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インナーコミュニケーションの施策5選|実施する3つのポイントも解説

社内報や社内セミナーなどを通して、社内のコミュニケーションを円滑にする「インナーコミュニケーション」。インナーコミュニケーションを活性化することは、企業の成長へとつながります。

本記事では、組織力を強めるインナーコミュニケーションを活性化させるための施策例や、ポイントを解説。成功事例も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

インナーコミュニケーションとは

インナーコミュニケーションとは、社内コミュニケーションの活性化を指します。「社内コミュニケーション」や「インターナルコミュニケーション」、「社内広報」ともいわれており、「従業員のモチベーションと帰属意識を向上していくこと」を目的としています。

従業員同士のコミュニケーションはもちろんですが、社内に向けた広報PR活動も取り組みのひとつ。インナーコミュニケーションを強化することにより、企業ビジョンの浸透をはじめ、社内の一体感を高めるといった効果が期待されています。

インナーコミュニケーションを活性化させるための5つの施策

ここからは施策について紹介をしていきます。インナーコミュニケーションの導入を検討する方、初めて計画する方は、どのような施策があるのか把握しておくと、実施した際のイメージがしやすいのではないでしょうか。以下の施策一覧を確認し、導入の有無のヒント、また実際に施策のアイデア出しをする際の参考にしてください。

施策

施策1.情報共有とコミュニケーション促進の役割「社内報」

社内報には、「社内情報の共有」と「社内コミュニケーションの促進」の2つの目的があります。社内の情報として、企業の方針や企業理念だけでなく、経営者や役員インタビュー、従業員や部署の紹介、拠点が複数ある企業は事業所などについて、幅広く発信します。

社内報をきっかけに従業員同士の理解が深まったり、共通の話題を見つけてコミュニケーションの促進が図れたり、いくつもの効果が期待できます。

社内報については以下の記事で紹介していますので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。

施策2.目的に応じてアレンジできる「社内イベント」

すでに「社内イベント」を年に何回か実施している企業も多いのではないでしょうか。社内イベントは、単なる行事ではなく組織施策です。企業が成長するためにはどんなことが必要か、その目的に応じて実施しましょう。

ファミリーデー

ファミリーデーは、従業員の家族を企業へ招待し、オフィスや事業、一緒に働く従業員を紹介することで、従業員だけでなくその家族に対して企業への理解を促進できるイベントです。ファミリーデーでは、オフィスツアーや事業に関連したワークショップを行うなど、企業の特徴を活かしたコンテンツを企画します。

例えば、従業員を支えている家族に感謝を伝えたり、企業や事業について知らせることで家族にも企業のファンになってもらったりするきっかけにも。ファミリーデーは、従業員のエンゲージメント向上や企業理解の場として有効な施策といえるでしょう。

社内アワード

社内アワードは、「従業員のモチベーションアップ」や「企業理解、理念の浸透」を目的として実施することが多いです。企業理念や企業メッセージに沿って授賞の基準や賞を決め、なぜ授賞したのかを従業員へ説明することで、受賞案件が企業理念を体現している事例として共有する機会となります。

また、企業規模が大きいと従業員同士のコミュニケーションが減り、他部署がどういった業務をしているのか把握が難しくなるのではないでしょうか。社内アワードの内容を社内に共有することで、他部署の業務理解につながることもあります。

審査方法や授賞式の実施方法は企業によってさまざまです。審査は誰に依頼するのか、授賞式の実施形式はオンラインにするのかオフラインにするのか、企業規模や状況に応じて検討していくとよいでしょう。

新年会、忘年会

新年会、忘年会は1年の「始まり」「締め」という大切なタイミングでの催しです。会社にとっては、期初、期末といった「始まり」「締め」もありますが、新年会、忘年会は少し広い意味合いを持たせたイベントが検討できるのではないでしょうか。また、新年会や忘年会に限らず、お花見や夏祭りなど季節ごとのイベントも社内交流の施策となります。イベントそのものを楽しめる内容にすることで、普段関わりのない従業員同士が話す機会が自然と生まれるなど、特に従業員同士のコミュニケーションに効果的です。

社員総会

社員総会は、企業理念や事業方針の理解を促進する、企業としての結束を強めるなどを目的として、年度ごと・半期ごとに従業員が一堂に会する場として認識されていることが多いのではないでしょうか。自社の業績報告や今後の方針共有、代表からのメッセージといったコンテンツで、従業員の士気を高める機会として活用されます。

業績報告会のような堅い雰囲気の総会もあれば、「従業員をねぎらう」「社内のコミュニケーションを活発にする」という目的でカジュアルな雰囲気で実施する総会もあり、社員総会の形式はさまざまです。

社員総会について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

周年記念

周年記念は、企業の設立やブランドの立ち上げなどから5年、10年、20年といった節目を祝うイベントです。社内向け、社外向け両方で行われます。

社内向けに関しては従業員へ感謝を伝える場、より一層の発展を誓う場として活用されることが多いです。従業員の家族や取引先などゲストを呼ぶこともあります。また、周年記念に行うイベントでは、社史を発行する企業もあり、企業のこれまでの歴史を振り返る機会になると同時に、従業員の企業理解促進にもつながるでしょう。ほかの社内イベント同様、今後の方針を伝えることで従業員の士気を高めることはもちろん、周期が長い分特別な記念の場に立ち会えたことでロイヤルティの向上にもなるイベントです。

周年記念を成功させるためのポイントは、以下の記事をご参照ください。

ランチ会

ランチ会は他部署との交流、経営層と従業員のコミュニケーションの場として活用します。終業後に実施する会食では時間の都合上参加できない人もランチの時間帯だと参加できることがメリットです。オフィス内で場をセッティングしたり、飲食店で実施したり、リモート勤務が導入されている場合はオンラインでつないだりと、企業によって開催形式はさまざま。コミュニケーション費を出すなど、参加を促すための仕組みを取り入れている企業もあります。

社内勉強会

社内勉強会は、設定したテーマに関心のある従業員が自発的に集まるケースや、部署の課題に応じて開催する場合があるのではないでしょうか。外部の講師を招いた研修と異なり、社内勉強会では参加者全員がそれぞれの知識を持ち寄り、共有して進めるようなプログラムがよく見受けられます。自由参加形式にしている企業も多く、従業員が本当に学びたいと思うテーマを選択し、気軽に参加することが可能に。テーマによっては部署や職種を超えて参加できるものもあり、従業員同士のコミュニケーションの機会としても期待できます。

社員旅行

社員旅行は、仕事から離れた場で従業員同士が交流できる機会です。旅行という体験を通じて業務上接点のない人と気軽に話すこともでき、コミュニケーションの活性化が期待できます。また、旅行という団体行動の中でチームワークが醸成されやすいこともあり、社員旅行にチームビルディングプログラムを取り入れる企業も。社員旅行では、従業員へのねぎらいを行い、従業員のエンゲージメント向上も期待できます。

一方で、職場を離れ、拘束時間が長い点や業務下ではない環境で過ごさざるをえない点など、人事や労務、管理職においては事前に危機管理の面で検討しなければならないことが多いイベントです。また、ほかのイベントと比較しても従業員の考え方には差が出やすいのも特徴。実施を検討している場合は、アンケートを取るなどして意見を聞くことが必要かもしれません。参加は強制か任意か、行き先や日程など従業員の意見を反映して計画していきましょう。

リトリート

リトリート(Retreat)とは、忙しい日常から離れて心身をリフレッシュするための活動を指します。自然の中での合宿やワークショップ、一部体験型の研修を取り入れるなど、業務から離れた場で開催することが多いでしょう。リトリートは、新卒やリーダー、マネジャーなど階層に問わず効果的で、創造性の向上やチームビルディング、異なる部署間でのコミュニケーションの活性化につながるといわれています。

自然体験や座学などプログラムは多様なので、参加する対象者に合わせてカスタマイズすることが重要です。

社内イベントのアイデア出しを行う際は、以下の記事も参考にしてください。

施策3.部署を超えた交流を図れる「サークル・部活動」

従業員同士のコミュニケーション活性化を目的としてサークルや部活動を行う企業も多いのではないでしょうか。同じ趣味や興味を持った人たちが自発的に集まるので、部署や職種を超えた交流をすることが可能です。

サークルや部活動を企業で活発化させるためには、福利厚生費からサークル・部活動の補助ができるような仕組みづくりも視野に入れて考えていきましょう。サークルや部活動で大会に出場することで、社内だけでなく他企業との交流も増えたり、運動系のサークルや部活動であれば従業員の運動不足解消にもなったりと副次的な効果も多々あります。一方で、組織として監視できる介入者が存在しないケースが多いため、単なる交流の場に留まらないよう、また企業にとってネガティブな意見がやり取りされるような場にならないように注意が必要です。

施策4.コミュニケーションが生まれる「空間・環境づくり」

従業員同士のコミュニケーションが生まれる空間や環境づくりも、インナーコミュニケーションを強化していくうえでは欠かせません。ここでは、社内に設置されているコミュニケーションの場を3つご紹介します。

社内カフェ・バー

インナーコミュニケーション活性化のアイデアを取り入れてオフィスの空間づくりを行う企業も増えてきました。社内カフェは、仕事の合間のリフレッシュや従業員同士の交流の場として活用されることも多いです。また、業務後に軽くお酒を飲みながら話すことで、緊張もほぐれ、従業員同士の距離が縮まることを期待して、社内カフェスペースを17時以降など業務が落ち着いた時間帯に社内バーとして開放している企業もあります。

フリーアドレス

オフィス空間の工夫という点では、フリーアドレスも施策として挙げられます。オフィスの役割をデスクを置いて仕事をするだけという空間から、コミュニケーションやイノベーションを起こすものとして活用すべくフリーアドレスを導入し、部署を超えた偶発的な出会いを創出することも。フリーアドレスの導入以外にも、執務スペースの仕切りをなくし遠くまで見渡せるような設計をしたり、オープンスペースを設けることで、お互いの顔を見えやすくしたり、普段業務には関わりのない方とも会話ができるきっかけづくりを行っている企業も多いです。

コミュニケーション・休憩スペース

ミーティングや会議といった時間を設定して行うほどではないが、気軽に話ができるように執務スペースの中に話ができる場所をつくっている企業も多いのではないでしょうか。そのほか、一時的に集中して業務に取り組むためのひとりで使用できる個室スペース、少しラフに考えごとをしたり、食事をとりながらパソコンを使用したりすることを想定したカフェ内の独立スペースなど。従業員がコミュニケーションを取りやすい場を設けることで自社が実現したいことを想像して設計していきましょう。

施策5.コミュニケーション「ツール」の活用

コミュニケーションツールは、従業員間での情報や意思の伝達をスムーズに行うために活用されます。業務上必要となるコミュニケーションや、知識・ノウハウなどの情報を素早く共有し、効率的に業務を進めていくために導入している企業も多くなっています。Slackやチャットなど会話をするだけでなく、ファイルの共有やタスク管理を行うツールもありますので、用途や予算に合わせてツールを選択し、導入してみてください。

【業務に役立つコミュニケーションツール例】

  • Jooto:カンバン方式で社内外のタスクやプロジェクトを管理できるツール
  • Tayori:FAQ、アンケートなど、さまざまなフォームを作成できるツール

また、コミュニケーションツールではないのですが、一斉に多くの方へ情報を届けるために動画で伝えることもあります。例えば、年始の挨拶や企業方針など、経営層から従業員へのメッセージを動画にまとめたり、新規入社者へのオリエンテーション時に会社の方針を動画にまとめたり。動画は経営層の顔が見えるので文字だけよりも想いが伝わりやすく、一度作成すれば何度も使用できるなどメリットも多いです。場面に応じて、動画も施策のひとつとして検討してみてください。

インナーコミュニケーションの施策を実施する際の3つのポイント

これまで、インナーコミュニケーションの施策について解説しました。ここからは、実際に施策を行う際のポイントを3つ紹介します。

ポイント

ポイント1.企業の特徴や課題に沿った施策

施策の内容はそれぞれ企業によって特徴を活かし、まったく別の内容になることが多いです。インナーコミュニケーションの施策を検討する際は、まず自社の特徴や伝えたいものは何かを把握し、言語化しましょう。

また、従業員数や企業規模、企業の成長フェーズなど、企業の状況によってインナーコミュニケーションの課題は異なります。自社の実態を把握し、どこに課題があるのかを見極めたうえで、課題に合った施策を選びましょう。その際、成果目標の設定をしたり、予算の認識合わせをしたりすることも大切です。

ポイント2.従業員を巻き込む

インナーコミュニケーションは、広報PR担当者や人事担当者など担当部署のメンバーだけが取り組むのではなく、従業員がどうやったら興味を持ってくれるか、どうすれば自発的に動けるようになるかを軸に考えることが重要。

フリーアドレスの導入や社員旅行など施策を実施する前に、従業員の意見を反映する企業も多くあります。施策を始めるときに従業員にアンケートを取って意見を聞いたり、プロジェクトメンバーに広報PR担当者以外の方に入ってもらったり、一緒に考えているという意識を持ってもらうのもよいでしょう。いま従業員は会社に対してどのように思っているのか、施策を通じてどのように感じてほしいのかを考えて、インナーコミュニケーション施策を実施していきます。

ポイント3.社会や時代に合わせて変化させる

インナーコミュニケーションは、新しく施策を考え実行するだけでなく、これまで行ってきた既存の施策も社会や時代に合わせて変化させていくことが重要です。

広報PR担当者は日々情報のインプットを行い、世の中の動向を把握していると思います。社外広報と同様、インナーコミュニケーションでも社会の動向を把握し、反映していきましょう。また、施策を実行した際は従業員へ実施後アンケートを行い、社内の反応を確認。新たに施策を考えるときだけでなく、既存の施策についても常に従業員の反応や社会の動向を把握し、アップデートしていきましょう。

インナーコミュニケーションの成功事例

実際に施策を検討する際は、他社の事例を参考にし、自社に当てはめて実施後をイメージすることで、自社に合う施策、効果を発揮できないであろう施策などが見えてくるのではないでしょうか。また、まったく同じ施策ではなく、他社の事例からインスピレーションを受け、新たなアイデアも生まれやすくなります。

パナソニックグループは、これまで従業員に向けて発行してきた社内報をリニューアルし、オープンなグループコミュニケーションマガジン『幸せの、チカラに。』としてインターネット上で公開しました。今回のリニューアルをインターネット上で公開したことで、従業員の家族や顧客、取引先など社外にもグループの活動を広く知ってもらうことが可能になりました。

参考:パナソニックグループの「社内報」をインターネット上で社外に公開~ グループコミュニケーションマガジン『幸せの、チカラに。』を発刊

インナーコミュニケーション活性化の成功事例は、以下の記事でも紹介しています。

まとめ:従業員の声に寄り添い、自社の特徴を活かした施策を実施しましょう

今回紹介した施策以外にもまだまだインナーコミュニケーションを活性化するための施策はあります。他社の事例も参考にしたり、社内アンケートなどで従業員の声を聞いたりして、社内外で情報を集めて効果的な施策を検討していきましょう。

ポイントにも記載した通り、自社の特徴や課題を把握し、自社に合った施策を行っていくことが重要です。また、施策を進める際は、広報PR担当者や人事担当者など、担当する部署だけが頑張るのではなく、従業員を巻き込み、「一緒にやっていこう!」と仲間になってくれるような取り組みを行っていきましょう。

企業の成長には、従業員が会社へ信用・信頼を置いていることがとても大切です。社外広報とともにインナーコミュニケーションにもしっかり取り組み、組織を強くしていきましょう。

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この記事のライター

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『PR TIMES MAGAZINE』は、プレスリリース配信サービス「PR TIMES」等を運営する株式会社 PR TIMESのオウンドメディアです。日々多数のプレスリリースを目にし、広報・PR担当者と密に関わっている編集部メンバーが監修、編集、執筆を担当しています。

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