事業規模を問わず低コストで情報発信できるツール・プレスリリース。特に最近では、メディア関係者だけでなく、生活者の目にふれることも増えています。
特に「ライフスタイル」に関するプレスリリースは、生活者の関心も強い領域のため、広報担当者は有効活用したいものです。
本記事では、ライフスタイルに関するプレスリリースの事例10選と、作成時の4つのポイントを紹介します。
ライフスタイルに関するプレスリリース事例10選
ライフスタイルに関するプレスリリースの事例を10社取り上げました。
それぞれ切り口や見せ方が異なりますので、参考にしてみてください。
事例1.「期間限定」はマストのアピールポイント――株式会社アイワ工業
株式会社アイワ工業のプレスリリース「大丸京都店に初登場!笑顔になるグラス「グッドグラス」が12月9日から期間限定販売を開始」では、「期間限定」をタイトルにも含めてアピールしています。
プレスリリース内に商品画像が多く、実物がイメージしやすいこともポイントです。
商品の価格だけでなく、サイズや素材、耐熱まで細かく記載しており、伝統工芸を用いたハンドメイドであることなど技術的な要素も盛り込んでいます。
「お客様の笑顔を願う」というコンセプトを伝えている点も、共感を呼ぶプレスリリースとしてのポイントと言えます。
事例2.「◯◯初」というフレーズでキャッチーに――株式会社トップファクトリー
株式会社トップファクトリーのプレスリリース「日本初バニラスイーツ専門店「東京バニラファクトリー」が浅草地区に12月4日グランドオープン!」では、「〇〇初」というキャッチーさが目を引きます。
スプーンでバニラプリンをすくった、シズル感のある商品画像、バニラへのこだわりについて詳細に語っていることや、店舗の特徴を簡潔に7つにまとめ箇条書きにしていることなど、読み手が把握しやすいよう配慮されています。
「〇〇初」というフレーズはインパクトがあるのでつい使いたくなってしまいますが、本当に〇〇初なのかどうかよく調べ、客観的な根拠を得られた際にのみ記載するよう気を付けましょう。以下の記事も参考にしてみてください。
事例3.調査結果で世論を反映して商品紹介へ繋げる――株式会社グラフィコ
株式会社グラフィコのプレスリリース「年末大掃除、約4割の家庭で“妻のワンオペ”のおそれ!?【男女別】配偶者に言われたらやる気が出る&やる気がなくなる言葉TOP10公開!「トヨタ式家事シェア」香村薫さんによる大掃除シェアアドバイスも!20~60代既婚男女に聞いた「大掃除に関する調査」Vol.2」は、調査結果を用いて自社製品を紹介したプレスリリースです。
調査リリースは生活者やメディア関係者の共感や納得を得るのに有効な手段です。季節やイベントに合わせた調査を実施することで時節やトレンドを盛り込むこともできます。
本プレスリリースでは問題提起だけでなく専門家のアドバイスも掲載されており読み応えのあるものとなっています。また、調査結果が一目で分かるグラフや図表を挿入しており、メディアにとってコンテンツにしやすい素材が揃えられています。
読み手の大掃除したいという欲求を高めたところで掃除に役立つ自社製品を紹介する流れがスムーズで、参考になる調査リリースの事例だといえるでしょう。
事例4.ゆるキャラを活用した積極的な自治体広報――深谷市
「【深谷市】埼玉グランドホテル深谷に日本初の常設「ふっかちゃんルーム」が3部屋誕生~12月11日オープン、12月4日17時から予約受付開始~創業100周年の老舗x地域のキャラクター10周年のコラボレーションで観光需要の拡大へ」は、深谷市が配信したプレスリリースです。
地域の魅力を伝えるために自治体にも積極的な情報発信が求められています。
自治体広報では、発信する内容に悩むことも多いかと思いますが、ゆるキャラや地元出身の有名人などを活用して積極的な自治体広報を行いましょう。
事例5.開催背景で共感を生むイベント告知――公益財団法人ジョイセフ
公益財団法人ジョイセフのプレスリリース「「走ろう。自分のために。誰かのために。」ホワイトリボンラン2021 エントリー受付中」は、開催背景で共感を生むイベント告知になっています。
プレスリリース内で「妊娠出産中絶で命を落とす女性がいるということを知ってもらうためのイベントである」ということを真っ先に伝えており、イベント意義が伝わります。
イベント自体はオンラインで世界と繋がるバーチャルランという今っぽさや新鮮味もある一方、スポーツ庁認定事業の記載で信頼感もアップします。
このように権威付けできる肩書きがある際は活用しましょう。またプレスリリース内では新型コロナウイルスの影響が大きい地域への支援に繋がることも説明されています。withコロナ時代のイベントならではの配慮もポイントです。
事例6.芸能人や著名人とのコラボ――株式会社トランジットジェネラルオフィス
株式会社トランジットジェネラルオフィスのプレスリリース「七里ガ浜の人気ドライブインカフェ・Pacific DRIVE-INとDream Amiのスペシャルコラボ「Ami’s DRIVE-IN」を2020年12月7日(月)より開催!」は、芸能人とのコラボレーションをタイトル含め前面に押し出しています。
有名人とのコラボレーションはそれだけで話題性があります。
加えて、なぜその人なのかという選出理由が納得感のあるものだと、さらに良いでしょう。たとえば、「地元出身」「その分野に造詣が深い」「ゆかりがある」など納得感のある選出理由を盛り込んでみてはいかがでしょうか。
事例7.新サービス導入を盛り上げるキャンペーン――タリーズコーヒージャパン株式会社
タリーズコーヒージャパン株式会社のプレスリリース「1月12日よりタリーズコーヒーで「PayPay」が使用可能に~「PayPay」導入を記念して「タリーズで当たる!ペイペイジャンボ」を実施~」は、「PayPayに対応した」という新サービス導入と、「ペイペイジャンボを実施する」というキャンペーン開催の2つの事柄についてお知らせするものです。
こうしたキャンペーン実施についても積極的にプレスリリースにまとめて情報発信していきましょう。
ただキャッシュレス対応するだけで終わらせず、その施策を盛り上げるようなキャンペーンを同時開催するというアイデアが良いですね。企画の良さが伝わるよう、プレスリリースタイトルに2つの要点をしっかり含めているのもポイントです。
事例8.差別化を図るピンポイントなターゲティングを明記――株式会社SceneryScent
株式会社SceneryScentのプレスリリース「読書時間へスイッチを切り換えて強く記憶させる、読書のためのフレグランス除菌スプレー「セントクリーンエア」シリーズ新発売」は、ピンポイントなターゲティングで差別化を図ったものとなっています。
新型コロナウイルスの流行を受け数多くの除菌グッズが市場に流通するようになりましたが、その中でも「読書のための」除菌フレグランススプレーというニッチさで差別化できています。
効果や効能を謳う製品は、成分や効き目などを疑問に思われることが多いため、プレスリリース内で説明するようにしましょう。本プレスリリースでも除菌効果について言及しています。
事例9.時節を捉え「なぜ今?」を明確に――ファインピース株式会社
ファインピース株式会社のプレスリリース「【クリスマス・ギフトセット】会いに行きにくい今だからこそ、感謝の気持ちをマスクと一緒に届けよう。新型コロナウイルス第三波の影響で集まりにくい、そんなあなたへのクリスマスフェアをファインピースが開催」は、クリスマスという季節感と、新型コロナウイルスの流行という現状を掛け合わせた内容となっています。
ここ数カ月で様々な機能やビジュアルのマスクが登場していますが、クリスマスギフトとしてマスクをプレゼントすることを提案し、メッセージカードを添えて届けるセット商品にすることで差別化しています。
「会いに行けない今だからこそ相手の健康を願ってマスクをプレゼントしよう」という訴求の仕方は時節を捉えていますね。商品説明も箇条書きでまとまっていてわかりやすく、製造工場の写真や男女別の着用写真がある点も親切です。
事例10.三方よしのメリットを訴求――株式会社ビビッドガーデン/食べチョク
株式会社ビビッドガーデン/食べチョクのプレスリリース「店頭で品定め、買うのはネットの「売らない店」を食べチョクが姫路市と協働で出店。生産者のDXを促進し、withコロナ時代の購入体験を提案。」は、購入者(買い手)、生産者(売り手)だけでなく、社会全体も含めた三方よしのメリットを明記しています。
プレスリリースの構成は、リード文、概要、メリット、目的、生産者紹介、イベント詳細、自社説明となっており、簡潔です。withコロナ時代を意識した内容も良いですね。
生産者紹介の写真を盛り込み、製品イメージと生産者の温かい雰囲気が伝わるものになっているのもポイントです。
ライフスタイルに関するプレスリリースを作成するときの4つのポイント
ライフスタイルに関するプレスリリースを作成する際には、どのような点に注意する必要があるのでしょうか。
次に、ライフスタイルに関するプレスリリースを作成するときの4つのポイントを紹介します。
ポイント1.時節に合わせたトレンドを盛り込む
ライフスタイルに関するプレスリリースでは「時節に合わせたトレンドを盛り込む」ことがポイントです。
時節とは、広辞苑によると「移り変わる四季が実感される折々の時分」「何かをするのにちょうどよい機会」「世の中の情勢」と定義されています。
たとえば、クリスマス、年末年始、卒入学式、夏休みなど、季節ごとのイベントに合わせて施策を考えてみましょう。コロナ禍だからこその取り組みなども、時節に合わせたトレンドを盛り込んでいると言えるでしょう。
自社の取り組みに対して「なぜ今?」を意識しながらプレスリリースを作成することを意識してみてはいかがでしょうか。
ポイント2.背景やコンセプトを伝えて共感を生む
ライフスタイルという概念は生活様式そのものを指すだけではなく、その人の暮らしを形成する価値観のことでもあります。
製品やサービスの品質が一定水準に達した現代において、性能や効能だけで差別化することは難しくなりました。結果として、人々の選択基準の1つに「価値観の共有ができるかどうか」が大きく影響するようになっています。
似たような商品に関するプレスリリースが2つあったとして、1つは無機質な商品紹介のみ、もう1つには開発背景や商品に込めた思いが綴ってあった場合、どちらが生活者の心を動かすでしょうか。
背景やコンセプトを熱く語り、共感を生むプレスリリースにしましょう。
ポイント3.暮らしのイメージが沸く画像を挿入する
生活者に自社製品を選んでもらうためには、その製品やサービスによって「その人の暮らし=ライフスタイル」にどのような好影響があるかをイメージさせることが大切です。
生活者のみに関わらず、メディア関係者に関心を持ってもらいたい場合にも同様です。メディア関係者は生活者に有意義な情報を伝えるのが仕事だからです。
読み手の興味を引くためには、わかりやすいイメージ画像が必須となります。製品やサービスのある暮らしを想像させるような画像を挿入しましょう。例えばコップであれば空の写真だけでなく飲み物を注いだ写真も用意する、マスクであれば男女別の着用写真を用意するなどです。
イベント告知やキャンペーン告知、調査リリース等に関してはわかりやすい製品画像が用意できないこともあるでしょう。その場合もイメージ画像は必ずプレスリリースに挿入することがポイントです。たとえばランニングイベントであればランナーの画像、スマホ決済キャンペーンであればスマートフォンでキャッシュレス支払いをしている手元の画像などです。
プレスリリース配信サービスを通じてWebメディアに転載される場合、アイキャッチ画像の有無は記事クリック率に大きく影響します。どんなプレスリリースにも必ず画像を入れるようにしましょう。画像が用意できない場合は以下の記事も参考にしてみてください。
ポイント4.製品情報はできるだけ詳細に
製品情報はできるだけ詳細にプレスリリースに記載しましょう。サイズや成分などは、生活者だけでなくメディア関係者からしても知りたい情報です。
記載がないと、購入を検討している生活者や、情報を取り扱おうと思っているメディア関係者に質問する手間を発生させてしまいます。文書と画像で事実を正確に伝えることが要求されるのがプレスリリースです。読み手の立場になって親切な記述を心掛けましょう。
ライフスタイルとは「暮らし方、生き方」プレスリリースで「生活」をイメージさせよう
本記事では、ライフスタイルに関するプレスリリースの事例10選と、作成時の4つのポイントを紹介しました。
ライフスタイルとは、個人の生き方・価値観をも意味します。プレスリリースを活用して、生活者の「暮らし方、生き方」にどのような好影響を与える製品・サービスであるかを訴求していきましょう。
ライフスタイル関連のプレスリリースの事例と作成ポイントに関するQ&A
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