世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス。これまで経験したことのない脅威に、影響が広がっています。企業活動においても様々な対応が迫られており、PR TIMESでも連日新型コロナウイルスに関連するプレスリリースが発信されています。
企業広報を担当する読者の皆さんの中にも、「何らかの情報発信を検討しているけれど、他社はどうしているのだろう…」と悩んでいる方が多いのではないでしょうか。今回は【各社に学ぶ!】特集と題し、新型コロナウイルス関連のプレスリリースの参考事例を解説していきます。一部広報ご担当者の方にもコメントを寄せていただきました。是非今後の参考にしてみてください。
PR TIMES MAGAZINE編集部は、有事のときこそ相互扶助を後押しするための情報をお届けしたいと考えています。プレスリリースにまつわる各社の決断と行動について、情報をお寄せいただける企業様は、是非こちらまでプレスリリース情報をご連絡ください。
新型コロナウイルス関連のプレスリリース4分類
1月中旬から本日に至るまで、PR TIMES上では新型コロナウイルスに関連する様々なプレスリリースが配信されています。 今回はプレスリリースの内容によって分類した以下4つの種類のうち、「リモート対応など働き方の変更に関するプレスリリース」について参考にしたい各社のケースをご紹介していきます。
- 中止・延期など非常時対応に関するプレスリリース
- リモート対応など働き方の変更に関するプレスリリース
- 困っている方々への支援(無償提供)に関するプレスリリース
- 意識調査などその他のプレスリリース
リモート対応など働き方の変更に関するプレスリリース
今回の新型コロナウイルスは人の密集が感染拡大の要因に繋がることから、在宅勤務やオンライン対応への切り替えが推奨され、様々な企業で導入されています。
①事実情報をもとに断続的に発信
いち早く在宅勤務に切り替えた事例として、GMOインターネットグループの発表は皆さんの記憶にも強く残っているでしょう。同社よりグループ全体の2週間の在宅勤務と強制帰国指示のプレスリリースが配信されたのは1月26日。1月24日から始まる中国の春節に備え、中国人観光客が多く訪れることが予想される3都市(渋谷・大阪・福岡)での在宅勤務を開始するというものでした。新型コロナウイルスの感染者が初めて日本人で確認されたのが1月29日ですので、非常に早い決断・発表であったことが分かります。
こちらのプレスリリースでは、GMO社が具体的にどのような対策を行うのか、プレスリリース冒頭に箇条書きで明記されています。合わせて同社の災害対策における考え方にも言及。東日本大震災の発生以降、全従業員による一斉在宅勤務の訓練を毎年定期的に行っていたことについて触れられており、今回の対応背景が伝わりやすい内容となっています。緊急時の情報発信の仕方だけでなく、日頃から危機管理として企業がすべき備えについても、とても学びの多いケースです。
また同社はこのプレスリリース以降も、状況に応じて日々対策をアップデートし、その都度積極的に発信をおこなっています。
2月7日(金)
【GMOインターネットグループ】新型コロナウイルス感染流行の長期化に備えた体制へ移行 在宅勤務の継続と、オフィス出社時の感染予防対策を拡充
2月25日(火)
【GMOインターネット】新型コロナウイルスの感染防止のため 全国の新卒および中途採用における選考をオンラインで実施
3月16日(月)
GMOインターネットグループ:在宅勤務体制開始から1ヵ月経過 長期化する在宅勤務の課題についてアンケート第2弾を実施
在宅勤務から出社を認める社員の条件や出社時の感染予防対策、採用選考のオンライン対応切り替え、長期化する在宅勤務の課題についてのアンケート結果公開など、いずれも新型コロナウイルスに関する企業対応としてお手本にしたい取り組みを定期的に発信しています。
また、取り組みのスピードや内容もさることながら、「その後どうなったのか」をオープンに公開していく姿勢は、企業対応の発信を検討する企業にとって、一歩踏み出す後押しになるのではないでしょうか。GMO社のプレスリリースの特徴は、どのような経緯・背景のもと取り組むのかを常に明記されている点。これは、インターネットインフラ事業に取り組む同社だからこそ、多くの人にとって有益な情報を提供したいという考えの現れのように感じられます。
有事の際の企業方針は意思決定次第、速やかに公開する(GMOインターネットグループ グループコミュニケーション部 グループ広報・IRチーム 広報担当 石井氏)
石井氏:GMOインターネットグループでは、新型コロナウイルスに関するグループの取り組みと関連リンク集を随時更新し、当社が判断材料としている情報や、当社の行動を公開しています。緊急時の対応は、これまでの準備や訓練などの有無がその判断や行動のスピードに影響します。当社は、どのような判断でこの対応を行っているのかを公表することで、1つの事例として、まだこうした取り組みをされていない企業様の参考になればという考えで公開しています。
有事に際しての企業の方針は、パートナー(従業員)を含めステークホルダーに影響するため意思決定次第、速やかに公開するという判断です。サービスをご利用のお客様に事情をご理解いただくとともに、働いているパートナーに会社の姿勢を示すためにも、社内外に向けた情報の公開は重要なことだと考えています。
https://www.gmo.jp/coronavirus/
②画像素材まで用意して配信
続いて、こちらも同じく在宅勤務を開始した際の株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワンさんのプレスリリースです。
1つ目の特徴は、在宅勤務導入に関するリード文の直後に、人のいないオフィスの写真を掲載していることです。実際に在宅勤務を導入しているイメージが写真を通じて具体的に伝わりやすくなり、より説明力の高いコンテンツとなっています。
2つ目の特徴は、在宅勤務導入に至った経緯について、時系列で詳細に言及されていることです。前年から緊急時に備えて在宅勤務導入への準備がなされていたことが分かり、判断のタイミングも明確です。
同社も先述したGMO社同様に、在宅勤務の延長と新卒採用活動のオンライン対応予定について2月23日にプレスリリースを配信しています。このプレスリリースには文末にnoteのリンクが掲載されており、在宅勤務導入までの経緯や、導入後の感想などに触れられています。
お取引先や関係者にも安心していただくために発信する( 株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン コーポレートデザイン部 松原氏)
松原氏:弊社のコーポレートカラーは赤です。赤い椅子や、赤い壁にロゴマークが描かれた執務エリアを選び、 人気(ひとけ)のないオフィスの様子を撮影しました。 全社一斉テレワークを実施している様子を伝えるのに最もふさわしく、視覚的にも「ディスカヴァー」ということが伝わりやすくなると考えました。
私たちが新型コロナウイルスに関する情報発信で気を付けていることは、ステークホルダーの皆様ならびに社員の健康を守ることが第一であるという前提を持つこと、その上で安定したビジネスを継続していくための発信を行うことです。
私たちは「直取引」という形態で全国の書店さまを訪問し、商談をするというビジネスモデルであるがゆえ、社員が感染することはもちろん、訪問先のエリアに感染を広めてしまうことがないように努めています。
今回、ノート型PCを準備するなどのテレワークの体制を整えてきたことを明らかにすることで、状況に応じて臨機応変に対応しながらビジネスを継続していることを伝え、お取引先や関係者にも安心していただきたいと考え、リリース配信をしました。
自社にとっての当たり前も誰かのヒントになる
新型コロナウイルスに関する中止・延期のプレスリリースは、今も連日配信がなされています。ひとつひとつのプレスリリースには、その会社ならではの決断のストーリーがあるでしょう。自社にとっては当たり前のことでも、誰かにとって有益なヒントになるかもしれません。様々なケースを参考に、今後の対応発表も是非検討してみてください。
新型コロナウイルスに関する何らかの情報発信について、プレスリリース情報(背景にある決断のポイントなど)をお寄せいただける企業様はこちらまでご連絡ください。
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