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プレスリリースの最適な配信タイミングは?曜日・時間・時期を戦略的に決定して効果を最大化させよう

プレスリリースの最適な配信タイミングは?曜日・時間・時期を戦略的に決定して効果を最大化させよう

毎日数多くのプレスリリースが配信される中、限られたメディアの目に留まり、記事として取り上げてもらうためには「いつ配信するか」が非常に重要です。内容が同じでも、配信する曜日や時間によってメディア掲載率は大きく変わる可能性があります。

では、いつ配信すれば効果的なのでしょうか。

結論から言うと、最もおすすめの配信タイミングは「火曜〜木曜の10時〜15時前後」です。この時間帯は、編集部や記者がその日配信するニュースを選ぶタイミングと重なるため、目に留まる可能性が高まります。

本記事では、こうした最適な配信タイミングの根拠と、新聞やテレビ、雑誌、Webメディアなど、媒体ごとの特色も詳しく解説します。プレスリリースを配信する際、適切なタイミングでメディア側にアプローチしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

目次
  1. なぜプレスリリースは「配信タイミング」で成果が変わるのか

  2. プレスリリースを配信する最適なタイミング|おすすめの曜日・時間・何日前か

  3. 【送り先の媒体別】プレスリリース配信の最適なタイミング・時期

  4. 【配信内容別】プレスリリースを送る最適なタイミング・時期

  5. プレスリリースの配信タイミングの例外ケース

  6. プレスリリースを出さない方がいい・ずらしたほうが良いタイミング

  7. 年間スケジュールで考えるプレスリリース配信計画

  8. プレスリリースの配信タイミングに関するQ&A

  9. プレスリリースは、どんなタイミングで記事にしてもらいたいのか時期を逆算して配信しよう

なぜプレスリリースは「配信タイミング」で成果が変わるのか

プレスリリースは「いい内容を書けたか」だけでなく、「いつ届けたか」で成果が大きく変わります。メディア側は限られた時間のなかで膨大な情報を取捨選択しており、チェックする時間帯や忙しさの波があります。そのタイミングにうまく乗れたリリースは目に留まりやすく、同じクオリティでも掲載率が上がります。

一方で、編集部が会議や締切対応で手一杯の時間に届いたものは、内容が良くても「読む余裕がないまま流れてしまう」ことがあります。だからこそ、配信タイミングまで含めて設計することが、広報施策の重要な打ち手になります。

記者・編集部の「業務リズム」と情報の取りこぼしリスク

新聞社やテレビ局、Web編集部には、それぞれの「業務リズム」があります。朝はその日のニュース候補を選ぶ時間帯、昼前後は企画調整、夕方以降は原稿執筆や編集でバタつく、という流れが一般的です。このピークタイムに大量のリリースが一度に届くと、どうしても全件を丁寧に読めません。件名やタイトルだけざっと眺めて、スルーされるものも出てきます。

逆に、記者が比較的落ち着いてメールボックスを整理している時間帯に届いたリリースは、中身まで読んでもらえる確率が高まります。「読まれないまま埋もれるリスク」を減らすには、相手の業務リズムを前提に配信タイミングを決める発想が有効です。

早すぎても遅すぎても届かない?ニュース価値と鮮度の関係

プレスリリースには「ニュースとしておいしい期間」があります。発表が早すぎると、記者が記事化する頃には情報が古く感じられたり、読者の関心がまだ高まっておらず、企画に載せにくくなったりします。逆に遅すぎると、競合他社に後れを取って目新しさがなくなったり、イベントや発売日の直前すぎて企画が組めない、という状況に陥りがちです。

ニュース価値は内容だけでなく、「その話題を世に出す時期」とセットで評価されます。発表のゴール(記事化・来場・販売開始など)から逆算して、「いつ出せば一番鮮度が高く、企画にも組み込みやすいか」を考えることが、成果を左右するポイントになります。

自社のリソース(問い合わせ対応・SNS連動)も含めた最適タイミング

配信タイミングを考えるとき、多くの担当者はメディア側の都合だけを意識しがちですが、自社の体制も同じくらい重要です。問い合わせが増える可能性が高いリリースを、広報担当が不在の日や社内が会議で埋まっている時間に出してしまうと、せっかくの反応を取りこぼします。

また、SNSでの拡散やWebサイト更新と連動させるなら、配信後数時間はモニタリングとリアクションに時間を割けるスケジュールが望ましいです。「出したら終わり」ではなく、「出してからの対応をきちんと回せるか」を含めて、自社のリソース視点からも配信タイミングを設計しておくと安心です。

ここからは、配信に適切なタイミングや時期、媒体ごとの特色を詳しく解説していきます。

プレスリリースを配信する最適なタイミング|おすすめの曜日・時間・何日前か

プレスリリースを配信するおすすめの曜日・時間

プレスリリースは、何曜日の何時に送るのが最適なタイミングなのか悩む方が多いでしょう。ポイントは、メディア関係者の行動に合わせて送ることです。具体的におすすめの曜日と時間を紹介していきます。

おすすめの曜日は平日の「火曜・水曜・木曜」

プレスリリースを送る曜日としておすすめなのは、平日の中3日間「火曜・水曜・木曜」です。経済部やビジネス報道など、企業を取材する部署の記者は、取材先に合わせて暦通りに休むことが少なくありません。土日祝日のプレスリリースは、こうした担当の記者に見てもらえる確率が下がります。

また、月曜午前や金曜午後などの休日前後は記者のもとに届く情報量や業務量が多く、リリースチェックに割く時間が少なくなりがちです。

特別な曜日指定や日付指定がない場合は、「火曜・水曜・木曜」をプレスリリースの配信日に設定しましょう。忙しい曜日があらかじめわかっている場合は、なるべく外したほうが安心です。

月曜・金曜・土日配信はNG??目的別の考え方

金曜日のプレスリリース配信は避けたほうがよいと聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。前述の通り、企業を取材する部署の記者の方に対しては、金曜の配信は避けたほうがよいでしょう。

一方、金曜日が有効とされることもあります。例えば、週末にかけて多く検索されることが見込まれており、新規情報として届けたい場合。また、類似サービスや競合他社の発表が予想され、あえて同じ日程での配信を避けたい場合も挙げられます。戦略的に配信タイミングをずらすことは有効ですが、問い合わせ対応ができる体制は整えておきましょう。

おすすめの配信時間は「10時~15時」

配信におすすめの時間帯は、企業のコアタイムに沿った10時~15時です。

記者は取材で一日中現場に出ていることもあり、夕方以降は朝刊や報道番組などの制作で忙しく、業務が落ち着くのは夜間になりがち。広報PR側のコアタイムも考慮し、互いにやり取りしやすい午前中から夕方前に配信したほうがよいでしょう。

「何日前に出すか」を決める基本軸

「何日前に出すべきか」は、ニュースの性質によって変わります。事故報告や障害復旧などの即時性ニュースは「分かり次第すぐ」が基本で、遅れるほど信頼が損なわれます。

一方、イベントやキャンペーンは「知ってもらってから行動してもらうまでの時間」が必要なため、開催の1〜2ヵ月前からティザー、2週間前に詳細、直前にリマインドというように段階的な配信が有効です。店頭施策や期間限定キャンペーンのように「今週末に動いてほしい」場合は、生活者の行動が決まりやすい週の前半〜金曜が狙い目です。

このように、ニュースの即時性と、読み手に求めるアクションまでのリードタイムを軸に、「何日前に出すか」を設計していくと判断しやすくなります。

【送り先の媒体別】プレスリリース配信の最適なタイミング・時期

プレスリリースを配信するタイミング

プレスリリースを送るタイミングや時期を検討する際には、媒体の種類を考慮する必要があります。理由は、媒体の種類によってコンテンツを作るスケジュールが異なるためです。

以下で、主なプレスリリース配信先である紙媒体・テレビ・Webメディアなどへの最適なタイミングをご紹介します。

新聞・雑誌:発刊に合わせたタイミングで配信する

新聞社への配信タイミング

最初に、新聞社・雑誌社にプレスリリースを配信するタイミングについて紹介します。

毎日発行される日刊紙、1週間に一度の週刊紙、月に一度の月刊紙、3ヵ月に一度の季刊紙など、種類はさまざまです。それぞれに応じたタイミングでプレスリリースを配信しましょう。

日刊紙の場合

日刊紙であれば急きょ入ったニュースを即日記事にすることもあるので、1週間前から前日までのオンタイムでの配信が可能です。

ただし、取り扱う枠によって情報提供に適したタイミングは異なります。例えば経済面や社会面、地域面などで扱われるストレートニュースは真新しさが必要なので、タイムリーに配信すればOKです。

特集面やインタビューコーナーなどに掲載してほしい場合は、即時性は求められないこともあるため、出せるタイミングで情報提供をすればよいケースもあります。

週刊誌の場合

週刊紙であれば、企画提出の締め切りを記者にあらかじめヒアリングしておき、それに間に合うように逆算してプレスリリースを配信します。

月刊誌の場合

月刊紙は、企画会議よりも前に配信する必要があるので、約2ヵ月前を目安にするとよいでしょう。

季刊誌の場合

季刊紙の場合はさらにスパンが長くなるため、半年から2ヵ月前までには情報提供しておく必要があります。

新聞・雑誌への掲載を目指す場合は、種類と企画の枠を検討したうえで、記者とコミュニケーションをとるように心掛けましょう。

テレビ:オンエアの時期が重要

テレビにプレスリリースを送る場合は、番組の内容によって適したタイミングが大きく異なります。企画として取り上げてもらいたい場合には放映当日の「2ヵ月前」がひとつの目安。対して、生放送のニュース番組は速報性が重要なので、番組のオンエアの6~7時間前がよいでしょう。

速報性よりも話題性でテレビ番組での放映を狙うのであれば、企画のスケジュールが組まれる2ヵ月ほど前には、自社のプレスリリースが会議や検討のテーブルに並べられる必要があります。番組や放送局によりますが、ターゲットとするメディアを定め、担当記者を通じて取り上げやすい時期を知ることが大切です。

Webメディア・ニュースサイト:最短当日の配信でもOK

Webメディアやニュースサイトの場合は、数日前、最短なら当日の発表でも記事にしてもらえる可能性があります。企業側の情報解禁からニュース記事として紹介されるまでのタイムラグがもっとも短いのが、Web媒体ならではの強みです。

プレスリリースを送る時間帯や時期にも特別な注意点はありません。親和性が高く、掲載を狙いたいメディアがある場合は、前もって個別の情報提供を行って調整を進めるのも有効な手段です。

記者クラブ:媒体・案件内容を見極めて投げ込む

記者クラブへの投げ込みを行う場合は、あらゆる種類の媒体に、さまざまなタイミングで掲載される可能性があることを意識しましょう。

各官庁や財界・業界団体など多様なカテゴリーの現場に置かれている記者クラブ。新聞社・通信社・テレビ局などが属していることが多くあります。

いずれも日常的に発信するメディアなので、タイムリーな情報提供が可能です。ただ、記者クラブはあくまで現場に設置された「出先機関」。緊急性が低い企画については、本社に提案されるまでにタイムラグがあると考えてよいでしょう。

プレスリリースのタイミングは、イベント告知であれば1ヵ月から2週間前、業務提携や資金調達などコーポレート全体の動きであれば即時、というように、緊急性が高い案件かどうかでタイミングを考えましょう

記者クラブについては、以下の記事で紹介しています。

【配信内容別】プレスリリースを送る最適なタイミング・時期

内容別の配信タイミング

プレスリリースは、その内容によっても送るべきタイミングが変わります。例えば、緊急性の高い「ニュース」と「イベント告知」では、いつどのように配信するか、アプローチを変えることが大切です。

遅すぎたり早すぎたりすると本来の情報価値が薄まってしまうこともあるので、注意しなければなりません。配信の方法は、個別連絡のほか、一度に多数のメディアに配信できるプレスリリース配信サービスを活用する方法もあります。

ここからは、ニュースの内容に応じたタイミングを紹介していきます。

イベント・キャンペーンなどの場合:情報を小出しにしてアップデートしていく

イベントやキャンペーンの開催、新規店舗の開店などの場合は、開催日から逆算し、2週間前を目安に最初のプレスリリースを配信しましょう。

プレスリリースを開催直前に出して「気付いたときには終わっていた」となると、生活者にとっても主催した企業にとっても機会損失になってしまいます。

イベントや新規開店の情報は前もって発表し、可能であれば複数回に分けて配信しましょう。徐々にメディアや生活者の関心を引きつけていく効果を高めるためです。

初回のプレスリリースは日程と概要のみでも、次の発表でオープン記念企画や追加発表などを段階的に伝えると、期待感を高める効果にもつながります。イベントを取り上げるテレビ番組の放映前後にタイミングを合わせて発表し、概要を紹介するのも一計です。

グルメ情報の場合:週末、連休の直前もおすすめ

プレスリリースの配信は、火曜、水曜、木曜の10時~15時がおすすめですが、内容によっては、まったく別のタイミングのほうが興味を引きやすいケースもあります。

例えば飲食店のキャンペーンなどグルメ系のプレスリリースの場合は、金曜夕方から夜の配信がおすすめです。1週間が終わり、週末の過ごし方を考えている人が多いことから、メディア関係者、生活者ともにビジネスタイムとは異なる情報を探す傾向にあります。「この土日に行ってみよう」と来店や購入のきっかけににつなげることもできるでしょう。

グルメを中心に、週末に出かけたくなるレジャーやエンターテインメント系の内容を配信する際には、メディア関係者の行動パターンだけでなく、私たち「生活者」の暮らしのリズムにも着目します。特にBtoCの商品やサービスを展開する企業においては、メディア以外にも「このプレスリリースを受け取って喜ぶのはどんな人?」と想像を広げてタイミングを考えるのも大切です。

新製品情報の場合:タイムリーに1週間前~前日

新製品の情報はタイムリーに1週間前~前日に配信しましょう。プレスリリースの準備は新製品の開発と並行して進めておき、いつでも配信できるようにします。

新製品情報の発表の場合、メディアが注目するのは目新しさとタイミングのよさです。基本的には発売直前にプレスリリースを配信するのがベストです。

業績報告:即日が基本

売り上げや販売数などの業績報告のプレスリリースは、即日公開が基本です。

情報が古くなってしまっては意味がないので、まとまり次第すぐに公開するようにしましょう。

メディア誘致が目的の場合:余裕を持って1ヵ月以上前

自社イベントや内覧会などの取材に来てもらいたい場合、つまりメディア誘致が目的のプレスリリースや案内状は、余裕を持って1ヵ月以上前に配信しましょう。記者のスケジュールを事前に押さえておくためには、1ヵ月程度の余裕が必要なためです。

最初のアプローチは約1ヵ月前に行いますが、1週間前や前日にも同じ情報を繰り返し伝えると効果的です。記者の予定が直前に空いた場合など、足を運んでもらえるチャンスが生まれます。

プレスリリースの配信タイミングの例外ケース

基本的には「火曜〜木曜の午前10時前後」が最適な配信タイミングですが、すべてのケースにこのタイミングが当てはまるわけではありません。特に以下のような緊急性の高い内容については、曜日や時間を問わず、できるだけ早く配信することが求められます。

不祥事や事故などの緊急事態に関する発表

自社や関係先で発生した不祥事、事故、サービスの重大な不具合などについては、情報を隠していると思われないよう、迅速かつ正確にリリースを配信することが最優先です。特にSNSなどで情報が拡散している場合は、企業自らが公式に事実を発信することで、風評や憶測の拡大を防ぐ効果もあります。

 誤情報や掲載内容の訂正リリース

プレスリリースの内容に誤りがあった場合も、判明した時点ですぐに訂正リリースを出すことが基本です。誤情報が広がる前に、事実を明確に修正し、メディアや読者への誠意ある対応を示しましょう。

これらの例外ケースでは「最適な配信タイミングを狙う」よりも、スピードと誠実な情報開示が最も重要なポイントです。リスクマネジメントの観点からも、企業としての信頼を守る行動が求められることを理解しておきましょう。

プレスリリースを出さない方がいい・ずらしたほうが良いタイミング

どれほど内容に自信があるプレスリリースでも、「あえて出さないほうがよいタイミング」が存在します。世の中に重大ニュースが溢れている日や、企業活動が止まりがちな長期休暇期間に発表してしまうと、自社の情報は埋もれやすく、せっかくの準備が十分な成果につながりません。

また、自社の体制が整わないなかで配信すると、問い合わせへのレスポンスが遅れ、信頼低下にもつながりかねません。「いつ出すか」を決める際には、「その日に出さないほうがいい理由がないか」を一度立ち止まって確認すると、配信の打ち手が洗練されていきます。

大型ニュース・災害・選挙など「ニュースが埋もれやすい日」

大規模な自然災害、国政選挙、大企業の不祥事や経済危機など、「社会全体の注目が特定のニュースに集中している日」は、一般的な企業リリースがほとんど取り上げられません。編集部は関連報道の対応で手一杯になり、通常の企画枠が減ったり後ろ倒しになったりします。このような状況で新商品やキャンペーンを発表しても、記者の目に十分触れないまま流れてしまう可能性が高いです。

よほど関連性の高い話題でない限り、大型ニュースが続いている期間は、配信日を数日ずらせないか検討することが、成果を守るうえで得策といえます。

年末年始・大型連休・お盆など、企業活動が止まりやすい期間

年末年始やゴールデンウィーク、お盆といった長期休暇の前後は、多くの企業で業務が分断されます。休暇前は締切対応に追われ、休暇中は担当者が不在、休暇明けはたまった案件の処理で手一杯という流れになりがちです。このタイミングで配信されたプレスリリースは、執務再開時の大量メールに埋もれやすく、反応が鈍くなります。

どうしても暦上のイベントに紐づく発表が必要な場合を除き、長期連休のど真ん中や直前の夕方は避け、連休明けの落ち着いた平日にずらすなど、スケジュール調整を検討すると安心です。

自社のリソースが不足している日(問い合わせ対応・SNS運用ができない日)

社内の会議が集中している日や、広報担当が出張・登壇でほぼ不在の日に、反響が見込まれるリリースを出してしまうと、問い合わせへの対応やSNSでのリアクションが追いつきません。記者からの追加取材の打診に即座に返せないと企画採用のチャンスを逃し、生活者からの質問に回答が遅れると、サービスへの信頼も揺らぎます。

配信タイミングを決める際には、「配信後数時間〜1日は、誰がフロントに立てるか」を必ず確認し、対応できる人員がいない日時は避ける方針を徹底しておくと、機会損失を防ぎやすくなります。

年間スケジュールで考えるプレスリリース配信計画

単発のリリースごとにタイミングを決めるだけでは、どうしても場当たり的な広報になりがちです。年間を通じた事業計画や業界のイベントカレンダーを見ながら、「どの時期に、どんなテーマの発表をしていくか」をラフにでも設計しておくと、ニュースの山谷をコントロールしやすくなります。

四半期ごとの決算、期末の総括、春・秋の新製品ラッシュなど、あらかじめ予測できるタイミングに合わせて情報の粒度を調整すれば、メディアとの接点も生活者とのコミュニケーションも安定して積み上げられます。

四半期決算・大型イベント・業界カレンダーから逆算する

決算発表や自社主催の大型イベント、業界カンファレンスなど、「毎年同じ時期に発生するニュース」を基準にすると、年間のプレスリリース計画を立てやすくなります。まずは四半期ごとに必ず出すべきリリース(決算・方針・重要なお知らせ)を書き出し、次に業界展示会やアワードの応募・発表時期を重ね合わせます。

そのうえで、新サービス発表や採用ブランディング、調査結果の開示などを、空いている月に分散させて配置すると、年間を通じて安定した露出が期待できます。逆算で考えることで、「気づいたら年度末に重要発表が集中していた」といった偏りも防ぎやすくなります。

自社の繁忙期・閑散期と連動させた発表計画の立て方

自社の売上が伸びやすい時期や、営業・カスタマーサポートが忙しいシーズンも、配信計画に組み込んでおくとバランスがとりやすくなります。繁忙期に大量のリリースを出しても、問い合わせ対応や受注処理が追いつかず、かえって機会損失になることもあります。

一方、比較的落ち着いている閑散期にブランドストーリーや調査結果、カルチャー紹介など中長期的なテーマのリリースを出すと、社内外への理解を深めやすくなります。事業側の繁閑と広報の発信タイミングを揃えることで、「受け入れる体制があるときに攻める」戦略が取りやすくなります。

プレスリリースの配信タイミングに関するQ&A

配信タイミングは、教科書的な「正解」があるようでいて、実際には企業ごとの事情や狙うメディアによって最適解が変わります。そのため、実務では細かな疑問が次々に出てくるでしょう。最後に、広報担当者からよく聞かれる質問に絞って整理し、「考え方の軸」を示します。すべてを一度に完璧にする必要はなく、自社の実績を振り返りながら、少しずつ勝ちパターンを見つけていく姿勢が重要です。

FAQ

Q.深夜・早朝・土日祝日に配信しても問題ない?

技術的にはいつ配信しても問題ありませんが、多くのメディア担当者が業務していない時間に配信すると、確認されるのは結局「次の営業日の朝」です。その時点でメールボックスに大量の情報が溜まっていると、埋もれてしまうリスクが高まります。

一方で、SNSや自社サイト向けに生活者へ直接届けたい内容であれば、土日の夜や連休中の朝など、ターゲットがスマホを見る時間帯を優先して配信するケースもあります。メディア向けなのか、生活者向けなのか、どちらを主眼に置くかで深夜・休日配信の是非を判断すると整理しやすくなるでしょう。

Q.海外向けのプレスリリースはタイムゾーンをどう考えればよい?

海外メディアやグローバルな読者を想定する場合は、「どの地域の担当者に、どの時間帯に読んでほしいか」を起点に考えます。

例えば欧米の記者をメインターゲットにするなら、日本の夕方〜夜が先方の午前〜昼にあたるため、その時間帯に合わせて配信予約を設定するイメージです。すべてのタイムゾーンにぴったり合わせることは難しいため、優先度の高いエリアを決め、その市場にとっての「就業時間内」に届くよう調整します。同時に、自社サイトの英語版やグローバルSNSでの告知タイミングも揃えると、情報の一貫性を保ちやすくなります。

Q.配信予約機能や一斉配信サービスを使うときの注意点は?

配信予約や一斉配信サービスは、タイミングを細かくコントロールしつつ、人的ミスを減らせる便利な仕組みです。ただし「予約したから安心」と油断すると、直前で情勢が変わったり、リリース内容の修正が必要になったりしたときに対応が遅れます。予約設定後も、配信前日に内容と日時を再確認するフローを作っておくと安全です。

また、一斉配信だけに頼らず、特に関係性を築きたいメディアには、別途ピンポイントでの個別連絡や事前説明を組み合わせることで、掲載の確度を高められます。

Q.「このタイミングが正解」と言えない場合、どう判断すべき?

どの曜日・時間に出すべきか迷うときは、「誰に」「どんなアクションを」「いつまでに」起こしてほしいのかを書き出してみると判断しやすくなります。ターゲットが記者なのか生活者なのか、記事化を狙うのか来場・購入を促したいのか、期限はあるのかないのか、という観点で整理すると、自然と候補が絞られていくでしょう。

そのうえで、過去の配信実績から開封率や掲載結果を振り返り、「自社ではこのパターンが相性がよい」という仮説を立てて試していくことが大切です。迷ったときは、完璧な正解探しよりも「検証可能なタイミング」を選び、次につながる学びを得る姿勢を持つと前に進みやすくなります。

プレスリリースは、どんなタイミングで記事にしてもらいたいのか時期を逆算して配信しよう

プレスリリースを計画的に配信するときには、「どのメディアに」「どのように」取り上げられたいのかを考えましょう。記者とコミュニケーションをとりながら、掲載媒体、企画名まで絞り込んで計画を練るのがベターです。

特別なスキルよりも、メディアの立場や記者の行動についての情報を収集しつつ、スケジュールを逆算して想像を膨らませることが大切です。想像力は、配信のタイミングだけでなく、メディア関係者や生活者に伝わりやすい内容のプレスリリースを作るときにも必要になってきます。

情報を受け取る相手の気持ちになり、最適なタイミングでプレスリリースを配信し、メディアにアプローチしていきましょう。

<編集:PR TIMES MAGAZINE編集部>

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