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【トレンド徹底活用術 vol.29】インフルエンザ編:今年の傾向を捉え訴求すべき最適な情報を考えよう

自社の情報が詰まったプレスリリース。より多くの人に興味を持ってもらうためには、プロダクトの新情報をまとめるだけでなく、時節やトレンド情報もうまく活用したいところです。時節やトレンド情報を交えることでプレスリリースの注目度が上がり、メディア関係者だけでなく、生活者にも情報が届く可能性が高まります。

本記事では「インフルエンザ」をピックアップ。家庭用医薬品や風邪予防グッズなどを取り扱う企業の方は特に活用しやすい情報です。プレスリリース作成に重要なポイントを解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

「インフルエンザ」をプレスリリースに活用するSTEP

空気が乾燥した冬の寒い季節に流行するインフルエンザ。特に今年から来年にかけての冬は、インフルエンザと新型コロナウイルスの同時流行が懸念されています。そうした中で「どのような予防対策が有効なのか」「感染した場合はどうしたらいいのか」など、多くの生活者に不安や迷いがあるのではないでしょうか。

インフルエンザなどのウイルス対策や予防グッズを販売する企業にとっても、「どのような情報を、どのように届けたらよいのか」「どのようなタイミングで情報を発信したら効果的なのか」など、プレスリリース作成において悩む点もあるでしょう。

そのような悩みにお答えすべく、「インフルエンザ」を活用したプレスリリースの作成について解説します。

基本の8ステップは以下です。

トレンド活用術8ステップ

基本となるステップについては以下のこちらの記事で解説しています。参考にしてみてください。

情報収集して傾向をチェック

インフルエンザは気温が下がり、空気が乾燥する冬を中心に毎年流行しますが、年ごとの変化はあるのでしょうか。まずは、今年ならではの傾向を調べることが重要です。

プレスリリースをチェック

さまざまな角度から今年ならではの傾向を捉える

その年によって流行する時期にも若干の変化がありますが、基本的にはインフルエンザの罹患者は冬に集中します。厚生労働省では毎年9〜4月にかけてインフルエンザの発生状況を資料として公表しているため、「今年は〇月頃から罹患者が現れ始めており、昨年よりも感染者が増加しそうだ」「今年の〇月は昨年よりも罹患者が〇%少ないので、流行の規模は小さくなりそうだ」などある程度の予測を立てられます。

Googleトレンドを活用し、人々がどのタイミングで「インフルエンザ」に関心を持つのかを知ることも大切です。

ここ1年ほどの「インフルエンザ」のネット検索数の推移を見てみると、夏の終わり頃から徐々に人々の関心が高まりはじめ、10月後半〜11月中旬にかけて検索数のピークを迎えています。今年の傾向に関する情報と組み合わせることで、生活者がインフルエンザについて検索する頃には、自社からの有益な情報を提供することが可能です。

また、2023年は新型コロナウイルスによる行動規制が緩和されたため、2024年にかけてインフルエンザが流行しやすいと考えられています。

参考:インフルエンザの発生状況(厚生労働省)
参考:令和5年度 今シーズンのインフルエンザ総合対策について|厚生労働省

今年ならではのインフルエンザの傾向を予測することで、プレスリリースの配信スケジュールを最適なタイミングで立てることができるはずです。併せて、自社プロダクトにおいてどのような情報を添えたら訴求力が高まるのか、生活者にどのように伝えたらいいのか、なども検討していきましょう。

<調査を踏まえて発信したい情報例>

  • いつ頃からインフルエンザ予防が必要なのか
  • 昨年は何月頃からインフルエンザが猛威を振るっていたのか
  • 昨年と比較して今年はどの程度の流行が予想されるのか
  • インフルエンザと同時流行が懸念されるほかのウイルスはあるのか
  • (自社の情報発信が9月以降であれば)現在はどのような状況なのか

調査の結果をもとに、「既に流行しているから注意しよう」なのか「今のうちに予防しよう」なのか、生活者に呼びかける内容も変わってくるでしょう。

こちらのプレスリリースは、インフルエンザが猛威を振るっていることを踏まえて、有効な対策について動画公開情報とともに発信しています。

生活者の声を聞く

需要に沿った情報発信をするためには、自社の顧客を対象にアンケートを実施するのも一案です。インフルエンザに対してどのような意識を持っているのか、生活者の声に耳を傾けることで、ニーズにマッチした訴求方法を検討できるはずです。また、調査結果は数字で表すことができるのでプレスリリースにも説得力が加わります。今回はタイミングが合わなかったという場合は、次回に活かせるよう、ぜひ参考にしてください。

<調査項目の例>

  • インフルエンザへの予防や対策を行っているか
  • インフルエンザへの予防や対策はいつごろから行っている、もしくは行う予定か
  • ほかのウイルスの感染拡大を受けてインフルエンザへの意識の変化はあるか

調査結果をプレスリリースで発表したり、プレスリリース内で引用して紹介したりといった活用ができます。人々がインフルエンザについて関心を高める11月初旬頃には結果を公表できるよう、10月頃までに調査を行うとよいでしょう。

<インフルエンザに関する意識調査の例>
インフルエンザと新型コロナのワクチン接種にスポットを当て、感染症対策の意識が高まるシーズンならではのアンケート調査を実施しています。
参考:ワクチン接種に関する意識調査アンケート結果お知らせ | 株式会社ヒューマンリンクのプレスリリース

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ペルソナをイメージ

プレスリリースの作成では、ペルソナ設定が重要です。対象者によって要点の届け方や画像の見せ方も変わります。自社プロダクトを誰に届けたいのか、どのような人がこの情報を必要としているのかを整理して設定しましょう。

また、自社のプロダクトを明確に必要としている生活者だけでなく、視野を広げ、一見情報を必要としていない潜在的ステークホルダーについて考えることも大切です。情報発信の表現や届け方など細部に工夫を施すことで、時には思わぬ層にも需要を感じてもらえる可能性もあります。

届けたい情報を以下のように整理し、ペルソナを設定します。

  • インフルエンザ予防を目的とした人に向けた情報なのか
  • インフルエンザにかかった人に向けた情報なのか
  • インフルエンザ以外のウイルスを意識する人にもインフルエンザ予防を啓蒙する情報なのか
  • インフルエンザを意識していない人にも気づきを与える情報なのか

ペルソナが設定できたら次はどのような提案の仕方がベストなのかを考えます。対象者によって届け方・見せ方は異なるため、自社プロダクトの提案内容や切り口、表現など、ペルソナに合わせたプレスリリースの作成を心がけましょう。

<ペルソナごとの提案例>

①インフルエンザとほかのウイルスの同時流行を不安に感じており、予防策を知りたい人
→アンケート調査で収集した感染対策の意識レベルをもとに、医師が心がけている「免疫対策のポイント」「免疫対策に有効な栄養素」を提案
参考:意外と知らない! 免疫対策の正解感染症に詳しい医師が“実際に意識している”免疫対策

②スムーズに医師の診察を受け、早期治癒に努めたいインフルエンザ罹患経験者
→オンライン診療・服薬指導のサブスクの新プラン提供開始をきっかけに、月2回以上の利用でお得になる月額サービスを提案
参考:オンライン診療・服薬指導アプリ「SOKUYAKU」のサブスク「SOKUYAKUプレミアム」提供開始

③ウイルスにはマスクが有効だとわかっているものの、マスク装着を不快に感じている人
→顔の輪郭にフィットする3D設計マスクの販売数1,000万枚突破を記念し、大口注文にも対応した定期便プランを提案
参考:【新サービス】延べ1000万人が選んだ快適さ!ふわふわうさちゃん3Dマスクの新定期便サービス開始 | スリーアール株式会社のプレスリリース

④ウイルスの流行は不安だが、行動制限のない2023年末は忘年会を開催したい
→感染症リスクを回避しながら、年末シーズンのイベントに適したファッションコーディネートをオンラインでサポートしてもらえるサービスを提案
参考:Changing Me、多忙な年末年始をスマートに乗り切るオンラインコーディネートを刷新 | 株式会社寿五郎のプレスリリース

また、「スリランカ最古の紅茶ブランドから、5つの産地の単一茶葉の飲み比べが楽しめるティーバッグセットが2023年12月1日に新発売!乾燥や寒さが厳しいこの季節に、一級品の紅茶でほっこりは、自社で取り扱う紅茶に関するプレスリリースですが、インフルエンザなどのウイルス感染予防に有効な紅茶成分について触れています。感染対策や冷え性対策、疲労回復などを意識していた人に、さまざまな面から気付きを与えた事例です。

基本知識を調べる

プレスリリースを作成するにあたって、インフルエンザとは何か、風邪との違いは何か、など基本となる知識を理解することも大切です。

医薬品を扱う企業では、常に専門的な知識の提供を心がけていることも多いでしょう。マスクやティッシュなど身近な消耗品を扱う企業は、インフルエンザが流行る時期に特に需要が高くなることも。改めて正確な知識を学ぶことで、情報を正しく発信しやすくなります。

調べた情報を箇条書きで整理

プレスリリースを作成するにあたって、自社プロダクトの優れた特徴をまとめるだけでなく、情勢下におけるメリットについても的確に伝わるようにアピールポイントを整理しておくとよいでしょう。

例えば次のような社会の動きを捉えた場合、どのようなアピールポイントが挙げられるかを見てみましょう。

<社会の動き>

2020年から2022年にかけてはコロナ禍によってマスク着用が徹底されていたほか、まん延防止等重点措置などにより、複数人数が集まることを避ける傾向にあった。そのため、インフルエンザ罹患者が減少したという説がある。

しかし、2023年5月に新型コロナウイルスが5類感染症へ移行され、インフルエンザは例年よりも早い夏ごろから流行しはじめた。マスクを着用しない人が増え、国からの行動制限喚起もなくなったため、再びインフルエンザウイルスの感染拡大や新型コロナウイルス、その他感染症の同時流行が予想されている。

<アピールポイントの例>

  • マスク着用がウイルス予防に有効であることを述べ、自社商品が不快感の少ないマスクであることをアピール
  • 加湿がウイルス対策に効果的であることを伝え、自社商品の加湿器がオフィスデスクに設置できるサイズであることをアピール
  • イベントを楽しめるよう、スタッフのマスク着用や空気清浄機の設置による換気などでウイルス対策を徹底している店舗であることをアピール
  • 大人数が1ヵ所に集中しないよう、時差プランや個室の用意があることをアピール

アピールポイントに活用できそうな情報は、インターネット検索やSNS、意識調査など多方面から集めることが大切です。また、新たな切り口を探す際は、無理やり関連付けていないかも注意。社内の第三者にも目を通してもらい、違和感がないか、納得感があるかを確認してもらいましょう。

プレスリリース作成にあたって注意すべき点

「インフルエンザ」に関する情報をプレスリリースに活用する場合、法律に抵触しないように注意しなければなりません。第一に挙げられるのは「薬機法」です。「薬機法」とは、「医薬品」「医薬部外品」「化粧品」「医療機器」「再生医療等製品」の品質と有効性および安全性を確保するため、製造から販売、市販後の安全対策まで一貫した規制を行い定められている法律です。

薬機法では、事実に反する虚偽の表現や誇張した表現で、生活者に誤った認識を与えることを禁止しています。そのため、プレスリリースの作成にあたって、表現の仕方や選ぶ単語などには注意が必要です。

また、薬機法以外にも「景品表示法」「医薬品等適正広告基準」「特定商取引法」など確認・意識しておきたいルールは多岐にわたります。

医薬品などを扱う企業はもちろんですが、そのほかの製品を扱う企業においても「インフルエンザ」に絡めたプレスリリースを配信する場合は、読み手に誤解を与える表現になっていないかなど必ず確認しましょう。

参考までに、PR TIMESでは配信することができないプレスリリースの表現例をいくつか紹介します。

効能効果・安全性を保証する表現
例:「これさえあれば」「安全性は確認済み」「赤ちゃんにも安心」など、性別、年齢などを問わず効能効果の確実性や安全性を保証するような表現

効果効能や安全性に関する最大級表現
例:「最高の効果」「ほかにはない効果」「絶対安全」などの表現

効果効能や安全性を示す体験談
例:「私も使っています」など体験談的な内容で医薬品などの効果効能や安全性を訴求した表現
※ただし、使用方法・使用感・香りのイメージなどに関しては、使用者の感想の範囲であれば表現可能

恐怖感や不安感を与える画像や表現
例:「あなたはすでに〇〇ウイルスに感染しています」など読み手の恐怖感や不安感を煽る表現

PR TIMESでプレスリリースを配信する際は、PR TIMESコンテンツ基準をご参照ください。

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今年の流行の傾向を予測し、生活者の意識に沿った情報を届けよう

毎年流行するインフルエンザだからといって、例年と同じ情報・タイミングでプレスリリースを配信すればいい、ということではありません。流行規模や同時流行の懸念など、その年のインフルエンザの傾向を捉え、どのような情報を配信すべきなのかを検討していくことが大切です。

予防したい人、すでに罹患した人、ほかのウイルスとの同時流行を気にしている人、まったく気にしていない人など、人々のインフルエンザの捉え方はさまざまです。自社プロダクトを誰に利用してもらいたいのかを念頭に置き、ペルソナに合った情報提供を心がけましょう。

自社のプロダクトの効能や特性を伝えるだけではなく、生活者に安心や気づきも同時に与えられるような情報発信を行いましょう。

<編集:PR TIMES MAGAZINE編集部>

インフルエンザのプレスリリースの書き方に関するQ&A

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この記事のライター

大森 美野

大森 美野

2015年にPR TIMES入社。主にPR活動レポート作成をしていましたが、もっとお客様の声が聞きたくて2019年よりカスタマーリレーションズ本部に異動。情報を欲していた広報担当時代を思い出しながら、PR TIMES MAGAZINEではたくさんのアレコレを届けていきたいと思います。石橋は叩きすぎて壊すタイプ。でもたまにスキップで渡っちゃいます。

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