オフィス移転に合わせてプレスリリースを配信すると、自社での取り組みや将来的な展望を幅広い層に伝えられます。プレスリリースのメリットを最大限に発揮するためには、重要項目を記載するだけでなくストーリー性も重要です。
一方で、具体的なプレスリリース内容がわからず作成時に悩むこともあるのではないでしょうか。本記事では、オフィス移転のプレスリリースを配信するメリットと記載項目に加え、配信をイメージしやすい事例をご紹介。プレスリリーステンプレートも掲載していますので、ぜひ参考にしてください。
ダウンロードファイルは、「解説付きWordのテンプレート」と「PR Editorのテンプレート」の2種類。活用方法については、「Wordファイルインポート機能とは?使い方とメリット・注意点」をご覧ください。
オフィス移転のプレスリリースを配信する2つのメリット
オフィス移転に合わせたプレスリリースの配信は、社外のステークホルダーとの関係性を深めるきっかけになります。自社情報として詳しいところまで伝えられるため、社内外に向けて背景や展望を発信するためにも役立つでしょう。オフィス移転に合わせてプレスリリースを配信するメリットを、2つに分けて解説します。
メリット1.移転の目的・背景の詳しい情報を発信できる
オフィスの移転が決定したことや移転が完了したことに加え、詳しい情報を発信できるのはプレスリリースの大きなメリットです。簡易的な共有手段としてメールやハガキを用いるケースもありますが、移転先住所・移転先での事業開始日といった最低限の内容に限る場合が多いため「もっと深いところまで掘り下げて説明したい」と感じることもあるでしょう。
プレスリリースであれば、住所や事業開始日などの重要事項のほか「なぜ移転したのか」「これまでのオフィスと何が違うのか」といった目的・背景を詳しく伝えられます。具体性が高いプレスリリースは読み手の興味を引きやすくなるため、ステークホルダーへの認知度拡大効果にもつながるでしょう。
またプレスリリースは、従業員をはじめとする社内関係者に情報を届ける手段としても有用です。オフィス移転を知っている人や実際に関わった人、メールなどで一度お知らせした人にも、再度深いところまで共有できます。
メリット2.既存のステークホルダー以外に伝えられる
プレスリリースは、メディア関係者を含め幅広い層に多様な情報を届けられる公式文書です。自社の事業内容やサービスを知らない人の目に留まる機会が増えるため、オフィス移転のプレスリリースをきっかけに認知してもらえるかもしれません。
潜在層へ認知度を高めることは、新規層を獲得する効果にもつながりやすくなります。例えば、働き方改革を理由にオフィスを移転した場合、プレスリリースで詳しく説明することで就職希望者の関心を引けるのではないでしょうか。
「地方から都心部へのオフィス移転」のようなケースにおいては、都心部での就職・転職を検討している人の候補に加わることもあるでしょう。既存のステークホルダーはもちろん、潜在層へ効率的に情報を届けられる点はプレスリリースならではのメリットといえます。
オフィス移転のプレスリリースに盛り込みたい5つの項目
オフィス移転のプレスリリースを作成する際には、メリットを最大限に活かせるよう情報を充実させることが大切です。移転先の住所や事業開始日はもちろん、移転の目的や理由、関係者のコメントなども掲載できるよう準備を進めておきましょう。オフィス移転のプレスリリースに盛り込みたい5つの項目をご紹介します。
項目1.移転先情報
移転先の情報が決定している場合は、読み手が把握できるよう詳しい住所を記載しましょう。移転元の住所もあれば、複数のオフィスを持つ企業でも「どのオフィスがどこへ移転するのか」を明らかにできます。
従業員以外の来訪者がいる場合や、メディア関係者向けの開放などを予定している場合は、アクセスも記載しておくのがおすすめ。プレスリリース以外の伝達方法で共有する機会もありますが、明記しておくと多くの人へ移転先情報を届けられます。
項目2.移転したオフィスでの事業開始日
移転完了後、オフィスの事業開始日が決定しているのであれば、移転先住所と併せて開始日も明記しておきましょう。オフィス移転が決まった段階で、移転そのものが済んでいない場合は特に重要な情報です。
ステークホルダーとの齟齬が生じた場合、問い合わせや取引先の来訪などでトラブルに発展するかもしれません。プレスリリースを通じて正しい情報が届けられれば、営業開始日前後のリスクを低減できます。
項目3.オフィス移転の目的・背景・理由
オフィス移転では、事業拡大や人材確保(従業員増加)、建物の老朽化などさまざまな理由が考えられます。特にポジティブな理由はストーリー性を持たせるためにも有用なため、積極的に記載しましょう。
目的や理由があると、企業としての取り組みや将来的な展望も読み手に伝わりやすくなります。環境づくりに関わった人や移転の担当者といった人物のコメントを掲載することで、目的・背景・理由をより高い解像度で訴求できるでしょう。
項目4.新しいオフィスの環境
移転先のオフィスの環境を伝える写真・動画素材がある場合は、プレスリリースにも掲載するのがおすすめです。オフィスが完成している場合はその写真を、未完成の場合は内観や、完成後のイメージがわかる設計図のような画像を掲載してもよいでしょう。
移転先オフィスの環境を可視化することで、企業イメージや労働環境をわかりやすく伝えられます。移転の目的や背景に「環境の変化」が絡むのであれば、建物の内観だけでなく、外観や周辺の景観がわかる写真・動画を載せるのも有用です。
項目5.移転先オフィスの取材・外部活用可否
移転先のオフィスで取材を受けたり、外部で活用したりといった予定がある場合は、関係者向けに詳細を記載します。オフィス見学などを実施するのであれば、見学が可能な期間や予約方法なども併せて書いておきましょう。
ドラマ撮影やイベントなどに使う場合は、外部活用を受け入れている旨も紹介するのがおすすめです。ステークホルダーはもちろん新規層への認知度拡大効果にも寄与できるため、オフィス環境の紹介とともに積極的に掲載しましょう。
オフィス移転のプレスリリース作成時のポイント
オフィス移転のプレスリリースを作成する際は、所在地や事業開始日だけでなくストーリー性を重視することが大切です。オフィス移転に至った目的や背景に絡めながら環境の変化に触れたり、従業員への想いを連ねたりしてみましょう。
例えば「コミュニケーションが取れるエリアを拡大したい」という明確な目的があれば、企業のイメージアップはもちろん、従業員のモチベーションを向上させる効果も期待できます。
企業の将来性・展望が記載できれば、読み手も「オフィス移転をきっかけにどう変わっていくのか」を想像しやすくなるでしょう。
オフィス移転のプレスリリース事例10選
オフィス移転のプレスリリースを作成する際には、記載項目をはじめ内容を充実させる必要があります。移転先や事業開始日などの重要事項はもちろん、移転に至った背景を説明したり、関わった人たちのコメントを掲載したりといった検討も大切です。
しかし、いざプレスリリースを書くとなると具体的なイメージがわからず、悩むこともあるでしょう。ここからは、オフィス移転に関して参考になるプレスリリース事例をご紹介します。
事例1.スパイスファクトリー株式会社:オフィス移転と活動状況を写真付きで紹介
- オフィス移転と地域貢献活動を併せて紹介
- 多くの写真を掲載し、移転先オフィスで働く様子をイメージさせる
- プレスリリースの最後で「企業のこれから」を訴求
参考:東京都臨海副都心への『本社移転』と『教育支援』他で地域開発に貢献
事例2.株式会社ジョイカルジャパン:社外の読み手もイメージできる新オフィスの写真
- 企業名、本社オフィスの移転、移転日がわかりやすいプレスリリースタイトル
- 執務室や会議室など社内外を問わず認識できる画像説明
- 「事業拡大」による移転であることを明記している
参考:ジョイカルジャパン、本社オフィスを2024年4月1日より移転
事例3.株式会社バイオフィリア:「ペット同伴ワーク」の実現で注目を浴びたプレスリリース
- 「ペット同伴ワーク」「新時代オフィス」など独自性の高いキーワード
- 「組織拡大」の理由を明記することで新しい働き方の需要がわかる
- 移転先オフィス内の、ペット関連以外のサービス・エリアも写真付きで紹介
参考:ペットとの共生を体現する新時代オフィスが完成。ペット同伴ワークを実践するバイオフィリアが組織拡大でオフィス移転
事例4.株式会社マツリカ:働きたくなる環境づくりを目的としたオフィス移転
- 3つのトピックに分けて移転先オフィスについて紹介
- 「つい行きたくなる」というコンセプトで読み手の興味・関心を高めている
- 移転先オフィスの内観がイメージできるイラスト画像を掲載
参考:【マツリカ】オフィスを移転|「つい行きたくなる」環境づくり
事例5.株式会社ビットキー:働きやすさや自由度をアップした、見学可能なオフィスが誕生
- 「中規模でも働き方を選べる」という視点で移転先オフィスの理由・魅力を発信
- 実際の写真とともに、俯瞰でわかりやすい配置図を掲載
- オフィス見学の実施情報も併せて紹介
事例6.株式会社TX-Delight:都心部の周辺環境がわかりやすい外観写真
- 豊富な写真を掲載し、ビル外観・周辺環境・内観が視覚的にわかりやすい
- 移転先の住所や移転登記日を箇条書で簡潔にまとめている
- プレスリリース後半では、採用募集を記載して就職希望者へアプローチ
参考:TX-Delight、事業拡大に伴う本社移転のお知らせ
事例7.UPWARD株式会社:オフィス移転の背景や展望にも訴求したプレスリリース
- オフィスの内観と、働いている様子がわかる写真を掲載
- オフィス移転とその目的がわかるプレスリリースタイトル
- 見出しを設けて「オフィス移転の背景」「今後の展望」を訴求
参考:UPWARD、創造性を引き出すハイブリッドワーク拠点として、本社オフィスを移転
事例8.株式会社クラシコム:自社らしい内装空間が魅力的なオフィス移転
- 10枚以上の写真で「自社らしさ」を伝えたビジュアル
- 全文を読まなくてもイメージできる「特徴サマリー」を記載
- 「オフィス移転に寄せて」の見出しを設け、代表コメントを詳しく掲載
参考:クラシコム新オフィス移転、洗練された内装空間にハイブリッド勤務想定した機能性を装備、「フィットする暮らし、つくろう。」体現
事例9.ユニオンテック株式会社:オフィス移転に伴い、関係者の声が聞ける特設ページをオープン
- オフィス移転に併せて特設ページをオープンしたことを発表
- 「自社だからできる」という切り口で移転先オフィスの魅力を紹介
- 自社への興味・関心を引き、認知度拡大につなげた告知内容
参考:進化するワークスタイル、ユニオンテックが主導する次世代オフィス移転の裏側 〜オフィス投資革命・人を動かすアートの力
事例10.株式会社SHINSEKAI Technologies:関係者の写真や代表コメントをメインに掲載
- オフィス移転や企業のパーパスを明記したプレスリリース
- 「事業拡大・人員増加」の理由を記載し、企業としての展望を伝えている
- 読み手にわかりやすい新オフィス住所の書き方
参考:「コミュニティの力でビジネスを加速させる」シンセカイテクノロジーズ、新オフィス移転のお知らせ
PickUp!オフィス新設・拡張・受賞プレスリリースの事例5選
オフィス移転の関連事例として参考になるのが、オフィスの新設・拡張・受賞といったプレスリリースです。新設では事業拡大、拡張では働き方の多様化など、オフィス移転と同じく目的・背景を紹介するケースが多く見られます。企業の実績や将来を知ってもらうためにも有用であるため、こちらもぜひ参考にしてみてください。
【新設】モースマイクロ社:支社の設立に伴いプレスリリースを配信
- 支社の設立を「戦略的な動き」として発表
- 企業を知らない読み手が認識できるよう事業内容を紹介
- CEOのコメントをプレスリリース内に記載
参考:モースマイクロ、台湾に新たにオフィスを開設し、ビジネス範囲を拡大
【拡張】株式会社岡部:リノベーションで休憩スペースを新設
- 「庭」をコンセプトに拡張したことを、コンセプトがイメージできる写真とともに紹介
- 6つの項目に分けてスペースを紹介し、拡張の重要性を訴求
- 全体の設計イメージがわかる俯瞰でのイラストを掲載
【開所式】株式会社フォーバル:開所式の様子を関係者コメントとともに紹介
- 「ESG経営」という明確な目標をタイトル直下に記載
- 開所式の様子だけでなく、3人の関係者のコメントを紹介
- 新オフィス見学ツアーの追加開催情報も掲載
【受賞】株式会社オカモトヤ:先進的なオフィスづくりが認められた実績をプレスリリースで発表
- プレスリリースのアイキャッチで、働いている様子がわかる写真を掲載
- 自社が提案する新しい働き方についてプレスリリースで訴求
- ゴルフスペースや視力検査スペースなど「自社ならでは」を写真とともに紹介
参考:第37回日経ニューオフィス賞 株式会社オカモトヤライブオフィス「palette」
【移転成果】株式会社マツリカ:オフィス移転から2ヵ月後の成果をレポート
- プレスリリースの前半で、自社のオフィスづくりについて紹介
- オフィス移転から2ヵ月後に実施したアンケート結果を発表
- 移転前後の満足度の違いに加え「社員の声」をピックアップ
参考:マツリカ、「つい行きたくなる」構想のオフィスへ移転後、対面コミュニケーションが活発化され業務スピードと質が向上
オフィス移転実施時に広報が行いたい3つの広報施策
オフィス移転に合わせて実施できる広報PR施策は、プレスリリースの配信のみではありません。移転先のオフィスの様子を動画で紹介したり、メディア関係者をはじめとするステークホルダー向けのイベントを開催したりといった企画も検討できます。
事業内容や移転先の場所などにより適切な選択肢は異なりますが、プレスリリースと併せて認知を広められるよう積極的に実施していきましょう。
1.動画を活用した新オフィスツアー
比較的手軽に実現できるのが、動画を用いた新オフィスツアーです。プレスリリースでは写真を掲載するケースが多く見られますが、別途動画が用意できると、よりリアリティのあるコンテンツとして紹介できます。
「コミュニケーションが取れるスペースを新設」「休憩時間に配慮した空間を実現」といったオフィスであれば、動画での紹介は特に重要といえるでしょう。
自社のホームページに掲載するのはもちろん、プレスリリースに掲載したり、公式YouTubeでアップしたりといった広報PR施策も有用です。
2.移転先オフィスでのイベント開催
移転先オフィスに十分なスペースがある場合は、イベント企画を検討するのもおすすめ。事業開始日に合わせて交流会を開いたり、メディア関係者向けに開放スペースを用意したりといった企画が考えられます。
社外に向けて開放しない場合、従業員の交流を深める目的を兼ねて社内イベントを開催してもよいでしょう。イベントを通じてコミュニケーションの機会を設けるだけでなく、写真・動画に収めてプレスリリースで紹介することもできます。
3.オフィス移転の秘話を公開
オフィス移転の裏側に触れるようなコンテンツは、多くのステークホルダーの興味・関心を引くきっかけになります。空間デザインに携わった人にインタビューしたり、移転時の様子を写真やコメント付きで紹介したり、あるいは「移転してどうだったか」と意見を求めてもよいのではないでしょうか。
企業や支社の裏側が知れると、オフィス移転そのもののストーリー性が増します。プレスリリースを配信することと同様に幅広い層へ届けたい場合は、PR TIMESが展開する「PR TIMES STORY」の活用もご検討ください。
オフィスのプレスリリース作成の基礎知識
プレスリリース作成で大切なことは、行動した人の想いを込めることです。しかし、見せ方にも工夫は必要です。どのようなプレスリリースにもあてはまる、プレスリリース作成の基礎知識は以下の通りです。
POINT解説付き!テンプレートダウンロードはこちら
テンプレートを使ったインポート機能の詳細は、以下の記事をご覧ください。
オフィス移転のプレスリリースを配信して自社の魅力を伝えよう
プレスリリースの配信には認知度拡大以外にもメリットがありますが、効果を発揮するためには内容を充実させることが大切です。オフィス移転の目的や企業としての将来性、関係者の想いなどが魅力的に伝わるよう、ストーリー性のあるプレスリリースを作成していきましょう。
また、プレスリリースを配信する以外にも有用な広報PR施策は多数検討できます。プレスリリースと掛け合わせることで、より高い効果を発揮できるかもしれません。今回ご紹介した書き方や配信事例を参考に、自社の魅力が伝わるプレスリリースを作ってみてください。
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