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広報PRが参考にしたいユニークなパブリックリレーションズの手法10選

会社や組織における広報の役割が重要視されると共に、パブリックリレーションズの手法も増え続けています。多くの情報が行き交う中、ステークホルダーに自社が伝えたいメッセージを届けるためには、ユニークな方法でコミュニケーションを図ることも一案です。

今回は、相手の目にとまりやすいユニークなパブリックリレーションズの手法10選をご紹介します。

ユニークな広報活動・パブリックリレーションズの手法とは?

広報活動においてパブリックリレーションズの手法は「プレスリリースの配信」「SNSの活用」「イベントの開催」などが一般的に知られています。「このような他社と同じ方法で広報活動をしていてもメディアの目に止まらないのではないか」「差別化が難しいのではないか」などと心配な広報担当者もいるのではないでしょうか。

しかし、比較的スタンダードなパブリックリレーションズの手法でも工夫をこらす余地があります。本記事では「メディア向け」「生活者向け」「生活者参加型」の3種類のパブリックリレーションズの方法に分けて、「お!そんな方法もあったのか!」と発見のあるユニークな事例を紹介します。

メディア向けのユニークな広報活動・メディアリレーションズ事例

報道を通してパブリックリレーションズを行う際に欠かせないのがメディア担当者とのコミュニケーションです。メディアの人々に自社の情報に関心をもってもらうきっかけとなるユニークな事例を紹介します。

手法1.オフラインだからこそできるサンプル入りプレスキット

企業や事業に関するプロモーション用の資料や画像・動画素材などをメディア関係者に向けてまとめたプレスキットは、オンライン上で送付、やりとりすることが一般的です。

しかし、自社の商品を含めたプレスキットをオフラインで共有することで、実際に商品に目を通してもらうことができます。報道をしてもらうためにはメディア関係者に自社のことを知ってもらうことが必要です。実際の商品を試してもらえるプレスキットで、より商品の魅力を伝えてみてはいかがでしょうか。

プレスキットのPR事例:CLARINCE(クラランス株式会社)

クラランス株式会社では、プレスキットに実際の商品を入れるだけでなく、確実に目につく印象的なボックスに入れて配布しているのが特徴です。赤い鍵付きのボックスに入れることで、届いたときの驚き、ボックスを開ける高揚感、内容の豪華さに感動と、メディア関係者に最高のユーザー体験を提供できる事例です。

参考:Instagram

手法2.紙以外のモノでプレスリリースを郵送

オンラインでのプレスリリース配信が主流となりつつありますが、紙以外のものを用いてプレスリリース配信するのもひとつの方法です。他社と違う方法かつ、手元に届くことで開封率が上がります。

郵送であれば、プレスリリースだけではなく、パンフレット、サンプル商品を透明の袋で中身が見えるようにして送り、他社と差別化がはかれます。宛先を部署名にするのではなく、担当者の名前を記載することで確実に手元に届くでしょう。

現在は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて郵送を受け付けていないメディアも増えていることから、時期やタイミング、メディア関係者の都合を鑑みて郵送の判断をすることをおすすめします。

紙以外のモノでプレスリリースを郵送する事例:Caribou Coffee

Caribou Coffeeのプレスリリース

Caribou Coffeeという海外を拠点に展開するコーヒーショップのプレスリリースは、新発売となるチョコレートにニュースを掘り、メディア担当者向けに配布する試みをしました。世界で初めてチョコレートに文字を掘り郵送するという手法に注目が集まりました。

参考:Caribou Coffee – Chocolate Campaign – Joel Stacy’s Portfolio

生活者向けのユニークな広報活動・パブリックリレーションズ事例

生活者向けに広報活動を行う場合、広告やインフルエンサーの活用など、様々な方法が考えられます。話題を生んだ生活者向けのユニークなパブリックリレーションズの事例を3つ紹介します。

手法3.ブランディングで広告を用いる

広告は主に商品販売を目的としたマーケティング手法として捉えられがちですが、ブランディング価値を高め、好感度を上げるツールにもなり得ます。掲載媒体やリーチ数にあわせて掲載コストが発生しますが、自社が発信したい情報を広範囲に伝えることが可能です。

広告でのPR事例1:さよなら、おっさん。(Newspicks)

ビジネスメディアのNewsPicksの広告

2018年、日本経済新聞の朝刊や電車の中吊り広告に「さよなら、おっさん。」というキャッチコピーを載せたのはビジネスメディアのNewsPicks。センセーショナルなキャッチコピーに衝撃が走りつつも、企業が伝えたい「古い価値観やシステムに拘泥するのではなく、新しい変化を受け入れて多様性を尊重しよう」というメッセージ・企業の意気込みが話題になりました。

伝えたいメッセージを話題となるようなキャッチコピーを使って広告配信することで、配信した媒体以上の広がりをみせた事例だといえるでしょう。

参考:NewsPicks「さよなら、おっさん。」に込めた思い

広告でのPR事例2:#HairWeGo(パンテーン)

パンテーンの広告

1945年の誕生以来、世界中で商品展開をするヘアケアブランド「パンテーン」。

「なりたい髪を叶えることによって一歩前に踏み出す勇気を与える」というブランドメッセージを伝えるために「さあ、この髪でいこう。#HairWeGo」というスローガンのもと広告を配信。協賛企業と共に就活生が自分らしい髪型で就職活動を行う後押しをするなど、世の中に蔓延する概念に疑問を呈した広告となりました。

自社商品をダイレクトに訴求するのではなく、世の中に対してメッセージを投げかける広告はブランディングにつながります。パンテーンの事例にように、自社のみならず、複数の企業を巻き込んで実施することでムーブメントを起こせるのではないでしょうか。

参考:PANTENE「#HairWeGo」

手法4.顔を出さないインフルエンサー

インフルエンサーの起用はタレントやファッションモデル、スポーツ選手や特定分野の専門家や知識人に商品の宣伝を依頼することが一般的ですが、あえてインフルエンサーの顔を出さないことで注目を集める方法があります。

インフルエンサーのPR事例:Cetaphil(Galderma)

CetaphilのPR施策

スイスに本拠地をかまえる医薬品メーカーGaldermaが、スキンケアブランドCetaphilのPRとして、インフルエンサーをあえて映さない動画を公開し話題を呼びました。

SNS映えのするおしゃれなパッケージではないものの、成分に自信があることを伝えるために、あえてモデルにはモザイクをかけたユニークな事例です。

参考:PR EDGE「インフルエンサーは喜ばないけれど、堅実な成分を伝えるためのPR動画」

手法5.社内インフルエンサーが活躍する動画

タイアップや対談、利用レビューといった様々な活用ができる動画サイト。特徴がある社員を起用しYoutubeチャンネルを作成することでユーザーを集め、チャンネル登録者数を増やすことが期待できます。

動画のPR事例:しみねーのWelcome エン・ジャパン(エン・ジャパン株式会社)

エン・ジャパン株式会社のYouTubeチャンネル

エン・ジャパン株式会社のYouTubeチャンネルは、「しみねー」として活躍するMCキャラクターが特徴。チャンネルでは、社内インタビューや会社紹介、新入社員の悩み相談などをコンテンツとして配信しています。

当初は社内限定公開からはじまったインターナルコミュニケーションが目的だったそうですが、現在では一般公開されており、企業の社内広報、動画活用事例として参考になるでしょう。

参考:YouTube「しみねーのWelcome エン・ジャパン」

手法6.裏話や本編以外の内容でファンを育てるコンテンツ

自社メディアは新規顧客の獲得を目的に運用されることが多いですが、既に認知度が高いサービスや事業においては、より満足度を高めファンのロイヤリティを上げることもポイントです。サービスや事業の裏話や、本編には入らなかったコンテンツを発信することで、特別感を演出できます。

自社メディアのPR事例:ドラゴン桜(三田紀房)公式note

ドラゴン桜を出版する三田紀房の公式note

ドラゴン桜を出版する三田紀房の公式noteでは、マンガで紹介しきれていない内容をnoteにて細かく説明したり、コラボ企画を配信し、漫画に留まらずメディアを駆使して多角的にファンを楽しませるコンテンツを提供しています。

作品や企業の印象を上げ続けるブランディング施策としてコンテンツを作成している事例だといえるでしょう。

三田紀房ではnoteを利用していますが、オウンドメディア・SNSなど自社の発信したい内容やターゲットにあった媒体を検討することがおすすめです。

参考:ドラゴン桜(三田紀房)公式note

生活者参加型のユニークな広報活動・パブリックリレーションズ事例

生活者の主体性を高め、企業へのロイヤリティを向上させるためには、コミュニティー、キャンペーンやイベントなど、生活者自身が企画に参加することがポイントです。

企業が提供する体験に満足してもらった場合、ロイヤリティが上がるだけでなく、口コミから新規顧客の獲得にもつながる効率的なパブリックリレーションズの手法だといえるでしょう。

そんな生活者参加型のユニークな事例を4つ紹介します。

手法7 .音声メディアを活用した地方創生イベント

Voicy、Clubhouseなど音声メディアの台頭に伴い、ステークホルダーとのコミュニケーションで、特に採用活動やユーザーインタビューで音声メディアを活用する企業を目にすることも増えてきました。

アイディアや他社コラボレーションにより、音声メディアを活用した話題性のある取組みも可能です。

音声メディアを活用したPR事例:朗読イベント(株式会社Voicy)

株式会社Voicy朗読イベント

Voicyでは、心に残る恋文を選び「朗読」でストーリーを提供するイベントを行いました。恋文に描かれる地域や、その土地にゆかりのある人物を起用することで観光資源のPRもできる、工夫がこらされているイベントになっています。

聞き手が情景をイメージしやすいという音声メディアの特徴を活かすと、聞き手に想像力を膨らませるイベントや取り組みにつながる可能性が高まります。

参考:観光地と音声スタートアップVoicyが協業開始。山梨県「西湖」で朗読イベントを実施

手法8.変わった特典のコミュニティー

生活者とのコミュニケーションを取るためにコミュニティーを運営している企業も増えているでしょう。

双方向のコミュニケーションを活発に行うためのきっかけとして、唯一無二の企業文化に則した特典を付け、コミュニティーオーナーやメンバーとの深い結びつきを醸成する方法があります。

コミュニティーのPR事例:「ほかほかおにぎりクラブ」(株式会社バーグハンバーグバーグ)

オモコロを運営する株式会社バーグハンバーグバーグの取組みはユニークです。「ほかほかおにぎりクラブ」と題するコミュニティーは「キジ科の鳥類、くじゃくの写真100枚を公開します。」など、「日本一ふざけた会社」とうたうように、変わった特典を付けながらも、限定コンテンツの閲覧権限や、上位プランになると会議への参加、漫画や執筆の添削など話題を生んできたプロによるフィードバックが得られる内容になっています

サービスや企業の特性にあった特典で企業文化を伝えながら、よりコアなファンを増やしていく手法は参考にできる点といえます。

参考:ほかほかおにぎりクラブ

手法9.社会的意義のあるキャンペーン

キャンペーンというと、プレゼント企画が多くなりがちですが、社会的意義のある取組みをすることで、企業の認知度や好感度が上がるきっかけを作ることができます。

キャンペーンでのPR事例:「ホンノ、キモチです。」キャンペーン(特定非営利活動法人シャプラニール、ブックオフグループホールディングス株式会社)

特定非営利活動法人シャプラニールではブックオフグループホールディングス株式会社と共同で、全国の自宅から参加可能なキャンペーンとして、不要な本などを寄付することで児童労働の削減や防止を支援することにつながる取組みを行いました。

SDGsを強化するCSR活動として実施された本キャンペーンは、社会的意義がありブランド価値を高める活動として実施されました。

自社に関連する領域で社会的に意義のある取り組みを検討し、それに近いサービスを提供している会社と共同して行うのも広報活動として有益だといえるでしょう。

参考:「ホンノ、キモチです。」キャンペーン~ブックオフコーポレーションと共同で開始、SDGs強化へ

手法10.商品の見せ方を工夫したイベント

会社やサービスの認知度拡大を目的にイベント開催をする場合、機能性や審美性といった商品特性をPRすることは珍しくありませんが、通常組み合わせない種類のイベントを掛け合わせることで唯一無二のイベントになり得ます。

生活者が今まで経験をしたことのない感動を提供することで、体験を共有したいという心理が生まれ、口コミが発生する可能性が高くなります。

イベントでのPR事例:「過酷ファッションショー」(株式会社ワークマン)

作業服の販売で知られるワークマンでは、自社の顧客をプロの技術者だけでなくアウドドアを楽しむ人や女性へと顧客を広げる取り組みを行っています。その中でも、インフルエンサーを機用したイベント「過酷ファッションショー」は話題を呼びました。

一般的なきらびやかなファッションショーとは異なり、ランウェイに大雨や大雪を降らせたことがポイント。会場いっぱいに詰めかけた約60社のメディアに商品の機能性をアピールしました。

ファッションショー×大雨という普段みられない組み合わせのイベントを活用し、商品の魅力が伝わる環境を自ら作り出し演出することで、驚きと感動、特別感を与えられる事例だといえます。

参考:広報会議「インフルエンサーの力で 「#ワークマン女子」が大流行」

情報を届けたい相手に「受け取ってもらえる」方法を検討しよう

広報活動の際には、情報を受け取る人の立場になり「どのような情報なら興味をもってもらえるのか」「行動に移してもらえるのか」を考え続けることが重要です。

そのためには、メディア関係者、生活者ともに、日頃からコミュニケーションを図ることで、相手のことを理解することが大切。情報を届けたい相手の生活リズムや特徴、趣味嗜好を把握することがパブリックリレーションズの方法を考えるうえでのポイントです。

相手のことを考え抜いた先に、これまでとは違ったユニークな方法が思い浮かぶかもしれません。

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この記事のライター

坂下 彩花

合同会社KOUYO代表。スタートアップ企業で広報と人事を兼務しながら、広報業務を一通り経験。提供する情報がない中での企画作り、メディアアプローチが強みです。これまでの広報経験を生かして広報担当者さんの役に立ちたいと思いPRTIMES MAGAZINEに参画。現在シェアハウスの愉快な仲間たちと賑やかに暮らしています。

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