【トレンド徹底活用術 vol.30】福袋編:情報を整理して機会損失を防ごう

自社で新商品を発売したりセールやキャンペーンを開催する際に、プレスリリースを配信する企業も多いでしょう。せっかくプレスリリースを配信するなら、より多くの人に届けたいですよね。

より多くの人に届き興味を持ってもらうためにも、自社の新情報をまとめるだけでなく、時節やトレンド情報はうまく活用しましょう。

自社の情報に時節やトレンド情報をかけ合わせることで、より注目度を上げてメディア関係者の目に留まれば、ニュースとして拡散されて生活者に届く可能性も高まります。

また、プロダクトに関する情報以外にどんなポイントを挙げるかによって付加価値も高められます。

トレンド徹底活用術」では、PR TIMES編集部が、トレンドキーワードをプレスリリースへ落とし込む方法を考察。

本記事では「福袋」をピックアップして、重要なステップを解説します!福袋を販売する小売業や、テイクアウトを中心とした飲食事業の方は特に活用しやすいトレンドのため、ぜひ参考にしてみてください。

福袋をプレスリリースに活用する重要な3つのステップ

年末年始のセール期間で盛り上がる中、新年を迎えると同時に商業施設などで販売される「福袋」。複数のアイテムが袋にまとまり、総合計金額より割引されて販売される福袋は、ひとつの目玉企画としても人気を博しています。

小売業を営む企業の広報担当者さんは、福袋販売を計画するうえで「数ある福袋の中でも自社の福袋を選んでもらうにはどうしたらいいだろう」、「中身が明かせないのにどうやってプレスリリースにしたらいいんだろう」、「コロナ禍の福袋は引き続き需要があるのだろうか」などさまざまな悩みを抱えているのではないでしょうか。

そのような悩みにお答えすべく、「福袋」を活用したプレスリリースの作成について解説。基本となる全ステップは以下9つです。

基本のトレンド徹底活用術

本記事では特に重要な3つのステップを解説していきます。基本となる全9ステップについては以下の記事で解説しています。参考にしてみてください。

重要STEP1.福袋の由来や意味を調べる

まずは、「福袋」の由来や、現代における意味合いを知るところから始めましょう。

由来を知る意味

「福袋」はいつごろ誕生し、また、どうして新年に販売されるのでしょうか。そもそも何を目的とした商品なのか、意味や由来を正しく理解するところからスタート。

由来を調べることで、地域差、性別や年齢ごとの認識の差など意外な側面を知ることができるかもしれません。

地道なリサーチではありますが、本来の意味や由来、新たな側面を見いだすことは、トレンドを活用した情報発信をする上で、土台となる基礎知識となります。

福袋の由来

福袋の由来は諸説あるようですが、一般的には七福神の福の神として知られる大黒天が肩に背負っている大きな袋から生まれたとされています。大黒天の持つ袋には大金などではなく幸福や幸運が入っており、袋から服を分け与えてくれると言われています。

起源は江戸時代あたりに布の端切れなどを袋に詰めて初売りで売られていたようで、明治時代にも呉服店などが福袋を販売していた記録があり、昭和になるころには多くの百貨店で現在のような福袋が販売されていたようです。

また、七福神の恵比寿とあわせて商売繁盛の神として崇められていることから、新年のはじまりに商売繁盛を願う意味も込められているようです。

参考:コトバンク

現在の福袋

一般的な福袋は、さまざまな物を袋に詰めて封をした状態で、中身がわからないまま購入者が選び取る形式で販売されています。

近年ではあえて中身を公開した「ネタばれ福袋」も人気傾向に。海外でも「ハッピーバッグ」「ラッキーバッグ」として販売され注目を集めています。また、年明けに行われる初売りとしての打ち出しにこだわらず、「サマースペシャルバッグ」などとし、夏に販売されるなど季節を問わない福袋も多く見られるようになりました。

進化する福袋の形態ですが、由来に基づき購入者に「福」を与えられるアイテムであることは、変わりがありませんね。

重要STEP2.今年ならではの傾向や対策をチェック!配信時期を検討しよう

福袋は年始のセールと同時期に店頭で販売されることが主でした。しかし前述したとおり、現在では夏季に販売するなど進化しています。また、事前に申し込める予約制、通信販売のみなど多様化しています。このようにさまざまなルートで福袋商戦が盛り上がる一方、販売方法が複雑になり、わかりにくくなっている一面もあります。

昨今では新型コロナウイルスの感染拡大によって、密を避けるために新たな販売方法を実施した企業も多いことでしょう。時代の変化によって、販売企画が流動的なときこそ、今年ならではの傾向や対策を加味した情報発信のタイミングが重要となってきます。

まずは傾向を把握していきましょう。

情報収集

Googleトレンドで興味関心の時期を調べる

Googleトレンド」で2020年度の検索推移を調べてみると、「福袋」というキーワードは10月下旬から徐々に上がり始め、12月下旬で大きく盛り上がります。夏季などでも販売されているものの、やはり年始の商戦であるイメージが強いのでしょう。

昨年の傾向を調べる

2020年から2021年にかけての年末年始もコロナ禍であったことを踏まえ、2021年から2022年にかけてはどのような傾向になるか予想していきましょう。

例えばこちらのプレスリリースの調査結果を確認すると、福袋を購入しない予定という回答が約7割にも及び、「店頭で買う」という回答は「オンラインで買う」という回答の約10%に留まります。

またこちらではコロナ禍を考慮して初売りでの販売は中止し、オンライン販売で予約制というプレスリリースを10月中旬に配信しています。

ワクチン接種率など情勢によって2022年の初売り市場も影響を受けるため、福袋の販売方法を検討している企業も多いと思われますが、生活者にとってはオンライン販売や予約制がコロナ禍によってより定着していると推測できます。

従来は初売りのタイミングで店頭に行列を成して福袋を購入することが一般的だったのに対し、予約体制をとることで情報発信のタイミングを早める必要があるでしょう。予約販売ではなく従来通りの実店舗販売を選択する場合も、他社の情報発信が早まることによってメディアが特集を組むタイミングも並行して早まる可能性もあります

自社のプロダクトやサービスによって最適な情報発信のタイミングは異なりますが、市場全体の動きも把握して総合的に検討できると良いでしょう。

重要STEP3.情報を落とし込んでポイントを箇条書きに!わかりやすさを意識して構成を立てよう

福袋の企画が多様化するなかで、特に必要な情報はなんでしょうか。例えば、お得感満載な福袋の多くは販売個数の制限が設けられるなどプレミア感もあり、生活者にとっては「手に入れられるか」が重要になり、情報の受け手はチェックしておきたいポイントがたくさんあります。

そのため、「福袋」に関するプレスリリースを作成するにあたって重要になってくるのがわかりやすさです。

わかりやすく整理して伝えたい要素は大きく2つに分かれます。

  1. 商品内容
  2. 購入方法

それぞれ解説します。

1.商品内容について

福袋は何が入っているかわからないエンターテインメント性やお得感が魅力です。購入を決定する要因の多くはこの2つを占めるでしょう。商品の魅力を伝えるためにも情報を整理してきちんと伝えましょう。

<商品における整理したい要素>

  • 中身
    • 完全シークレット
    • 対象アイテムからのランダム
    • 固定のアイテム
  • 割引率
    • 中身のおおよその総額

中身を完全シークレットにした福袋の場合でも、どのようなカテゴリーか、どのようなアイテムが入っているのか、掲示できる範囲で記載しましょう。シークレットであることがワクワク感を生んで購入につながることもありますが、ある程度の範囲内で予想がつくことによって、購入者も検討しやすくなるでしょう。

特定のキャラクターグッズやブランドなどの福袋を狙って購入する生活者もいる一方で、さまざまな福袋の中から比較検討する生活者もいるでしょう。ある程度中身の情報を開示することは、そのような潜在層に向けたアピールにもなります。

なお、福袋についてインターネットで検索してみると、以下の画像のようにカテゴリーとあわせて検索される傾向にあるようです。そのため、プレスリリースのタイトルや本文内の冒頭でも中身に関する記述をするようにしましょう。

福袋と検索した際の予測キーワード

2.購入方法について

販売方法も多様化し、購入方法がわかりにくかったり複雑だったりすることが機会損失にならないよう、購入するための案内は丁寧に伝えましょう。

<購入方法における整理したい要素>

  • 販売方法
    • オンライン
    • 実店舗
    • 予約の有無
  • 販売個数
  • 対象店舗/対象ブランド

こちらのプレスリリースでは、店頭受け取りと自宅受け取りの2パターンあり、WEB予約だけど受け取りは店頭、という複雑な方法に関しては図を用いて案内しています。コロナ禍を考慮した対策をとっても、その方法が複雑になることによって購入のハードルが上がってしまうことのないよう、購入までの導線は丁寧に引きましょう。

些細だけれど大切なポイント2つ

主に重要となるステップは上記3点です。それ以外にも些細だけれど大切なポイントがあります。基本ステップに沿って実行する際の参考にしてみてください。

リリースのチェックポイント

その他ポイント1.購買検討の参考になる画像素材にこだわろう

購買意欲を掻き立てるためにも、商品画像は必ず用意しましょう。

中身を変えて数パターンの福袋を展開する場合は、こちらのプレスリリースのように図解にするとちがいがわかりやすくなります。

中身がシークレットの場合は画像素材の用意が難しく感じますが、外装の写真や中身を想起させるようなぼかしを入れるなどの方法もあります。

店頭POPやフライヤー用に「総額○○円の福袋が△△円」などテキストを含めることもありますが、メディアも使用しやすいようにテキスト無しの画像も忘れずに用意しましょう。

その他ポイント2.プレスリリース配信以外のツールでも情報を発信

重要STEP2.の解説のように予約販売も主流となっているため、生活者の関心が集まるタイミングよりも前に情報発信することもあるでしょう。需要にあわせて供給できるよう、プレスリリースは配信したら終わり、ではなく適宜SNSでリマインドするなどしてステークホルダーへの接点を増やしましょう。

特に、「気付いたら予約が終了していた」「すでに完売していた」という生活者の声も少なくありません。販売に関する事前告知はプレスリリース配信だけでなくSNSアカウントでのシェア、店頭POP、メールマガジンなどあらゆるツールで拡散するようにしましょう。

<プレスリリース配信以外の情報発信機会>

  • 販売に関する事前告知
  • 予約開始直前(前日や当日など)のリマインド
  • 店頭受け取りの開始/終了前
  • 店頭販売の開始直前(前日や当日など)
  • 完売、再販、残数などのリアルタイムレポート

多様化によって購入のハードルが上がらないよう丁寧に導線を引こう

従来の年末セールや初売りは混雑必死のイベント感あふれるものでした。現在は、コロナ禍による対策は必要不可欠です。各企業も工夫して福袋商戦を行うことで多様化し、そのことによって生活者が混乱しないよう、商品内容だけでなく販売経路もわかりやすく伝えることが重要になってきます。

コロナ禍に限らず、どんな影響でどんな変化が起こっているのかを把握し、そして変化に伴う必要な情報をきちんと伝えられるようにしていきましょう。

<編集:愛澤 恵子>

トレンド徹底活用術「福袋」

この記事のライター

大森 美野

2015年にPR TIMES入社。主にPR活動レポート作成をしていましたが、もっとお客様の声が聞きたくて2019年よりカスタマーリレーションズ本部に異動。情報を欲していた広報担当時代を思い出しながら、PR TIMES MAGAZINEではたくさんのアレコレを届けていきたいと思います。石橋は叩きすぎて壊すタイプ。でもたまにスキップで渡っちゃいます。

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