ひとりでも多くの人に自社のプレスリリースに興味を持ってもらうには、季節のイベントやトレンド情報の活用は欠かせません。
自社の情報にタイムリーな話題が加わることで、「なぜ今この商品がおすすめなのか」といったニュース性をアピールできます。注目度が上がれば、メディア関係者はもちろん、生活者に届く可能性も高まるでしょう。
本記事では、「クリスマス」をピックアップ。年間イベントの中でも活用できる企業が特に多いビッグイベントです。重要なステップを解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
クリスマスをプレスリリースに活用するSTEP
イベントが目白押しな冬の中でもクリスマスは特に認知度が高く、幅広い世代の人々が多様な過ごし方を検討しています。
多くの企業がクリスマスに関連した新商品や新サービス、キャンペーンを準備している中で、自社の情報をより多くの人に届けるにはどうしたらよいのか、頭を悩ませている広報PR担当者は多いのではないでしょうか。
そのような悩みにお答えすべく、「クリスマス」を活用したプレスリリースの作成について解説します。
基本の8ステップは以下です。

基本となるステップについては以下のこちらの記事で解説しています。参考にしてみてください。
画像素材にこだわる
プレスリリースは内容が重要なのはもちろんですが、プレスリリースで使用する画像は他社との視覚的な差別化を図るのに大いに役立ちます。
画像素材はクリスマスを感じさせる季節感があるものだけでなく、公開するプレスリリースの内容と相違がなければクリスマスらしくなくても問題ありません。自社のカラーやプレスリリースの内容を表現しているのであれば、人々の目を惹く魅力的なプレスリリースになるでしょう。
イメージが膨らむような画像
文字では伝えきれない魅力も、画像ならイメージしやすくなります。商品だけを写した画像のほか、その商品を使用している「シーン」の画像も用意しておくとよいでしょう。「この商品・サービスでどのような体験ができるのか」「どんな使い方が便利なのか」を視覚的に伝えると、読み手はより具体的に使用イメージを思い描くことができます。
<商品を使用しているシーンの画像を用いたプレスリリース例>
プレゼントにぴったりなメンズスキンケアを紹介したプレスリリースで、豊富な写真を掲載。アパレル商品のデザインはもちろん、ポーチなどは手も添えてサイズ感を伝えています。
参考:男性へのクリスマスやバレンタインのプレゼントに!アウトドア派のメンズスキンケア「KHAKI」ギフト向け新商品限定販売
ルームウェアでありながら、多様な着用シーンを想起させるユニークなプレスリリースです。メンズ・レディースはもちろん、キッズ向けやペット用アイテムもモデルの着用写真で紹介しています。
参考:【gelato pique (ジェラート ピケ)】ぬくもりに包まれる、特別なホリデーシーズンを彩るルームウェア!選ぶ時間も楽しい、バリエーション豊富なHOLIDAY COLLECTIONを公開
なお、広報PR担当者自身が画像を用意する場合は、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。
メディアが使いやすい画像素材
上記のように生活者のイメージを喚起する画像は重要ですが、その画像が必ずしもメディアにとっても有用とは限りません。メディアによってマッチする画像は異なっていたり、掲載できる画像の基準が決まっていたりします。複数パターンの基準が満たせるよう、豊富な素材を用意しておきましょう。
<用意できるとよい画像種類の一例>
- 世界観を作り込んだ華やかな画像
・商品のイメージカラーを背景にする
・ロケーション撮影で商品イメージを全体に投影させる
・設定したペルソナと親和性の高い小物を添える - 商品が見やすいよう単色背景の商品単体の画像
- 同一シリーズで展開した類似商品も並べた画像
- アピールポイントに焦点を当てた寄りの画像
- 商品開発に携わった人の画像
- 購入・利用者の画像
<世界観を作り込んだ華やかな画像を用いたプレスリリース例>
ディズニー作品をモチーフにしたクリスマスプレートを紹介したプレスリリース。食事メニューだけでは伝わりづらい写真を、飾り付けなどを豊富に活用することでクリスマス・作品両方の世界観を演出しています。
参考:忙しい「平日クリスマス」はディズニーシリーズのミールキットで手軽に華やかに演出! Kit Oisix「<アナと雪の女王>クリーミーボロネーゼ」販売(11/6~)
プレスリリース全体の写真背景を赤色に統一し、クリスマスのキャンペーン期間ならではの雰囲気を演出しました。参考:ファミリア「Christmas Collection 2025」ホワイトクリスマスがテーマの新作ツイードアイテムが登場!
赤色・白色を貴重に、ポインセチアなどクリスマスの世界観が存分に感じられる小道具を活用。ブーケをはじめ、花の商品に合った演出が魅力的です。
参考:【青山フラワーマーケット】クリスマス限定商品を発売!おうちに灯す、花と緑のあたたかさ。
赤色や緑色といった明瞭なカラーデザインではなく、雪景色を思わせる構図が特徴。素材にこだわり、「雪化粧」をイメージしたコンセプトにもぴったりな世界観です。
参考:【冬季限定】“白雪のマロンテリーヌ” クリスマスを彩る大人のためのスイーツ 12/1新発売
上記の例以外でも、パッケージ有り・無しの画像も用意しておくと商品の外観や内容がよりわかりやすくなるためメディアは活用しやすいでしょう。
<パッケージ有り・無しの画像を用いたプレスリリース例>
冬ギフトのスイーツを中心に紹介したプレスリリースで、パッケージと中身がわかる写真を数パターン掲載。鍋セットなどパッケージが撮影しづらい商品は、調理イメージをビジュアルで伝えています。
参考:【紀ノ国屋の冬ギフト2025】特別な日には 贅沢の極み
ピスタチオのケーキをイメージしたクッキーを紹介したプレスリリースで、クッキーとパッケージそれぞれの写真を並べて掲載。2個入り・6個入りと内容量によって異なるパッケージがわかりやすく伝えられています。
参考:Cake.jpの東京土産ブランド「BAKE SHORTCAKE」から新商品「TOKYO PISTACHIO COOKIE」を11月7日より全国178店舗のロフトで順次発売開始
なお、メディアによっては「文字入りの画像は掲載しない」というルールを設けている場合があります。そのため、テキストなしの画像を用意しておくのもおすすめです。
プレスリリースで発表する内容に根拠を示したい場合は、グラフやデータの画像も用意しましょう。グラフやデータは客観的な事実を伝えるのに便利です。プレスリリースに挿入することで、情報全体の信ぴょう性が高まるためメディアが活用しやすくなるはずです。
以下の記事ではメイン画像を選ぶポイントと惜しいメイン画像の特徴を紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
情報収集して傾向をチェック
数年前までは、クリスマスは外食や小旅行、大規模なパーティーに参加するといった楽しみ方をする人も多かったかもしれません。しかしここ数年で生活者の行動様式は変化しています。
クリスマスをどんなふうに、どこで過ごしたいのかといった生活者のニーズを把握し、提案するための傾向や対策をチェックすることは重要なポイントです。

情報を集めて傾向を捉える
新型コロナウイルスが流行した2020年以降はいわゆる「おうちクリスマス」が主流でしたが、規制緩和から数年が経過した20254年現在はイベントを楽しむ人も増えています。
一方で、アクトインディ株式会社が2025年9月に429人を対象に実施したアンケート調査によると、「家族で自宅でパーティーをする」「クリスマスインテリアを楽しむ」といった声も多数見られました。
参考:発表!クリスマスの過ごし方ランキング2025(ファミリー編) おうちも、おでかけも楽しむスタイル定着 体験予算は1世帯あたりは〇万円/いこーよファミリーラボ調査
このような時流を見ると、クリスマスならではのイベント企画で外出を促すのはもちろん、自宅での時間を楽しむ過ごし方という点からもアプローチできるでしょう。意識調査のほか、インターネットの検索結果なども併せたうえで、クリスマスと自社プロダクトを結びつける計画を立てることが大切です。
<検索キーワード例>
「クリスマス トレンド」「クリスマス 傾向」
「クリスマス 過ごし方」「クリスマス 楽しみ方」
「クリスマス 宿泊」「クリスマス 旅行」
「クリスマス プレゼント」「クリスマス プレゼント 自分」
「クリスマス 自宅」「クリスマス おうち」
「クリスマス レシピ」
生活者の声を聞く
自社の顧客を対象にアンケートを実施するのもひとつの方法です。生活者のニーズが把握できるためアプローチ方法が明確になります。また、数字で表すことで説得力が増すのもメリットです。生活者とのコミュニケーション機会にもなるため、ぜひトライしてみましょう。
なお、アンケートを実施する際は以下の点に注意が必要です。
- 個人情報を取得する場合:
取得する個人情報の利用目的や利用範囲などについて十分な説明を行い、アンケート協力の承諾を得なければなりません。個人情報は企業や団体が定めるプライバシーポリシーにのっとって厳格に取り扱いましょう。また、詳細の確認が必要になったときの連絡先については、メールアドレスのみを聴取するなど、取得する個人情報は必要最低限に留めることも重要。個人情報を慎重に扱うことはもちろんですが、常に漏えいリスクも念頭に置いておくことが大切です。
- 個人情報を取得しない場合:
個人情報を取得しないアンケートについても、統計的に処理し個人を特定できるデータは公開しないなど、アンケート結果の取り扱い方法を説明しましょう。また、回答はプレスリリースで「お客様の声」として公表することがあるなど、公開方法についても説明し、同意のうえで回答してもらう必要があります。
<あわせて読みたいPR TIMES MAGAZINEノウハウ記事>
調査リリースを作成するための調査方法・調査の流れとは?知っておきたい注意点まで解説
調査リリースとは?書き方・作成の3つのポイント・事例など基本事項を確認しよう
【個人情報保護法】2022年施行の改正内容と企業が知っておくべきポイントをわかりやすく紹介
2025年はクリスマスイヴ・当日ともに平日
先に紹介したように、2025年は外出派が一定数いる一方、家族や友人たちと自宅で過ごすことを望む人も多いといえます。さらに、2025年は12月24日が水曜日、25日が木曜日と「平日クリスマス」の年です。
社会人は特別な時間を過ごす人も少なくなると予想できるため、曜日を踏まえた切り口を検討してみてもよいでしょう。生活者の気持ちを汲み取ったアプローチは需要に沿った供給となり、訴求力も高くメディアからの注目が高まる要因となり得ます。
ペルソナをイメージ
クリスマスは多くの人に馴染み深いイベントであり、関連する業種やアイテムも以下の通り、多種多様です。
- クリスマスツリーやリースなどの飾り
- クリスマスパーティーの料理
- ケーキをはじめとした伝統的な世界各国のクリスマス関連のお菓子
- クリスマスソング
- クリスマスプレゼント
- クリスマスを体感できるイベント・ツアー
クリスマスに関連する商品・サービスが多いということは、それだけ競合も多いということになります。
各社が新商品を打ち出すなか自社の情報が埋もれてしまわないよう、アプローチ対象を明確にしておくことも大切です。自社の情報を誰に一番届けたいのか、顧客層をイメージしながらペルソナを設定してみましょう。
<ペルソナ設定の例>
- 田中英子
- 34歳
- 女性
- 会社員
- 都内在住
- 夫(36歳)、長女(5歳)、長男(3歳)の4人家族
- 映画鑑賞が趣味で昨年からNetflixを利用している
- 通勤時間はInstagramの美容系や料理系のアカウントをチェック
自社サービスや商品を英子さんに利用してもらうには、どのような情報を発信すればいいでしょうか。今年ならではの傾向、クリスマスの由来などを加味し、どのような切り口で提案すべきか道筋を決めていきましょう。
<ペルソナへの提案例>
1.クリスマスディナーを自分で作りたいが、全品手づくりできるほど時間と労力が足りない
→平日のクリスマスでも、手軽な下ごしらえで本格的な食事を楽しめるディナーキットを提案。
参考:料理家・arikoさんと作る手軽でとびきりおいしい 秋川牧園づくしのクリスマスディナーキット発売 レシピライブ配信開催
2.クリスマスはホテルで特別な時間を過ごしたい
→プライベート空間で2人だけの時間を贅沢に楽しめるディナー付き宿泊プランを提案。
参考:【ホテルグランヴィア岡山】1日5室限定!特別な夜を二人だけの空間で「聖夜のプライベートディナー付宿泊プラン」を販売
3.子どもとクリスマスの思い出を作りたい
→小学生でも簡単に楽しめる、卓上ミニツリーのワークショップを提案。
参考:【梅小路ポテル京都】~手作りの温もりを添えるクリスマス~「大人も子供も簡単!ミニツリーワークショップ」
4.自分へのご褒美にクリスマスの豪華な食事を楽しみたい
→鳥羽湾の景色を眺めながら、「クリスマス」をテーマにしたアフタヌーンティーで自分へのご褒美を提案。
参考:【鳥羽国際ホテル】サンタクロースやトナカイ、ツリーなど勢ぞろい! ~自分へのご褒美“クリスマスアフタヌーンティー”~
提案の内容や切り口、言葉選びは、商品やサービスのペルソナ像によって変化を伴うものです。
プレスリリースは、本来メディアに向けたものですが、近年では生活者が直接目にすることも増えています。情報をしっかり届けるためにペルソナを意識し、表現の細部までこだわりましょう。
由来や現代を調べる
クリスマスの由来や、現代における意味合いを知ることで、具体的な広報PR施策を企画できることもあります。
歴史も古く世界的な行事は、国や地域によって風習が異なったり時代の流れによって新たな親しまれ方に変化したり、調べることで意外な発見があるものです。地道なリサーチではありますが、本来の意味や由来、新たな側面を見いだすことは、トレンドを活用した情報発信をするうえで、土台となる基礎知識となります。
自社の情報を発信する際に、関連するキーワードの基礎知識がアイデアの泉となり、独自の切り口を作り出す手助けになります。ついつい省いてしまいそうな地道な作業こそが大切です。
参考:クリスマス(12月25日)|意味や由来・広報PRに活用するポイントと事例を紹介
今年の傾向を把握し適切なペルソナを設定して必要な人に情報を届けよう
ここ数年でクリスマスの過ごし方は多様化しています。今年のクリスマスはどのようにして過ごす人が多いのかを把握することで、自社プロダクトにつなげる企画を立てやすくなるでしょう。
自社情報の発信は、その情報を必要としている人に届けて相手の生活を豊かにすることにつながります。しっかりとした下調べをすれば、誰に何を届けたいのか明確になるはずです。念入りな準備と適切なペルソナ設定を実施し、自社ならではのオリジナリティのあるクリスマスを提案しましょう。
<編集:PR TIMES MAGAZINE編集部>
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