PR TIMESでは、メディアと企業が直接出会える合同イベント「合同タッチアップ会(タッチアップ会)」を7月24日に実施。約150名のメディア・SNSインフルエンサーと20以上のブランドが一堂に会しました。
本記事では、今回実施した合同イベントを踏まえ、開催するメリットや注意点、企画設計のステップなどを解説します。
合同タッチアップ会とは
「合同タッチアップ会」とは、PR TIMESが始動するリアルイベント。メディアと企業が直接出会い、商品・サービスをブランド担当者と一緒に体験できるのが最大のメリットです。メディア関係者は商品・サービスについて取材する機会を得て、企業は日頃と異なるコミュニケーションの場として活用することができます。
7月24日開催当日の様子:https://prtimes.jp/tv/detail/2832
合同イベントを開催するメリット
1ブランドだけでは成し得ない合同イベントならではの利点がたくさんあります。ここでは、3つのポイントに分けて合同イベントを開催するメリットについてご紹介します。
参加者のメリット:一度にたくさんのブランド商品の情報をキャッチアップできる
来場するメディア側は、トレンドや業界全体の流れなどをその場でキャッチアップできます。他ブランドの商品の開発秘話やターゲットなどの深い話を、一緒に取材することができるためです。
運営側にとっては、他ブランドの情報を聞きに来たメディア関係者と交流できるのが1番のメリットといってよいでしょう。
自社のみで行う発表会やメディアキャラバンは、限られたメディア関係者へのアプローチになりがちです。それに対し、合同イベントであれば、コスメブランドの商品情報を聞きに来た多くのメディア関係者にも十分なアプローチが可能です。
主催者のメリット:単体の発表会よりコスパよく実施できる
合同イベントでは、通常のメディア向け発表会よりもコスト削減ができるメリットもあります。会場費・装飾費をはじめとする費用がかかる発表会に対し、合同でイベントを開催すれば、単体の発表会よりも大規模な会場でコスパよく実施できます。
大きな規模でメディア関係者やインフルエンサーを多く呼ぶことができ、1ブランドあたりの費用対効果が高い点は合同イベントならではの魅力といえます。
双方のメリット:企業・メディア・生活者といった、あらゆるステークホルダーとつながれる
合同イベントは、あらゆるステークホルダーとつながりをつくる場としても有効です。
ブランド担当者、開発担当者、メディア関係者、インフルエンサー、美容専門家……などたくさんの方が集まるイベントなので、その場で商品を知ることができるだけでなく、現在のトレンドや業界について知ることができます。
広報PR活動する側と受ける側が集まることで、商品情報だけではない新たな気づきが生まれるでしょう。
合同イベントを主催するために必要な5つのステップ
合同イベントの企画を完成させるまでに必要なステップは5つ。ポイントを押さえておくと、スムーズな進行が可能になります。ここでは、7月24日に開催したコスメの合同タッチアップ会をもとに、5つのステップを順に解説していきます。
ステップ1.イベント開催の目的を明確にし、目標を定める
まずは、合同イベントを「何のために実施するのか」を明確にします。会社・出展ブランド・イベントに参加してほしいメディア関係者にとってどのようなメリットがあるのか、どのような効果が生まれるかを考え、目標を定めましょう。
イベント開催前に、メディア関係者と面会した際は、求められている情報やトレンドをヒアリングしておくことをおすすめします。事前の情報収集によって、切り口を複数に分ける糸口やニーズに刺さる内容を固めることなどができます。
ステップ2.イベントに招待する対象者を決める
目標を定めたあとは、合同イベントに招待する対象者を決めていきます。自社のみで行うイベントや発表会との違いを意識します。また、協同する出展ブランドが喜ぶ対象者を視野に入れるとよいでしょう。
コスメの合同タッチアップ会であれば、美容カテゴリの雑誌やWebメディア、SNSインフルエンサー、美容専門家の方々を対象者に設定。記事にしてもらえるような方だけでなく、交流することで新しい気づきや発見につながるような会にできるよう、対象者を選定します。
日々のキャラバンや面会などですでにつながりがあるメディアに限定せず、開催時にはつながりのない新規層への声かけも実施したほうがよいでしょう。
今回の企画では、メディア限定公開でイベント実施のプレスリリースを配信したり、SNSインフルエンサーさんは、親和性が高い方へ直接DMでご連絡を入れたりしました。(PR TIMES 合同タッチアップ会担当者)
ステップ3.イベントのスケジュール、進め方を決める
イベントのスケジュールの大きな枠組みは、イベント概要を確定→会場の選定→出展ブランド・商品の確定→来場者を確定→実施の流れです。来場者への招致活動は、1ヵ月前までには第一案内ができることを基軸にスケジュールを設計していきます。
イベント概要を確定したら、日程を決めましょう。1ヵ月後だと会場が埋まっていることも多いので、なるべく早い段階で場所を探しをはじめるのが得策です。また、会場ごとに使用ルールがあるため、できること・できないことを明確にしたうえで、プログラムやコンテンツを組み込んで行きます。
具体的なスケジュールイメージは以下の通りです。
イベント(準備~実施まで) | スケジュール |
プレイベント | 3月24日 |
プレイベントの振り返り | 4月末~5月上旬頃 |
タッチアップ会起案 | 5月上旬 |
会場への連絡・下見 | 5月上旬 |
装飾会社への連絡 | 5月上旬 |
イベント概要確定 | 5月中旬 |
出展募集開始 | 5月下旬 |
メディアへのご案内状作成 | 6月中旬 |
メディアへのご案内 | 6月20日 |
出展募集終了 | 7月初旬予定 |
出展ブランド事前打ち合わせ | 7月中旬 |
設営準備 | 7月21日・24日 |
イベント本番 | 7月24日 |
ステップ4.目的に沿ったプログラム、コンテンツを企画する
上記の会場ルールを念頭に置いて、コンテンツを考えていきます。特にメディアが求める情報は何かを考え、設計することが重要です。
実施時期の季節性や新規性はもちろんのこと、メディアごとの特性(男性向けや女性向けなど)も考慮したうえで、ニュースになるイメージをしながら企画します。
コスメの合同タッチアップ会では、メディアに届けたい情報の伝え方を基準に考えるのが有効です。スキンケア商品を例に挙げると、少し前は美白ケアという目的にそった内容が流行していましたが、昨今では含まれている成分にフォーカスされています。レチノールやビタミンC等がわかりやすいでしょう。成分ごとにカテゴリを分けて紹介しておくとまとめ記事などで取り上げられやすくなります。
ほかには、脱マスクに向けてリップやアイシャドウなどの色物の商品SKU(Stock Keeping Unit)数も増えてきたことから、これから流行するカラーやメイク方法がわかるような内容にするなど、社会性や時流をかけ合わせながら、商品がもつ新規性・希少性・意外性などを組み合わせてあげると設計しやすくなります。
新規性・希少性などのメディアフックに関する記事はこちらをご覧ください。
ステップ5.集客方法を検討・決定する
プログラムとコンテンツが固まったら、イベントの1ヵ月ほど前から招致活動をスタートしましょう。イベント概要が完全に固まっていなくても、案内を小出しにして案内メールを2~3回入れます。
1回目はイベント日時と概要の案内だけ、2回目は出展ブランドとおすすめ商品の案内、3回目も2回目で案内できなかったおすすめ商品をピックアップし、概要を固めながら招致活動を同時進行させました。(PR TIMES 合同タッチアップ会担当者)
参加の申し込みを確認したら、すぐにお礼とともに後日あらためて詳細メールをお送りすること、これにて申し込みが完了したことをお知らせします。
さらにイベント実施前日には、最終リマインドを兼ねてイベント詳細メールを入れることが重要です。イベント終了後のお礼メールに加え、今後そのメディアが求める情報を提案できるよう、定期的にコンタクトを取っていきます。
合同イベント開催を進めるときの注意点
合同タッチアップ会のようなイベントを実施するにあたって、特に注意すべきポイントは3つあります。合同イベントを開催する際には気をつけてください。
1.招待する人へのベネフィットを忘れない
招待された人は時間を割いて参加しているため、「来てよかった」と思えるようなイベントにする必要があります。イベント参加者であるメディア側のベネフィットとしては、以下のようなことが考えられます。
- 複数のブランド商品がその場で試せる・撮影できる
コスメの広報PR活動では、商品を試してもらいながらその魅力を伝えるメディアキャラバンが一般的。メディア側は、受けた商品のカテゴリなど情報をまとめ、比較検討するなど記事化まで時間を要することも。
合同タッチアップ会では、一度に複数のブランドを試せるのがメリット。多くの情報が必要なメディア側にとっても、タイムパフォーマンスがよいイベントといえます。
- ブランド担当者から直接話が聞ける(専門性のあるコトが聞ける)
プレスリリースを読んだり、商品を試したりするだけではわからないことがあったとき、メディア関係者は企業側への取材・確認などをします。
合同タッチアップ会は、その場で担当者に質問ができます。メディア側も企業側もどちらもたくさんの方と交流ができるので効率のいい情報交換ができます。
メディア関係者へのベネフィットを例に挙げましたが、すべての来場者にとってメリットを感じてもらえるように意識して合同イベントを実施しましょう。
2.企画を設計する際に目的・目標から脱線しない
目的・目標に合った企画でなければ、「誰に向けて実施するイベントなのか」を伝えることができません。ただコンテンツを盛りだくさんにするのではなく、あくまでも、目的に合致したシンプルなコンテンツを心がけましょう。
例えば、コスメの合同イベントで食事ブースやフィットネスブースなど関連性の薄い体験コンテンツを入れてしまうと、「何のイベントかよくわからない」「行きたくなるような内容ではない」と思わせる可能性が高まります。
企画段階で何が正解かわからなくなったときは、案件に携わっていない人に意見を求めるのがおすすめです。より多くの人にいろんなアングルで見てもらうことで、新たな発見にもつながります。集まった意見を参考にしながら、いかにシンプルでわかりやすいかを念頭に置き、行きたくなるようなコンテンツをちりばめていきましょう。
3.参加者・参加できなかった人へのアフターフォローを翌日中に
参加者の方には、遅くとも翌日中にはお礼メールを送りましょう。イベントの終了後も定期的なメディアコミュニケーションが重要になるため、参加者・不参加者共に、後日イベントレポの案内をし、自社の認知を広めていきます。
お礼メールを送ったあともそれきりにせず、イベント時に案内したコンテンツ内容をベースにして、自社商品の情報を定期的に発信するのも一案です。例えば、UVケア、ヘアケアなどの切り口ごとに商品情報をまとめて、メディア関係者へメール配信してみるのもよいでしょう。
合同イベントを進める上での重要なこと
合同イベントを進めるうえで重要なのは、誰のために実施するのか、その人にわかりやすく伝わるような内容になっているかを常に考えることです。
不特定多数のためではなく、たったひとりのN=1に届けるためにどのような伝え方が必要かを追求することが、合同イベントのメリットを最大限に活かす一番の近道だといえるでしょう。
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