プレスリリースは、メールやFAX、郵送などで送ることができます。オフライン、オンライン(インターネット上)いずれの方法も、受け取る相手に配慮した送付を心がけなければなりません。
内容が十分に吟味されたプレスリリースを作成したとしても、送り方に気遣いがなければ、プレスリリースを受け取るメディアの記者・編集者に失礼となってしまったり、送る側の意図が伝わらなかったりするでしょう。
本記事では、プレスリリースの送り方についてのポイントを徹底解説。送付先に好印象を与えられるようなプレスリリースの送り方をそれぞれの手段別に紹介します。また、メールに記載する内容や、FAXや郵送で送る際に添える送付状の書き方をテンプレート付きで幅広く紹介するので、ぜひ参考にしてください。
オンライン・オフラインでの送り方を調べる
プレスリリースを作成した後は、オンライン(インターネット上)とオフラインで広く届けましょう。
以下の記事で紹介しているように、プレスリリース配信サイトでの配信や、メール・FAX・郵送などで直接届けるなどの方法があります。
本記事では、メール・FAX・郵送での送り方や、送付先がわからないときの方法について解説します。
メールでのプレスリリースの送り方
プレスリリースを受け取るメディアの記者・編集者は、日々膨大な情報を受信しています。メールでプレスリリースを送付する場合、前項でも触れたように、まずはメールを開いてもらわなければなりません。あまたの情報のなかから自社が発信したプレスリリースをチェックしてもらうためにも送り方のコツを押さえておきましょう。
ここでは、プレスリリースをメールで送付する際に知っておくべき5つのコツを紹介します。相手に「助かるな」と感じてもらえるような送り方をマスターしてください。
1.タイトルを工夫する
プレスリリースをメールで送付する方法は大きく3つに分かれます。
①HTML形式でメール本文にプレスリリースの詳細な内容を読みやすく記載する
②本文は要点のみにし、プレスリリースを添付ファイルで送る
③メール本文は要点に留め、「詳しくはリンクを参照ください」などのメッセージとともにURLに誘導する
メールでプレスリリースを送る場合は、本文と同じくらい件名が重要です。①~③のいずれの方法でも、まずはメールを開封してもらわなければなりません。
メディア関係者がメール受信時に件名を見ただけで「これは有益な情報かもしれない」と感じ、思わず開きたくなるタイトルを設定する必要があります。タイトルを付ける際は、「プレスリリースを読むかどうかを判断する材料となる」「タイトルからプレスリリースの内容がある程度伝わる」といった点を意識しましょう。
単純に「発表会のお知らせ」「新商品発表に関するリリース」と記載するのではなく、「10月開始の〇〇サービスに関する発表会」や「××向けの新商品『△△』のリリース」と書き加えるだけで、内容をイメージしやすくなります。また、重要な情報がある場合には、件名に「◎/◎ 10時解禁 タイトル/社名」といったように情報を盛り込むのもおすすめです。
冗長になるのも好ましくありませんが、最低限どのような内容が記載されているのかがわかる件名を心がけましょう。
2.メディア担当者が必要としている情報を簡潔に記載する
プレスリリースをPDFファイルで添付したり、詳細ページのURLに誘導する場合、メール本文でプレスリリースの概要を伝える必要があります。その際、一方的な情報発信にならないようにするためにも、単純にプレスリリースの内容だけを記載するのは避けましょう。
メール本文には、メディア担当者が「自分に必要な情報であるかどうか」がすぐにわかる内容にすることが重要です。ITに関する自社の新しい取り組みや、独自のテクノロジーを活用した新製品の発表など、先方が担当する分野に関連するニュース性のある情報であることが本文から読み取ることができれば、プレスリリースを読んでもらえる可能性が高まります。
3.関連する他社のニュースも積極的に紹介する
前項に付随しますが、メールの本文はメディア担当者が何を欲しているのかを想定した内容にすることが大切です。
意外に思われる方も多いかもしれませんが、あえて関連する他社のニュースを添えるのも有効です。メディア記者・編集者が記事として取り上げるためには、社会的な関心事かどうか、ニュースとして話題性があるかどうかが分かれ目となります。もちろん大きなインパクトのある発表の場合は、単独で記事として取り上げられることもありますが、常に大きなニュースばかり出せるわけではありません。
関連する他社のニュースをあわせて紹介することによって、メディア関係者もひとつの事象を立体的に捉えやすく、社会のムーブメントや動向として取り上げてもらえる可能性を高められます。
メール本文を作成する際は、以下の4点が盛り込まれているかをチェックしながら作成しましょう。
- いつ
- 誰が(どの事業が)
- どのようなことをするのか
- 社会的にどのようなインパクトがあるか(他社のニュースで根拠を示すなど)
これらを記載する際は、自社特有の単語や一般的にはあまり使われない専門用語ばかりが並ぶのはNGです。誰が読んでも理解できる言葉を選ぶことが大切です。
4.取材可能日時を記載しておく
プレスリリースを記事に取り上げてもらうことを前提に、取材可能な日程もメールに記載しておくのもよいでしょう。日程調整には手間や労力がかかります。先にこちらの希望日・時間を複数提示しておくことで、できる限りやり取りの回数を減らすことができ、先方のスケジュールに空きがあれば話を聞いてもらえる可能性は高まります。
5.メールを送る前に最終確認をする
メールを送る前に内容を再度確認することも大切です。以下のチェックリストに沿って、すべてを網羅できているかどうかを最後に確認しましょう。
【メールでプレスリリースを送付する場合のチェックリスト】
- 開きたくなる工夫がメール件名に施されているか
- ファイルの添付漏れはないか(プレスリリースをPDFなどで送付する場合)
- 本文に添付ファイル開封やURLのクリックを促す言葉があるか
- 情報解禁日時が記載されているか
- 連絡先が明記されているか
インターネット上での送付先がわからない場合は?電話で直接連絡する場合
メールアドレスや担当者の連絡先がわからない場合は、ホームページやメディアの問い合わせ先として記載されている代表番号に問い合わせてみるのも一案です。
ただし、この電話連絡はあくまでもプレスリリースの送付方法を尋ねるためのもの。突然の電話で長々とプレスリリースの内容を紹介し始めてしまっては、忙しいメディア関係者の立場をおもんぱからない行動となってしまいます。先方が希望する適切な送付方法の確認に留めましょう。
FAXでのプレスリリースの送り方
FAX配信でプレスリリースを送る場合、できる限り「送付状」を別紙で送信するようにします。特にリレーションのあるメディア関係者に個別で送る場合は必ず送付状を用意するようにしましょう。送付状なしでリリース内容だけを送付した場合、送付先の部署や担当者がわかりづらいだけでなく、先方からぶしつけな印象を抱かれてしまう可能性もあるので要注意です。
また、FAXの場合はプレスリリースに記載しているテキストや図が見えにくくなってしまうこともしばしば発生します。事前に自社内で「白黒表示で文字や図がつぶれていないか」をテスト送信しておくと安心です。
なおFAXの場合、1枚受信するごとに先方に費用が発生します。送付状を含め、プレスリリースはA4サイズの紙で5枚以下におさえるようにしましょう。また、先方は紙でプレスリリースを受け取ります。枚数が多くなってしまうとバラバラになってしまったり、かさばってしまったりもするため、かえって迷惑をかけてしまうことにもなります。
FAXでプレスリリースを送付する際も、以下のチェックリストに沿って最終確認を行いましょう。
【FAXでプレスリリースを送付する場合のチェックリスト】
- 送付状が添えられているか(※)
- 文字のフォントやサイズ感が適切で、受信時に読みやすいか
- テキストや図がつぶれていないか
- A4サイズ5枚以内(理想は1~3枚)におさまっているか
※PR TIMESから送付の場合は、配信元が表示されますので送付状は不要です。
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郵送でのプレスリリースの送り方
郵送でプレスリリースを送付する場合は必ず「送付状」を添えます。開封した際、最初に手に取れるように、プレスリリースの上に送付状を重ねて封筒に入れましょう。また、郵送時には送り先の住所や宛名に間違いがないかを確認することも忘れてはいけません。
さらに、雨に濡れた場合に備えてクリアファイルに入れる、封筒に「プレスリリース在中」「報道向け資料在中」など、中身のわかる記載をするなどの配慮があると親切です。先方への気遣いも伝わり、好印象を与えられます。
なお、郵送で送る場合もプレスリリースの枚数は、送付状を含めてA4サイズの用紙5枚以下におさえるように心がけましょう。
郵送でプレスリリースを送付する際の最終確認は以下の内容です。
【郵送でプレスリリースを送付する場合のチェックリスト】
- 送付先の住所や宛名に間違いはないか
- 送付状が中に入っているか
- 雨濡れ防止の工夫がされているか
- 「1枚目送付状→2枚目プレスリリース」の順に入れられているか
- A4サイズ5枚以内(理想は1~3枚)におさまっているか
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プレスリリースに添える送付状の書き方
これまで紹介してきたように、プレスリリースの送付方法はさまざまです。いずれの方法でも、プレスリリースのみを先方に送るということはありません。プレスリリースをPDFファイルにしてメールで送る場合は本文に、FAXや郵送でプレスリリースを送る場合は別紙で送付状を作成します。
相手に失礼のないようにすることはもちろん、送付状もビジネス文書であることを意識しなければなりません。必ず記載すべき項目を押さえ、企業から送付する公式な文書として失礼のないように作成することを心がけます。
ここでは、プレスリリースを送る際のメール本文や送付状の書き方をテンプレート付きで紹介します。
なお、テンプレートは、「新商品コスメに関するプレスリリースを一般・ビジネス誌に送付するケース」と仮定して作成しています。なぜそのメディアにこのプレスリリースを送付するのか、そのメディアの特性を理解していることを示したうえで、理由を簡単に伝えるようにしましょう。社会性、逆説、希少性などのPRフックが感じられる内容を加えることで、メディア関係者の興味や関心を得られる可能性が高まります。
テンプレートを使用する場合は必要箇所を必ず変更し、内容をアップデートしてから使用するようにご注意ください。
メールで送信する場合の送付状
プレスリリースをPDFファイルにし、メールに添付して送る場合は、できるだけ件名でファイルの内容が読み取れるように工夫するようにしましょう。
メールの場合、頭語・結語・時候の挨拶は記載する必要はありません。ただしいきなり本題に入るのではなく、「日頃より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます」など、丁寧な挨拶文を添えておくことで、相手に好印象を与えるメールとなります。また、取材可能な日程も記載する場合、日付だけでなく希望時間帯も提示します。
大切なのはプレスリリースを読んでもらうことです。メール本文はプレスリリースの概要を簡潔に伝えるに留め、長くなりすぎないよう注意しましょう。
なお、添付ファイルの場合はファイルの容量にも留意しなければなりません。プレスリリースに使用している画像の枚数や解像度などによっても異なるため「この容量以内におさえる」といった決まりごとはありません。しかし、あまりにも大きすぎるファイルデータは、開くのに時間がかかったり、時には開くことができなかったりし、相手に迷惑をかけてしまいます。送る前にファイルを自分で開いてみて、客観的にテストしてみるとよいかもしれません。
【件名】◎/◎ 10時解禁 働く女性向けの新商品コスメ『◎◎』発売について/●●社 【本文】報道関係者各位 日頃より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。このたび弊社では、働く女性を応援するアイテムとして「◎◎」を発売することとなりました。 先日発表された「日本は女性の睡眠時間が先進国でもっとも短い」という調査結果から着想を得た、「夜寝る前に使ってそのまま出かけられる」というコンセプトのアイブロウライナーです。こすっても落ちにくいだけでなく、お肌にも優しく、幅広い年代層にお使いいただけます。今回、独自開発の~~~を加えることにより、新しい技術と革新的な商品の開発に成功いたしました。 商品の詳しい説明や価格、開発背景などは、添付しておりますPDF資料をご覧ください。 貴メディアの読者様にも興味を持っていただける商品かと存じますので、ぜひとも「◎◎」について直接お話をさせていただきたく存じます。つきましては、下記日程から30分〜1時間ほどお時間をいただけますと幸いです。 ●/● 11:00~17:00 ●/● 14:00~18:00 ●/● 10:00~14:00 お忙しいなか恐れ入りますが、ご確認、ご検討のほどよろしくお願いいたします。 広報担当:(名前) 電話: 住所: E-mail:~~~@asamiokada 会社ホームページ:https://〇〇〇〇 |
FAXや郵送で送る場合の送付状
FAXの場合にはできる限り、郵送の場合は必ず、プレスリリースと一緒に送付状を作成します。送付状は自社のロゴなども反映した専用のひな型を作っておくと、急なプレスリリース配信時にも役立ちます。
プレスリリースをFAX・郵送する際に添える送付状は、以下の手順に沿って作成します。送付状はあくまでもプレスリリースを送ることを伝えるための挨拶状です。プレスリリース本文の内容を長々と記載するのではなく、A4サイズの用紙1枚に必要な内容だけを収めるように意識しましょう。
なお、ダウンロードできる郵送・FAX用の送付状テンプレートも併せてご案内しますので、ぜひ活用してみてください。
送付状に記載する内容は以下のとおりです。
①送付年月日:いつプレスリリースを送ったのかがひと目でわかるよう、文書の右上に送付年月日を必ず記載しましょう。送付年月日は西暦・和暦のどちらでも問題ありませんが、全社で統一しておくことをおすすめします。
②送付先:文書の左上には送付先(プレスリリースを受け取る相手)を記載します。複数のメディアに一度に送る場合は「報道関係者各位」など、個別に送る場合は相手の氏名を記載します。メディア関係者個人に送る場合は敬称の「様」を付けるのを忘れないようにしましょう。
③差出人の会社名と氏名:送付年月日の直下に、プレスリリースの送付元情報を社名・部署名・氏名の順番で記載します。
④送付状の件名:書面の中央に送付状の件名を記載します。『新商品「◎◎」のご案内』のように、何についての文書なのかがわかるような件名を心がけましょう。
⑤頭語と結語:ビジネス文書には頭語・結語が欠かせません。いきなり本文に入るのではなく、「こんにちは」に当たる「拝啓」から始まり、「さようなら」に当たる「敬具」で締めるようにします。
⑥挨拶文:頭語の直後に挨拶文を記載するのも忘れないようにしましょう。ビジネス文書で使われることの多い挨拶文には「貴社におかれましてはますますご盛栄のこととお喜び申し上げます」や「日頃より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます」などがあります。挨拶文の始まりに、時候の挨拶を添えてもよいでしょう。その場合は、プレスリリースを送付する時期に合わせた時候の挨拶を選ぶようにしてください。
⑦記・以上:「記」「以上」は箇条書きを用いる場合に記載します。結語の下、文書の中央に「記」と記載し、その次に箇条書きを記載。「以上」は締めの言葉として文書の最後に記載し、そのあとには文章を入れないようにします。なお「以上」は、文書が1枚で完結する場合のみ使用できる言葉です。文書が1枚でおさまらない場合は「記」と「以上」の間に「別紙参照」などと記載し、別の文書を添えることで対応しましょう。
⑧概要(箇条書き):同封するプレスリリースの内容を箇条書きで簡単に説明します。ここでは詳細を述べるのではなく、アピールポイントに絞って伝える程度に留めます。
⑨補足や案内:プレスリリースを読んでもらうための誘導文や、連絡先に関する補足情報を記載しておくとよいでしょう。
⑩連絡先:メディア担当者がプレスリリースの内容に興味を持ち、もっと詳しく話を聞きたいと思った場合の連絡先を明記します。
- 広報担当者の名前
- 電話番号(携帯や直通番号など)
- 会社所在地
- メールアドレス
を間違いのないように記載しましょう。
受け取る側に配慮しながらプレスリリースを送りましょう
プレスリリースを受け取るメディア関係者は、日々数十通~数百通のニュースを受け取っています。膨大な情報のなかから自社の情報をチェックしてもらうためには、相手の立場に立った心配りが重要です。本記事で紹介したように、プレスリリースを送付する際に気を付けたいポイントは複数あります。「自分が記者だった場合、どのようにプレスリリースが送られてきたら興味を持てるだろう」「どんなポイントでニュースの有益性を見極めるだろう」と自問自答しながら、情報の届け方を考えていきましょう。
また、急にプレスリリースを発表することになった場合に備え、プレスリリース送付状のひな型を作成し、ストックしておくとスムーズに送ることができるでしょう。送付状はこの記事内にあるテンプレートをダウンロードし、自社に合わせた内容に書き換えて使ってみてください。
広報PR担当者の役割はプレスリリースを作成することではなく、プレスリリースをしかるべきメディア、そして生活者に届け、より多くの人に自社の商品・サービス・取り組みを知ってもらうこと。記事としてメディアに取り上げられる機会を増やすためにも、メディア側に好印象を与えられるような送付方法をしっかり覚えておきましょう。
<編集:PR TIMES MAGAZINE編集部>
プレスリリースの送り方と送付状に関するQ&A
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