毎月の広報PRに役立つトレンド情報やイベントトピックスの活用についてお届けする、広報PRトレンドウォッチ。新しい年度がスタートする4月は「新生活」を応援する取り組みも盛りだくさん。
2020年4月の広報PRでは、どんなトピックスを意識して動いていったらいいのでしょうか。情報発信されるみなさまのヒントになるような情報をお届けすべく、PR TIMES MAGAZINE編集部が考察していきます。
ユーザーや生活者の新たな一歩、広報PRでどう背中を押す?
3月から引き続き、4月は春の陽気に加え「新入社」「新学期」と新たな始まりを迎える生活者も多い季節。「桜」や「ランドセル」などの新生活を連想させるキーワードが増えてくるシーズンでもありますね。
加えて今年は、新型コロナウイルスの脅威に対し、各社様々な対応を与儀なくされており、今後の見通しも立てづらい日々が続いています。 平時の広報PR活動が見送られ、臨時対応も発生しやすいいま、例年にならったノウハウは活用しづらいかもしれません。
しかしながら、企業の新たな体制を発表したり、新サービスがローンチされたりと、なにかと情報を発信する機会が増えてくるこの時期を、前向きに乗り越えていくことも重要です。今回は皆さんの情報発信のヒントになるよう、 4月に注目すべきトピックスについてPR TIMES MAGAZINE編集部が考察していきます。
(PR TIMES編集部)
2020年4月の注目キーワード
4月のイベントやキーワードをどのように活用していけるのか、今回も事例をもとにご紹介していきます。
注目KWその1「エイプリルフール」
4月の「今日は何の日」で最も注目を集めるのが1日の「エイプリルフール」。老若男女、企業個人問わずユーモア溢れる「ウソ」が飛び交いますが、そもそもの語源などは諸説あり、明確なルーツは未詳のようです。
参考:エイプリルフールの由来や「嘘は午前中だけ」ルールの噂の真相とは?
日常にクスッと笑顔を与えてくれるような「ウソ」が昨今のSNSを中心に毎年大きな話題を呼びます。また、普段はお堅いイメージのある企業やクラス感のあるハイブランドなどが「エイプリルフール」を通じて遊び心のある仕掛けをしていると、途端に親近感が湧くなどある種のイメージアップを狙える機会でもあるのです。
当日24時間だけに有効な情報なので、事前に企画を練って素材を用意し、4月1日当日はプレスリリースなのかSNSなのか、どうアクションを起こすかが鍵となります。
大きな誤解を招いたり、人を傷つけるような情報はむしろ、大幅なイメージダウンになる可能性も十分あります。ときに「これって本当なの?」と真実かウソか即座には判断しかねる高度なネタを仕込むパターンもありますが、さり気なくも確実に真意が分かり、多くの人が楽しめるものであることが大切。実現できるかどうかわからない「夢」を思いきり語り、この日だからこそ伝えられる自分達の情熱を「4月1日」に乗じて読み手に届けてみるのも良いかもしれません。
自社らしい事業内容を絡めたものや、意外な切り口で攻めるもの、はたまた実現した未来に思わずわくわくしてしまうような夢の企画まで、ユーモアと想いを思う存分に発揮した情報発信にトライしてみましょう!
また、「エイプリルフール」は「ウソ」の企画や発表がメインではありますが、他の時節イベントと同様に関連商材を作り出す企業もあります。
<エイプリルフールに絡めた商品販売に関するプレスリリース例>
【ザ・キャピトルホテル 東急】ホワイトデー、エイプリルフール、イースターに彩を ~春のスイーツのご案内~
【オリエンタルホテル 東京ベイ】パティスリージャーナル 2020年 春号
外出を自粛されている方々へ、ご自宅でのお祝い支援を実施
エイプリルフールのプレスリリース活用事例はこちらから
注目KWその2「新生活」
春は出会いと別れの季節。とくに4月は新たな出会い・新たな生活をスタートさせる方も多いのではないでしょうか。「新入社」「新入学」と人生の節目ともなるような環境がガラッと変わる大きな変化から「新学期」「新クラス」「新年度」「新体制」など身近な範囲に訪れる変化まで様々です。
環境の変化は心境の変化にもつながるもので、「新生活」をキーワードにした意識調査も多く実施されます。「新生活」は新たな出会いも多いことから「見た目」に関するアンケートが特に目立ちますね。調査結果を基に企業のビジョンや商品コンセプトを改めて伝えることで、生活者から新たな認知と共感を得る機会とすると良さそうです。
<新生活に関連する調査系プレスリリース例>
新生活では明らかな“イメチェン”より“ちょいチェン”派が多数 約4割の女性が新元号が何かをはじめるモチベーションへの影響を示唆
<新生活の髪と第一印象に関する調査>春は出会いのシーズン!女子の第一印象を左右するのは!?男性が異性を選ぶポイント、トップ3発表!!
~約9割の人に訪れた朝のピンチ~4月8日はシワ対策の日!新生活で意外と見られている「シワ」とは・・・〜
4月は「新生活」に応じたキャンペーンやフェアなども頻繁に見かけます。生活用品や家具・家電から住居環境まで、「ひとり暮らしに必要な●●フェア」や「新生活応援キャンペーン」のように、ターゲットを絞った企画を展開しやすいのがポイントです。
「新生活」から連想される「引っ越し」や「送別会」「歓迎会」なども、この時期は多く見かけます。新たな生活をスタートするために、いつどんな行動をするのだろう、とターゲットの立場で考えると、最適な表現方法や配信タイミングが見えてくるでしょう。
また出会いと分かれの増加に比例し、「ギフト」の需要も高まります。季節の変化に応じた市場の変化や生活者の行動・気持ちの変化がどこまで読み取れるかが明暗を分ける時期となりそうです。
<新生活から連想し需要が高まるプレスリリース例>
“こんにちは。さようなら。それと、ありがとう。”3/7(木)~アフタヌーンティー・リビングが『THANKS GIFT』をテーマに春ギフトを提案
「新生活」をキーワードにしたプレスリリースは2月頃から配信が増え、3月にピークを迎えます。4月に入ると新たな生活環境に適応すべくアパレル商材やスキンケアなど美容に関するプロダクトが増える傾向にあります。時期が限定的かつピンポイントで明確だからこそ、タイミングを見極めて計画的にプレスリリースの準備を進めていきたいですね。
新生活のプレスリリース活用事例はこちらから
注目KWその3「パンの記念日」
みなさん、毎月12日は「パンの日」ということをご存知でしょうか?朝はごはん派VSパン派論争が沸き起こるほど、私たちの生活に欠かせないパン。食パンなどの定番ものからお総菜パン、菓子パン、サンドイッチなどバリエーション豊富な食べ物です。コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどでも手軽に購入できることから一時期は「パン屋離れ」も起こりました。
しかし、2018年ごろから、一本500円以上するいわゆる「高級食パン」ブームが到来しました。リッチな食感や限られた店舗でしか購入できないプレミア感など、従来の食パンとのギャップが受け、メディアでは「食パン専門店」の特集が相次いで報道されるなど、今なお続く食パンブームの時代に突入しています。
さらに新型コロナウイルスの影響や春の天敵「花粉症」などで外出が敬遠される今日では「イエナカ」需要も高まっています。種類も豊富で手軽に食べられシェアしやすい「パン」はイエナカグルメとも相性抜群です。
参考:岸本拓也さん×山野ゆりさん|【第1回】空前のブーム到来!『食パン専門店』に惹かれる理由とは?
参考:なぜブーム?高級食パン専門店続々出店中!ひと月おいしい究極の保存方法とは?
毎月12日の出来事なのに、なぜ4月のトレンドとしてご紹介するかというと、もともとは、日本のパン発祥の日である4月12日が「パンの記念日」だからです。「パンの日」は全国のパン屋がより一層のサービスに努めるよう、毎月12日に定められたものなのです。
参考:パンの日
パンフェアなどは頻繁に行われているものの、4月12日の「パンの記念日」を利用したPR施策はまだ少ないのが現状。ただし、昨今のパンブームは目を見張るものがあります。今後大いに活用されるかもしれない、要注目なキーワードであること間違いなし!
パンの日のプレスリリース活用事例はこちらから
2020年4月の広報PRはこう動くのがおすすめ
4月下旬に差し掛かるとあっという間にゴールデンウィークがやってきます。2019年4月の月間PR TIMESプレスリリースウォッチ総評!でも述べた通り、プレスリリース配信が増加する「月末の平日」が通常よりも数日早めに訪れます。
4月は「新生活」から5月の「ゴールデンウィーク」までは目まぐるしい一ヶ月となることでしょう。
また3月上旬が感染拡大のピークと言われていた新型コロナウイルスに伴う混乱は続きそうです。イベントなどの自粛ムードも続く可能性は高いですが、だからこそ社会全体を明るくできる情報も求められるはずです。
<編集/鈴木 碩子>
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