毎月の広報PRに役立つトレンド情報やイベントトピックスの活用についてお届けする、広報PRトレンドウォッチ。5月は気候も穏やかになりゴールデンウィークなど市場も活発になってきます。
2020年5月の広報PRでは、どんなトピックスを意識して動いていったらいいのでしょうか。情報発信されるみなさまのヒントになるような情報をお届けすべく、今回もPR TIMES MAGAZINE編集部が考察していきます。
大型連休や四季の変化を広報PRにどう活かす?
5月はゴールデンウィークからはじまり「みどりの日」や「こどもの日」「母の日」といったPRに活かせそうなキーワードも豊富にあります。
新型コロナウイルスによる外出自粛要請がどこまで影響を及ぼすか、今年のゴールデンウィークはイベントなどの提案はなかなか難しいかもしれません。しかし、市場や経済も低迷するときだからでこそ、日々の生活を見直すキッカケとなる記念日や季節の移り変わりが感じられるようなアクションは起こしていきたいですね。
今回も皆さんの情報発信のヒントになるよう、 5月に注目すべきトピックスについてPR TIMES MAGAZINE編集部が考察していきます。
(PR TIMES編集部)
2020年5月の注目キーワード
5月のイベントやキーワードはどのように活用できるか、今回も事例をもとにご紹介していきます。
注目KWその1「ゴールデンウィーク」
5月の始まりは4月から続く大型連休「ゴールデンウィーク」から迎えます。この連休は昭和23年に祝日法が施行されたことによって、4月末から5月頭の1週間に祝日が集まったのがはじまりです。
「ゴールデンウィーク」という呼称がついたのもはっきりとした由来は分かっておらず、日本映画界の造語であるという説や、ラジオの「ゴールデンタイム」から来たという説もあります。正式な名称ではないことからNHK(日本放送協会)では「大型連休」と呼んでいるようです。
また、以前は休日が飛び飛びになることが多く「飛び石連休」とも呼ばれていましたが、1985年の祝日法の改定で5月4日も休日となり連休になりやすくなったことから、現在では耳にすることも少なくなりました。
参考:日本文化いろは事典
ゴールデンウィークは泊まりで遠出するなど大掛かりな予定を立てる生活者も多く、事前の準備を必要とすることから、早い段階から情報発信すると良さそうです。年明けから関連プレスリリースが配信され始め、2月からほぼ毎日のように見かけるようになります。2月は1日1~2本ペースで配信されはじめ、3月から本格的に数が多くなり、4月にピークを迎えます。
比較的気軽に取り入れられる催し物などは、駆け込み需要を狙ってゴールデンウィーク直前や期間中にもアピールするなど、生活者の行動パターンを想定しながら情報発信できると良さそうです。
特にゴールデンウィーク序盤は、予約を要する交通機関に関するプレスリリースが多く、競合と差別化を図り自社サービスの特徴を色濃く出せるよう、調査結果を併せる構成がよく見受けられます。
<交通機関による調査を絡めたプレスリリース例>
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ゴールデンウィーク期間も対象 エクスペディアでホテル20%OFFキャンペーン開催
ゴールデンウィークが近付くにつれて、フェアやイベントなどのプレスリリースが増えていきます。地域団体などはゴールデンウィークのイベント情報をまとめた特設サイトをオープンすることも。
春休み・ゴールデンウィーク情報に特化した特設サイト「横浜の春 2020」がオープン!
ちなみに5月16日は、松尾芭蕉が奥の細道に旅立った日を記念して、1988年に日本旅のペンクラブより「旅の日」と提唱されました。「旅の日」の記念日を活用して混雑期を避けた旅行の提案など、5月の市場の盛り上がりが続くような提案もしていきたいですね。
ゴールデンウィークのプレスリリース活用事例はこちらから
注目KWその2「こどもの日」
ゴールデンウィークの終盤である5月5日は「こどもの日」。1948年に制定された国民の祝日で、「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」という意味が込められています。
「端午の節句」とも呼ばれますが、これは中国から伝わった風習で、男の子の節句として広まりました。本来は性別関係なくこどもの健康と成長を祝う日ですが、鎧や兜といった五月人形や鯉のぼりを飾るのは、端午の節句に習った風習と言えそうですね。5月のフレッシュで晴れやかな印象は、澄み切った青空に泳ぐ鯉のぼりも影響していることでしょう。
参考2:こどもの日、端午の節句とは?大切に伝えていきたい日本のしきたり
五月人形や鯉のぼりなど端午の節句にまつわるアイテムは、ターゲットも絞られ単価も安いものではないことから、購入頻度もそう多くはありません。加えて、現在では”モノ”より”コト”を重視する傾向にシフトしてきていることもあり、商品情報のみでなく意識調査や行事の由来を継承するような内容を添えたプレスリリースが多く見受けられます。
住宅環境の変化など調査結果を反映し、時流に合った施策を打ち出したプレスリリースもあります。このように調査結果を添えることで訴求力が増し、より時代にマッチした提案ができますね。
住宅環境の都合でこいのぼりを飾らない人が50%、それならホテルで「ミニこいのぼり」が京都の空を泳ぐのを見に来ませんか?
<意識調査などを絡めたその他のプレスリリース例>
「節句人形を飾ること」は実際に意味があるのか? 人形協会が子育ての専門家に聞いてみたところ、意外な事実が判明!
また、兜などこどもの日に関するモチーフを活かしたケーキやお菓子などのプレスリリースも多く配信されます。予約が必要なアイテムの場合は3月下旬から4月に配信しておきたいですが、食品系は駆け込み需要にも対応できるためゴールデンウィークに差し掛かる4月末から5月頭に配信できるのが特徴ですね。
<関連モチーフを活かしたスイーツに関するプレスリリース例>
ライオンのようにたくましく健やかに!こどもの日のお祝いに「ライオンケーキ」
お子様の成長をお祝いするフルーツ兜のケーキ!カフェコムサ「こどもの日限定ケーキ」発売
例年、こどもの日に向けて親子で楽しめるキャンプやイベントなど体験型の企画を催したプレスリリースも配信されますが、今年は新型コロナウイルスの影響もあり減少する見込みです。その分、お祝い気分を味わえるケーキやインテリアにもなる飾りなど、お家で楽しめるアイテムや企画の需要が高まる可能性があります。情勢や家庭環境などを考慮の上、自社ならではのお祝いを提案できると良いですね。
<昨年のこどもの日の体験型イベントに関するプレスリリース例>
【新宿プリンスホテル】レストランのお仕事を体験する「こどもレストラン」を開催
シャポー船橋×東武百貨店 ゴールデンウィーク特別企画!「キッズお仕事体験」を開催
トップカルチャー蔦屋書店サンクスデーで最高の思い出を!GWはご家族みんなでデンカビッグスワンへ!
こどもの日のプレスリリース活用事例はこちらから
注目KWその3「母の日」
「今日は何の日」のように日付に基づいて制定された記念日ではない行事も幾つかあります。そのひとつが5月第二日曜日に制定された「母の日」です。
起源には諸説ありますが、有名なのは「アメリカ・ウェストヴァージニア州で女性が亡き母を追悼するため、1908年5月10日にフィラデルフィアの教会で赤いカーネーションを配ったのが始まり」という説。その後1910年、ウェストヴァージニア州の知事が5月第二日曜日を母の日にすると宣言したことからアメリカ全土に広まり、1914年に正式に「母の日」と制定されたようです。
参考:母の日とは
母の日に贈り物を渡す風習は今でも続いており、定番は起源にもなっているカーネーションなどのお花ですが、近年は美容グッズなど実用品も主流です。ここでも調査結果などを用いて訴求性を高めたプレスリリースが目立ちます。想いを込めたギフトはどんなものでも喜ばれるもの。なぜ母の日ギフトとしてこの商品を生みだしたのか、各企業の想いも反映できると魅力がぐっと伝わりやすくなるはずです。
<母の日ギフトに関するプレスリリース例>
母の本音は、「エステ・美容グッズ」がほしい!「fracora ミラブル 母の日セット」の発売決定! ~2019年4月17日(水)より限定300個新発売~
あなただけのお母さんに贈る ラッシュ マザーズデイ 限定コレクション 2020年2月28日(金)より、販売開始
ギフトだけでなく感謝の気持ちを伝えるイベントも多数展開。昨今では「体験を共有する」場の需要が高まっています。有形商材を扱う企業でなくとも、感謝の気持ちを伝える機会を創設して積極的に提案できると良いでしょう。
<体験型の母の日ギフトに関するプレスリリース例>
おふろcafeなどを運営する温泉道場のグループ店舗にて「母の⽇100のありがとう⾵呂」を実施します
母の日、感謝を素直に言えない女子高校生へ。渡辺直美がエージェントとして「母への感謝」を代理で伝えます!SNS送付用動画『#母の日エージェント渡辺直美』5月9日(木)より公開!
今からでも間に合う!今年の「母の日」は、お母さんと一緒に“楽しい女子時間”を過ごす傾向に。
母の日のプレスリリース活用事例はこちらから
2020年5月の広報PRはこう動くのがおすすめ
ゴールデンウィークからはじまる5月は市場の盛り上がりが前半に集中しています。4月に新生活を迎えて気を張っていた疲れなどが溜まり、大型連休明けには「五月病」と呼ばれる症状が出るなど、経済や生活者の心情にアップダウンが見られる月でもあります。
連休を終えた2週目以降も大きな山場を迎えることなく6月に突入……など尻すぼみにならないよう、「今日は何の日」の記念日を活用したりして自らキッカケを作るなど能動的に動いていきたいですね。
「五月病」に加えて6月には「梅雨」というキーワードも出てくるため、5月中旬から下旬にかけては心身ともにリフレッシュできる情報発信がおすすめ。
新型コロナウイルスの影響によって昨年ほどアクティブな5月とはならないかもしれません。それでも、気候も落ち着き新緑を感じられる季節を利用して、気持ちの明るくなるような情報発信を心がけましょう。
<編集/岡 陽香>
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