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PRプランナー資格試験とは?種類・形式・難易度、独学での勉強方法を解説【1次・2次試験】

広報PR担当者としてレベルアップしたい人におすすめなのが、「PRプランナー資格」の取得です。企業の社会的責任(CSR)が強く求められることから、広報PR担当者はもちろん、他部署でのニーズもある資格です。

PRプランナー資格の試験勉強をする過程で、広報PRに関して包括的・体系的に学べるほか、資格取得後は自身のスキルを証明・アピールできるのも魅力です。

本記事では、PRプランナー資格の概要や取得するメリット、1次・2次試験の難易度や勉強方法について紹介します。

※この記事の料金や合格率などの情報は、2023年4月時点のものです

PRプランナー資格とは

PRプランナー資格とは、公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会が2007年より導入した「PRプランナー資格認定制度」のことです。

「広報・PRに携わる者の意識・知識・技能の向上をはかる」ことを目的としており、試験内容は、「広報・PRの基本的な知識から実践的なスキルまでを検定する」ものとなっています。

受験者は企業・団体・自治体の広報PR担当者から広報PR業務に関心のある社会人・学生まで幅広い対象が想定されています。

民間の資格ではありますが、過去の受験者数は2023年2月時点で累計14,000名(1次試験のみ、重複含む)を超えています。

広報PRに携わったことのある人々の間では一定の知名度があると考えられるでしょう。

PRプランナー資格とは

PRプランナー資格を取得するメリット

PRプランナー資格を取得するメリットには、大きく分けて「知識が深まり、スキルアップできる」「広報PRのスキルや熱意を証明できる」「転職や独立の際に役立つ」の3つが挙げられます。

知識が深まり、スキルアップできる

PRプランナー資格の認定試験では、広報PRの歴史や、企業経営における広報PRの役割などが問われます。日頃の業務ではなかなか意識しない体系的な知識を身につけることで、広報PR活動に取り組む視座を高める効果が期待できます。

また、複数回にわたる試験の中では、プレスリリースの作成や年単位での広報PR計画の立案など、実務にそのまま活きる内容も出題されます。

広報PRのスキルや熱意を証明できる

上述の通り、PRプランナー資格の認定試験では体系的な知識から実務に近い内容まで問われます。そのため、資格の取得を通じて、自身の広報PRスキルが一定以上のレベルに達していることを証明できます。

また、1次から3次まである試験に対し、時間も費用もかけて取り組んでいるということ自体、広報PRに取り組む熱意を示すものと言えるでしょう。

転職や独立の際に役立つ

上記の理由により、PRプランナー資格を保有していると「一定の広報PRスキルがある」ということをアピールできるため、広報PR職で転職する際やフリーランス・起業などで独立する際に信用を得やすくなります。

実際に、「PRプランナー資格の保有者を優遇」といった記載がある広報PR職の求人も見受けられます。

以上の3つに加えて、PRプランナー資格の保有者同士で交流の機会が持てるというメリットもあります。

過去には主催団体である日本パブリックリレーションズ協会による、PRプランナー同士の交流会がさまざまな形態で開催されていました。同協会の公式サイトには2019年以降の開催実績は掲載されていませんが、コロナ禍を経て公式の交流イベントが再開する可能性もあるでしょう。

PRプランナー資格を取得するまでの流れ

PRプランナー資格を取得するには、まず公式サイトから申し込みを行い、さらに同協会が連携している株式会社シー・ビー・ティ・ソリューションズ(CBT-Solutions)の試験管理サイトに登録する必要があります。

詳細な流れは下記の通りです。

  1. PRプランナー資格認定制度/検定試験の公式サイトにアクセスし、上部メニューから「受験する」を選択します。
  1. 自身が受けたい試験の「お申込み・詳細」を選択。画面の指示に従い「仮申込フォーム」に入力します。
  1. CBTS(同協会が連携している試験管理サイト)に登録後、ログインして本申込みを行います。
  1. CBTSで、全国にあるテストセンターから自身が受験したい会場(1次・2次は時間帯も)を指定。試験日当日は、会場に設置されたPCを使って受験します。
  1. 合格発表日に、自身でCBTSにログインし合否を確認します。合格発表日に協会からメールなどの通知は来ないので注意してください。
  1. 合格したら、公式サイトの「認定申請する」というメニューから「認定申請フォーム」に必要事項を記入して送信します。審査を経て認定結果が通知され、認定料を振り込むと認定証が発行されます。

PRプランナー資格の種類・形式・難易度

すでに紹介した通り、PRプランナー資格試験には1次から3次まであり、それぞれ難易度や形式が異なります。

ここからは、各試験の種類・形式・難易度について説明します。

PRプランナー資格の種類

PRプランナー資格には、「PRプランナー補」「准PRプランナー」「PRプランナー」の3種類があります。

「PRプランナー補」→「准PRプランナー」→「PRプランナー」の順に保有する広報PRスキルが高いものと見なされます。

PRプランナー補

PRプランナー補は、「広報・PR実務に従事するための必要最小限の基礎知識を有する」ことを認定する資格です。

1次試験に合格すると、申請と審査を経て「PRプランナー補」の資格が取得できます。受験資格は特にありません。

准PRプランナー

准PRプランナーは、「広報・PR実務に必要な専門知識を有する」ことを認定する資格です。

2次試験に合格すると、申請と審査を経て「准PRプランナー」の資格が取得できます。受験資格は、1次試験の合格者であることです(「PRプランナー補」の資格を保有している必要はありません)。

PRプランナー

PRプランナーは、「日常的な広報・PR実務を幅広くこなし、かつ広報PR責任者をサポートする知識・提案能力を有する」ことを認定する資格です。

3次試験に合格すると、申請と審査を経て「PRプランナー」の資格が取得できます。

受験資格は、2次試験の合格者であり、かつ3年以上の広報PR関連の実務経験があることです。

「広報PR関連の実務経験」については具体例が公式サイト上で紹介されており、「事業会社の広報PR業務・PR代理店での業務」以外の経験も対象となります。

種類ごとのPRプランナー資格試験の形式

PRプランナー資格の試験は、すべてテストセンターで受験する形式となっています。会場で貸与される筆記具以外は原則として持ち込めず、テストセンターに設置されているデスクトップ型PCで回答を入力します。

以下、各試験の形式について解説していきます。

1次試験

すべて選択問題で、適切または不適切な選択肢を選ぶものや、文章の空欄に当てはまる言葉を選択肢の中から選ぶものが中心です。

4択が多く、選ぶもの、文章に当てはまる言葉で埋めるものなどが出題されます。試験時間は80分。正答率70%以上で合格です。

2次試験

すべて選択問題で、科目A~Dの4つに分かれています。科目A・BとC・Dの間に任意で休憩が取れます。

問題の形式は1次試験と同様ですが、4択が少なくなり、6択や8択の選択問題が増えるのが特徴です。1次試験の範囲に加え、科目Dでは試験日から2~8ヵ月前(6ヵ月間)の時事問題も出題されます。問題はすべて4択です。

試験時間は80分×2の160分で、正答率65%以上(かつ各科目の正答率がすべて50%以上)で合格です。

3次試験

すべて記述問題で、ニュースリリースの作成(課題A)、広報・PR計画の立案作成(課題B)の2種類に分かれています。課題Bは、コーポレート広報視点の「コーポレート課題」とサービス広報視点の「マーケティング課題」の2つから選択可能です。

試験時間は120分で、得点率60%以上で合格(かつ各課題の得点率がどちらも50%以上)で合格です。

過去の合格率から見る、PRプランナー資格試験の難易度

公式サイトで、各試験における過去の合格率が公開されているため、そのデータをもとにPRプランナー試験の難易度を解説します。(すべて2023年3月時点の情報です。また、各科目の受験者数・合格者数の集計方法が途中から変更されています。詳細は公式サイトの「過去の合格率」から確認してください)

まず、1次試験の平均合格率は約75%です。

1次試験では過去16年間の合格率に大きな変動はなく、各回60~80%の間にとどまっています。

続いて、2次試験の平均合格率は約76.5%

1次試験同様、過去16年間の合格率に大きな変動はないものの、科目D(時事問題)に関しては2022年以降の平均合格率が50%以下となっていますが、さまざまなメディアに接触することで克服できる内容になっています。

3次試験の平均合格率は約51%です。

2019年から合格率が40%を下回り続け、第30回(2022年3月実施)では合格率が11.0%となるなど、近年大幅に難化しています。

2021年11月に試験方式が変更になった後の第23回~第31回(2022年9月)の平均合格率は28.9%となっています。

2018年から40%台となり、11%という特異回もありますが、2019年からは30%台で推移しています。

1次試験2次試験3次試験
取得できる資格PRプランナー補准PRプランナーPRプランナー
試験内容広報PRの基礎知識広報PR業務の遂行に必要な知識+時事問題ニュースリリースの作成、広報・PR計画の立案作成
試験形式選択式選択式記述式
平均合格率約75%約77%約51%

PRプランナー資格試験(1次・2次)を独学で勉強する方法

ここからは、PRプランナー資格試験(1次・2次)の合格に向けて独学で勉強する方法を、筆者の実体験に基づき紹介します。

基本的にPRプランナー資格の1次・2次試験は独学で合格可能だと考えられます。最低限、主催団体である日本パブリックリレーションズ協会発行の公式テキストと公式参考問題集は購入する必要があります。

日本パブリックリレーションズ協会の公式サイトから対策講座(有料)も受講できるため、広報PRに関する知識がまったくない人は受講を検討してもよいかもしれません。

勉強するイメージ

1次試験の勉強方法

まずは日本パブリックリレーションズ協会が出版している公式の参考問題集『広報・PR資格試験 参考問題集』を購入し、参考問題を一度解いてみましょう。

一定のビジネス経験があれば、すでに保有している知識だけで回答を導き出せる問題もあるのですが、ある程度(体感では3~4割)は広報PRに関する歴史や学術的な内容など専門的な問題も出題されます。そのため、確実に合格するためには試験対策が必須だと感じました。

参考問題を解いて自身の現在の知識レベルとのギャップをざっくりとつかみ、どれぐらいの学習が必要かを見積もってみてください。

1次試験は基本的に知識を問われる問題となります。1次試験対応の公式テキスト『広報・PR概説』を購入し、全編(第1章~第14章)を一通り頭に入れましょう。音読でも赤シートでも、各自のやりやすい方法でOKです。

筆者は「書く」ことで理解が進むタイプのため、Web上のメモアプリを使用し章ごとに内容を整理しました。

また、参考問題集やテキストの章末問題で間違えた設問は、テキストが対応する部分に線を引いておき、重点的に学習することをおすすめします。

2次試験の勉強方法

1次試験と同様、まずは参考問題集を一通り解いて自身の知識レベルとのギャップを把握します。

2次試験でもっとも難関となるのは科目D(時事問題)です。特に近年は合格率50%以下と難化の傾向がみられるため、重点的に対策を行いましょう。

科目A・B・C(時事問題以外)

2次試験・3次試験対応の公式テキスト『広報・PR実践』に目を通すとわかりますが、2次試験の内容は1次試験で学んだ内容と重なるところが多いです。

1次試験と比べるとより実務に近い具体的な部分が問われますが、1次試験でしっかり勉強していれば、科目A・B・Cの勉強はそこそこにし、科目Dの勉強に時間を割いたほうがいいでしょう。

筆者は、科目A・B・Cの勉強は公式テキストや1次試験対策でまとめたメモを読み直す程度でした。苦手意識のあったIR分野については、繰り返し問題を解いたり、あらためてテキストを読んで整理したりしました。

科目D(時事問題)

2次試験の合否の鍵を握るのが科目D(時事問題)です。出題範囲は受験日の2~8ヵ月前(6ヵ月間)です。

中学受験対策・公務員試験対策の時事問題集を活用できますが、受験時期によっては対象範囲の問題を含む教材が手に入らないことも考えられます。その場合は、Webの時事ニュースまとめサイトなどを活用しましょう。

筆者は、隙間時間を活用して国内の経済や社会・文化のトレンドを中心にチェックしていたのですが、実際の試験では政治(内閣の人事や直近で可決された法案など)や世界情勢(世界各国の大手メディアの名称など)に関する出題も多く、少し焦りました。

試験対策は行ったほうがいいのですが、出題範囲が広いため、日頃からできるだけ幅広いニュースに興味を持つよう心がけることが一番の近道かもしれません。

PRプランナー資格試験(1次・2次)の勉強時間

あくまで筆者の実体験に基づく例ですが、1次試験の勉強時間は20~25時間程度、2次試験は10~15時間程度をひとつの目安とできるのではないでしょうか。

1次試験と2次試験の範囲は重複しており、より具体的な部分を出題されるのが2次試験であるため、1次試験の勉強に時間をかけることで、2次試験は時事問題を中心に対策を進められます。

筆者の場合、1次試験は試験日の約2ヵ月前、2次試験は試験日の約1ヵ月前から勉強を始めました。2次試験は結果発表時に各科目ごとの正答率が開示されるのですが、科目A~Dすべてで最高ランクの「正答率65%以上」を獲得することができました!

まとめ

広報PRスキルの証明・アピールに活用できる「PRプランナー資格」。試験勉強を行う中で体系的な知識や広範な視野が身につき、広報PR担当者としてレベルアップできるのも魅力です。

本記事では、PRプランナー資格の概要や取得するメリット、1次・2次試験の難易度や勉強方法について紹介しました。

時間や費用はかかりますが、自らの広報PRスキルをさらに飛躍させるため、ぜひ挑戦してみてください。

1次・2次試験の合格後は、こちらの記事を参考に3次試験の対策も行っていきましょう。

PRプランナー資格1次2次試験に関するQ&A

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この記事のライター

PR TIMES MAGAZINE編集部

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日本最大級のプレスリリース配信サービス「PR TIMES」を運営を通して、広報PR担当者さまからのお問い合わせやご相談の経験を活かし、広報PR担当者さまの気づきや行動につなげられる記事を執筆しています。PR TIMES MAGAZINEの部署メンバーだけでなく、営業本部、カスタマーサポート、パートナー事業部に在籍するメンバーも携わっています。

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