするPR TIMESをご利用希望の方はこちら企業登録申請をする

この記事のライター

PR TIMES MAGAZINE執筆担当

PR TIMES MAGAZINE執筆担当

『PR TIMES MAGAZINE』は、プレスリリース配信サービス「PR TIMES」等を運営する株式会社 PR TIMESのオウンドメディアです。日々多数のプレスリリースを目にし、広報・PR担当者と密に関わっている編集部メンバーが監修、編集、執筆を担当しています。

このライターの記事一覧へ