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ホワイトペーパーとは?役割や種類別の内容・作り方・活用方法まで基礎知識を紹介

主にB2Bのマーケティング領域で、リードの獲得や育成のために導入される「ホワイトペーパー」。

初めてホワイトペーパーを作る際、何から始めればいいのか迷う方は多いでしょう。そんな制作担当者に向けて、本記事ではホワイトペーパーの基礎知識や、作成時のポイントをご紹介します。

目次
  1. ホワイトペーパーとは?営業資料やサービス資料との違い

  2. ホワイトペーパーの役割・効果

  3. ホワイトペーパーの種類と主な構成・内容

  4. ホワイトペーパーの作り方・制作方法

  5. ホワイトペーパーを制作するときの5つのポイント

  6. ホワイトペーパーの制作は内製がいい?外注したときの制作費の目安

  7. ホワイトペーパーの主な4つの活用方法

  8. 効率的な顧客獲得にホワイトペーパーを活用して

  9. ホワイトペーパーについてのQ&A

ホワイトペーパーとは?営業資料やサービス資料との違い

ホワイトペーパーとは、読者への情報提供や課題解決のために作成される資料のこと。

営業資料やサービス資料が、自社商品やサービスの詳細、メリットについて説明する目的を持っているのに対し、ホワイトペーパーは読者の課題解決や情報提供を目的として作られることに違いがあります。自社の「売り込み感」「広告感」が強くないため、より多くの方に目を通してもらいやすいのも特徴です。

ホワイトペーパーは作成目的こそ異なるものの、営業資料やサービス資料として活用できるのもポイントです。

ホワイトペーパーの役割・効果

ホワイトペーパーは、マーケティング活動の一環として重要な役割を果たします。主な効果としてあげられるのは、リード獲得・リード育成ですが、そのほかにもさまざまな効果を期待できます。まずはホワイトペーパーの役割や効果について解説します。

ホワイトペーパーの役割・効果

1.リード獲得

ホワイトペーパー作成の1つ目の効果は、リードの獲得です。ホワイトペーパーをダウンロードする際に、いくつかの情報を入力してもらうようにすれば、リード獲得につなげられます。

ダウンロード時に求める情報としては、社名・氏名・メールアドレス・電話番号・所属部署名などが一般的。自社や自社の商品・サービスに興味関心のある良質なリードを集められます。

2.リード育成

ホワイトペーパー作成の2つ目の効果は、リード育成リードナーチャリング)です。

メールマガジンや獲得した個人情報を使ってコンタクトをとりながら、ホワイトペーパーをダウンロードした見込み客に対し、定期的にアプローチすることで徐々に関係を構築できます。過去のダウンロード履歴から興味関心のありそうなジャンルの最新資料を積極的に提供し、関係の強化を目指すことが可能です。

3.顧客満足度を高める

ホワイトペーパー作成の3つ目の効果は、顧客満足度の向上です。

業界に関するトレンドや、業界の動向、成功事例などの資料は、情報収集やキャッチアップに時間がかかるため、資料としてまとまったホワイトペーパーは顧客にとって有益な情報となります。

業務を行ううえで参考になりそうなノウハウやTIPS、資料などを共有することにより、顧客満足度の向上につなげられます。

4.営業の精度向上につながる

ホワイトペーパー作成の4つ目の効果は、営業の精度向上につながることです。ホワイトペーパーを、顧客の興味関心のレベルに合わせて段階的に制作することで、どの資料をダウンロードしたのかによって興味関心のあるジャンルや段階を把握できます。

需要のある情報がわかれば営業施策も考えやすく、営業の精度向上にもつながっていくでしょう。

5.ブランディング

ホワイトペーパー作成の5つ目の効果は、ブランディングです。

業界の動向をまとめた資料やレポートなどでは、自社の専門性の高さを示すことが可能。どんな商材を取り扱っている企業なのか、何を専門としている企業なのかなどもホワイトペーパーを通して伝えられるため、ブランディングにも効果的です。

ホワイトペーパーの種類と主な構成・内容

一口にホワイトペーパーといっても、ターゲットや制作目的ごとに適した種類があります。

<ホワイトペーパーの種類>

  1. 【興味関心】入門ガイド・用語集
  2. 【潜在顧客】課題解決型
  3. 【潜在顧客】調査レポート型
  4. 【潜在顧客】セミナー資料・展示会レポート型
  5. 【潜在顧客】トレンド情報関連の資料
  6. 【比較検討】事例紹介型
  7. 【比較検討】サービス資料・カタログ・チェックシート

興味関心を持っている段階、潜在顧客である段階、製品やサービスの比較検討段階にあわせて効果的なホワイトペーパーの種類は異なります。それぞれの段階にあわせたホワイトペーパーの種類と、主な構成や内容について紹介します。

1.入門ガイド・用語集

ホワイトペーパーの1つ目の種類は、入門ガイド・用語集です。どちらも、自社の業界に関する理解を深めてもらうために作られます。

入門ガイドは、業界に関する基礎知識をまとめたもの。例えば、Instagramの情報分析ツールを提供する会社のホワイトペーパーでは「初心者に向けたInstagramの使い方」「Instagramで投稿をする方法」などが入門ガイドとして考えられるでしょう。

用語集は、業界で頻出する用語の意味をまとめたもの。特定の業界について情報を集めている方にアプローチしたい場合に適したホワイトペーパーです。

これらの情報を求めている人はこれから専門知識をつけようと思っている初心者の段階だと想定できます。専門的な用語の使用は極力避け、もし使用する場合はその用語の意味もきちんと説明するなど、ターゲットに対しての配慮が必要です。

2.課題解決型 

ホワイトペーパーの2つ目の種類は、課題解決型です。

課題解決型とは名前の通り、課題の解決や、アドバイスを与えることを目的としたホワイトペーパー。課題解決のためのノウハウやワークシートなどの情報を記載しつつ、潜在的な顧客を自社の製品・サービスに誘導できます。

自社の商品・サービスの認知拡大がなかなか広がらない場合や、製品・サービスの訴求力が弱い場合にも役立つホワイトペーパーです。

3.調査レポート型

ホワイトペーパーの3つ目の種類は、調査レポート型です。

調査レポート型とは、自社の商材が関連する業界や市場の調査をレポートにまとめたもの。ホワイトペーパーを活用して、業界や市場の最新情報を収集したい方がターゲットです。

調査レポートは、定期的に調査を実施し、情報をアップデートし続けることが重要。中には、顧客向けに実施したアンケートの調査結果をレポートにまとめるケースもあります。

アンケートは、オンラインで行えるため、手間やコストをあまりかけられない場合に適しています。

4.セミナー資料・展示会レポート型

ホワイトペーパーの4つ目の種類は、セミナー資料展示会レポートです。

セミナー資料とは、自社で主催したセミナーで利用したものをホワイトペーパー化したもの。セミナー資料を公開することで、参加に迷っている方の参加を促すことができます。セミナーに参加していなくても内容を把握できるよう、少し説明の手を加えて作るのがポイントです。

展示会のレポートは、名前の通り展示会の様子をホワイトペーパー化したもの。写真や動画で当日の様子を撮影し、フックとなりそうな切り口を考えておくと、制作がスムーズに進みます。自社アピールに直結させたい場合におすすめのホワイトペーパーです。

5.トレンド情報関連の資料

ホワイトペーパーの5つ目の種類は、トレンド情報関連の資料です。

自社の業界、製品やサービスに関する最新トレンド情報をまとめた資料は、検討の初期段階である顧客に対してアプローチできるのが特徴。トレンドの情報をまとめながら、うまく自社製品を絡めれば、サービス導入効果の訴求も可能です。

トレンド情報を掲載する際は、信頼できる機関から発行された資料を用いて作成するのがおすすめ。「約7割がホワイトペーパーの内容に「がっかり」した経験あり」のプレスリリースでもわかるように、ホワイトペーパーをダウンロードする方の多くは「情報収集」や「世の中のトレンドを知る」ことを目的としています。

制作担当の個人的な意見や限られた範囲での調査結果は、可能な限り避けるのがベター。社会的に信頼がおけるデータを収集し、ホワイトペーパーの制作にうまく活用しましょう。

6.事例紹介型

ホワイトペーパーの6つ目の種類は、事例紹介です。自社製品やサービスの導入事例をまとめるのが一般的です。

実際に自社のサービスを導入している企業や顧客に取材の申し込みをし、記事にするのが一般的な制作の流れ。導入前後でどんな変化があったのかなどを具体的にまとめることで、導入を検討している見込み客に対して効果的にアプローチできます。

7.サービス資料・カタログ・チェックシート

ホワイトペーパーの7つ目の種類は、サービス資料・カタログ・チェックシートです。

サービス資料やカタログは、自社の製品やサービスをまとめたホワイトペーパーです。概要や詳細、製品の写真や金額などを資料としてまとめるのが特徴です。

本来は営業資料として、営業の打ち合わせ時に使われていたものですが、近年ではホワイトペーパーとして公開する企業も増えてきています。見込み客や導入を検討している企業がターゲットの場合は、常に最新の資料を用意しておくのがおすすめです。

チェックシートは、サービス導入前に使えるセルフチェックシートのこと。自社に導入するべきかどうかの判断基準として使ってもらうことを目的としています。ダウンロードを検討するのは、契約の角度が高い顧客に限られますが、エクセルなどで簡単に制作できコストがかかりにくいため、作成してみることをおすすめします。

ホワイトペーパーの作り方・制作方法

ホワイトペーパーの制作の流れは、以下の4つに分けられます。

<ホワイトペーパーを制作する流れ>
STEP1.目的・課題設定
STEP2.ターゲット・目標の設定
STEP3.コンテンツ企画
STEP4.制作

まずは、なぜホワイトペーパーを作成するのか目的を検討しましょう。目的を達成するために、ホワイトペーパーの手法を取ることが適切なのか、他のマーケティング手法が適切なのかを確認します。

次に、ターゲットや目標を設定します。ターゲットを決める際は、どんな人に、どんな行動を取ってもらいたいかまでをセットで考えるのがおすすめです。目標設定では、ホワイトペーパーの制作・提供を通じて達成したいことを決めます。

目的や、ターゲット、目標まで決定した後、具体的なコンテンツ企画の内容を詰めていきます。ホワイトペーパー全体の構成や、ボリューム感なども合わせて検討しましょう。

ホワイトペーパーを制作するときの5つのポイント

ホワイトペーパーの制作に着手する際、気をつけておきたい点がいくつかあります。これらのポイントを意識するだけでも、仕上がりや読者の反応に違いが出るはずです。

次に、ホワイトペーパーを制作するときの5つのポイントを解説します。

ポイント

ポイント1.ターゲットを明確にし、具体的なテーマとゴールを決める

ホワイトペーパーを作成する1つ目のポイントは、ターゲットを明確にし、具体的なテーマとゴールを決めることです。

ホワイトペーパーは、作成するのに時間もコストもかかります。マーケティング効果を最大化させるために、どんなニーズを持った相手に向けて、なぜこの施策をするのかは明確にする必要があるでしょう。場合によってはペルソナを定めるのもおすすめです。

また、具体的なテーマや読後のゴールも決めておくとベター。ホワイトペーパーを読むことにより、読者がどんな課題を解決できるのかゴールを定めることで、コンテンツの内容を充実させられるでしょう。

ポイント2.ボリュームを決める

ホワイトペーパーを作成する2つ目のポイントは、ホワイトペーパーのボリュームを決めることです。

テーマやターゲット、ホワイトペーパーの種類にもよりますが、20ページ前後におさまるように作成するのが一般的です。ページ数が多いほど後半は読まれない可能性が高くなるので、簡潔に整理することを心掛けてください。

ポイント3.専門用語に注意する

ホワイトペーパーを作成する3つ目のポイントは、専門用語の取り扱い方です。

同業界の読者をターゲットにしたホワイトペーパーの場合、専門用語は使用しても問題ありませんが、注意したいのは、業界外の方をターゲットにした場合です。通じるかわからない用語は避け、ターゲットにとってわかりやすい言葉や表現を選びましょう

とはいえ、どの程度の専門用語が伝わないのか、わかりにくいこともあるでしょう。ホワイトペーパーが完成した際には、ターゲットに近しい第三者にわかりにくい言葉はないか確認してもらうことで、解説が必要な用語や言い換えが必要な言葉が見つかりやすくなります。

ポイント4.内容だけでなくUI・デザインにもこだわる

ホワイトペーパーを作成する4つ目のポイントは、内容だけでなくUI・デザインにもこだわることです。

ホワイトペーパーは内容の充実度に加えて、読みやすさも大切です。1ページあたりのテキストとビジュアルの割合を考えるのも重要なポイント。1ページすべてをテキストで埋め尽くすのではなく、写真やイラスト、インフォグラフィックなどを使い、データをわかりやすくまとめることも意識しましょう。

ポイント5.自社の売り込みばかりになっていないか注意する

ホワイトペーパーを作成する5つ目のポイントは、自社の売り込みばかりになっていないか注意することです。

ホワイトペーパーに求められているのは、専門的かつ詳細な信頼できる情報です。そのため、客観的なデータを用いているかは、読者にとって重要なポイント。ホワイトペーパーの目的は新規顧客獲得ですが、自社の宣伝ばかりになってしまっては、逆に客足は遠のいてしまいます。

まずは信頼関係を構築するため、自社の商品やサービスの情報は最低限にとどめましょう。

ホワイトペーパーの制作は内製がいい?外注したときの制作費の目安

ホワイトペーパーを制作する際、内製するか外注するか悩む企業も多いでしょう。内製の場合、内部のリソースを使って制作するため完成までに時間がかかるものの、コストは低く抑えられます。

一方、外注した場合は別途制作費がかかります。費用の相場は、5〜30万円とさまざま。1ページ1万円で制作を依頼できる企業もあれば、1本30万円で企画から制作までを一貫して受注しているケースもあります。また、フォーマット制作やターゲット設計の代行を追加オプションとして用意している場合もあり、自社に合わせた発注が必要です。

外注では制作費が必要となるものの、一定の品質のホワイトペーパーを作れるのはメリット。社内にホワイトペーパーの制作経験者や知見を持った社員がいない場合は、外注を検討してみるのも一案です。

ホワイトペーパーの主な4つの活用方法

ホワイトペーパーは、作成する前に活用戦略まで決めておくことが大切です。自社のサイトに掲載する以外に、さまざまな場面で応用できます。

最後に、ホワイトペーパーの主な4つの活用方法をご紹介します。

1.ダウンロードの導線を作りリードを獲得する

ホワイトペーパーの1つ目の活用方法は、ダウンロードの導線を作り、リードを獲得することです。

ホワイトペーパーは基本的に無料で公開しますが、単に誰でも自由にダウンロードできるのではなく、リードを獲得できる状態にすることで初めて役割を果たします。

ダウンロードの際には、社名・担当者名・連絡先などを記入してもらうようにしましょう。最新の資料を送付したり、他に参考になりそうな資料を追って連絡したりと、次にどうアクションをするのかまで検討しておくとよいでしょう。

2.他媒体に掲載してもらい、より多くのユーザーにリーチする

ホワイトペーパーの2つ目の活用方法は、他媒体に掲載してもらい、より多くのユーザーにリーチすることです。他社サイトへの掲載は、ダウンロードした顧客情報を獲得することは難しくなりますが、自社のことを知らないユーザーにまで情報を届けることができます。

例えば、課題解決型のひとつであるノウハウ資料であれば、特定の業界向けにホワイトペーパーを取り上げているサイトでの掲載があげられます。そのようなサイトには、業界関連の情報を求めているユーザーが集まりやすいため、効率的に届けることが可能です。

3.営業資料として活用し、確度の高い提案につなげる

ホワイトペーパーの3つ目の活用方法は、営業資料としての活用です。ホワイトペーパーは単なる情報提供のツールではありません。一番の目的は見込み客を育成し、顧客獲得につなげることです。潜在的顧客が判断材料として使える内容に作られているため、営業資料としても十分に使えます。

営業資料としての活用を前提に制作する場合は、資料の後半に自社の商品やサービスの情報を入れるようデザインを考えましょう。

4.メルマガやSNSなど自社の発信に活用する

ホワイトペーパーの4つ目の活用方法は、メルマガやSNSなど自社の発信に活用することです。メルマガやSNSなどでホワイトペーパーの内容を部分的に公開することで、ダウンロード数を増やせます。

ただし、メルマガの登録者数やSNSのフォロワー数が少ない場合は、あまり効果は見込めません。自社でセミナーやイベントなどを開催した際に登録やフォローを促し、ダイレクトにセールスできる見込み客を増やす施策も同時に考えましょう。

効率的な顧客獲得にホワイトペーパーを活用して

ホワイトペーパーはマーケティング手法の一種であり、作成すること自体が目的ではありません。潜在的な顧客の獲得、顧客の育成などの目的を達成するためには、ホワイトペーパーの内容にこだわるだけでなく、作成したホワイトペーパーをどう活用していくかも同時に考える必要があるでしょう。

本記事で紹介した内容を元に、目的を達成するためにホワイトペーパーが適しているのかも検討しつつ、ホワイトペーパーの内容や活用方法を検討してみてはいかがでしょうか。

ホワイトペーパーについてのQ&A

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この記事のライター

佐藤 杏樹

佐藤 杏樹

フリーのライター・編集者。PR TIMESに新卒入社しメディア事業部にてコンテンツ編集者・SNS運用・イベントなど担当。現在も執筆業に携わりながら広報・PRの仕事もしています。広報実務を通して得た知見や実践しやすい広報ノウハウ、最初に知っておきたい広報の基礎など、みなさまに分かりやすくお伝えします。

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