生活者を直接対象とする「新サービスローンチ」の発表は、プレスリリース配信のよい機会です。サービスを直接届けたいターゲット層はもちろん、これまでニーズを持ちながらもサービスの存在を知らなかった潜在ユーザー層にも向け、サービスの具体的な魅力や利用シーンを示しつつ、その背後に込められた背景、想いまでも届けられます。
本記事では、「新サービスローンチ」についてのプレスリリースを書くポイントとして必ず盛り込みたい内容や注意したい事項などを、PR TIMES社員の監修のもと、細かく解説。参考になるプレスリリース事例を含めてご紹介します。
新サービスローンチのプレスリリースを配信する3つのメリット
新サービスローンチのプレスリリースの配信メリットとは何でしょうか。ここでは3つのメリットを解説します。
1.メディアを通じ、新たな顧客へサービスを認知させることができる
自社のWebサイトやSNSを通じての広報にくらべ、プレスリリースを通じたメディア向け広報には「既存顧客層の外側の人々に向けて届けられる」という大きなメリットがあります。メディアに掲載されることで、従来の広報では情報を届けきっていなかった潜在顧客層へと情報が届き、まだ見ぬ新たな顧客層の開拓へとつながる可能性があります。
2.生活者に直接情報を届けることができる
プレスリリースの役割は、今やメディアの取材資料だけではありません。多くのプレスリリース配信サービスでは提携メディアを通じたプレスリリースの転載が積極的に行われており、Googleなどの検索結果として表示されたり、SNSでシェアされるなど、情報を探す人たちへもプレスリリースの内容がそのまま届くようになりました。
メディアだけを意識せず、生活者が読んでもきちんと伝わる内容に仕上げることで、新サービスが果たす役割や想いを自分たちの言葉で伝えることができます。
3.新サービスを通じて、企業ブランドや理念を改めて訴求できる
新サービスの根幹には必ず、「なぜそのサービスが必要なのか」という背景があります。これらは、会社としての理念やブランドメッセージにも通じる部分です。サービスを用いることによって、「どんな人」に「どのように」なってほしいのかを明確にすることは、会社がどのような形で社会と関わっていくかという意思表示にもなるのです。
表面的な機能の説明だけで終わらせず、そのサービスに込められた想いの部分まで届けることができれば、会社そのもののブランドメッセージに深く共感するステークホルダーとの接点を生み出すことにもつながります。
プレスリリースに必ず盛り込みたい3つのポイント
では次に、新サービスローンチのプレスリリースに必ず入れていきたい内容について見ていきます。ここでは3つのポイントをご紹介します。
ポイント1.サービスが対象とするユーザー層を明確にする
サービスとは、利用する相手があってはじめて成立するものです。ただ漠然と「これはすごいサービスです」と伝えるだけでは、「これは自分に関係のない情報だ」と認識され、本当に届けたい相手に伝わらないこともあります。
「誰のために作られたサービスか」が明確になることで、プレスリリースを記事化するメディアや、プレスリリースを直接読む生活者にとって、より情報が届きやすくなります。
ポイント2.サービス使用の動機となる課題と、具体的な解決方法
メディアがニュースバリューとして注目するポイントは、「それによって世の中がどう変わるのか」ということです。サービスのターゲット層には、どのような問題が存在しており、それを具体的にどのように解決していくのかを伝えることができれば、サービスがもたらす「社会との接点」を伝えることができます。これにより、単なる認知だけにとどまらない、サービス全体に対する深い関心へとつなげていくことができるのです。
ポイント1.に記載の「具体的なユーザー層」とリンクさせることができれば、ユーザーとなりうる人々にとってもサービスを使った具体的な課題解決の動機の創出にもつながりやすくなります。
ポイント3.サービスを使い続ける動機につながるメリット
サービスを利用してもらうことに成功したら、次は「いかにサービスを使い続けてもらうか」が重要です。魅力的な機能を持つサービスでも、多くのユーザーが1回ないし数回の利用で契約を解除してしまっては、サービスを継続することは難しくなってしまいます。
利用してもらうことが「起・承・転・結」の「結」であれば、その先の「展(展望)」まで考える必要があります。新サービスを継続して利用し続けてもらえるように、ユーザーにとってのメリットを伝えることは必至です。今後の展開についても伝えることができれば、より長期的な接点を持つステークホルダーの獲得も期待できるでしょう。
プレスリリース作成にあたり注意すること
新サービスローンチのプレスリリースで、注意しておきたい3点をまとめました。
1.メディアフックになる情報は「タイトル」や「リード文」に盛り込むようにする
日々膨大なプレスリリースを受け取るメディアが、ひとつのプレスリリースにつき掲載の有無を判断する時間は、わずか2〜3秒程度といわれています。メディアに関心を持ってもらうためには、冒頭部分に伝えたいサービスの内容をわかりやすくすることはもちろん、端的にニュースバリューを伝えることが重要です。
「○○のための、○○サービス」といった、サービスの内容やターゲット層を簡潔に説明する文言は、リリースのタイトル、リード文へ。さらにサービスの開発意図や、世の中へ与えるインパクト、サービスの魅力を端的に表したキービジュアルなど、新サービスローンチにあたって伝えたい情報は、冒頭部分に盛り込むように注意しましょう。
2.サービス利用の流れを容易に想像できる構成にする
最近は、プレスリリース配信サービスが展開するさまざまな提携メディア上でプレスリリースが配信され、生活者の目に直接届くケースも増えてきました。直接生活者にサービスの利用を想像してもらうためにも、写真やイラストなどを使用し、実際のサービス利用の流れを想像できるような構成にしましょう。
人物モデルなどを使ったり、サービス画面のキャプチャや利用者目線の写真などを用いたりすると、リリースを見た生活者が親近感、没入感を持つことができ、サービスの利用イメージがしやすくなります。
3.自社サービスならではの強み・特徴を明確にする
生活者がサービスを選ぶうえで、特に大事なのは「このサービスを使う理由」です。明確に「このサービスを使う理由」があれば、提供するサービスの種類や内容がほかのサービスに類似していても、離れずに使いつづけてくれるのです。
サービスがもたらす社会的な意義や公益性、利用の簡単さ、機能の網羅性、またはサポートの充実性など、自社サービスならではの強みや特徴を生活者側目線の言葉に置き換え、「数ある中から、自社のサービスを使う理由」をわかりやすい言葉で伝えましょう。
担当者推薦!新サービスローンチのプレスリリース配信事例4選
ここでは、実際に配信されたプレスリリースの中から、参考になるものをご紹介します。整理された簡潔な説明や写真の効果的な活用など、各社とも工夫を凝らしたプレスリリースを作成しています。
事例1.Coeto株式会社
- 機能と実際の画面のキャプチャ、使用例などで利用シーンがイメージしやすい
- コロナ禍で対面コミュニケーションが減少したという社会的な開発背景が明確
- キャッチコピーもうまく組み合わせて想いの部分を伝える
- 今後のリリース予定も最後に記載し、「起承転結展」を網羅
参考:くだらない話をしよう。好きでつながる、音声SNSアプリ「Wacha(ワチャ)」β版リリース。
事例2.日産自動車株式会社 日本マーケティング本部
- 自社の調査結果をもとに、プロダクト開発の背景を記載
- 車→おでかけの観点から、メーカーが活用シーンまでを提案するユニークさ
- サービス開始とあわせてキャンペーンを実施することで販促にもつなげる
参考:日本各地の銘品を選ぶと食・買・遊・学・泊の“おでかけルート”を提案するWebアプリ 取り寄せるより、取りに行こう。『GOODS DRIVE』12月9日(木)サービス開始
事例3.株式会社 大館工芸社
- 「オンラインだと実物サイズがわからない」という課題解決の背景がわかる
- VR/ARの使い方を画像を用いてかりやすく説明
- サービス内容だけでなく、曲げわっぱの商品紹介、オンラインストアのリンクなども記載
参考:【伝統工芸品をデジタル技術で体験!】曲げわっぱの大館工芸社がVR/ARで曲げわっぱ製品やバーチャルショールームを閲覧できる新サービスを提供開始。
事例4.東京ガス株式会社
- 定額でさまざまな店のドリンクが楽しめ、さらにそれが社会貢献につながるというユニークなサービスを展開
- アプリ画面のキャプチャでシンプルな操作方法を説明
- サービスの利用料金が実際にどのような形で社会貢献につながるのかを説明し、サービスを利用し続ける動機を明確にしている
参考:毎日1杯のドリンクを楽しみながら社会貢献できる定額制サービス「よりみちパスポート」の開始について
新サービスローンチの プレスリリース作成の基礎知識
プレスリリース作成にあたり大切なことは、行動した人の想いを込めることです。しかし、見せ方にも工夫は必要です。
どのようなプレスリリースにもあてはまる、プレスリリース作成の基礎知識をご紹介します。
POINT解説付き!テンプレートダウンロードはこちら
さいごに
届けたい相手に、想いを届ける。そのための必須スキルのひとつとしてプレスリリース作成のスキルが挙げられます。
数え切れないほどのプレスリリースが日々配信され、インターネット上には多くの新しい情報が増えています。受け取る側にとっても正しい情報、自身が本当に知りたい情報と出会い、見極めることが必要になっていると言えるでしょう。
届けたい相手である、メディアや生活者一人ひとりに自社の想いを届けることは、決して容易ではありません。情報を詳細かつ届けたい相手にとってわかりやすく、そして魅力が伝わるプレスリリースにすることが求められます。
ひとつでも多くの企業の想いをのせたプレスリリースが配信され、届けたい相手に想いを届けるためにお役立てしていただけると嬉しいです。
【関連リンク】
新サービスローンチのプレスリリースに関するQ&A
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