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X(旧 Twitter)がバズるとは?基準と、バズったツイートで成果を伸ばす運用術

X(旧 Twitter)がバズるとは?基準と、バズったツイートで成果を伸ばす運用術

自社のX(旧 Twitter)アカウントの運用は、もはや多くの企業で取り入れられている広報PR活動のひとつ。Xが持つ拡散力を活用し、いわゆる「バズった」状態を目指すものの、狙ってバズらせることは困難です。

一方で、狙ったわけではない投稿が何かしらの拍子に拡散され、急にバズることは少なくありません。では、突然バズった場合には、広報PR担当者としてどう対応するのがよいのでしょうか。

本記事では、自社の投稿がバズったとき、広報PR担当者が取るべき対応5つと、その際に気をつけたいことをご紹介します。

Xの企業公式アカウントを立ち上げた方、企業の中の人として運営されている方、公式アカウントの運営以外にも個人名を出して広報PRにXを活用されている方々は、ぜひ参考にしてみてください。

目次
  1. 「バズる」とは?Xにおける意味とバズる基準

  2. バズったツイートから得られる機会とリスク

  3. バズったあとの対応次第で、インプレッション数が変わる

  4. Xでバズったときに、すぐ実践すべき5つのアクション

  5. Xでバズったときに気を付けたい3つのこと

  6. バズったツイートを、継続的な成果につなげる運用アイデア

  7. バズ直後の対応は速やかに、バズ後のアカウント運営方針はゆるやかに変えていこう

「バズる」とは?Xにおける意味とバズる基準

まずは、「バズる」「バズった」と呼ばれる状況の意味と、基準から確認していきましょう。

バズるの意味とマーケティングでの使われ方

「バズる」とは、特定の投稿が短期間で爆発的に拡散され、想定を大きく超える反応が集まる状態を指します。もともとは英語の「Buzz(蜂の羽音=ざわつき)」が語源で、マーケティング領域では「口コミによる急速な話題化」という意味で広く使われています。

企業のSNS運用では、バズる=単なる数字の爆増ではなく、認知拡大・ブランド好意度の向上・流入増加といった実利につながる可能性を持つ現象と言えます。その反面、拡散の勢いが速いほど誤解や炎上に発展するリスクも抱えており、チャンスと危険が隣り合わせの状態でもあります。

Xで「バズったツイート」と呼べる数値の目安

Xでは明確な公式基準はありませんが、一般的に次のような数値が目安とされています。

短期間(1〜3日)で

  • いいね 1万以上
  • リポスト 1万以上
  • インプレッション 100万以上

これらの指標が揃うと、メディア紹介や引用リポストが急増し、いわゆる「バズったツイート」と呼ばれやすくなります。

一方で、通常の反応が1桁〜数十のアカウントが数千の反応を獲得した場合は「相対的にバズっている」と判断され、一般的には「プチバズ」と呼ばれます。

こうした伸びをいち早く察知できるように、普段の数字を把握しておくことが大切です。

フォロワー数・アカウント規模別のバズる基準

アカウントの規模によって「バズ」の基準は大きく異なります。たとえば、フォロワー1万人のアカウントが1万いいねを獲得するのはインパクトがありますが、フォロワー100万人のアカウントが同じ数字でも相対的な驚きは小さくなります。

そのため、バズの評価は「絶対値」ではなく、通常時の平均インプレッション比(×10〜×50など)で捉えると正確です。中小アカウントでも、通常の10倍を超える反応があれば「十分なバズ」と言えます。

「プチバズ」と炎上・バイラルとの違い

「バズ」と「炎上」は、どちらも大量拡散という点では似ていますが、性質が大きく異なります。

  • バズ:ポジティブまたはニュートラルな文脈で拡散
  • 炎上:批判・嘲笑・ネガティブな意見による急拡大
  • バイラル:仕組まれた伝播、あるいは強い共感や模倣で広がる現象

企業アカウントの場合、バズと炎上が混ざりやすく、初動を誤るとネガティブ文脈が優位になることもあります。反応の質を見極め、ネガティブが多い場合は「沈黙こそ最善」のこともあります。

バズったツイートから得られる機会とリスク

Xの投稿がバズり、多くの人に投稿が届くことで、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。具体的に、得られる機会とリスクについても解説します。

一時的なインプレッション急増がもたらすメリット

バズることで、通常では届かない層に一気に認知が広がり、フォロワー増加やWebサイト流入につながる可能性があります。企業・団体の場合、好意的な文脈で話題化した場合は「ブランドを知る初めての入口」として価値が高く、問い合わせや商談につながるケースも少なくありません。

短期間で露出が極端に増える現象は、広告で同じ効果を得るには非常に高い費用が必要になるため、広報的なメリットは大きいといえます。

企業・団体アカウントならではのリスク

一方、拡散スピードが速いほど、文脈の誤解や過度な期待、不適切な引用が発生しやすくなります。企業公式アカウントの場合、批判が企業全体の評価に直結するため、個人アカウントとは異なる慎重さが求められます。

また、過去投稿が掘り返されるリスクも高まるため、バズ直後には「アカウント全体の棚卸し」が欠かせません。

メディア掲載・二次展開につなげる視点

バズった投稿は、Webメディアが拾って記事化したり、テレビ番組・ラジオに取り上げられることがあります。PR視点では、

  • 背景情報の整理
  • 担当者コメントの準備
  • ストーリー化

を行うことで、バズを「二次的なPR成果」へ展開しやすくなります。

自社サイトやプレスリリースへ誘導したり、自社サイトで追加情報を公開したりと、「広報としての次の一手」を仕込むと中長期の資産になります。

バズったあとの対応次第で、インプレッション数が変わる

バズった投稿は放置せず、すぐに何かしらの対応をすることが重要です。

予想どおりの「バズ」なら放置もひとつの策ですが、多くの場合は異なります。投稿をさらに伸ばす方策、インプレッションが伸び続けることのリスクを軽減する方法などを考え、行動に移しましょう。

バズの勢いがもっとも強いのは最初の24時間です。この時間帯に、

  • プロフィール整備
  • 固定ツイートの更新
  • 必要な案内リンクの設置
  • 適切なフォローアップ投稿

などを行うことで、インプレッション数だけでなく「企業への好意度」も左右されます。

初動の意思決定はSNS担当者の経験値が問われる領域であり、内部コミュニケーションの速度も重要になります。

こちらは、地図データベースなどを提供する株式会社ゼンリンの投稿です。としまえんの閉園の際に「94年間 夢と笑顔をありがとう」との言葉とともに、周辺地図の画像を投稿。約1.4万件の「いいね」を獲得しました。

そのあと返信投稿を添えることで真心を伝え、さらなるリポストを獲得しています。

ポジティブ反応が中心なら積極的に対応すべきですが、ネガティブ反応が多い場合や、解釈が割れやすい内容の場合は「静観」が最善の場合もあります。反応しないことで火が収まるケースは多く、危機管理の基準として覚えておくと役立ちます。

投稿内容の解釈がズレている場合も、下手に訂正すると炎上に転じやすいため慎重さが必要です。

Xでバズったときに、すぐ実践すべき5つのアクション

ではXでバズったあとには、どんな対応をすればよいのでしょうか。すぐに行いたい5つのことをご紹介します。

1.関連投稿やスレッドでフォローアップを投稿

1つ目は、宣伝したい情報をツリーに投稿することです。

Xでは、バズった投稿に宣伝したい内容をぶら下げて投稿する慣習があります。

新しい文面の投稿や過去の投稿をリポストするほか、公式サイトやInstagramのリンクなどを投稿してもよいでしょう。

宣伝投稿の数に決まりはありませんが、1投稿あたりの閲覧数を増やすためには、多くても5投稿ほどで留めるのがおすすめです。バズった投稿の効果で、宣伝した内容も閲覧されやすくなります。

こちらは、「パインアメ」を製造・販売するパイン株式会社の投稿です。感染対策を呼びかけた投稿が28万以上の「いいね」を獲得しました。バズったツリーでは「パインアメ」柄のマスクをアピールしています。

こちらは、「パインアメ」を製造・販売するパイン株式会社の投稿です。感染対策を呼びかけた投稿が28万以上の「いいね」を獲得しました。バズったツリーでは「パインアメ」柄のマスクをアピールしています。

2.プロフィール情報とリンク先の最適化

2つ目は、プロフィール情報とリンク先の最適化です。

バズった投稿を目にしたとき、投稿主のプロフィールに移動して確認する場合も多くあります。その際、つながりたい対象に伝わる自己紹介、ガイドラインに沿った書き方、自社サイトのリンク付記などができているか、改めてチェックしましょう。

企業のSNSアカウント運営で気を付けたいガイドライン・ポリシーについては、以下の記事でも紹介しています。

3.固定投稿の見直しをする

3つ目は、固定投稿の見直しです。

この機会に、固定投稿の見直しも行いましょう。今一番知ってほしい内容が固定されているかがポイントです。かなり昔の投稿が固定されたままになっていないか、バズった投稿からプロフィールを訪問した人に見せたい内容なのかを確認します。

固定投稿がない場合は、バズった投稿の内容に関連する投稿をして、固定にするのもよいでしょう。

また、アカウントの運用コンセプトや目的、投稿者(中の人)のキャラクターに沿った投稿かどうかを確認することも大切です。

4.過去投稿の情報整理とアーカイブリンクを設置

4つ目は、過去の投稿のチェックです。リスク管理のために、投稿がバズってからなるべく早い段階で実施できるよう意識しましょう。

過去の投稿までさかのぼって注目を集める「バズ」は、知名度向上とともに炎上のリスクも高まります。過去の投稿の中に、事業やサービスの趣旨から外れたものがないか、運用担当者の私的な投稿や、誰かを傷つける投稿がないか、できる限り昔までさかのぼって確認したいところです。

場合によっては削除したほうがよい投稿もあるので、バズったあとはできるだけ早く過去の投稿を整理することをおすすめします。

5.問い合わせ先とCTA(行動誘導)を明示する

5つ目は、問い合わせ窓口や、行動してもらいたいポイントを明記することです。

バズった投稿には予想以上のリプライ(返信)がつくため、重要な問い合わせが埋もれてしまう可能性があります。「問い合わせ先はこちら」「申込受付中」といった文言と連絡先を明記して、問い合わせを漏れなく受け取れるようにしましょう。

Xでバズったときに気を付けたい3つのこと

投稿がバズることはあまりないため、その現場に直面すると焦ってしまいがちです。無理をして余計な投稿やミスをしてしまわないよう気を配りつつ、自社を知ってもらえる機会として、冷静に対応しましょう。

最後に、Xがバズったときに気を付けたい3つのことをご紹介します。

1.悪意のあるメッセージには反応しない

1万以上のリポストで、インプレッション数は100万を超えることも珍しくありません。リポスト数、いいね数の伸びに比例して、悪意のあるリプライ、引用リポスト、DMが増える傾向があります。悪意のあるメッセージには、反応しないことが賢明です。

気になる場合は、悪意のあるキーワードや送信元のアカウントをミュート表示にするなどしましょう。ただし、これはポジティブなメッセージに目を向けるために行う作業です。相手を煽ってしまう可能性があるので、ブロックは避けてください。あらゆる批判をミュートすることも、企業としての姿勢が問われるため推奨しません。

2.バズ後に過剰に投稿しすぎない

バズったあとは、新規のフォロワーが数百人単位で増えることもあります。「自社のことを色々と知ってもらいたい」「この機会を使わなければ」などと、過剰に投稿するのは避けましょう。

あまりに投稿しすぎると、バズをきっかけにフォローしてくれた人と以前からのフォロワーが、煩わしさを感じて離れてしまうかもしれません。

1日で集中して投稿するだけでなく、数日にわたって小出しに投稿する方法もあります。過剰に投稿しないことを意識しながら、自社のアピールにとって、もっとも効果的な投稿の頻度や方法をひと呼吸おいて考えてみましょう。

3.元々いるフォロワーへの配慮を忘れない

どうしても新しいフォロワー向けの投稿が多くなりがちですが、バズる前から支えてくれていたフォロワーへの配慮も忘れないようにしましょう。

投稿の内容が変わると、以前からのファンが離れてしまう可能性があります。バズに固執して、アカウントの性格や趣旨を見失わないようにする意識・配慮が必要です。

さらに、フォロワーにとって有益な情報とは何かを改めて考え、運用方針を整えていくことも大切。自社アカウントの強みを改めて考え直すよい機会にもなります。

Twitterでバズった後の対応

バズったツイートを、継続的な成果につなげる運用アイデア

バズった投稿は、一時的なアクセス増にとどまらず、アカウントを中長期的に成長させる「資産」へと変換できます。単なる偶発的な出来事として消費するのではなく、なぜ伸びたのかを分析し、再現性のある仕組みに落とし込むことで、フォロワーとの関係性が強まり、発信力そのものが底上げされます。

特に企業アカウントの場合、バズはブランドの世界観や価値を理解してもらう大きなチャンスです。最後に、バズを継続的な成果につなげるための視点と、実際の運用アイデアを整理して紹介します。

アカウントの「らしさ」とバズ内容の共通項を見つける

バズは偶然のように見えて、振り返るとアカウントの強みや世界観と重なる部分が見つかることが多くあります。「なぜ伸びたのか?」を構造化して言語化することで、成功パターンを把握でき、コンテンツ戦略そのものが洗練されます。

たとえば、語り口・切り口・タイミング・文脈など、意識的に再現できる要素を一つずつ拾い出すことで、次の投稿に活かせるヒントが見つかります。自社の「らしさ」と一致する共通項を抽出できれば、ブランドイメージを損なわない形で再現性を高められ、継続的なバズやファン形成にもつながるでしょう。

定番コンテンツや企画に昇華させる

一度バズったテーマは、単発で終わらせずシリーズ化することで、アカウント全体の世界観を強化する土台になります。ユーザーに「このアカウントといえばこのテーマ」という認知が生まれれば、再生産のしやすいコンテンツ資産になります。

たとえば「毎月の定点観測企画にする」「プレスリリースや自社サイトで背景や裏側を深掘りする」「社内のストーリーとして再編集する」など、複数の切り口で展開することでファン層も広がるでしょう。長期的なコンテンツに変換することができれば、バズの偶然性に頼らない持続的な成長が期待できます。

他チャネル(note・プレスリリースなど)へ展開する

バズはSNS内で完結させず、メディアやオウンドチャネルへ展開することで、より広い層に伝えることができます。PR TIMESでストーリー化したり、自社ブログで背景を解説したり、イベント登壇で事例として共有するなど、多面的に活かすことで中長期の資産に変わります。

複数のチャネルを横断して展開することで、SNSで生まれた一時的な熱量を点から面へと広げ、広報戦略全体の強化につなげられます。単発の盛り上がりで終わらせず、継続的な認知と信頼形成へと接続することが成功の鍵です。

バズ直後の対応は速やかに、バズ後のアカウント運営方針はゆるやかに変えていこう

自分が運用を担当しているXのアカウントがバズったら、まずは速やかに5つの対応を行い、リスク対応のため3つの点にも気を配りましょう。

バズの影響は最長でも3日間ほどといわれていますが、その間、常にポジティブな反応が返ってくるわけではありません。悪意のあるコメントには反応せず、元々いるフォロワーへの配慮を忘れないことが重要です。

同時に、バズ後の運営方針をゆるやかに変えていきましょう。

「せっかくの機会だから」と気負いすぎず、自社の個性や強みを活かした運用の姿勢を大切にしてくださいね。

<編集:PR TIMES MAGAZINE編集部>

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この記事のライター

佐藤 杏樹

佐藤 杏樹

フリーのライター・編集者。PR TIMESに新卒入社しメディア事業部にてコンテンツ編集者・SNS運用・イベントなど担当。現在も執筆業に携わりながら広報・PRの仕事もしています。広報実務を通して得た知見や実践しやすい広報ノウハウ、最初に知っておきたい広報の基礎など、みなさまに分かりやすくお伝えします。

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