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オープンファクトブックとは?作成するメリット・流れ・ポイントを解説

オープンファクトブック」というワードを聞いたことがあるでしょうか。SNSなどで見かけることがあるかもしれませんが、最近、取り組む企業が出てきた新しいコミュニケーションです。

本記事では、注目する企業が増えてきたオープンファクトブックについてご紹介、作成ステップやポイントなども解説します。

オープンファクトブックとは?

オープンファクトブックは、自社に関連する業界や分野の情報をわかりやすく解説し、発信するものです。業界や分野への興味の喚起を目的とし、幅広い人を対象とした情報で構成されています。また、興味のある人が誰でも見られるようSNSなどで発信されています。自社の情報に限らず、読み手が知りたいと思う、役立つ情報の配信を通じて、最終的に自社への興味を喚起するインバウンドマーケティングにおける取り組みのひとつです。

オープンファクトブックとファクトブックの違い

以前からよく耳にしているのはファクトブックでしょう。名前は似ていますが、両者にはどのような違いがあるのでしょうか。

ファクトブック

ファクトブックは、企業や団体が主にメディア関係者や投資家向けに作成するものです。自社の取り組みを伝えることが目的になっており、業界動向などは自社の事業展開の背景として触れることが多く見られます。従来は対象となる人にのみ配布されるクローズドな資料でしたが、近年では電子データ化して自社サイトなどで公開している企業も増えています。

ファクトブック

オープンファクトブック

ファクトブックがクローズドなのに対し、オープンファクトブックは誰でも読めるようにSNSなどを活用して発信します。業界や分野の認知拡大や理解促進を目的としており、業界のトレンドやトピックスをわかりやすく説明する内容が多く、自社の情報のみによらないのが特徴です。

オープンファクトブックを作成するメリット

では、オープンファクトブックを作成するメリットとは何でしょうか。ここでは3つのメリットをご紹介します。

1.自社に関係する業界の認知拡大・理解促進ができる

自社が事業展開する分野や業界に関連する情報をわかりやすく説明したコンテンツを配信することは、業界の認知拡大や理解促進を実現します。また、オープンファクトブックの読み手は、発信元企業に対して「業界の認知拡大を担う企業」「業界を代表する企業」という印象を持つでしょう。

2.業界の動向やトレンドを把握する第一人者というイメージがつく

業界の動向や注目のトピックスをわかりやすく伝えるオープンファクトブックの作成には、業界に対する深い理解と豊富な知見が必要となります。そのため、配信元の企業に対しては「この業界のことを何でも知っている第一人者」というイメージがつきます。こうした情報はメディア関係者も活用していることが多く、動向やトレンドに関するヒアリングなどでコンタクトされる可能性もあるでしょう。

3.自社に関心を持つ新たなファン作りにつながる

オープンファクトブックは誰でも読むことができるため、その読み手は業界や分野に対して関心を持つ幅広い層の人と予想されます。投資対象として考えている投資家や就職や転職を考えている求職者など、さまざまな目的を持った人たちが目にするでしょう。オープンファクトブックを通じて発信元企業を知る人も多く、その中からは自社に興味を持つステークホルダーとなる人も出てきます。オープンファクトブックは、自社の潜在的なステークホルダーとの関係構築にも役立ちます

オープンファクトブックを作成する流れ

実際にオープンファクトブックを作るには、どのような手順で進めればよいのでしょうか。ここでは4つのステップに分けて作成する流れをご紹介します。

作成するイメージ

STEP1.業界のトレンドや課題などトピックステーマを考える

まずは取り上げるトピックステーマを考えましょう。余裕を持って配信できるよう、5~10個程度取り上げるテーマを決めて作成を進めます。運用していく中でタイムリーなトピックスが出てきた場合は、そちらを優先して作成し配信してもよいでしょう。

STEP2.配信スケジュールと配信メディアを決める

記事の配信頻度やスケジュールを決めましょう。SNSなどを活用して配信することも考慮し、月に2本程度から考えてみるとよいでしょう。不定期配信でもよいのですが、あまり頻度が少ないと印象に残りづらくなるため注意します。さらに、自分たちの配信内容や記事のボリューム・形式、閲覧者の属性などを考慮して配信メディアを決めましょう

STEP3.記事を作成する

STEP1で決めたトピックステーマにしたがって記事を作成します。前提知識がない人にも理解しやすいよう、グラフや画像などのビジュアルも効果的に活用しましょう。また、興味のある人の検索にヒットしやすいよう、あらかじめ選定したキーワードを使用して記事を作ることも重要です。内容は自社の情報によりすぎずに、客観的なものになるように心掛けます。

STEP4.記事を公開する

スケジュールに基づいて作成した記事を公開します。メディアの設定にもよりますが、記事を執筆した人の顔が見えると、読み手が信頼性・親近感を持ちやすくなります。また、記事を公開した後は、SNSなどの企業アカウントを活用して告知し、多くの人が目にするように導線を作りましょう

オープンファクトブックを作成する3つのポイント

オープンファクトブックを作成するときに意識すべき点は何でしょうか。スムーズな作成・運用を実現するために押さえておきたい3つのポイントをご紹介します。

ポイント1.オープンファクトブックの発信目的を明確にする

オープンファクトブックを通じて訴求したいことを明確にしておきます。業界や分野が持つ課題を前提にすると、その解決のために何を認知したらよいのかなどが明らかになってきます。トピックステーマも課題解決につながるものを挙げていきましょう。

ポイント2.関連知識を持たない人にもわかりやすいコンテンツにする

オープンファクトブックは、業界や分野への理解者の裾野を広げる役割を持ちます。関連する知識を持たない人に理解できるようなレベルで記事を作成しましょう。記事で紹介する内容の具体的な事例として自社の取り組みなどを記載すると、よりわかりやすい記事になるとともに、自社への関心を持ってもらう機会にもなります。

ポイント3.自社の情報によらず客観的な情報を発信する

オープンファクトブックは幅広い層へアプローチすることで、潜在的なステークホルダーの興味を喚起するものです。最初から未知の分野の一企業への関心をひくのではなく、業界自体への興味喚起・理解促進をすることで、自社に興味を持ってもらうように進めていきます。そのため、発信する情報は自社の取り組みによらずに、まずは業界全体の認知促進を目的とした内容で作成しましょう。業界動向やトレンドを紹介していく中で、理解促進する事例として自社の取り組みを取り上げられる場合は、自社情報を中心とした記事を作成します。

オープンファクトブックの事例

オープンファクトブックの作成・配信に取り組んでいる企業をご紹介します。業界に関連する情報をどのようなアプローチで記事化しているのか、自社の情報を中心としたときにどのような記事を作成しているのかなど、参考にしてみてください。

事例1.Ubie

Ubie(ユビー)株式会社は、「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」をミッションに掲げ事業展開するヘルステック企業です。オープンファクトブックの概念を構築し、情報発信を行っています。医療業界に関する情報を時事ネタや身近な問題に絡めながら解説しています。複数名で記事を作成しており、noteで配信を行っています。

事例2.GA technologies

株式会社GA technologies(ジーエーテクノロジーズ)は、「テクノロジー×イノベーション」で住まい探しと資産運用を支援する企業です。不動産に関する法律や業界のトピックス、知っておきたいキーワードを解説する記事を配信しています。noteで配信を行っています。

オープンファクトブックを自社ブランディングに有効活用

自社の情報ではなく関連する業界の情報を中心に扱うオープンファクトブックは、自社の広報活動としては時間を要するものに見えるでしょう。しかし、業界全体の理解促進を行うことは、その業界で事業を展開する自社の理解者をも増やすことにつながります。

また、オープンファクトブックを配信することは、自社の業界に関する知見の深さを裏付けることになります。業界に精通していることは、あらゆるステークホルダーの信頼を集めることでしょう。

そうしたブランドイメージの構築も見据え、長期的なコミュニケーションとして手掛けていきましょう。

オープンファクトブックに関するQ&A

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この記事のライター

戸所 奈央

戸所 奈央

新卒で大手人材サービスグループに入社、人材ビジネス以外の各種プロジェクトに参画の後、同グループの海外ブランドアパレルの輸入販売・外販部門にて広報を担当。1998年より同グループの技術系人材派遣・紹介を行う子会社に異動、広報として15年従事する。2015年よりフリーランスとして活動、若手広報担当者の育成や各種ライティング業務などを通じ、企業の広報活動を支援している。

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