自社の新しいプロダクトに関するプレスリリース。商品やサービスの新規情報だけでなく、時節やトレンド情報を掛け合わせることにより、「なぜ今この情報が有益なのか」が伝わり、読み手に納得感をプラスできます。また、トレンド情報を扱うことによってメディア関係者の目にも留まりやすくなるでしょう。メディアに取り上げてもらえれば、さらに多くの生活者に届けることも可能です。
本記事では「新年会」をピックアップ。飲食店を運営する企業や食品を扱う企業、オンラインコミュニケーションツールを提供する企業の方は活用しやすいトレンドです。プレスリリース作成に重要なポイントを解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
「新年会」をプレスリリースに活用するSTEP
新たな一年の決起集会ともなる「新年会」は、日々、関わりある人々と交流を楽しむ機会です。
新年会の機会に向けて、新たな食品メニューを展開したり、交流するためのオンラインサービスを開発したりする企業も多いでしょう。これらの新規情報をプレスリリースで発信するにあたって、「今年はどうやって盛り上げたらいいのだろうか」と悩む広報PR担当者もいるのではないでしょうか。
そのような悩みにお答えすべく、新年会を活用したプレスリリースの作成について解説します。
基本の8ステップは以下です。
基本となるステップについては、こちらの記事で解説しています。参考にしてみてください。
画像素材にこだわる
プレスリリースで使用する画像は他社との視覚的な差別化を図るのに役立つだけでなく、テキストでは伝えきれない自社プロダクトの魅力を表現できます。
新年会に関するプレスリリースの場合、会場の広さや雰囲気、メニューの内容などの画像を掲載すると利用イメージを膨らませることができ、生活者の目に留まりやすくなるでしょう。
利用イメージを膨らませる生活者向けの画像例
- 会場の広さや立地がわかる画像
- 会場の雰囲気が伝わる画像
- 新年会プランの内容がわかる画像
- 新年会で活用できるアイテムを使用している人物の画像
|利用イメージを膨らませる画像を用いたプレスリリース例
沖縄県宮古島の宿泊施設で、食事・宿泊の特別な忘新年会プランを提供。宮古島の美しい景色や現地で楽しむバーベキューのイメージ画像、魅力的な設備などを豊富な写真で紹介しています。モデルが写ったビジュアルも多く、実際の利用シーンを想像できるのが魅力です。
参考:THE PANALIが【幹事様に優しい】特別な忘新年会プランをご提供!宮古島の秘境で贅沢なひとときを。
忘新年会用の食べ放題コースを紹介したプレスリリース。実際に提供するメニューをコースごとにピックアップし、セット内容や忘新年会ならではのラインナップがわかるようなビジュアルになっています。
参考:“名物!!黒毛和牛のはみ出るカルビ”が話題の「大阪焼肉・ホルモン ふたご」、今年の忘新年会コースはいろいろ選べる4種類!
画像を通して「どのような体験ができるのか」「どのような利用方法があるのか」「どのような場所でサービスを利用できるのか」などを視覚的に伝えることが大切です。
一方で、生活者向けの画像が必ずしもメディアにとって有用とは限りません。メディアによってマッチする画像は異なっていたり、掲載できる画像の基準が決まっていたりします。独自性やニュース性がある画像はメディアが記事として取り上げやすい要素にもなるため、複数用意しておくようにしましょう。
ニュース性を意識したメディア向けの画像例
- アピールポイントに焦点を当てた寄りの画像
- サービスのイメージを全体に投影させた画像
- 例年との変化を表した画像
- 地域性や限定性などメディアフックとなる要素が盛り込まれた画像
- ほかにはないユニークな企画や独自性のあるコンセプトなどが伝わる画像
- メニューを提供する人や企画を考えた人の画像
|ニュース性を意識した画像を用いたプレスリリース例
会議室を料亭の雰囲気に変えるセット商品を企画・開発しプレスリリースで発表。会議室から料亭に変わるビフォーアフターの写真を掲載しています。11月29日の「いい肉の日」と組み合わせ、忘新年会シーズンならではのニュース性を増したのが魅力です。
参考:【今年はスキマ時間に忘年会】会議室が料亭に早変わり!!子育て世代や飲み会離れが進む若者に贈るスキマ宴会セット『料亭かいぎしつ』11月29日(金)“いい肉の日”に発売
忘新年会の応援キャンペーンとして、格付けチェックゲームの無料プレゼント企画を展開。プレスリリースには実際の商品や利用シーンのイメージ写真に加え、進行の概要がわかる動画も掲載しています。
参考:【忘年会・新年会応援キャンペーン】先着500名にオンラインで美味しく遊べる「格付けチェックBOX」を無料プレゼント
「お酒を飲み過ぎてしまう忘年会シーズン」に着目し、飲みづらいグラスを全国各地の飲食店に提供。インパクトのある企画と写真にニュース性を感じられます。こちらは2024年末の忘年会を想定した事例ですが、新年会に関する広報PR施策のヒントになるでしょう。
参考:“飲みづらい”グラス「ゆっくりビアグラス」全国50店舗の飲食店で提供開始
また、新年会に関する商品をプレスリリースで発信する場合は、パッケージ有り・無しの画像を用意しておくと商品の外装や内容がよりわかりやすくなり、メディアも活用しやすくなります。
メディアによっては「文字入りの画像は掲載しない」というルールを設けている場合もあるため、テキストなしの画像を用意しておくのもおすすめです。
【自社で画像を用意する場合の参考記事】
カメラマン直伝!広報担当者が知っておきたいカメラ・写真撮影の基礎知識
【商品・サービスの紹介動画を作成する場合の参考記事】
広報動画のメリットとは?活用シーンや、動画を作成する5つのポイントを紹介
以下の記事では、メイン画像を選ぶポイントと惜しいメイン画像の特徴を紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
情報収集して傾向をチェック
トレンドキーワードも、毎回同じ情報発信では十分とはいえません。年代によって変化する流行や、人々のキーワードに対する捉え方の変化など、今年ならではの傾向をチェックして発信する情報に活かしましょう。
2020~2022年は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、複数人数で集まること自体が敬遠されていました。2023年には5類感染症に移行し、2024年には忘新年会で外出する人も多く見られます。コロナ禍前に比べるとイベントに対する考え方も変わってきていますが、2025年の新年会はどのようなかたちで行われるのでしょうか。
他社の調査結果を参考にする
需要に沿った情報を発信するために、他社が行った調査結果を確認しヒントを得るのも一案です。新年会に対する意識など生活者の声を参考に、自社の情報発信に活用しましょう。
|新年会に関する意識調査の例
2024年の忘年会に関する以下の調査によると、半数以上が「参加予定」と回答。一方で、欠席予定の人は「夜遅くまで拘束されたくない」「プライベートを優先したい」といった理由をあげています。
参考:<会社の忘年会に関する調査を実施>75%以上が忘年会に参加予定!一方で、20~30代は「会費ゼロ」「業務時間に短時間での開催」を希望
また以下の調査では、職場忘年会の実施率が2023年よりも上回る結果となりました。「コロナ禍を経て参加意欲が低くなった」と答える人もいますが、信頼関係やチームワーク向上などの理由で「必要性を感じる」と考える人もおり、賛否は分かれています。
参考:Job総研『2024年 忘年会意識調査』を実施 実施7割超で完全復活も コロナ経て6割が”参加意欲低下”
このような調査結果を参考に、2025年の新年会開催について人々がどのような意識を持っているのかを捉えることで、今年ならではの自社プロダクトの打ち出し方を検討しやすくなるでしょう。
自社で調査を実施する
プレスリリース配信のタイミングまでに余裕がある場合、自社の顧客を対象にアンケートを実施するのも一案です。新年会に関する生活者のニーズが把握できるのでアプローチの方法も明確になるでしょう。さらに、結果を数字で表すことができればプレスリリースにも説得力が加わります。自社で調査を実施する場合は、シーズンが始まる1ヵ月前くらいまでにはアンケートを集計し、人々の関心が高まる時期には調査結果を活かした有益な情報を提供できるとよいでしょう。
<あわせて読みたいPR TIMES MAGAZINEノウハウ記事>
調査リリースを作成するための調査方法・調査の流れとは?知っておきたい注意点まで解説
調査リリースとは?書き方・作成の3つのポイント・事例など基本事項を確認しよう
【個人情報保護法】2022年施行の改正内容と企業が知っておくべきポイントをわかりやすく紹介
それ以外の方法でも情報を集める
上記のような意識調査のほか、インターネットの検索結果なども併せたうえで、新年会と自社プロダクトを結びつける企画を立てていきましょう。インターネット検索では、普段使っている検索エンジンやSNSを用います。この時点では、自社プロダクトとの関連性はあまり気にせず、広く市場の傾向を掴む糸口として一般的なワードで検索するのがおすすめです。
<検索キーワード例>
「新年会 人数」「新年会 少人数」
「新年会 場所」「新年会 自宅」「新年会 リモート」
「新年会 会社」「新年会 同僚」「新年会 友人」「新年会 家族」
「新年会 旅行」
人々の意向を知ることで、「今年ならでは」の特徴を活かした広報PR施策を検討できるはずです。集めた情報を自社プロダクトに活かすポイントについては後述します。
ペルソナをイメージ
新年会は同僚など職場の仲間うちで開催することもあれば、友人同士、親族などさまざまなケースがあります。自社のプロダクトはどんな人に向けて企画されたのか、もっとも情報を受け取ってほしい人物を思い浮かべ、ペルソナ設定を実施しましょう。
<ペルソナ設定に向けて確認したい点>
- 年齢層(成人、未成年)
- 関係性(同僚、友人、親族)
- アルコールの有無
- 新年会の規模(大規模・小規模)
- 開催する時間帯(ランチタイム・ディナータイム)
- 開催方法(オンライン、オフライン)
|各ペルソナへの提案例
以下で紹介するプレスリリースは忘年会に関する内容のものもありますが、新年会に関するプレスリリースを配信する際のヒントとなるはずです。
新型コロナやインフルエンザの懸念があるため、自宅や社内で忘年会を開催したい
→従来のオーダーメイドケータリングに「おでん」が追加できるオプションプランを提案
参考:懇親会や年末年始の社内イベントが増えるこの季節に!幹事が嬉しい、あったか~い“おでん”のケータリングオプションで、みんなの笑顔が広がる冬を演出。
新年会の考え方が変わってきているため、店舗の集客が心配
→12人以上で幹事無料、平日限定割引など予約特典付きの豪華なコースプランを提供
参考:【焼肉スエヒロ館】事前予約で黒毛和牛サーロインがもらえる超おトクな特典もある『黒毛和牛焼肉で忘・新年会』コースの予約スタート!!
職場の新年会を主催したいが、幹事として適切に動けるか不安
→担当スタッフと専用サロンで打ち合わせ可能な「幹事様の株が上がるパーティプランニング」を提案
参考:料理が評判のレストラン・結婚式場 キャトルセゾン浜松が今年も忘年会新年会をフルプロデュース【2024-2025忘年会新年会プラン】リリース
宴会よりも、家族や友人とゆったりとした時間を過ごしたい
→hオーシャンビューや源泉かけ流しの温泉、海の幸などでもてなす「お祝い宿泊プラン」を提案
参考:【ゆく年くる年】ごちそう温泉へ朝日を見に行こう♪ お祝いの宿で喜びをシェア ~冬の味覚 “ズワイ蟹” 二人で一杯 & 地酒 “開運” をプレゼント
2025年の新年会は、お酒とおいしい食事でお得に楽しみたい
→ホテルのレストランで2時間飲み放題やステーキが味わえる、年末年始限定の低価格特別プランを提案
参考:年末年始はホテルで気軽に飲み放題!1FレストランDINING TSUZUMIにお得な「忘新年会プラン」が登場
提案の内容や切り口は商品やサービスのペルソナ像によって変化するものです。
近年プレスリリースは、メディア関係者のみならず生活者も直接目にすることが増えています。情報をしっかりと届けるためにも、ペルソナを意識し、表現の細部までこだわりましょう。
「新年会」の目的や意味、違いを調べる
「新年会」が生まれた経緯や目的などを知ることで、具体的な広報PR施策を企画できる場合もあります。
「新年会」にどのような起源があるか、現在はどのような捉え方をされているのかなどを改めて調べると、なぜ今配信したいのかなど、本来の目的も再確認できるでしょう。また、自社のプロダクトやサービスのアピールポイントが再認識できたり、新たなフックを得られたりするなども期待できます。「新年会」の意味や由来、新たな側面を見いだすことは、トレンドを活用した情報発信をするうえで、土台となる基礎知識となります。
調べた情報を箇条書きで整理
調べた情報を自社プロダクトに落とし込んで箇条書きで整理してみましょう。時流に合ったアピールポイントがあるのかを改めて見直すことで、プレスリリースもまとめやすくなります。
<アピールポイント整理の例>
- オンラインやオフラインなど開催方法の選択肢が増えたなかで、なぜ自社はこの提案をするのか
- 「オンライン(オフライン)の開催を予定する人が〇%を占める」など割合の多さや一定数人口がいることを示す
- 開催を賛成する人、反対する人と分かれるなか、なぜ新年会の提案をするのか
- そもそもなぜこのプロダクトやサービスが生まれたのか、企画・開発した背景に立ち返って、想いも添えて提案する
- 調査データなどの生活者の声から、世の中の人々がどのような思い・悩みを抱えているのかを根拠に添えて解決策のひとつとして自社プロダクトを紹介する
需要に沿った提案であることが伝わるよう、調査結果を用いながらアピールすることも大切です。自社がこのプロダクトをより多くの人に届けたいと考える意図や背景、目的などを盛り込むことで、ストーリー性のあるプレスリリースに仕上がるはずです。
アピールポイントとともにペルソナに合わせた企画の意図も伝えよう
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、ここ数年は直接顔を合わせて新年会を実施する機会が減っていました。規制緩和から2年目となる2024~2025年は、気兼ねなくオフラインでの新年会が開催できる年です。一方、コロナ禍以降は職場以外での交流に抵抗を感じるという人も少なからず見られます。
自社プロダクトの効果的な広報PR施策を企画するには、このような社会的背景をふまえることが重要です。自社ならではの魅力を伝えるために、画像作成やペルソナ設定、企画の意図なども明確にし、メッセージ性のあるプレスリリースを作成していきましょう。
<編集:PR TIMES MAGAZINE編集部>
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