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広告と広報PRの違いとは?知っておきたい5つの違いを詳しく解説

広告と広報PRは、どちらも企業の情報を発信する手段ですが、その役割や仕組みには明確な違いがあります。特に「目的」「関わるメディア関係者」「掲載内容の決定権」「信頼性」「費用」の5つの観点で大きく異なります。

本記事では、広告と広報PRの5つの違いについて詳しく解説します。それぞれの特性を理解し、シーンごとに適した施策を検討できるようになりましょう。

「広報PR」と「広告」の5つの違いとは

「広報PR」と「広告」は、どちらも企業が情報を発信する手段であり、マーケティングや宣伝活動と密接に関わるため、混同されることが少なくありません。しかし、この2つには明確な違いがあります。

最大の違いは、「メディア掲載の主体」と「アプローチ方法」です。
広報は「メディアが企業の発信した情報に価値を感じ、自主的に報道・取材を行うよう促す活動」であり、広告は「企業がメディアの広告枠を購入し、自社のメッセージを伝える活動」です。

ここでは、広報PRと広告の違いを、以下の5つの視点から詳しく解説します。

「広報」と「広告」の違い

上の表をもとに広報と広告の違いの詳細を解説していきます。

広報PRと広告の違い1. 目的

広報PRと広告は、そもそも目的が異なります。

広報PRの目的は、「企業や団体が信頼を獲得し、ステークホルダーと良好な関係を築くこと」。広告の目的は、「製品やサービスの購入を促進し、売上につなげること」です。広報PRの結果として売上が伸びることもありますが、それは副次的なものであり、主な目的は「信頼の醸成」にあります

言い換えれば、広告は企業が生き残るための「売上」を支える施策であり、広報は企業の持続的成長に必要な「信頼」を築く施策だといえるでしょう。

広報PRと広告の違い2. 関与するメディア関係者

広報PRも広告もメディアを通じて情報発信を行いますが、その過程で携わるメディア関係者の属性が異なります

広報PRでは「記者・編集者・ディレクター」が取材や調査、記事(番組)の制作を行いますが、広告で広告出稿の勧誘や手続き、調整などを行うのはメディアの「営業担当者」です。記者・編集者・ディレクターと企業のPR担当者は基本的に平等な立場ですが、メディアの営業担当者にとって企業の広告担当者は「顧客」となります。

広報PRと広告の違い3. 掲載内容の決定権

関与するメディア関係者に加え、メディアへ掲載する内容を決定する権限が企業・メディアのどちらにあるかも異なります

広報PR担当者はあくまでも「メディアの記者・編集者・ディレクターに情報を提供する」という立ち位置にあり、いくら「うちの製品の特集をしてください」と頼んだとしても、最終的な掲載内容に関してはメディア側の制作責任者に判断が委ねられます。一方、広告は企業がメディアへの掲載枠を購入しているため、一定の条件を満たせば企業側が伝えたいメッセージを自由に掲載することが可能です。

広報PRと広告の違い4. 信頼性

上述のような違いから、広報PRと広告では発信された情報の信頼性が大きく異なるといえます。

広報PRによって発信された情報は、第三者であるメディアの目を通して精査されたものであるため、受け手にとっては「客観性が高い情報」として受け取られやすくなります。

広告は企業が直接発信するメッセージであり、どうしても「売り込み」の印象を持たれがちです。「企業側に都合のよいことばかりを伝えている」と受け取られてしまう可能性があります。

広報PRと広告の違い5. 費用

広報PRと広告では、メディアへの掲載にかかる費用が大きく異なります。

広報PRは、基本的にメディアへの情報提供が中心であり、掲載そのものに費用はかかりません。記者発表会の開催やプレスリリース作成などにかかるコストはありますが、広告と比べれば比較的低コストです。

広告では、まずメディアへの掲載枠を購入する必要があります。枠の購入に際し広告代理店などのサポートを仰いだ場合はその費用が上乗せされるうえ、広告として掲載する映像やグラフィックを制作する費用も必要です。特にマスメディアへの出稿では、多額の費用が必要になります。

予算の確認イメージ

プロモーションで使われる「#PR」は広告

近年、インフルエンサーマーケティングやSNSマーケティングで、広告やタイアップとしてアップロードされる投稿に「#PR」のハッシュタグをつけることが増えています。この際に使われる「PR」は「パブリック・リレーションズ(広報)」ではなく「プロモーション(宣伝)」の意味で使われています。

プロモーションとしての「PR」は広告であり、パブリック・リレーションズではないことに注意しましょう。

プロモーションの際に、PR表記を行う必要性については以下で解説しています。

なお、「広報」と「PR」の違いについては、以下の記事で解説しています。

広報PRと広告の違いを知り、適切な方法を選択できるようになろう

広報PRと広告は、似たような意味だと認識している人も多いものの、本記事で紹介したように明確な違いがあります。

達成したい目的にあわせて広報PRと広告のどちらが適しているのか判断し、施策を検討するようにしてください。

また、同じように混同されやすい広報とマーケティングの違いについても以下の記事で紹介しています。

さらに、広報PRと宣伝の違いについては以下の記事で解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

<編集:PR TIMES MAGAZINE編集部>

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