過去のPR TIMES上で配信されたプレスリリースの動向を振り返り、紐解いていく月間PR TIMESプレスリリースウォッチ総評のコーナーがやって参りました。
今回は、昨年の2019年2月に配信されたプレスリリースをもとに2020年のプレスリリース配信に役立つ情報やノウハウを見つけていきたいと思います。これからプレスリリースを配信しようか検討している方もネタ探しをしている方も参考にしてみてくださいね。
2019年2月のトレンド振り返り総評
新年ムードが落ち着き、寒さが厳しさを増す一方で春の足音も聞こえてくる2月。移ろいゆく季節とともに生活者の心情として変化への期待感を持ちはじめる時期です。
2019年2月のPR TIMES上では、バレンタイン商戦に向けた時節的なプレスリリースが並びつつ、これまでの概念を大きく変えるような打ち出し方にインパクトのあるコンテンツが注目を集めていました。
そしてPR TIMES上でもプレスリリース配信数が非常に増えるのが4月。春先の動きに向けて2月中から情報を揃え、取材受付やイベント集客を開始する企業も目立ちました。
(PR TIMES編集部)
1年前のPR TIMESにみる2月のプレスリリース配信タイミング
2019年のプレスリリース配信数の推移から、2020年同月の配信タイミングのヒントとなりそうな動向をピックアップし、考察していきます。プレスリリース配信数に関する2019年2月の注目ポイントは以下の4点でした。
デイリー最多は月末の28日(木)、次点は僅差で月初1日(金)という結果になりました。
月初めは生活者に向けた新商品の発売や新たなサービスの開始、企業の新たな動向などなにかと市場が動くタイミングに当たります。そのため月末(事前の告知)や月初(オンタイムの配信)が盛んになり、一年通して月末月初は配信本数が増加する傾向にあります。
平日は月曜日から金曜日にかけて次第に配信数が多くなり、土日祝日には大きく減少する傾向がみられます。2019年の2月11日(月)は「建国記念の日」の祝日で3連休となりました。2020年の2月11日は火曜日にあたるため3連休は発生せず、配信本数の推移にも変化が見られるかもしれません。
平日と比べ、土日祝日は記者・編集者の稼働率は低まりますが、重視すべきタイミングが千差万別であることもまた事実。各ステークホルダーにとって最適な時機を検討しましょう。
また、2月最大のイベントである「バレンタイン」に関するプレスリリースは、1月末から2月の第1週目にかけて配信本数が多くなっています。日毎で見ると約1週間前にあたる2月8日(金)が最多本数になるなど、先取りしすぎないタイミングが選ばれているようです。
2019年2月に注目を集めたプレスリリースピックアップ
2019年2月当時、パソコンもしくはスマートフォンでPV数が上位だったプレスリリースの中から、PR TIMES MAGAZINE編集部が独自にPick Up!プレスリリース事例から見る一言ノウハウについて、解説していきます。
株式会社ロフトのプレスリリース事例
【ロフト】mt×LOFT 3月15日より全国のロフトにてオリジナル雑貨発売!
全国展開される生活雑貨店のロフトと人気マスキングテープブランド「mt」とのコラボレーション企画のプレスリリースです。説明不要な目を惹く画像をしっかりと用意し、言葉よりもビジュアルで説明している点が、プレスリリース内容ともマッチし効果を高めています。
<事例から見る一言ノウハウ>
画像が重要となる商材のプレスリリースは、説明文章をこのくらい簡潔にまとめた内容でも十分かもしれませんね。また、文房具や食器などアイテム展開が豊富な場合は、こちらのプレスリリースのようにあえてメイン画像をロゴだけに留めておくのも戦略の一つかと思います。
株式会社アカツキライブエンターテインメントのプレスリリース事例
固定観念を水に流せ!うんこを撮って、叫んで、戯れる「うんこミュージアム YOKOHAMA」開催
2019年に話題沸騰した「うんこミュージアム YOKOHAMA」の開催告知プレスリリースは言わずもがな高い注目を集めました。インパクトのあるメイン画像に多数の素材、動画、フロア構成をまとめた表などボリュームのある情報がすっきりとまとめられています。
<事例から見る一言ノウハウ>
キーワードに「インスタ映え」と登録するなど、プレスリリース内容のターゲット層をしっかりと捉え、届けたい人へ確実に届ける仕組みになっていますね。また、多くのメディアで取り上げられることを予想し、テキストなしの素材を用意しておくのも一つのポイントです。
大阪府泉佐野市のプレスリリース事例
泉佐野市ふるさと納税の取組みを支持してくださった皆さまへ感謝 2月、3月お申込みの方に「Amazonギフト券」をプレゼント!「100億円還元(※)」 閉店キャンペーン!を開始
「100億円還元」とインパクトのあるタイトルとアイキャッチが多くのメディア関係者や読者の目を惹き、大阪府泉佐野市の初配信となるプレスリリースが高い注目を集めました。
当時は2019年4月に公表された地方税法などの改正に伴う、ふるさと納税の指定制度創設で「ふるさと納税」のキーワードに注目度が高まっているタイミングでもありました。
プレスリリース内容も、ふるさと納税事業に対して導入から強化してきた経緯、寄附者への感謝の想い、寄附により実現された功績などが過不足なく丁寧に綴られ、さらに今回のキャンペーン企画の経緯と説明へと構成されています。
<事例から見る一言ノウハウ>
画像は1点のみであるものの、アイキャッチな色使いに内容の伝わるビジュアル、さらには副市長がお辞儀をしているユーモアのあるイラストが目を惹きます。丁寧でしっかりとした構成に加え、想いのこもった市長からのコメントで締めているのもプレスリリースの持つ色にマッチしていて素敵ですね。
株式会社ゴールデンフィールドのプレスリリース事例
うどんモチーフのふとんや睡眠用たわしなど、リラクゼーション領域の商品・サービスを独特の視点とユーモアで表現する株式会社ゴールデンフィールド。同社が運営する日本初の頭ほぐし専門店「悟空のきもち」の海外出店プレスリリースも2019年2月に注目を集めました。
一見タイトルを見ると「何のこと?」と思う人もいるかもしれませんが、「悟空のきもち」というインパクトのある店名を活かすかのようなシンプルなタイトルが逆に読者の興味をそそる形になっています。
プレスリリース内容も想いと意気込みを込めた手紙のような形式で書かれ、同企業の他プレスリリースと並べても異彩を放っています。
<事例から見る一言ノウハウ>
思わず読んでみたくなるタイトル設定がお見事!店名の持つインパクトに加え、一見ネガティブにも感じる「勝算なんてない」の率直なワード選びが秀逸です。
企業の気持ちを思い切ってタイトルに入れることで、海外出店を伝えるだけではない気迫や想いが伝わります。サービス内容や店舗概要の記載はありませんが、プレスリリースを読み進めていくうちにどんなサービスか想像がふくらみ、自ら調べてみたくなる魅力も持ち合わせています。
株式会社パルコのプレスリリース事例
展覧会『Ro LAND ~俺か、俺以外か~』ROLAND来場スペシャルイベントや、伝説の4,000万のウイスキーボトルの展示など追加決定
メディアへの露出も益々増え、いまや全国区の知名度を誇るまでとなった現代ホスト界の帝王と称されるROLAND(ローランド)。株式会社パルコが主催するROLAND(ローランド)の初の展覧会告知も高い注目を集めました。
プレスリリースの特徴としてスマホビューでのPV数も高く、メディアやビジネスマンだけでなく生活者の関心度の高さも伺えます。
<事例から見る一言ノウハウ>
冒頭にメディアへの取材・掲載の呼びかけを入れていることから、メディア向けのプレスリリースアウトが中心かとは思われますが、展示内容や来場イベントの詳細情報など、生活者含め幅広い読者にとっても分かりやすく十分な内容がきっちりとまとめられています。
インパクトのある画像もしっかりとメインに設定。また、プレスリリース内にはオープニングイベントや内覧会などメディア限定公開の情報もしっかりと盛り込まれているため、プレスリリース配信だけでなくその後の情報拡散までしっかりと導線が引かれています。
2019年2月にはPR TIMESもプレスリリースを配信しました
「PRのピーは、パッションだ。」PR TIMES、企業広告を日本経済新聞に掲載
2019年2月には、我々PR TIMESでも企業広告に関してのプレスリリースを配信しました。広告を出したことをさらにプレスリリースで配信する、と聞くとどこか違和感を覚えられる方もいるかもしれません。
私たちがこのプレスリリースを実施するに至るには、広告制作のプロセスやその裏に込められた思い、ストーリーを伝えるべきだ、という背景がありました。
約2か月をかけたプロジェクトとなった新聞広告制作。広告を見ただけでは伝えきれない、「なぜ新聞広告に取り組むのか」や「メッセージに込めた意図は何か」をプレスリリースに込めることにしました。
TVCMや新聞広告など、企業として何らかのステートメントを表明するマスメデイアへの出稿は、プレスリリースを配信すべきタイミングだと私たちは考えています。株式上場や社名変更のタイミングならなおさら、クリエイティブだけで表現しきれない背景や思いを伝える手段としてプレスリリースが活きてきます。
日経新聞の読者であるビジネスマンがふと、いつものように朝刊を開き、ベタ塗りされた見開きの全面広告を見つける。そして、「なんだろう?」と思った人がプレスリリースへと行き着き、答えに辿りついてより知ってもらう。AM4時に配信するなど、届けたい人に届けたい情報が届くための工夫にとことんこだわりました。
制作プロセスや採用されなかったコピー案の公開などに特に反響を頂いたプレスリリースになりました。
2020年2月のトレンド予測
例年通りに歳時記や恒例行事、記念日に合わせた「節分(恵方巻)」「バレンタイン(チョコレート)」「猫の日(2/22)」などをキーワードにした情報発信が多くなると予測されます。また今年は4年に一度の「うるう年」でもあるため、このトピックスをネタにした企画も登場するでしょう。
2月は2019年の傾向からも見てとれるように、3月から春先に向けたコンテンツ・イベントの事前発表も多くなります。春先に向けたプレスリリースを予定している企業担当の方は、準備やプレスリリースでの告知をはじめたい時期ですね。
さらに今年は深刻化するコロナウイルスへの企業行動や働き方に対する対応動向にも注目が集まっています。予防や健康維持を促すプロダクトやサービスの情報発信では、日々刻々と変化する生活者環境への意識のキャッチアップと情報の精確さが必要です。こういった情報を発信される場合は、普段のプレスリリースよりも特に注意し、念入りな準備をして発信ができると良いですね。
2020年2月の広報PRの準備にはこちらの記事も参考にしてみてくださいね。
【2020年2月版】広報PRトレンドウォッチ!コロナウイルスの時事情報はどう扱う?
<編集/鈴木 碩子>
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