【ローリスク・ハイリターン】プレスリリースの7つの効果とは?注意点・配信のコツ・KPIを紹介

代表的な広報活動のひとつである「プレスリリース」は、実は広報手段の中でもローリスク・ハイリターンであることをご存知でしょうか。この記事では、プレスリリースで得られる7つの効果を解説。さらに、注意点や配信のコツ、KPIもあわせてご紹介します。

プレスリリースを配信するとはどういうこと?

プレスリリースとは何?配信する意味・5つの効果を広報担当者が徹底解説」でも解説しているように、プレスリリースを配信する最大の目的は「自分たちの活動を広く知らせること」です

広報の現場では、自社の活動を新聞・テレビ・ニュースサイトなどの第三者に取り上げてもらい、社会での認知を広げます。そんな認知拡大のための最初のステップがプレスリリース。自社の活動について記したプレスリリースを見た記者・編集者・ディレクターなどのメディア関係者が、自社媒体の読者や視聴者に有益な情報をピックアップし、報道に繋がるのです。

プレスリリースとは

プレスリリースは、「press(=「新聞」や「新聞社」)」と、「release(=「発表」や「公開」)」を組み合わせた言葉です。本来は新聞やマスコミなどの報道機関に対して企業としての新しい情報を発表する行為自体を意味します。文書による発表がメジャーであることから、広報や報道の現場では発表のための文書そのものを「プレスリリース」と呼ぶことがほとんどです

また、プレスリリースに掲載する情報は新規に公開する情報であることが大前提。新商品の発売や新サービスの提供、過去の情報の刷新・改定など、新規性のある情報を発表するよう注意しましょう。

プレスリリースがメディアに取り上げられるまでの流れ

企業がプレスリリースを配信した後、どのような流れでメディアに取り上げられるのでしょうか。基本的な流れは以下の通りです。

  1. メディアに対してプレスリリースを送付
  2. メディアの記者もしくは編集者がプレスリリースを確認
  3. 読者に伝えるべき価値のある内容かを判断し、採用されれば記者が記事として執筆(※)
  4. 編集者が記事を修正・校閲
  5. メディアにて記事掲載

    ※テレビやラジオなどによる報道の場合は番組として放送される

ポイントは、プレスリリースを記事として取り上げるかどうかを記者・編集者が判断していること。そして、その判断基準は「読者にとって有益な情報かどうか」です。

また、記者のもとには日々、数多くのプレスリリースが届いています。多数のプレスリリースの中で目を引くための工夫として「自社らしさ」も加えられると良いでしょう。プレスリリースの書き方は、「【現役広報が教える】プレスリリースの書き方10のコツ・基本の5構成」で解説しています。

最新情報をチェックしている読者

プレスリリースを配信することで期待できる7つの効果

プレスリリースを配信することで、どのような効果が期待できるのでしょうか。例えば、メディアに取り上げられることで多くの生活者へ情報を届けられるほか、認知拡大だけでなく企業の信頼度向上に寄与することもあります。そんなプレスリリース配信による7つの効果を確認してみましょう。

効果1.メディアに取り上げられる機会を作る

プレスリリースの配信による最大の効果は、メディアへの情報提供を通じて報道の機会を作り、情報広く届けられること。メディアに取り上げられることで第三者のお墨付きが得られ、他メディアからの連続取材に繋がることもあります。1つのプレスリリースをきっかけに認知拡大を実現できたという成功例は数多いでしょう。

メディアで報道されるということは、各メディアの読者にとって価値ある情報として届けられるということ。記者の見解・解釈や、読者に対応した関連情報と合わせて報道されることもあります。それによって、広く届けられるだけでなく、信頼性のある情報として届けることができることも、広報活動におけるメリットです。

効果2.企業だけでなく生活者にも認知される

プレスリリースは、企業だけでなく生活者に直接読まれる「ニュース」としても機能します。

プレスリリースを配信してメディアに取り上げられた場合、生活者がその記事を目にしやすくなることは想像に難くないでしょう。さらに、昨今ではプレスリリース配信サービスも増えてきており、プレスリリースそのものが「企業発のニュース」として認識されつつあります。SNSでプレスリリースがシェアされ、そのリアクションが直接企業に届くケースも増えてきています。

つまり、プレスリリースは企業やメディアに向けての発信だけではなく、生活者に直接語りかけることのできる手段にもなり得るのです

効果3.顧客や取引先からの信頼度が高まる

自社のプレスリリースがメディアに取り上げられると、企業やサービスに対する信頼度向上に繋がります。これは、広告で露出面を獲得する際には得られない効果です。

メディアがその情報の価値を認め、場合によっては記者自身の考察やコメントが付与された状態で公開されることで「企業の一方的な発信」から「第三者が認めた有益な情報」として認識されるでしょう。そうした記事を普段から付き合いのある自社の顧客や取引先企業が目にすれば、会社そのものへの信頼度が高まります。

効果4.売上向上に寄与する可能性も

プレスリリースの配信によって、自社商品やサービスの売上向上に寄与する可能性があります。なぜなら、プレスリリースを継続的に配信することで、企業活動の姿勢や理念が伝わり、会社の知名度が向上していくからです。

企業や生活者は企業姿勢やブランドストーリーに共感し、自らの企業活動や生活を豊かにする消費行動をとります。つまり、商品やサービスの機能的価値よりも情緒的価値を大切にするのです。そうしたトレンドを押さえ、中長期的な視点でプレスリリース配信に取り組めると良いですね。

効果5.投資や業務提携などのきっかけとなり得る

プレスリリースは、投資家や提携先を探している企業など、常に情報を探している人の目に触れる機会が多いもの。メディアが取り上げるプレスリリースは基本的に新規性が高く、投資家や企業がいち早く情報をキャッチするツールとしても活用されています。それらの可能性も視野に入れながらプレスリリースを活用できれば、成長性や新規性に注目する投資家から思いがけない連絡が入る可能性もあります

また、プレスリリースによって事業の魅力や方針を知ってもらうことで、事業シナジーを感じた企業から業務提携の相談や交渉が入り得ることも効果のひとつです。

効果6.リクルーティング上の効果も期待

繰り返しお伝えしている通り、プレスリリースはメディア関係者以外の生活者も目にするものです。最近では、プレスリリースをきっかけに企業姿勢や活動を知り、転職を志すケースも少なくありません。

プレスリリースというと商品やサービスの紹介だけを行なうものだと考えてしまいがちですが、従業員の採用に繋がる可能性もあることを理解しておきましょう。

効果7.取材や登壇の引き合いが増える

1つのメディアに取り上げられたことをきっかけに、他のメディアからも連鎖的に取材依頼が舞い込むこともプレスリリースの効果のひとつ。また、取材のほかにイベントでの登壇を依頼されることもあります。

こうした取材や登壇もまた、企業の認知拡大や採用力アップに繋がるので、引き合いが増えても慌てることなく、一つひとつ丁寧に対応できると良いですね。

SNSから取材を依頼する画像

プレスリリースを配信するときの3つの注意点

企業やサービスの認知拡大や信頼度アップが期待できるプレスリリース。

では、プレスリリースの作成や配信を検討する上で知っておくべき注意点は何があるのでしょうか。あらかじめ把握しておくことで、広報担当者のスキルアップにもつながる3点をご紹介します。

注意点1.記事掲載に繋がるかはメディアが判断

プレスリリースを配信してすぐに効果を実感できる企業は稀でしょう。メディア関係者のもとには毎日大量のプレスリリースが送付されており、その中からピックアップされ記事掲載に繋がるには、ニュースになる新規性や独自性や社会性等の要素と、裏付けとなるファクトが必要であり、それを伝える文章や画像の作成、適切なメディアの選定と送付など様々なステップがあります。

プレスリリースは生活者が目にするニュースにもなり得ると上述した通り、配信すること自体に価値があります。しかしながら反響を得られてこそ認知が広がり、連鎖的に情報が流通していくことを考えると、やはりメディアに取り上げられる必要があるのです。「配信して終わり」ではなく、その先のメディア掲載を実現するための手間と工夫が勝負の分かれ目であることを認識しておく必要があります。以下にご紹介する記事を参考にしながら、ぜひ高品質なプレスリリース作成に取り組んでみてください。

【プレスリリース作成の参考記事】
【現役広報が教える】プレスリリースの書き方10のコツ・基本の5構成
【内容別】プレスリリースのテンプレート20選!無料で使えるWordの雛形

注意点2.記事の内容は自分で決められない

メディアがプレスリリースを取り上げる場合、プレスリリースに書いてある内容をもとに読者に向けたニュース記事を作成します。そこに企業が干渉することはできないので、誤解や誤認が生じないよう、事実に即した内容を適切で分かりやすく表現することが重要です。

大切なのは、広報担当者自身がプレスリリースは「宣伝」を目的とした施策ではないことを十分に理解することです。必ず掲載したい内容がある、あるいは掲載したいメッセージに指定がある場合は、適切な費用をかけて広告施策を実施することを検討するべきでしょう。

また、プレスリリースで正しい情報を発信していれば、プレスリリースの内容を誤った解釈をして報道されるリスクを減らすことができます。誤解が誤認が生じないプレスリリース作りは、自社を守る術にもなります。プレスリリースは公開した時点から数年先にわたって正確な情報を表明するツールとなるのです。

注意点3.誤表記・誤情報には細心の注意を

プレスリリースは、一度配信してしまうと取り下げや訂正が非常に難しいものです。「プレスリリースにおける誤字脱字のチェック方法・おすすめのツール・ソフト6選」でもご紹介しているように、メディアや消費者、社員、その家族など幅広いステークホルダーの目に触れるプレスリリースでの誤字脱字や情報の誤りは厳禁。

「誤情報」が生じてしまった場合、ステークホルダーからの信頼を損なうことにも繋がりますし、誤った情報がメディアに報道されてしまう可能性もあるのです。

情報の誤りには様々なリスクがあることを理解し、正確性の担保されたプレスリリースを配信しましょう。

プレスリリースの効果を最大限発揮するために行いたい4つのコツ

様々な効果が期待できるプレスリリースの配信ですが、ただ配信するだけでは貴重な機会を活かしきれない可能性も。メディアへの掲載や取材依頼といったチャンスを掴み、プレスリリースの効果を最大化するための4つのコツをご紹介します。

コツ1.目を引くタイトルを付ける

タイトルは、プレスリリースで最初に読み手の目に触れる最重要な要素。特に、日々数え切れないほどのプレスリリースを受け取っており、忙しい記者の立場で考えると、タイトルの時点で全く関心を持てないプレスリリースの本文まで読む時間をとることは難しいでしょう。そのため、プレスリリーのタイトルには「目を引く」ための工夫が書かせないのです。次のポイントを参考にしてみてくださいね。

【タイトル作成の7つのポイント】

  • 文字数を30文字以内にする
  • キーワードを最大3つ盛り込む
  • 本文の内容を正確に要約する
  • インパクトのある言葉選びで目を引く
  • 形容詞は使わない
  • 「!」や「!?」は使わない
  • 誇張のない言葉選びを心がける

参考:プレスリリースで目に留まるタイトルをつける7つのコツと注意点

コツ2.メディアが使いやすい写真を用意する

最近のプレスリリースで重要視されている要素のひとつが「視覚的な分かりやすさ」。また、プレスリリースの配信から時間を置かずに速報性のあるニュースを作るために、メディアは「使いやすい画像」を求めているのです。一般の生活者の目線でも、限られた時間の中で素早く情報を集めるために分かりやすい写真が重要性を増しています。

では、メディアが使いやすい画像とはどんなものでしょうか。「【プレスリリース用の画像編集】メディアに使ってもらえる画像を作る5つのテクニック」より、7つのポイントを抜粋してご紹介します。

【プレスリリース用の画像のポイント】

  • プレスリリースの主旨やストーリーが正確に伝わる画像
  • 公序良俗に反しない画像
  • ステークホルダーに理解される画像
  • メディアの視聴者や読者に刺さる画像
  • 十分なサイズ・解像度の画像

コツ3.自社らしいストーリーを組み込む

プレスリリースを作成するうえで、「なぜ今それを発信する必要があるのか」というストーリーを組み込むことを検討しましょう。コツ1でも解説したように、メディアの元には近しい情報のプレスリリースが多く届いています。数多ある情報の中から「独自性」が光るプレスリリースなら、価値の伝わる可能性がアップするでしょう。

独自性を付加するためには、「なぜ今なのか」「なぜその企業なのか」など、世の中のトレンドと自社の取り組みを結び付け、プレスリリースに組み込めるとベストです。

コツ4.取材依頼や問い合わせ窓口を整備しておく

せっかく反響の大きなプレスリリースを配信できたとしても、取材依頼や問い合わせに対応できる窓口が用意されていなければ意味がありません。配信の先にある取材や登壇依頼、採用、売上向上といった効果を確実に手にするためにも、窓口は予め整備してください

プレスリリース上に【企業情報/問い合わせ先(社名/住所/電話番号/メールアドレス/担当者名)】を必ず明記し、いつコンタクトがあっても良いように準備しておきましょう。

また、配信した直後にはメディアからの問合せが増える可能性があるため、電話やメールにスピーディーに対応できる体制を整えるようにしましょう。

メールで問い合わせをしている画像

KPIはどうする?プレスリリースの効果測定の方法

プレスリリースの配信において大きな論点になることが多いのが、効果測定の方法。何件の取材に繋がったか、どれくらいの問い合わせがあったかなどの定量的な指標ですべてを測ることが出来れば良いのですが、プレスリリースの効果には定性的な要素も少なくありません。ここでは、「効果を出せているか」「出せていないとしたらどう改善するのか」など、PDCAを回すために必要なKPIの設計や効果測定の方法を解説します。

1.メディア掲載・転載数

最も分かりやすい定量指標が「メディア掲載・転載数」です。プレスリリースは、様々なメディアに取り上げられたり、プレスリリース配信サービスを介して転載されたりします。その数をKPIとすることで、プレスリリースが認知拡大に寄与したかを計測するのです。どの媒体にどれだけ露出されたかを一通り把握することで、新たなメディアの存在に気付ける可能性もあります。

広報担当者としては、「掲載」と「転載」の違いは理解しておきましょう。「掲載」は、メディア関係者が読者に向けて能動的に記事を編集し紹介すること。「転載」は、プレスリリースと同一の内容が編集されずにそのまま掲載されること。どちらの露出でも自社の情報が紹介され、問合せに繋がる可能性のあることは共通しています。一方で、編集されるか否かによって、価値や伝わり方が異なる場合もあるでしょう。

参考:【PR TIMESノウハウ】効果測定の方法は?PV・ヒートマップ・分析データを確認しよう

2.独自のスコアリング

自社に関する何の情報がどれだけ露出されたかを点数化するスコアリングも、広報の効果測定の手法のひとつです。企業によって点数や点数化の詳細は異なるものの、【媒体ごとの点数】と【内容ごとの点数】を掛け合わせて1報道あたりのスコアを算出するのが一般的です

【内容ごとの点数】の例は次の通りです。これはあくまで一例で、企業の置かれている環境や目指す広報の姿によって異なるので、自社の状況に合わせてカスタマイズしてみてください。

  1. メッセージ(狙ったキーワードが含まれているか)
  2. オーディエンス(社会的動向や第三者の意見が入っているか)
  3. リーダーシップ(キーパーソンの発言がどれだけ入っているか)
  4. ディファレンス(数値等の誤りがないか)
  5. イメージ(写真や図が使用されたか)
  6. ポジション(記事中の自社の立ち位置はどこか)
  7. 報道ボリューム(文字数、記事の大きさ、放送時間)

3.広告換算値

広告換算値とは、プレスリリースを通して記事掲載(露出)に繋がった際の「同程度の露出を広告で獲得すると仮定した場合の広告費の参考値」のこと。前述のスコアリングとは違った視点で、金額に換算するとどの程度だったかという視点でプレスリリースの効果を評価する指標です。

ただし、広告金額換算はあくまで「コスト」の計算であって、プレスリリースの「価値」を計算する指標ではありません。効果測定の手法として取り入れることは問題ありませんが、「広告換算値だけ」を拠り所とせず、掲載数やスコアリングなどの他の指標と絡めて総合的に効果を判断するように注意しましょう。

参考:広報会議 広報が広告換算値を使うべきでない8つの理由

4.SNS波及

Twitter、Facebook、Instagramなど、SNSでどれだけ情報が波及したかも、プレスリリースの効果を測る指標になります。掲載・転載数やスコアリング、広告換算値といった前述の指標で測るのが「メディアの反応」だとすると、SNS波及で測るのは「生活者の反応」と言えるでしょう

メディアに取り上げられるプレスリリースを目指そう

ここまで、広報担当者なら必ず触れるであろう「プレスリリース」の効果や配信の際のコツなどをご紹介してきました。冒頭にもあるように、プレスリリースはローリスク・ハイリターンな広報手段。たった1つのプレスリリースが爆発的な情報拡散に繋がる可能性もあるのですから、活用しない手はありません。

目を引くタイトルや独自性のあるストーリーの工夫のほか、PDCAを回しやすい効果測定などの土台をしっかりと固めて、メディアに取り上げられるプレスリリースを目指しましょう。

この記事のライター

三寳 里菜

ライター・編集者。2013年、大学在学中に旅行系ITベンチャーに入社し、現在まで約6年にわたりコンテンツ責任者・広報・PR・組織開発を担当。それぞれのフィールドでの経験を活かして、「読みやすく、分かりやすく、伝わりやすいコンテンツ」づくりに取り組んでいます。ハウツーからイベントレポート・インタビューまで、様々なコンテンツ制作が得意です。

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