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【トレンド徹底活用術 vol.19】お月見編:「見た目や行動から連想する」がポイント!

より多くの人に興味を持ってもらえるプレスリリースを作成するには、自社の情報に時節やトレンド情報をかけ合わせるのがおすすめです。トレンドを活かしたプレスリリースは、より注目度が上がり、メディア関係者だけでなく、生活者にも届く可能性が高まります。

本記事では「お月見」をピックアップ。飲食業界・旅行業界をはじめ、秋や「お月見」をテーマにした広報PRでは特に活用しやすいトレンドのため、ぜひ参考にしてみてください。

「お月見」をプレスリリースに活用するSTEP

昔から日本人に愛され親しまれてきた行事のひとつ、「お月見」。「十五夜」「中秋の名月」と呼ばれることもあり、今でもお団子やススキをお供えして、月を眺めたりして楽しむ風習が残っています。

近年では、多くの人が自分のSNSアカウントに月の画像を投稿するなどして、「お月見」を楽しんでいる様子がうかがえます。そのため、お月見とかけ合わせた企画を実施したり情報発信に活用することで、生活者にプロダクトを見つけてもらう機会になります。

しかし、すでにあるプロダクトやサービスを何かとかけ合わせて情報発信したり企画することは発想力が必要となり、なかなか実施できない企業も多いのではないでしょうか。どのようにトレンドキーワードを活かせばいいかわからない、アイデアが浮かばないと悩む広報PR担当者もいるはずです。

そのような悩みにお答えすべく、日本の秋の風習「お月見」を活用したプレスリリースの作成について解説します。

基本の8ステップの中でも、「お月見」のプレスリリース配信に特に役立つポイントを事例とともに紹介していきます。

トレンド活用術8ステップ

基本となるステップについてはこちらの記事をご確認ください。

画像素材にこだわる

画像は商品やサービスの特徴を一目で伝えることができる重要な要素のひとつです。また、テキストでは伝えきれない商品・サービスの魅力を表現することもできるため、プレスリリースに使用する画像素材にはこだわりましょう。

「お月見」に関するプレスリリースに掲載する画像は、黒や濃紺など月夜をイメージした背景色で撮影したり、ススキやお団子などの小物を添えた商品単体を撮影したりするのが適しています。

「お月見」を体験できる宿泊施設やイベントなど、シチュエーションを撮影する場合は、人物込みの「お月見」ができる部屋の様子や、ライトアップされた風景など、商品・サービスの利用シーンを視覚で捉えられるような工夫を施すことが大切。画像にこだわることで、商品やサービスを利用するイメージが膨らみ、生活者の目に留まりやすくなります。また、地域性や限定性など、ニュース性が伝わる画像は、メディアに取り上げられる可能性が高まるでしょう。

<プレスリリースに活かせる画像の例>

1.利用イメージを膨らませる生活者向けの画像

  • 「お月見」イベントやスポットのMAPや風景、立地など
  • 「お月見」プランの内容(料理や飲み物、プラン利用特典などがわかる画像)
  • 商品・サービスの利用シーン(人物込みの客室の画像など)

2.ニュース性を意識したメディア向けの画像

  • 目玉となるサービス
  • サービスイメージ
  • 地域性や限定性(メディアフックとなる要素が盛り込まれた画像)など

1.利用イメージを膨らませる画像を用いたプレスリリース例

「お月さま」と「うさぎ」をイメージした「お月見アフタヌーンティー」を紹介。プレスリリースでは、うさぎのマカロンや月見だんごをイメージしたタルトの画像を掲載しています。画像の背景には秋らしい紅葉の葉を入れ、「中秋の名月」にちなんだメニューであることを伝えています。

参考:【鳥羽国際ホテル】夜空に浮かぶ「お月さま」と「うさぎ」を愛でる ~お月見アフタヌーンティーを堪能!~

2.ニュース性を意識した画像を用いたプレスリリース例

幽翠池の上に霧状の「雲海スクリーン」を作りだし、そのスクリーンに「東京の月」を投影。幻想的な雰囲気の中、お月見を楽しむ6つの宿泊プランや商品の詳細をプレスリリースで展開しています。池の上に映し出された美しい月の写真をメイン画像に設定。オリジナル月餅付きやMOONヨガなど、独自性の高いサービスを紹介しています。

参考:【ホテル椿山荘東京】中秋の名月「ハーベストムーン」秋の月を堪能できる庭園演出東京で一番近い月「TOKYO MOON 〜雲と月〜」9月13日よりスタート

情報収集して傾向をチェック

プレスリリースにトレンドを掛け合わせる場合は、念入りな情報収集がカギとなります。今年の「お月見」がいつなのかや、「お月見」に対する生活者の意識などを知ることで、ニーズにマッチした情報を発信できるだけでなく、プレスリリースを配信する最適なタイミングを掴むこともできます。

調べる

「お月見」の日にちを調べる
「お月見」を行う「中秋の名月」は、旧暦の8月15日(十五夜)の夜に見える月のことを指します。しかし、現在は暦が異なるため、毎年十五夜の日にちが変わります。必ず十五夜の日にちをチェックしましょう。ちなみに、2024年の中秋の名月(十五夜)は9月17日です。

「お月見」に対する生活者の意識を調べる
「お月見」に対する今年の生活者の動向を知るには、アンケートを実施するのがおすすめです。アンケートの結果から生活者の意識やニーズが把握できるため、アプローチの方法も明確になるでしょう。さらに、結果を数字で表すことができればプレスリリースにも説得力が加わります。

<アンケート項目の例>

  • 今年の「お月見」がいつなのか知っているか
  • 「お月見」の意味合いを理解しているか
  • 毎年「お月見」をしているか
  • どこで、誰と「お月見」をするのか
  • どのような「お月見」を予定しているか(お月見ができるスポットへ出かける、自宅で鑑賞するなど)
  • お団子を食べる頻度や購入する場所

自社で調査を行う場合は以下の記事も参考にしてみてください。

また、インターネットの検索結果やSNSなどから情報を入手するのもおすすめです。情報収集の段階では、商品・サービスとの関連性はあまり気にせず、一般的なワードで検索するとよいでしょう。広く市場の傾向をつかむ糸口が見つかるかもしれません。毎年多くの人が検索しそうな複数のキーワードで情報を集めてみてください。

<検索ワードの例>
「お月見 スポット」「お月見 旅行」
「お月見 規模」「お月見 人数」
「お月見 職場」「お月見 家族」
「お月見 メニュー」「お月見 レシピ」
「お月見 イベント」 など

「お月見」のプレスリリースの配信タイミングを探る
季節性のある情報は昨年以前のデータを調べることで、傾向をつかむことができます。生活者の関心が高まっているタイミングに合わせて配信すれば、「お月見」を楽しみたいと考えている生活者の目に留まりやすくなります。

関心の高まりを知るひとつの指標は、インターネットでの検索数。「Googleトレンド」では、指定した期間の検索の多い時期と少ない時期を知ることができるので、傾向をつかむためのツールとしておすすめです。

過去3年間で調べてみると、「月見」「十五夜」どちらも8月の初め頃から検索数の増加がみられ、十五夜当日頃にピークとなることが分かります。その年の十五夜の日にちが何日であっても、プレスリリースは8月中に配信するのがよいと推測できます。発信したい情報の整理や「お月見」に関する情報収集は7月中に行うようにしましょう。

ペルソナをイメージ

「お月見」を楽しむのに決まった年代はありません。子どもから大人まで、また家族、恋人、友人など対象者のペルソナも多様です。誰を対象者とするのかによって、要点の届け方や画像の見せ方などが変わります。プレスリリースで発表したい商品やサービスをアプローチしたい生活者はどのような層なのか、ペルソナをイメージすることが大切です。

<ペルソナ例>
年齢層
性別
職種
家族構成
趣味
日頃利用しているSNS
情報収集の方法 など

ペルソナ設定については、こちらの記事で詳細を紹介しています。

自社商品やサービスの提案内容や切り口、表現など、ペルソナに合わせたプレスリリースになるよう意識して作成しましょう。

由来を調べる

トレンドキーワードの由来や現代における意味合いを知ることで、具体的な広報PR施策を立案できるかもしれません。自社の情報と「お月見」を掛け合わせる場合、由来や「お月見」の際に行う慣習などを調べてみましょう。

古くからの行事は由来に諸説あったり、地域によって慣習が異なったりするなど、調べることで意外な側面を知ることも多いものです。また、時代の変化によって新たな親しまれ方になっているケースもあります。

地道なリサーチではありますが、本来の意味や由来、新たな側面を見出すことは、トレンドを活用した情報発信をするうえで、土台となる基礎知識となります。

「お月見」の由来
「お月見」は中秋の名月を愛でる慣習です。日本にはもともと月を愛でる慣習が縄文時代のころからあったようですが、平安時代に「お月見」の慣習が中国から伝わると、貴族たちの間で流行しました。

当時は月を眺め、お酒を飲みながら詩歌や管弦などを楽しむ催しでした。その後、室町時代に月にお供え物をする慣習が生まれ、江戸時代になって庶民に広まったと言われています。

「お月見」の慣習
「お月見」では、月にお供え物をします。それぞれのお供え物についても調べてみましょう。

お団子
お供え物と言えばお団子のイメージがありますが、ちょうど中秋の名月の時期が里芋の収穫時期に重なることから、里芋をお供えしていました。その後、月見の慣習が庶民に広がると、お団子をお供えするようになりました。米の収穫時期でもあることから、米から作られた上新粉を使ってお団子を作ることが一般的です。

ススキ
もう一つの代表的なお供え物といえばススキです。ススキは月の神様の依り代としてお供えされています。本来、この依り代の役割となるものは稲穂なのですが、年によっては収穫前のこともあり、ススキが代用され一般化しました。今でも一部の地域では稲穂をお供えしているようです。ススキには魔除けの力があると信じられており、お月見で供えたススキを玄関先に飾る慣習もあります。

また、江戸時代以降、五穀豊穣を祝うために栗や里芋を一緒にお供えするようにもなりました。

十五夜

調べた情報を箇条書きで整理

これまで調べてきた「お月見」の情報を箇条書きで整理し、自社プロダクトを掛け合わせた情報発信のフックを考えましょう。「お月見らしさ」が演出されることで、商品やサービスへの注目も高まるでしょう。

見た目から「お月見」とかけ合わせる
「お月見」から連想される「モノ」には、月、お供え物のお団子、ススキ、そして月といえばうさぎがあります。特に、飲食店や雑貨を販売する企業は活用しやすいので、形や色合いなどからこれらのモチーフに見立てることができないか考えてみましょう。

実際、玉子を月に見立てたメニューなど、見た目でかけ合わせた商品は私たちの周りにも多くあります。

<見た目からヒントを得る例>

  • 月見うどん
  • 月餅

行動から「お月見」とかけ合わせる
「お月見」の際の行動からもヒントが見つかるのではないでしょうか。月を眺める・見上げるという行動から紐解くと、かけ合わせる企画は広がりそうです。

また、現在の行動様式を考え、おうち時間でオンラインやSNSを活用した「お月見」を楽しめるイベントやキャンペーンを提案するのもひとつの方法です。

目的から「お月見」とかけ合わせる
「お月見」では、ススキを魔除けのために玄関先に飾り、五穀豊穣をお祝いするために栗や里芋をお供えします。お月見の新しい楽しみ方を提案してみましょう。

トレンド情報をかけ合わせることは、アピールする手法のひとつですが、企画を考えてみて「無理がある」と感じたときは、メディアや生活者も同じことを感じる可能性が高いので、かけ合わせないという選択をすることも重要です。常に客観的な視点も持ち、第三者に意見をもらうなどしましょう。

「お月見」をイメージするこだわりの画像や、情報や知識を活かしたプレスリリースで新しい楽しみ方を提案しよう!

日本人は縄文時代から月を愛でてきました。その趣向は数千年を超えても変わりませんが、慣習は少しずつ変化し、受け継がれています。自社のプロダクトやサービスを見つめ直し、現代だからこそ実現できる「お月見」の楽しみ方を提案することが重要でしょう。

古くから続く文化をイメージしたこだわりの画像や、さまざまな角度から調べた情報・知識をふんだんに活かしたプレスリリースは、より多くの人の目にとまるはずです。配信のタイミングにも配慮し、有益な情報を届けましょう。

<編集:PR TIMES MAGAZINE編集部>

お月見のプレスリリースの書き方に関するQ&A

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この記事のライター

山下 誠矢

山下 誠矢

2019年PR TIMESに新卒で入社。アカウントプランナーとして企業のプレスリリース配信のサポートや提案を行っています。地方金融機関と連携して地域企業の情報発信支援も担当していました。PRとプレスリリースのハードルを下げ、広報・PRをはじめられる方に気付きを与えられる記事を発信していきたいと思います。休日は、絶賛卓球強化中。

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