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たわわちゃんの活動再開。京都タワーが仕掛ける広報PR

日本有数の観光地である京都。まぎれもなくコロナ禍の影響を受けました。そのような中で京都タワーはどのようにお客さまと向き合い、乗り越えてきたのでしょうか。

タワー発の企画を仕掛ける、京阪ホテルズ&リゾーツ株式会社タワー事業部副部長の乾浩一さん、同社セールス&マーケティング部の上野環奈さんに伺いました。

京阪ホテルズ&リゾーツ株式会社の最新のプレスリリースはこちら:京阪ホテルズ&リゾーツ株式会社のプレスリリース

京阪ホテルズ&リゾーツ株式会社 タワー事業部副部長

乾 浩一(Inui Koichi)

大阪府出身。同志社大学法学部を卒業後、京阪電気鉄道株式会社(現京阪ホールディングス株式会社)に入社。不動産業、流通業、鉄道業をはじめ、新規事業など管理部門に従事。2021年7月より京阪ホテルズ&リゾーツ株式会社へ出向し、京都タワー展望室の運営や京都タワービル等の不動産賃貸業務を担当している。

京阪ホテルズ&リゾーツ株式会社 セールス&マーケティング部

上野環奈(Ueno Kanna)

京都タワー株式会社(現京阪ホテルズ&リゾーツ株式会社)に入社後、ホテル部門、京都タワー事業部門を経て、2017年より現部署に所属。京都の4つのホテルと京都タワーの企画・広報PRを行い、京都タワー関連のメディア取材対応やプレスリリース執筆を主に担当している。アニメタイアップが大好き過ぎて、次のタイアップを今か今かと待ちわびる日々。京都タワーから見えるおすすめの景色は「雨の日の夜景」。マスコットキャラクター「たわわちゃん」の後輩。

京都タワーの歴史と京都府民と企業との関係

昭和39年、京都の産業や文化、観光に寄与すべく設立

── 京都タワーの歴史を教えていただけますでしょうか。

乾さん(以下、敬称略):京都駅前の京都中央郵便局の移転が決まり、この跡地を産業・文化・観光の一大センターとして活用し、京都の進展に寄与するという財界挙げての思いが結集されて当社が設立されました。そして昭和39年、9階建てのビルの上に100メートルのタワーがのる建築物が完成。現在でも、京都の産業や文化・観光に寄与する施設でありたいと思っています。

── 京都府民に対してどのようにアプローチしているのでしょうか

乾:実は、京都タワー展望室にお越しになるお客さまは、京都観光に来られた方が圧倒的に多いです。地元の企業・団体さまとの取り組みや京都府在住の皆さまへのアプローチをしていますが、展望室まで足をお運びいただくことは少ないように感じています。

一方で、京都タワー展望室ではなく、タワーの下にあるビルには京都府のワクチン接種会場が入っているのですが、こちらも京都の産業に寄与する、という点を実現しているんです。

長く愛される京都アニメーションとのコラボ

── コラボレーションを目にしますが、京都の企業に対するアプローチはいかがでしょうか。

乾:京都府宇治市に本社を構える京都アニメーションさんとは、当社京阪グループの京阪電車の沿線を舞台にしたアニメ「響け!ユーフォニアム」で、7年ほど前からコラボレーションさせていただいています。そして昨年、京都タワーホテルと京都タワー展望室としても初めて、「響け!ユーフォニアム」とコラボレーションしました。ファンの方々を中心に、コロナ禍の中でもご宿泊、ご来塔いただき、この9月も新しいコンセプトルームを展開させていただくことになっているんですよ。

参考:【京都タワーホテル】響け!ユーフォニアム × 京都タワーホテル コラボルーム響け!リズと青い鳥ルーム 販売開始

── コラボは御社からの起案でしょうか。

乾:京アニさんとの取り組みは当社からのオファーになりますが、そのほかはオファーをいただくことの方が圧倒的に多いですね。例えば、京都タワーを背景にした映像撮影、京都タワー展望室からの映像収録など、メディアの方からたくさんいただきます。

上野さん(以下、敬称略):テレビ局の関係者の方からは、「京都タワーでこういう画が撮れたよ」と、横のつながりで紹介していただくこともあり、多くご活用いただいていると思います。また、ローカルテレビ局の方は何度もお越しいただいたり、新しい番組を担当される際にもお声がけいただいたりすることもあります。

京阪ホテルズ&リゾーツ株式会社インタビュー01

コロナ禍からの復活!さまざまな仕掛け

「たわわちゃん」の活動再開

── 広報PR活動を行う中で手応えがあったもの、力を入れたものを教えてください。

上野:京都タワーのマスコットキャラクター「たわわちゃん」に関することは反響が大きいですね。お出かけ情報、「節分の豆撒きに行きます」というようなイベント参加情報、お誕生日の発信なども、意外とYahoo!ニュースに取り上げていただいたりするんです。そんなに注目されるんだ、と驚いたことがありますね。

コロナ禍で少しお出かけを控えていたのですが、少し動けるようになってきたので、「たわわちゃん」をみなさんに周知する意味も含め、最近は積極的に配信を行っています。

── 新しく「たわわちゃん」と計画しているものはありますでしょうか。

乾:過去には地域連携も含め、地元への出演が多くあったのですが、ここ2〜3年は控えていたので、新たな施策を実施する前に以前の取り組みを復活させたい、というのが一番で、今少しずつ再開し始めています。

── やはり、コロナ禍の影響は大きかったんですね。

乾:そうですね。展望室については、臨時休業もしくは営業時間短縮を余儀なくされてきました。先程の「たわわちゃん」の活動もほぼ0(ゼロ)になりましたね。

また、展望室にのぼっていただくお客さまのおよそ2割は海外からの観光客の方。当然、コロナ禍においてはその方々は0になりますし、国内の観光客の方も大幅に減ってしまい、経営的には非常に厳しかったです。しかし、そんな中でも変化に対応しなければならない、ということで新しい打ち手を検討していきました。

当日販売を止めた「京都タワー元旦初のぼり2022」

── どのようなことを実施されたのでしょうか。

乾:コロナ禍の影響で国内旅行がしづらい時期には「オンラインツアー」で疑似体験していただけるプランを用意しました。

また、これまで行ってきた「京都タワー元旦初のぼり2022」も環境に合わせて変化させましたね。初日の出を見る早朝時間帯の企画ですが、これまではチケットを窓口にお並びいただき販売していました。それをWebで事前販売することにしたんです。この販売方法の変更は、常連の方からすると驚かれたのですが、入念にプレスリリースやSNSを通じて発信したことでしっかりお伝えすることができたかな、と思っています。

── これまでの京都タワー元旦初のぼりは当日チケット販売だったんですね。

上野:はい。前売りは一切なく、当日お並びいただいた順というものだったので、本当に早い方々は初日の出の数時間前から並ばれているんじゃないかと。ビルの周りにも列ができて、人で囲まれている光景がありました。

乾:お客さまの利便性も上がりましたし、真冬に朝早くから並ぶということがなくなったという意味では画期的だったかもしれませんね。

京阪ホテルズ&リゾーツ株式会社インタビュー02

新しい生活様式に合わせたテレワークプラン

── 新しい生活様式に合わせたテレワークプランの反響はいかがでしたか。

上野:実は、テレワークプランの前身のようなプランはあったんです。通常の客室を貸し出すデイユースプランだったのですが、ベッドを取り払ってテレワークだけに特化した部屋をつくろう、と話が挙がりました。そして、イケアコーディネートさんとニトリさんとコラボレーションさせていただいて、それぞれの家具をおいた部屋のプランを展開したんです。

リピーターの方が多く、男性は小上がりの畳スペースがある部屋、女性はリラックスるできるソファを置いた部屋のご利用が多いという傾向もあり、楽しんでいただけているな、と感じました。また、メディア関係者の方には取材と取材の間に使ってもらうなど、利便性を感じていただいているようです。

知名度アップと観光客への最大のおもてなし

── これから進めていきたいこと、仕掛けていきたいことなどあれば教えてください。

乾:まず、今取り組まなければいけないことは、インバウンド需要が戻ってきたときの準備です。観光で京都を訪れていただき、京都にお越しいただいた方が展望室にもおのぼりいただけるような取り組みを、まさに調査研究しているところです。

上野:私は、京都タワーの知名度を上げることです。全国的な知名度がまだまだなく、東京タワーさんほど知られていないんですよね。知名度を上げるべく、何か施策がないかなと思っているところです。

私の肌感覚ですが、お客さまにたくさんお越しいただき、SNSの反響も大きかったのは、タイアップイベントが多い印象です。作品のファンの方からのフォローが増えたこともあったので、そのような仕掛けをしていきたいと思っています。

京阪ホテルズ&リゾーツ株式会社

多くの観光客を迎える京都で、最初に目にする観光名所「京都タワー」。

京都の発展に寄与する一大センターとして設立され、誰もが知る存在になりながらも「知名度をもっと上げたい」と語る上野さん。そして、インバウンド需要が戻った際に、最大のおもてなしをするために調査研究する乾さん。

子どものころに一度はのぼったことがある方も、このお二人の話を聞くと、またのぼってみたくなったのではないでしょうか。

これからの京都タワーの新たな施策に注目です。

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この記事のライター

丸花 由加里

丸花 由加里

PR TIMES MAGAZINE編集長。2021年、PR TIMESに入社し、「PR TIMES MAGAZINE」、ご利用企業向けのコミュニティイベント「PR TIMESカレッジ」の企画・運営を行う。2009年に新卒入社した大手インターネットサービス運営会社では法人営業、営業マネージャーとして9年半、その後オウンドメディアの立ち上げに参画。Webコンテンツの企画や調査設計に携わる。メディアリレーションズを主とした広報を経て、現職。

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