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自治体広報の参考になる、全国広報コンクールとは?応募条件や対象媒体を紹介

特定の地域に暮らす住民への情報発信のために発行する「広報紙」。自治体の広報担当者は日々、広報誌作りに奮闘しているのではないでしょうか。この広報誌の審査を行い、優秀な作品を決める催しが「全国広報コンクール」です。

本記事では、自治体広報が広報施策としても取り組みたい全国広報コンクールについて紹介します。

全国広報コンクールとは?

「全国広報コンクール」とは、公益社団法人日本広報協会によって、1964年から年に1度開催されている広報コンクールです。

地方自治体等の広報活動の向上を目的に、対象となる広報作品について審査を行い、優秀団体の表彰を行っています。

参考:公益社団法人日本広報協会「全国広報コンクールの概要

全国広報コンクールにはどうしたら応募できるの?

全国広報コンクールは、都道府県等の審査・推薦により提出された広報作品が審査の対象となります。そのため、直接全国広報コンクールに作品を応募することはできません。

全国広報コンクールに応募するためには、まず所属する地域(都道府県)で行われる「広報コンクール」に応募が必要です。地域によって、募集の日程や詳細は違うため、行政のホームページなどを確認してスケジュールを立てていくようにしましょう。

例えば、東京都では、東京都生活文化局広報広聴部が日本広報協会からの全国広報コンクールへの推薦依頼を受け、毎年9月~10月頃に、都内区市町村に対して作品の募集をしています。

参考:東京都生活文化局「東京都広報コンクールについて

コンクールに応募する

全国広報コンクールの対象媒体からわかる自治体広報のポイント

全国広報コンクールで対象となっている媒体は、広報紙・ウェブサイト・広報写真・映像・広報企画の5つです。

これらの媒体がコンクールの対象になっているということは、これらの媒体で広報のコンテンツを作成することが有効であると認められているからだといえるでしょう。

広報では、それぞれの媒体が持つ特徴や性質を活かしてコンテンツを作成することが求められます。では、各媒体の詳細と、地方自治体が広報を行うときのポイントを確認していきましょう。

広報紙

広報紙とは、広報や情報の周知などを目的に、定期的に発行される小冊子や小雑誌のような発行物のこと。全国広報コンクールでは、全戸配布を目的に年に4回以上定期的に発行しているもので、臨時増刊号やグラフ誌及び有料販売のものを除くとしています。

「広報紙」は「広報誌」と混同しがちですが、A4判などの雑誌型の場合を「広報誌」、タブロイド判など新聞紙型を「広報紙」、とするのが一般的となっています。

近年では、自治体の広報紙もA4判雑誌型のものが主流になってきてはいますが、日本広報協会では判型に限らず広報紙と表記しています。以下の記事でも詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

全国広報コンクールでは、審査基準(※)のひとつに「記事の切り口の発想性」が含まれています。自治体の広報紙では、その地域ならではの視点を含んだ、他の自治体では出せない個性的なコンテンツを作ることがポイントといえるでしょう。

※参考:審査基準(公益社団法人 日本広報協会 全国広報コンクールの概要より)

ウェブサイト

ウェブサイトとは、自治体の公式のホームページ及びウェブサイトのことを指します。

従来の自治体のホームページは、行政のサイトという認識であるからか、市政情報をトップページに表示するなど、どのウェブサイトも代わり映えするものではありませんでした。近年では、地方創生など地方の魅力を発信していく活動が社会的にも顕著となり、地域の魅力をアピールするウェブサイトを運用している自治体も目立ちます。

地域の特性がひと目でわかる画像を使ったり、魅力が伝わるレイアウト・デザインにしたり、メニューボタンなどの配置や見映えも工夫を凝らすなど、魅力的なウェブサイトの作成がポイントになってきます。

広報写真

広報写真は、広報紙やプレスリリースなどで使用する、広報素材となる画像や写真のことです。

地域のお祭りなどの行事で見られる活気あふれる雰囲気や、はたまた災害時の緊迫した状況など、伝えたいテーマやメッセージが写真を通して伝わることが重要です。

広報写真を撮影する際には、何を伝えたいのかを意識するようにしましょう。

映像

CMやYouTubeなどの動画は、映像での広報に分類されます。

ここ数年で、動画による地方の魅力発信が注目を集めており、ある自治体が制作したYouTubeでは再生回数何百万回超えの“バズる”動画として注目を集め、地域活性化に一役買うなど動画制作に取り組む自治体が増えています。

映像を準備するのは、技術・時間・費用などのコストが高いと敬遠しがちですが、その分効果も期待できるもの。まだ広報映像を撮影したことがない場合は、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

広報企画

全国広報コンクールでは、「広報紙」「ウェブサイト」「広報写真」「映像」それぞれの媒体としては評価できない戦略や、複合的な広報キャンペーンやプロモーション等の取り組みを「広報企画」としています。

どのような媒体・成果物であっても、企画が元になります。広報企画の立て方については、以下の記事も参考にしてみてください。

参考:令和3年全国広報コンクール応募要領

以上、全国広報コンクールで対象となる媒体をご紹介しました。「地域独自の文化や歴史の紹介」ならじっくり読み物として読んで貰うために紙媒体の広報紙にしよう。「生活に役立つ情報」なら地域の人にリアルタイムでコミュニケーションが取れる参加型のウェブサイトにしてみよう、など発信したい情報や目的に沿って媒体を選択してみましょう。

ミーティング風景

広報が参考にしたい、全国広報コンクールの受賞作品

全国広報コンクールのサイトでは、歴代の受賞作品が掲載されています。

全国広報コンクールの作品の審査基準には、伝えたい情報・住民等が知りたい情報をきちんと提供しているかといった広報機能が問われます。アイデアや発想の斬新さや、デザインが魅力的であることももちろん大切ですが、高評価の作品には広報としての役割が果たされていることがポイントです。

高評価の作品は、「以前から議論されている課題に住民の声をうまく吸い上げて取り上げている」「広報誌のマンネリを懸念し、斬新にリニューアルした」「時代や時流を先読みして役立つ情報を提案している」など、それぞれの自治体が抱える議論を吟味するような形で、様々なアプローチや工夫を凝らしていることがわかります。

自治体の広報を行う際のGOOD事例として参考になるでしょう。特にこれから広報紙・自治体のウェブサイト・広報写真・映像を準備する場合はぜひ確認してみてはいかがでしょうか。

広報コンクール入賞作品から自治体広報を学ぶ

テレビの多チャネル化、インターネットメディア、SNSなど発信の場が多様化している現代において、自治体が独自に制作している広報媒体は行政と住民とのコミュニケーションの場として重要な役割を担っています。

広報媒体を通じて、広報担当者はその自治体の取り組みや、社会・文化的活動を広く、そして戦略的に伝え、住民からの共感や信頼を得ることが重要となってきます。

広報コンクールの過去の受賞作品は、地方自治体の広報作品として認められたGOOD事例です。自治体の広報ならず、民間企業の広報としても学ぶことは多いでしょう。

多くの共感や信頼を得て、愛される自治体を目指して、広報活動に取り組んでみてはいかがでしょうか。

全国広報コンクールに関するQ&A

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この記事のライター

マッケンジー友紀

マッケンジー友紀

会社員時代に、化粧品、時計、ファッションの広報を経験。ピラティストレーナーをしながら2016年、PR TIMESのプレスリリース作成チームにジョイン。2020年からはPR TIMES MAGAZINEのメンバーに。公式Twitter@PRTIMESMAGも担当しています。広報PRに従事する人の多彩なポテンシャルを開花するようなコンテンツを目指したいです!

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