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研究発表とは?発表までの流れや成功させる5つのポイント、発表のチャネルを解説

研究発表をどのチャネルで行うべきか、またメディア関係者や生活者への効果的なアプローチ方法に悩む広報PR担当者は少なくありません。

本記事では、研究発表の基本的な流れや成功のポイントを解説し、発表に適切な3つの主要なチャネルとその活用法についても解説します。

研究発表とは

研究発表とは、専門的または学術的な研究成果を、多くの人に向けて報告・説明する活動です。この活動により、研究の意義や価値を広く伝え、他者との共有や議論を促進します。

研究発表は、学会やセミナー、プレスリリースなどの多様なチャネルで行われ、発表内容の独自性や社会的意義が注目されれば、新たな連携やメディア関係者の関心を引くきっかけにもなるでしょう。

さらに、研究者や専門家だけでなく、一般生活者に向けてもその成果を届けることで、研究が社会や日常生活にどのように役立つかを具体的に示す重要な役割も担います。

研究発表の流れ

聞き手に研究内容を効果的に伝え、理解と共感を得るためには、具体的な流れを踏まえた進行が大切です。ここでは、挨拶から質疑応答までの各ステップで意識すべきポイントや工夫について解説します。

研究発表の流れ

STEP1.挨拶(導入)

研究発表の冒頭では、発表者の自己紹介を行うのが一般的です。名前や所属、研究分野などを簡潔に伝え、聴衆に発表者の背景や専門性を認識してもらいます。

このとき、研究の背景や成果の一端に触れ、「この研究が〇〇の課題解決にどう役立つか」をお話しします、お伝えしますなどと触れることで、聞き手の関心を引きつけることができるでしょう。明確で魅力的な自己紹介は、発表全体の印象を左右する重要な最初のステップです。

STEP2.研究背景の説明

冒頭の挨拶が終わったら研究背景を説明します。ここでは、研究に至った理由やその社会的・学術的な意義を伝えることが重要です。

「近年、〇〇が大きな課題となっており、本研究ではこれに対処するためのアプローチを検討しました」といった形で課題を共有することで、研究背景を具体的に示すことができるでしょう。

また、過去の研究成果を引用して本研究の位置づけを明確にすることで、その重要性や独自性の高さを示すことも効果的です。

STEP3.研究目的の掲示

次に、研究の目的を具体的に示します。この研究で解決したい課題や達成したい目標を明確に伝えることで、聞き手が研究の方向性を理解しやすくなります。

例えば、「本研究では〇〇を改善する方法を模索し、△△の有効性を検証することを目的としています」といった具体例を提示すると効果的です。研究目的を明確に示すことで、発表全体の内容が論理的に構成され、さらに伝わりやすくなります。

STEP4.研究方法の説明

研究方法の説明は、聞き手が研究のプロセスを理解し、結果の信頼性を評価するために不可欠です。使用したデータや分析方法、実験や調査の設計などを具体的かつ簡潔に述べることで、研究の全体像が明確になります。

例えば、「本研究では〇〇のデータを使用し、△△法を用いて分析しました」などと、手法を簡潔にまとめると良いでしょう。専門用語を使用する際は、その都度補足説明を加えると、専門家以外にも伝わりやすくなります。また、図表やグラフを活用し、視覚的な説明で理解を深める工夫も効果的です。

STEP5.研究結果の掲示・考察

研究結果は、簡潔かつ具体的に示すことが大切です。「シミュレーションの結果、〇〇が△△%向上しました」などの具体的な数値を示すことで説得力が高まります。

さらに、研究結果が何を意味するのかを説明し、その意義や限界を考察として加えると、研究の深みを伝えることも可能です。

結果が予想外だった場合は、その背景や理由を掘り下げることで聞き手の興味をさらに引きつけることもできるでしょう。このような結果を考察と関連づけることが、発表を成功させるポイントです。

STEP6.今後の展望・結論

発表の最後には、研究の成果を簡潔にまとめるとともに、研究結果が持つ意義や社会的な影響について触れることが重要です。例えば、「本研究では〇〇を明らかにし、△△の実現可能性を示しました」といった具体的な成果を述べることで、聞き手の理解が深まりやすくなるでしょう。

また、今回の結果を基にしたさらなる研究の必要性や実用化への展望を示すことで、発表内容が未来へつながるものであることを強調できます。

STEP7.質疑応答

リアルな場での質疑応答は、聞き手と双方向のコミュニケーションを深める場です。質問を受けた際は、内容を正確に理解し、簡潔かつ的確に回答することが大切です。

「〇〇についての質問ですが、それに関連するのは△△の部分です」といった形で、的確な回答を心がけると良いでしょう。また、事前に予想される質問を想定し、回答を準備しておくことで質疑応答を円滑に進められます。

即答が難しい場合は、「確認のうえ、後ほど回答します」などと、柔軟に対応する姿勢を示すのもポイントです。

研究発表を実施する際の5つのポイント

研究発表を成功させるには、聞き手の理解を深め、発表の意図を的確に伝えることが重要です。また、発表の構成や時間管理、質疑応答への事前準備が成果を左右する鍵となります。ここでは、発表を成功に導くために必要な5つのポイントを解説します。

ポイント

ポイント1.専門用語の活用頻度に注意する

研究発表では、聞き手の理解度に応じて専門用語の使用頻度を調整することが重要です。例えば、専門家には「この実験は〇〇法を用いることで精度を向上させました」と詳細を説明します。一方で、一般の生活者には「この研究は〇〇を改善し、△△に役立つ可能性があります」といった日常的な影響を示すと効果的です。平易な言葉や補足説明を加えることで、より広く研究内容を伝えられるでしょう。

ポイント2.わかりやすい流れを構成する

発表内容を的確に伝えるためには、話の構成もポイントです。発表内容にもよりますが、一般的に以下の順に話を展開することで、聞き手が内容を整理しやすくなり、理解が深まりやすくなります。

  1. 導入
  2. 背景
  3. 目的
  4. 方法
  5. 結果・考察
  6. 結論
  7. 質疑応答

特に複雑なテーマの研究発表では、論理的な流れを意識することで聞き手の理解を深めます。スライドや図表なども活用すると視覚的な補足が加わり、説明がより効果的に伝わるでしょう。

ポイント3.グラフや図表を活用する

複雑なテーマや内容を効果的に伝えるためには、グラフや図表の活用が有効です。口頭や文章の説明に加え視覚的な情報も与えることで、聞き手が直感的に内容を理解しやすくなります。特にデータや数値について説明する際には、グラフや図表を取り入れることで説得力を高めることができるでしょう。

例えば、グラフを使って数値の変化を示したり、フローチャートで手法の流れを表現したりすると、複雑な内容も簡潔に伝えられます。一方で、図表が多すぎると混乱を招くため、シンプルで要点を押さえた内容にすることが大切です。

ポイント4.発表時間を管理する

研究発表では、発表時間を守ることが基本です。予定時間を大幅に超えると、聴衆の集中力が低下したり、全体のスケジュールに影響を及ぼしたりする可能性もあります。

リハーサルでは、話すスピードや内容の適切な配分を確認し、重要なポイントに適切な時間を割けるよう調整することがポイントです。

時間管理を適切にすることで、聴衆が最後まで集中しやすくなり、発表全体の質も向上します。

ポイント5.質疑応答の準備をする

質疑応答は、聞き手とのコミュニケーションを深める場です。例えば、関連データを簡潔にまとめた資料を事前に準備しておくことで、即答が難しい質問にも迅速に対応できるでしょう。

また、想定質問リストを作成し、回答の練習をしておくと自信を持って対応できるようになります。的確な回答は、発表者への信頼感にもつながる鍵となります。

研究発表のチャネル

研究発表を行うチャネルは、専門家向けの学会などに限らず、プレスリリースやセミナーを活用することで、研究内容をより広く、一般の生活者にまで届けることが可能です。ここでは、研究発表に適した各チャネルと、それぞれの活用法や注意点なども解説します。

学会・カンファレンス

学会やカンファレンスは、研究者同士が成果を発表し議論する貴重な場です。各分野に特化した学会が多く、専門性の高い議論が行われるのも特徴です。学会などでの発表は、研究に対する専門的なフィードバックを得られるだけでなく、新たな視点や課題の発見、共同研究のきっかけとなることもあります。

研究者や専門家が集まるため、発表内容の正確性や質疑応答での適切な回答が求められるので、事前準備が重要です。

プレスリリース

プレスリリースを活用することで、研究の重要性や成果を正確かつ簡潔に伝えることが可能です。文章化することで情報が整理され、専門家だけでなく一般の生活者とも研究内容や背景などを共有できる点が大きなメリットです。

さらに、メディアに取り上げられることで研究の信頼性や注目度が高まり、社会や生活に役立つ情報として広く認識される可能性があります。

プレスリリースを作成する際は、専門用語を避け、生活者にもわかりやすい表現を心がけることが重要です。具体例や日常生活への影響を交えることで、研究の意義を一層伝えやすくなるでしょう。

以下の記事では、研究発表のプレスリリースの書き方や注意点などを詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

セミナー・ウェビナー

セミナーやウェビナーは、参加者に直接研究内容を伝えられるだけでなく、リアルタイムに双方向コミュニケーションができる点が特徴です。この形式では、研究内容に関心を持つ特定の対象者を集められるため、専門性の高いフィードバックを得ることができます。特にウェビナーは、地理的制約を超えて国内外の参加者を招くことができ、研究を幅広い層に発信する場としても非常に有用と言えるでしょう。

まとめ:研究発表は研究者だけでなく生活者にも広く発信しよう

研究発表は、学会で専門家間の議論を深めるだけでなく、プレスリリースやセミナーを通じて一般の生活者にも広く伝えることで、その社会的意義を大きく高めることができます。

特に、生活者に対して研究のメリットや社会課題への貢献を具体的に示すことで、理解や関心を高め、研究への期待感や支持を得ることが可能です。専門性を保ちつつわかりやすく伝える工夫により、研究結果の影響力をさらに広げることもできるでしょう。

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この記事のライター

熊谷英恵

熊谷英恵

フリーランスのSEOライター。2005年にアパレル業界に入社し、販売やEC運営、管理職を中心にプレス業務にも携わる。2020年に副業でWebライティングを開始し、2023年より専業ライターとして独立。toB向けメディアを中心に執筆活動を行い、企業の情報発信をサポートしています。現在は子育てを通じて子どもの心理に関心が広がり、チャイルドコーチング資格の取得に向け勉強中です。

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