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CM放映のプレスリリースの書き方は?メディアに情報掲載されるのに必要な項目やポイントを解説

CM放映は企業の最新の動向を知ってもらうよい機会です。CM放映が決定したら、プレスリリースを作成し、メディア関係者をはじめ、より多くの人へ情報を届けるといった広報PR活動をするのではないでしょうか。しかし、CM放映のプレスリリースは、単なる発表(告知)に留まらないようにすることが難しいところ。CMのコンセプトや紐づく伝えたいこと、その背景をメディアに取材してもらえることがベストだと考えられます。

本記事では、CM放映のプレスリリースの書き方を解説。メディアに情報を掲載してもらうために必要なプレスリリースに盛り込みたい項目をはじめ、ポイント、事例などを紹介します。

CM放映時にプレスリリースを配信するメリット

CM放映時にプレスリリースを配信することで、注目を集めることやCM放送だけでは伝えきれない背景やストーリーの紹介、新たに展開する商品・サービス、キャンペーンの詳細などを知ってもらえるといったメリットがあります。この項目では、それぞれのメリットをお届けします。

メリット1.企業や商品・サービスの注目度が高まる

CM放映に関するプレスリリースがメディアに掲載されることで、CMの注目度が高まります。CMは一定の時間に放映されますが、その時間にテレビを観ない方の目には届きません。ラジオも同じです。そのためプレスリリースを作成し、CM放映の取材につながれば、CMを見た見ないに限らずより多くの方に知ってもらう機会が生まれます

CM放送にとどまらず、記事になり話題を呼べばそれを通じてSNSなどで拡散されるでしょう。CMの関心度が高まれば企業の知名度も上がり、人材確保や資金調達につながる可能性も広がります。

メリット2.CMの背景やストーリーを発信できる

プレスリリースを作成することでCMの内容はもちろん、放送される内容以外のストーリーを発信できるメリットがあります。CMが放映されても、CMの時間は15〜30秒程度です。インパクトを残したり、知名度を高めたりすることはできますが、中身を伝えるには尺が短すぎます。

新商品やプロジェクト、企業の取り組みをステークホルダーに伝えるためには、CM放送と同時にプレスリリースを作成し、内容や注目してもらいたい点を伝える必要があるのです。プレスリリースから、さまざまなメディアに取り上げられる機会が増え、CM放送だけでは伝えきれない背景やストーリーを届けることができます。

メリット3.商品・サービスやキャンペーンの詳細を伝えられる

商品・サービスやキャンペーンの詳細を伝えられるのが、CM放送時のプレスリリースのメリットです。CMで放送する新商品やキャンペーンの詳細と合わせてアピールしましょう。CM放送の情報だけをまとめてしまうと、商品のセールスポイントやキャンペーンの詳細内容は、別途発信しなければいけません。

情報が分断しないように商品・サービスやキャンペーンの詳細はプレスリリースにまとめ、生活者に詳細が伝わるように作成しましょう。

CM放映に関するプレスリリースに盛り込みたい5つの項目

CM放映に関するプレスリリースには、下記の5つの項目を盛り込みましょう。

  1. CM放送の概要
  2. CMのメイキングや撮影秘話
  3. 商品・サービスやキャンペーンの詳細
  4. 商品開発に至るストーリー
  5. 企業の取り組みや展望

CMに関するプレスリリースでも、CMにフォーカスしたものや商品にフォーカスするものなど、複数のプレスリリースを作成可能です。目的や種類に応じてプレスリリースに盛り込む項目を選んでください。

プレスリリース

項目1.CM放映の概要

CM放映に関するプレスリリースには、CMの概要を掲載します。

概要には、

  • 放送開始日時
  • 放送枠
  • 放送地域
  • 起用タレント

などの項目は必ずまとめるようにしましょう。

また、CM放映と同時にイベントなどを開催する場合は、その情報も一緒にプレスリリースに盛り込みましょう。

項目2.CMのメイキングや撮影秘話

CMのメイキングや撮影裏話はCM放映のプレスリリースに欠かせません。最近では長めの動画や本編とは異なるバージョンのCMを〇〇篇として作成し、YouTubeにアップすることが多いため、違うバージョンの動画があればその紹介もプレスリリースに含めます。

人気アーティストを起用しているのであれば、楽曲やアーティストの紹介を入れてもよいでしょう。CMのイメージや商品と楽曲の親和性が高ければ、ミュージック関連の取材対象になる可能性があります。

項目3.商品・サービスやキャンペーンの詳細

CMで放映される商品・サービスやキャンペーンの詳細はプレスリリースに必ず入れましょう。プレスリリースは読みやすく作成することがポイントです。商品・サービスの詳細は過不足なく伝えることが大切ですが、セールスポイントは箇条書きにする、主要なもののみ厳選して伝えるなどの工夫を凝らしましょう。関連する画像の素材も必要です。

既存商品・サービスを改良したものであれば、アップグレードした点がひと目でわかるようにまとめます。見た目でわかるようであれば、画像比較があるとより情報が伝わります。

項目4.商品開発に至るまでのストーリー

CMの尺では伝えきれない商品開発に至るまでのストーリーも、プレスリリースに必要な内容です。プレスリリースは客観的に書くことが前提ですが、内容があまりにもシンプルになりすぎるとかえって記事にしにくいものです。下記のようなストーリー性をプレスリリースに盛り込み、商品・サービスへのこだわりや品質を伝えましょう。

例として、以下のような内容を掲載すると読み手の共感を呼びます。

  • 研究開発に至るまでのストーリー
  • こだわりの原材料の仕入れから輸送までの企業努力
  • 品質管理への取り組み

ただし、担当者の熱を込めすぎて広告的な表現にならないように気を付けてください。

項目5.企業の取り組みや展望

企業側のメッセージもCM放映のプレスリリースに含めたい内容です。CMのコピーやコンセプトには企業理念やメッセージが含まれていることが多いのではないでしょうか。プレスリリースの中では、放映だけでは伝えられない企業の取り組みやメッセージを深掘りして説明しましょう。

代表のコメントや企業で取り組む社会問題など、CMには描かれない点にフォーカスして簡潔にまとめ、取材の余地を残します。創業50周年のような周年記念があれば絡めて紹介するのもポイントです。

CM放映に関するプレスリリースが記事化される5つのポイント

CM放映に関するプレスリリースを記事として取り上げてもらうためには、ポイントを押さえたプレスリリース作りが必要です。

  1. メディアフックを意識する
  2. CMの内容と合わせてテーマを絞る
  3. 起用タレントのコメントや裏話を入れる
  4. メディア掲載用の映像などの素材を用意する
  5. 追加取材が可能か記載する

それぞれのポイントについて詳しく解説します。

ポイント1.メディアフックを意識する

メディアフックとは、メディア関係者が取材したいと感じる「ニュースバリュー」のこと。

  • 時流/季節性
  • 画像/映像
  • 逆説/対立
  • 地域性
  • 話題性
  • 社会性/公益性
  • 新規性/独自性
  • 最上級/希少性
  • 意外性

これらがメディアフックとなりうる要素です。CM放送はCM作成から期間が空くため、プレスリリース作成時は発表のタイミングに合わせた話題と絡ませるとよいでしょう。CMではインパクトのある画像や映像もメディアフックになるため、CM内の印象的なカットや別撮りした画像なども添付します。

メディアフックについては、こちらの記事もご覧ください。

ポイント2.CMの内容と合わせてテーマを絞る

配信するプレスリリースの内容は、あくまでもCMの内容と合わせてテーマを絞ります。あまり多くの情報を詰め込みすぎると、今回一番に伝えたいCMに関する内容がぼやけてしまうこともあるため、できるだけ端的にまとめるようにしましょう。

プレスリリースは、A4用紙1〜3枚でおさまるようにまとめるのが理想的です。プレスリリースに掲載するCM情報に関するテーマから逸れないように、企業として一貫性のある発信にするよう心がけましょう。

プレスリリースのボリュームをはじめとする基本構成については、以下の記事もご参照ください。

ポイント3.起用タレントのコメントや裏話を入れる

起用タレントがいる場合は、撮影秘話やバックストーリーを入れます。話題性のあるタレントの起用はそれだけで取材対象になりますが、付随する裏話や起用タレントのコメントは取材メディアの幅を広げます。

情報番組や雑誌、SNSなど、さまざまなメディアへの露出が考えられるため、メディアの種類に合わせて発信する工夫もポイントのひとつです。別撮りしたコメント動画がある場合は、イメージ画像とURLを入れると視覚的な訴求力を持ちます。

ポイント4.メディア掲載用の映像などの素材を用意する

メディアに掲載可能なCMのプロモーション素材があるとよいでしょう。映像をはじめ、映像の静止画(JPGやPNGファイル)やそのコマ割り、商品・サービスの宣材画像など、ビジュアルを豊富にすることで、メディアに取り上げられることも。

掲載可能な映像や画像を用意しておくことはメディアフックになることはもちろんですが、掲載依頼後すぐの対応にもつなげられるのではないでしょうか。

ポイント5.追加取材が可能か記載する

CMのリリース発表や概要だけにとどまらず、追加で取材ができるかどうかを掲載しておくとよいでしょう。プレスリリースを読んだだけで、どれくらいの記事を作成できるのかというと、単にニュース情報であればプレスリリースの情報だけで足りることも多いでしょう。

しかし、情報を深掘りしたい場合は追加取材が必要になります。その際、プレスリリースに一文だけでも追加取材ができることや問い合わせ先を記されていると親切です。こうした丁寧な情報発信から、メディアとの信頼関係を構築できることもあるのではないでしょうか。

CM放映に関するプレスリリース事例

ここでは、先ほど紹介したメディアに掲載されるポイントを押さえたCM放送に関するプレスリリース事例を紹介します。メディアフックを意識したものやテーマが絞られているもの、起用タレントのコメントや裏話などが掲載されたプレスリリースをピックアップしていますので、ぜひ参考にしてみてください。

事例1.理研ビタミン株式会社

理研ビタミン株式会社は、「ふりかけるザクザクわかめ®」初となるCMを放送することをプレスリリースで配信。ラジオは2024年1月6日、テレビは1月26日から放送されました。

プレスリリースでは、シリーズ累計出荷数が400万袋を突破したことやヒット賞を受賞したことなどの実積を記載。今回、CMに起用したお笑い芸人・アンタッチャブルの山崎弘也さんについてやCMの見どころを紹介しています。ストーリーボードや山崎さんの親しみがあるインタビュー、ラジオCMのストーリーを掲載することで、読み手の印象に残る参考事例です。

参考:ザキヤマさんが歌う!踊る!「ふりかけるザクザクわかめ®」初のCMを制作

事例2.吉野家ホールディングス

株式会社吉野家は、全国の吉野家店舗(一部店舗を除く)で販売している「牛すき鍋膳」の累計販売数(※)が1億食を突破したことを記念し、キャンペーンを実施。同時に宮川大輔さんと藤田ニコルさんが出演する新テレビCM「牛すき鍋膳1億食」篇を全国で放映することをプレスリリースで配信しました。

テレビCMの見どころとキャプチャ、ストーリーをわかりやすく紹介し、出演者のインタビューを展開。和やかな撮影現場の様子を載せることで、親しみを感じさせているのがポイントです。

※ 2013年12月からの「牛すき鍋膳」「牛すき鍋(単品)」の累計販売食数

参考:吉野家の「牛すき鍋膳」、累計販売数1億食を突破

事例3.ソフトバンク株式会社

ソフトバンク株式会社は、新たにテレビCMとWebCMを公開することをプレスリリースで発表しました。子も親もおトクになる「ソフトバンクデビュー割」の魅力を伝える「スマホデビュー1年生」シリーズの新テレビCM「若造デビュー」篇、「心の声」篇を2024年1月13日から全国で放送。新WebCM「ストリートスナップ」篇も同日YouTubeで公開されています。

テレビCMでは、俳優の反町隆史さんと黒川想矢さんが親子役としてソフトバンクCMシリーズに初登場することをはじめ、CMのストーリーと注目ポイントをピックアップ。撮影エピソードや出演者インタビューも掲載した読み応えがあるプレスリリースです。

参考:子も親もおトクなソフトバンクデビュー割! 「スマホデビュー1年生」シリーズ最新作人気俳優反町隆史さん黒川想矢さんが親子役で初共演息子のスマホデビューに大はしゃぎ!可愛すぎる自撮り姿にご注目!

事例4.株式会社丸亀製麺

株式会社丸亀製麺が展開する手づくり・できたてにこだわる讃岐うどん専門店「丸亀製麺」は、看板商品の茹でたて、熱々「釜揚げうどん」の新テレビCMについてプレスリリースを発信。女優の上戸彩さんが出演する「ふわふわ!もっちもち!釜揚げうどん」篇を2024年2月1日から全国(一部の地域を除く)で放送開始しています。

「釜揚げうどん」の魅力が伝わるCMのカットを3枚並べたアイキャッチが目を引きます。CMでどんなことが描かれているのかを記してから、CMの概要、出演者の情報、うどんのこだわりを展開する記事の流れがスムーズで参考になります。

参考:上戸 彩さんがふわふわ もちもちのうどんのおいしさに至福の表情 職人が粉からつくる、こだわりが詰まった丸亀製麺の看板商品製麺所ならではの茹でたて、熱々『釜揚げうどん』新TVCM

番外編.平安伸銅工業株式会社

突っ張り棒を主力商品とする家庭用収納製品の開発メーカーである平安伸銅工業株式会社は、2024年2月8日の「つっぱり棒の日」に、なかやまきんに君をゲストに迎えイベントを開催したことをプレスリリースでレポート配信。突っ張り棒の多様な用途と魅力を広く伝えるための取り組みを発表しました。

CM放送に関するプレスリリースではありませんが、自社製品のアピールでタレントを起用しイベントを実施するのも一案です。CM放送を機に、イベントを実施する際の参考になる事例ではないでしょうか。

参考:家庭日用品メーカーから、スペパ需要に応える“暮らすがえ”企業へ平安伸銅工業「つっぱり棒の日」記念発表会レポート なかやまきんに君がつっぱり棒と威信をかけたパワー勝負

CM放映実施時に広報が行いたい3つの広報施策

CM放映実施時には、広報が行うべき3つの広報施策があります。

  1. CM放映に関するSNS発信
  2. メディアアプローチ
  3. 記者発表・イベントなどの準備

CM放映実施時には一般的なプレスリリースよりも露出メディアが増えるため、広報でも十分な準備をしておきましょう。

広報施策 イメージ

1.CM放映に関するSNS発信

CM放映に関するSNS発信は、CMリリース前から行います。情報を少しずつ解禁し、メディアや生活者の興味・関心を高めていきます

そして、CM放映のタイミングに合わせて出演者であるタレント側のコメントやSNS投稿などを紹介。出演者側と企業の双方でCM放送を盛り上げるようにしましょう。タイミングを計り、SNSの発信情報を共有し合うことで、起用したタレントのファンからのアクセスも期待でき、相乗効果が生まれます。

2.メディアアプローチ

プレスリリースを作成・配信を行ったら、CM放送に関する情報を取り上げてもらいたいメディアに電話やメールなどで個別にアプローチします。その際に追加情報を回答できるよう、用意をしておきましょう。

例えばCMにタレントを起用する場合などは、普段交流があるメディア以外からも注目される可能性があります。事前にタレントの属性をリサーチしたうえでメディアリストをアップデートしておくとよいでしょう。

3.記者発表・イベントなどの準備

CM放映に合わせてメディア関係者に向けた記者発表、もしくは生活者向けの発表イベントなどを開催する場合は準備を行います。記者発表やイベントを実施する際には、To Doリストのような管理ツールを活用して、滞りなく当日を迎えられるようにしましょう。

記者発表・イベントの準備は下記のとおりです。

  • 進捗管理シートの作成
  • 核となるコンテンツの企画
  • 日時・会場の決定
  • 当日のタイムスケジュール
  • 会場の装飾、備品や土産物の手配
  • メディア向け記者発表案内状とプレスリリースの作成
  • 参加予定のメディアリストの作成
  • プレゼンテーション資料の作成およびディレクション
  • 進行台本の作成
  • FAQ(想定問答集)の作成

終了後のフォローアップも大切です。準備だけでなく、記者発表やイベントの後に関係者へのお礼やプレスリリースでレポート配信などするのも効果的です。

記者発表会で広報PR担当者が準備したい項目の詳細はこちらの記事をご覧ください。

ポイントを押さえたプレスリリースでCMの注目度を高めよう

この記事では、CM放映のプレスリリースの書き方について紹介しました。CM放映に関するプレスリリースを発信する際は、CMのコンセプトや紐づく伝えたいことや背景を明確にすること、発表後に取材へとつなぐ導線が重要です。

CM放送はメディア関係者や生活者から注目を集めやすい機会でもあります。注目度を高めるように、CMの見どころとなるポイントを押さえ、メディア関係者をはじめ生活者に興味・関心を抱いてもらえるようなプレスリリースを作成してください。

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