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記者の目に留まるプレスリリースのデザインとは?工夫したい7つのポイントとデザイン例を紹介

せっかく作ったプレスリリース、たくさんのメディア関係者の人にみてほしいですよね。メディアには毎日たくさんのプレスリリースが届くことを考えると、目立つデザインにしたほうが目に留まりやすいかも……と考えたことがある広報PR担当者は多いのではないでしょうか。実はそれ、間違えているかもしれません。

本記事では、メディア関係者に好まれるプレスリリースのデザインや、デザインを考えるときに注目したいポイントについてご紹介します。すぐに使えるテンプレートも紹介していますので、ぜひ活用してくださいね。

プレスリリースにおけるデザインの役割とは

プレスリリースのデザインは、単に「見た目を整える」ことではなく、情報を正確かつ魅力的に伝えるための重要な手段です。とくに記者やメディア関係者は、日々多くのリリースを目にしているため、「読む価値がある」と瞬時に判断される工夫が必要です。

そこで求められるのが、内容を視覚的に整理し、理解しやすく構成するデザインです。要点を押さえた見出しや、適切な行間・余白、ビジュアル素材の活用によって、読み手のストレスを軽減し、情報の本質にスムーズにたどり着いてもらえるようになります。

また、デザインは企業イメージにも直結します。無駄のない整ったレイアウトは、「この企業は信頼できる」「丁寧な仕事をしている」という印象を与えやすく、メディア掲載や信頼獲得にもつながります。

注意したいのは、読み手によって最適なデザインが変わるという点です。メディア関係者に向けたプレスリリースでは、装飾は控えめにし、情報の鮮度や正確さが伝わるシンプルな構成が好まれます。一方で、生活者に向けてSNS等で拡散する場合には、視認性や感情に訴える要素も取り入れたデザインが効果的です。どのデザインが正解かは一概には言えません。「誰に届けたいのか」「どんな行動を促したいのか」という目的と読者像を明確にし、媒体特性も考慮した上で、デザインの方向性を決めることがポイントです。

プレスリリース

プレスリリースのNGデザイン例

良かれと思って施したデザインが、逆効果になることもあります。たとえば、以下のようなケースは避けたいNG例です。

  • 文字が詰まりすぎていて読みづらい
  • フォントサイズや色使いに一貫性がなく視線が迷う
  • 背景色や装飾が強すぎて肝心の情報が埋もれている
  • 画像の解像度が粗く、資料としての信頼性が下がる
  • タイトルと本文の区別が曖昧で、構造が把握しにくい

これらはどれも情報伝達を妨げる要因となります。プレスリリースは情報媒体である以上、最優先すべきは「内容がスムーズに伝わるか」です。見栄えよりも可読性を重視し、過剰な装飾は避けましょう。

記者の目に留まりやすいプレスリリースのデザイン例

プレスリリースのデザインには、基本となる構成があります。過剰な装飾を行わないシンプルなものでも、メディア関係者の目に留まりやすいデザインにすることは可能です。基本的な構成を押さえて、必要があればデザインによって伝えたい情報を厚くするようにしましょう。ここでは、プレスリリースの基本の構成をご紹介します。

  1. タイトル・タイトル周りの情報:プレスリリースのタイトル、タイトル周りの情報発信元の名前や発信日時
  2. リード文:プレスリリースの内容の要約
  3. 本文:リード文の詳細情報
  4. 画像・図表:プレスリリースの情報に合った画像や図表、キャプション
  5. 連絡先・問い合わせ先:情報発信元の名前、電話番号、メールアドレス、担当者など

上記5つの項目は必須です。これらの情報を見出しや段落などを工夫することで、文字情報として見やすいかたちに整えるのがプレスリリースのデザインの基本です。

プレスリリースの構成は、以下の記事も参考にご覧ください。

問い合わせ先の記載についてはこちらをご確認ください。

生活者に直接届けるときのプレスリリースのデザイン

近年では、プレスリリースが報道機関だけでなく、企業のウェブサイトやSNS、プレスリリース配信サービスを通じて生活者に直接届けるケースが増えています。そのため、生活者目線を意識したデザインが求められるようになりました。

生活者向けのプレスリリースでは、視認性や親しみやすさを重視したデザインが効果的です。たとえば、アイキャッチになる画像やイラストを取り入れたり、見出しや本文に適度な余白や行間を設けたりすることで、読みやすさが格段に向上します。また、カラーの活用やフォントの工夫により、ブランドの雰囲気を直感的に伝えることも可能です。

さらに、スマートフォンで閲覧されることが多いため、モバイルでの視認性にも配慮したデザインが必要です。文字サイズや行の幅、画像のレイアウトなどは、デバイスを問わず読みやすく設計しましょう。ただし、デザイン性を高めすぎるとメディア関係者には「広告的」「情報過多」と捉えられる可能性もあるため、記者向けのシンプルな資料との併用が理想的です。ターゲットが生活者であっても、誰がどの情報をどのように受け取るかを明確にし、必要に応じてデザインのトーンを調整しましょう。

プレスリリースのデザインで工夫したい7つのポイント

プレスリリースをシンプルでも目に留まりやすく情報が伝わりやすいデザインにするためにはどのような工夫をすれば良いのでしょうか。今回は、プレスリリースの基本的な構成の範囲内で新たな項目を追加せずにデザインで工夫できる7つのポイントをご紹介します。

特別な技術などは必要ないので安心してください。これらを意識するだけで、情報が整理されシンプルに理解しやすくなりますので、常に頭の中に入れておくようにしてくださいね。

ポイント

ポイント1.段落をつける

段落を上手に活用することで、文章を読みやすく整理しましょう。段落は、複数の文で構成されている文章を、テーマや伝えたいことによって段落と呼ばれるブロックに分け構造化することです。段落テキストやブロックテキストと呼ばれることもあります。段落を活用することで、それぞれのブロックがひとつのまとまりになるため情報を把握しやすくなります。

段落を分ける場合は、段落と段落の間は1行空けるようにしましょう。視覚的な区切りがあることで文章全体を見やすくすることができます。日本語文章の場合は、段落の最初の文章の行頭は1文字分スペースを空ける「字下げ」を行うルールがあります。これは、段落が変わったことを示すために行いますが、プレスリリースをはじめとしたビジネス文章の場合は、改行を入れる代わりに字下げを行わない場合もあります。

ポイント2.行間を調整する

ストレスなく文章を読み進めてもらうためにも、適切な行間を設定するようにしましょう。

行間を調整することも、読みやすいプレスリリースを作成するためには欠かせません。行間が狭すぎると文字が詰まってしまい、広すぎると文と文の結びつきが弱まって見えてしまいます。

行間はさまざまな要素によって適切な設定が変化します。プレスリリースの文字サイズや使用するフォントなどに合わせて調整するようにしてください。一般的には、本文であれば1.2~1.5倍の行間設定を行います。見出しではもう少し広めの行間を利用するなど、文章の中の要素によっても調整を行うようにしましょう。

行間を揃えることで視覚的な統一感を持たせることができます。読みやすさを向上させることはもちろんですが、全体的なプレスリリースのデザインにも大きく影響を与えるのです。

ポイント3.余白を作る

プレスリリースには、充分な余白を作るようにします。文章の行間はもちろんですが、画像、図表、キャプションといった要素にも適切な余白を作ることで、全体的な見やすさが大きく向上します。ページ全体の余白のとりかたもポイントです。一般的なA4サイズの資料であれば、15~30mmの余白を設定することが多いです。余白によって1ページあたりに入れられる文字数が増減するため、バランスの良い設定に調整しましょう。

特定の重要なポイントを強調したいときにも余白は有効です。強調したいときは装飾をしてしまいたくなりますが、余白を作ることで周囲の情報をなくす引き算の方法でも情報の強調は可能です。視線を引きつけるためにも余白を活用しましょう。

ポイント4.ビジュアル素材を活用する

プレスリリースには、画像、図表などのビジュアル素材を活用します。これらを使うことで視覚的に文章だけよりもインパクトを与えることができるほか、文章だけでは伝わりづらい情報を補足することができます。文章の流れをさえぎらず、適切な場所にビジュアル素材を挿入するようにしましょう。掲載する商品やサービスの画像は、メディア側がすぐに使用しやすいように加工や装飾をしていない素材も用意しておく必要があります。また、紙メディアの印刷にも耐えられる高品質で解像度が適切な画像を選ぶことも重要です。

プレスリリース配信から、SNSへのシェアも期待できます。画像を利用することでシェアされた際のOGP(Open Graph Protcol)画像にもなるため、生活者の目にも情報が届きやすくなるでしょう。

ポイント5.箇条書きを活用する

重要なポイントなどを整理するときには箇条書きを活用するのがおすすめです。箇条書きにすることで情報を整理して要約し、重要なポイントやキーワードを強調することができます。情報の並びも、時系列、重要度、カテゴリーごとなどのルールを決めて配置することが可能です。どのように見せたいかによって情報の配置を変えられるため、より伝わりやすいように情報整理ができます。

箇条書きを利用する場合は、簡潔に短い文で表現し要点を端的に伝えるようにしましょう。マーキングや形式を揃えることでより伝わりやすく整理することも可能です。プレスリリース全体のポイントを箇条書きにしてサマリー(要約や要点)として掲載する方法もよく使われます。内容が長くなる場合は活用してみてくださいね。

ポイント6.重要度が高いことを上に置く

プレスリリースでは、重要度が高いことから上に置くようにします。プレスリリースを見る側は、タイトルから見始めて上から下へ向かって視線を進めていきます。そのため、不要な情報だと思われてしまうと最後まで読んでもらえないことも。起承転結の順番に進んでいくのが文章作成の基本ですが、ビジネス文章ではもっとも重要度の高い「結」を先頭に持っていくようにすると良いでしょう。

タイトルとリード文さえ読めばどのような内容のプレスリリースなのかが伝わる状態になっていることが理想といえます。本文以下の情報は、プレスリリースの内容について興味を持ったメディア関係者がより詳しい情報を知るために読み進めるものだと考えると作成で悩むことが減りますよ。

ポイント7.必要以上の情報は入れない

プレスリリースには、必要以上の情報は掲載しないようにします。情報が過多になると伝えたかった情報の核となる部分がどこなのかがわかりづらくなってしまいます。ひとつのプレスリリースに対しては、ひとつの情報だけを厳選して掲載するようにしましょう。

プレスリリースをデザインするうえでは、掲載する情報の精査も重要なポイントです。もっとも伝えたい情報は何なのか、そのために必要な情報や不要な情報は何なのか、文章を書き始める前に整理するようにしましょう。そうすると、おのずとシンプルでも情報が伝わりやすいデザインのプレスリリースが出来上がります。補足や追加資料が必要な場合は、リンクや参照資料を掲載することで必要な人が情報にアクセスできる導線を作るようにします。すべての情報をプレスリリースの中で提供する必要はありません。

プレスリリースの基本デザインに沿ったテンプレート

プレスリリースは新商品発表、イベント開催、導入事例などいろいろなテーマで作成することがあります。基本のデザインは上記で述べた通りですが、テーマごとに押さえておきたい大切なポイントも。

プレスリリースを実際に制作するときに困らないために、PR TIMES MAGAZINEではあらゆる内容のプレスリリースに合わせたテンプレートを公開しています。迷ったときは、このテンプレートに沿って作成してみてください。

プレスリリースのテンプレートは、以下の記事で紹介していますのでぜひご活用ください。

PR TIMES社員が監修した、業界別、配信機会別のテンプレートに関する記事の一覧は、「解説付!プレスリリーステンプレート」を見てみてくださいね。

プレスリリースのデザインは引き算が重要

プレスリリースのデザインの工夫とそのポイントについて紹介してきました。デザインと聞くと、きれいに見せたりおしゃれに見せたりするための手法と考えがちです。しかし、ビジネスにおけるデザインは、ある対象について最適な構成を作り上げることです。プレスリリースでは、伝えるべき情報が適切に伝わる構成を検討することがデザインと呼べるでしょう。

プレスリリース上に情報を追加する足し算をしていくのではなく、必要最低限の情報だけを伝えるための「引き算」で考えることがポイントです。書きたい情報が多すぎて全体が長くなってしまう場合は、「あったほうが親切」と思う情報は勇気を出してカットしてみるとメインの情報が引き立つこともありますよ。

<編集:PR TIMES MAGAZINE編集部>

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この記事のライター

長瀬 みなみ

長瀬 みなみ

ITベンチャーにて広報PRを担当したのち、ヘルスケアベンチャーにて広報PR部門の立ち上げ、ブランド責任者として取締役就任。YouTubeチャンネル運営など、さまざまなメディアを活用した分ランディングや広報活動を行う。独立後は、広報PR・ブランディング・コミュニティ運営など幅広く活動している。これまでの経験から広報・ブランディングに関する戦略立案からプレスリリース執筆まで幅広くカバーしたコンテンツを作っています。

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