多くの企業が、FacebookやX(旧 Twitter)、LINE、Instagram、TikTok、YouTubeなどのSNSを活用して広報PRやマーケティングを行っているのではないでしょうか。
本記事では、SNSのアカウントを作成する際に知っておきたいポイントを5つご紹介します。SNSを活用する目的やメリット、注意点なども解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
企業アカウントにおすすめのSNSの種類
SNSで企業アカウントを作る際には、SNSごとの特徴や違いを把握して、自社にぴったりのプラットフォームを活用しましょう。ここでは、代表的なSNSとその特徴、企業アカウントにおすすめのSNSをご紹介します。
【コミュニケーション中心】
- Facebook:フロー型。実名制のSNSで利用者のプロフィールも充実しているため、オーガニックだけでなく広告運用にも活用しやすい。比較的フォーマルな関係づくり向き。
- X(旧 Twitter):フロー型。匿名制のSNSで情報のリアルタイム性が高く、情報の拡散性も高い。カジュアルなコミュニケーション向き。
- LINE:ストック型。連絡手段としてインフラ化しているため、利用者のアクティブ率が高い。トークでのメッセージ配信の開封率は高いが、双方向のコミュニケーションには向かない。
【コンテンツ中心】
- Instagram:ストック型。コンテンツ制作のコストは比較的低く、ストーリーズやショッピング機能など自社サービスの利用につながる機能も多数用意されている。
- TikTok:ストック型。コンテンツ制作のコストは中程度で、TikTokが用意するフォーマットに合わせて撮影すれば手軽に制作できるが情報の拡散性は低い。
- YouTube:ストック型。コンテンツ制作のコストは高く、撮影や編集技術が必要。視聴数を向上させるためには他SNSを複合的に利用するのが良い。
企業アカウントとしてSNSを活用する目的・メリット
SNSを活用すると、企業にとってどんなメリットがあるのでしょうか。企業アカウントの運用目的とメリットを整理します。運用目的とコスト、メリットを照らし合わせながら、活用するSNSを検討してみてください。
ストックコンテンツとして定期的な情報発信が可能
特にコンテンツ中心のInstagramやYouTubeでは、定期的に発信する情報をストックすることができます。雑誌のバックナンバーを見るように、過去の投稿をひとつずつ確認できる点が特徴です。
ただし、どのSNSの場合にも、企業アカウントのすべての投稿を確認するには利用者に能動的にプロフィールページへアクセスしてもらう必要があります。X(旧 Twitter)を除いては、投稿の表示順位が「時系列」ではなく「興味・関心」や「親密度」に応じて変わってしまいます。そのため、投稿の一つひとつでしっかりとエンゲージメントを高めておき、能動的なアクションを起こしてもらうための土台を整えておくことが必要です。
ユーザーと直接コミュニケーションが取れる
メールマガジンなどと異なり、SNS利用者と直接コミュニケーションを取れることがSNS運用の最大のメリットと言っても過言ではありません。
X(旧 Twitter)やInstagramはそのメリットを享受できるSNSの代表格です。多数のコメントやメッセージに返信するため運用コストはかかりますが、その分ユーザーとの親密度は格段にアップできるでしょう。
企業やサービスのファンを増やすためのコミュニケーションやサポート品質アップのためのコミュニケーションなど、運用を工夫できるのも醍醐味です。
世界観を形成してファンを獲得できる
投稿のトーン&マナーを統一することで独自の世界観を形成し、ファンを獲得できるのも企業アカウントとしてのSNS運用のメリットです。
世界観に共感してくれる人がアカウントのファンとなり、より強い関係づくりにつながります。世界観づくりを成功させるために重要なのは、トーン&マナーを崩さないこと。そのためのポイントは、後述する注意点を確認してみてくださいね。
企業アカウントとしてSNSを運用するときのKPI
SNS運用のKPIは、使用するSNSやその運用目的によって変わります。どんな効果を求めて運用するのか、振り返りにどんな指標が必要なのか精査しながらKPIを設計しましょう。
【アカウントの運用目的とKPIの例】
- マーケティング:製品・企業の認知度、リンククリック数、リツイート数、いいね数、シェア数
- 広報:リンククリック数、リツイート数、いいね数
- コミュニケーション:フォロワー数、エンゲージメント率、リプライ数
- カスタマーサポート:エンゲージメント率、問い合わせ数、リプライ速度
企業アカウントとしてSNSを活用するときの5つの注意点
せっかくの企業アカウントも、誤情報の配信や炎上を起こしてしまうとユーザーとの関係づくりに支障をきたしますし、信頼度が落ちてしまいます。運用を始める前に、次の5つの注意点を必ず押さえておきましょう。
1.目的にあったプラットフォームを選ぶ
先述のとおり、SNSによって強み・弱みやユーザー層は大きく異なります。企業アカウント運用の目的に応じて最適なプラットフォームを選ぶことが、運用の効果を最大化させるためのポイントになります。
無理にすべてのSNSを使用する必要はありません。まずはスモールスタートで自社のサービスともっとも相性の良さそうなプラットフォームを選び、コツコツとファンを増やしていくのも方法のひとつです。
2.継続的に運用できる体制を整える
アカウントを作成してファンを増やしても、投稿の頻度がまちまちだったり継続せずに途切れてしまったりすると、ユーザーはすぐに離れていってしまいます。
一度運用を始めたら、既定の投稿頻度に応じて継続的に運用できる体制を整えておきましょう。ユーザーとの接点を途切れさせないことが重要です。SNSの投稿には一定の工数がかかるので、必要に応じて複数の運用担当者をアサインすると良いでしょう。
3.複数人での運用でもトーン&マナーを崩さない
1人で運用する場合でも、複数人で運用する場合でも、アカウントのキャラクターや投稿のトーン&マナーがブレないようルールを決めておきましょう。トーン&マナーを守ることがユーザーとの信頼関係の構築や世界観づくり、炎上などのリスクの低減につながります。
- 文章関連のルール
堅さと柔らかさのバランスや口調、絵文字・顔文字の使用可否など - 写真 / 動画関連のルール
色味、雰囲気、写真・動画サイズ、動画の長さなど
4.誤爆や誤解を招く発言しないよう投稿前に内容を確認する
SNSの運用につきものなリスクが「誤爆」や「炎上」です。中には、一度投稿した内容は編集できないSNSもありますし、削除したとしてもシェアで一気に拡散されてしまう可能性もあります。
情報の正確性に注意を払うのはもちろんですが、SNSの利用者や社会の多様性に配慮しているか、自社の経営理念に準じた内容になっているか、などを投稿前に必ず確認しましょう。運用担当者だけでなく、上長などのダブルチェックを挟む運用体制を構築しておくと安心でしょう。
5.ネガティブなリプライへの対策を考えておく
投稿のコメント欄を開放している場合、集まってくるコメントやリプライは決して好意的なものばかりではありません。ネガティブなものが含まれる可能性も想定しておきましょう。
ネガティブなリプライへの対応次第で、アカウントのイメージが変わってしまったり、その後の運用に支障をきたしたりすることもあります。万が一、ネガティブなリプライが来た際にどんな対応がベストなのか、対策を定めて必ずルール化しておきましょう。
SNSの企業アカウント成功事例3選
SNSで企業アカウントを作成する際に参考にしたい成功事例を3つご紹介します。それぞれに特徴のある運用で、ファン数を伸ばしている企業アカウントです。成功事例の良いポイントを取り入れつつ、自社らしいアカウント運用に活かしてくださいね。
1.X(旧 Twitter):シャープ
X(旧 Twitter)で成功している企業アカウントとして必ず話題にのぼるのが、シャープ株式会社のアカウントです。
「企業」だけではなく「企業アカウントの中の人」と親密なコミュニケーションを取れることが魅力で、まるで友人と会話しているような気軽さが特徴的です。開設以来、順調にフォロワー数を増やしてきました。
また、ユーザーとのコミュニケーションだけでなく同業他社の企業アカウントなどとも積極的に交流しており、運用の自由度がとても高い部類だと言えます。コミュニケーションに特化した企業アカウントとして、ぜひ参考にしてみてください。
2.Instagram:日産
自動車メーカーの日産のInstagramアカウントの特徴は、オリジナルのハッシュタグ「#5523」を用いた投稿です。
「GO!GO!日産」をもとに作られたこのハッシュタグを付けた投稿は11.3万万件を超えており(2023年9月現在)、ファンにもしっかりと浸透していることが窺えます。また、フォロワー数はもちろんのこと投稿へのコメント数もほぼ毎回2桁を超えており、ファンのアクション率が高いことも特徴的です。
3.YouTube:北欧、暮らしの道具店
InstagramやFacebook、LINEなど各種SNSでの世界観づくりと発信する情報の品質、ファンの定着率で度々話題になる「北欧、暮らしの道具店」。2018年からはYouTubeチャンネルも開設し、オリジナルドラマやインタビュー動画、ラジオなどを配信しています。
ECサイトがドラマを制作するという珍しい取り組みですが、チャンネル登録者数は57.5万人を超えています(2023年9月現在)。どのSNSでもブレない「北欧らしさ」や「近すぎず遠すぎず」なファンとの距離感、コンテンツのクオリティは、業種が異なる企業アカウントでもぜひ参考にしたいポイントです。
企業のSNS発信は継続がカギ
認知度アップやSNS利用者とのコミュニケーションのために、今や欠かせないツールとなった企業アカウント。その運用や情報発信のカギは、「継続」です。
まず運用の目的を定め、トーン&マナーを整え、ルールに基づいて運用を継続する。そうすれば、世界観は徐々にでも必ず浸透します。成功事例も参考にしながら、ぜひ企業アカウントの運用に取り組んでみてくださいね。
<編集:PR TIMES MAGAZINE編集部>
SNSの企業アカウント作成に関するQ&A
PR TIMESのご利用を希望される方は、以下より企業登録申請をお願いいたします。登録申請方法と料金プランをあわせてご確認ください。
PR TIMESの企業登録申請をするPR TIMESをご利用希望の方はこちら企業登録申請をする