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インナーコミュニケーション活性化の成功事例20選とポイントを解説

インナーコミュニケーションとは、社内外の情報を経営陣や従業員に伝達し、社内コミュニケーションを活性化していくためのものです。

働き方が多様化したことで、組織内の情報共有を円滑にするため、従業員数や企業の規模に関係なくインナーコミュニケーションを重視する企業は増えてきているのではないでしょうか。

社内報や社内イベントから、普段のミーティングやコミュニケーションツールなどインナーコミュニケーションが影響する範囲はかなり広く、企業によってその取り組みはさまざま。本記事では、インナーコミュニケーションを活性化するための参考になる成功事例を紹介しています。他社の施策を参考にしながら、自社の施策検討に役立てください。

インナーコミュニケーションとは

インナーコミュニケーションは、「社内コミュニケーション」や「社内広報」ともいわれ、社内外の情報を経営陣や従業員に伝達し、社内コミュニケーションを活性化していくことを指します。

インナーコミュニケーションは、「従業員のモチベーションと帰属意識を向上していくこと」が目的です。従業員が働きやすい環境を作り、企業全体の成長につながる重要な施策といえるでしょう。

インナーコミュニケーションとは

インナーコミュニケーション活性化の成功事例

ここで、インナーコミュニケーションを活性化した20の成功事例を「ファミリーデー」「社内報」「社内アワード」「オフィス環境」「周年記念」「社内イベント」「ランチ会」「社内サークル・部活動」ごとに紹介します。同じような施策でも企業ごとの特徴を反映した内容となっていますので、それぞれどのような違いがあるのかという点も確認してください。

ファミリーデー

事例1.株式会社マイナビ

株式会社マイナビはグループのパーパスである「一人ひとりの可能性と向き合い、未来が見える世界をつくる。」を実現するため、2024年1月にサステナビリティ推進部を新設しました。サステナビリティ推進部は、社内外に対しその取り組みを推進・浸透することをミッションに掲げ、持続可能な事業活動を行っています。

ファミリーデーでは、サステナビリティ推進部のプロジェクトの一環として従業員のお子さんに対して職業理解ワークショップや、職場探検スタンプラリーなどのキャリア教育を行いました。

参考:マイナビ、本社で「ファミリーデイ」を初開催

事例2.ディップ株式会社

ディップ株式会社は、人材サービス事業を通じて培ってきた「仕事」に関するノウハウを活かし、未来を担う子どもたちに働くことの意味ややりがいを学んでもらうキャリア教育「バイトルkidsプログラム」を行っています。

ファミリーデーでは、参加した子どもたちへキャリア教育の場としてこのプログラムを盛り込み「1日社員証と名刺の配布」「オフィス見学」「社長室見学ツアー」などを行いました。

参考:初のファミリーイベント「dip ファミリーデー」を開催

事例3.キンコーズ・ジャパン株式会社

キンコーズ・ジャパン株式会社では、「働きがいが生まれる環境づくり」をマテリアリティのひとつに掲げ、働きやすく成長できる職場環境を推進しています。職場環境を従業員の家族にも知ってもらうため、夏休みの期間を利用して、従業員向けの親子イベントを実施。従業員のお子さんを社内印刷工場へ招待し、ワークショップを実施しました。

参考:キンコーズ スタッフ家族と共に夏休みの思い出作り ~自社工場で親子イベントを開催~

事例4.株式会社ワールド

株式会社ワールドは、従業員の小学生の子どもを対象にした「こども参観日」を実施。ワールドグループが手掛ける「洋服づくり」に関する説明や商品を撮影するスタジオの見学、子どもたち自身がモデルとなって撮影に参加するなど、アパレルならではのプログラムで開催しました。また、社内見学だけでなく、未来の働き方や社会への貢献について考えるきっかけになるよう残布を使用したSDGsワークショップも開催しました。

参考:<開催レポート>ワールドが第35回「こども参観日」を開催

社内報 

事例5.パナソニックグループ

パナソニックグループは、これまで従業員に向けて発行してきた社内報をリニューアルし、新たな形のオープンなグループコミュニケーションマガジン『幸せの、チカラに。』をインターネット上で公開しました。今回のリニューアルにより、従業員の家族や顧客や取引先にもグループの活動を広く知ってもらうことが可能です。

参考:パナソニックグループの「社内報」をインターネット上で社外に公開~ グループコミュニケーションマガジン『幸せの、チカラに。』を発刊

事例6.クックデリ株式会社

配食サービスなどを展開するクックデリ株式会社は、Web版社内報「ひびひび」と6ヵ月に1度冊子版の広報誌「tetote」の2種類の社内報を発行しています。主に従業員向けのWeb版社内報「ひびひび」は、全従業員がアクセス可能で、日常の業務の気づきなど各部署の業務を知ることができます。

さらに「ひびひび」の集約版として冊子版の「tetote」を発行。こちらは従業員の家族へ送付しており、「tetote」は6ヵ月ごとに企業の歴史を振り返ることができます。

参考:ひとり広報でも、社内情報共有の仕組み化で年2回の広報誌発行!ご家族へも送付

社内アワード

事例7.株式会社レバレッジ

「前例のない熱狂を、しかける。」をミッションに掲げる株式会社レバレッジは、失敗を恐れず果敢にチャレンジする姿勢をこれからも続けてほしいという想いから、社員が1年間で挑戦したことを発表するプレゼンバトルを実施。

部長以上の役職者による1次審査が行われ、もっとも心に響いたプレゼンを新人・ベテラン問わず、イベントに参加している社員がその場で審査し、表彰します。

参考:社員全員が審査員、1年間で挑戦したことを発表するプレゼンバトル「Leverage ADVENTURE CUP 2023」を実施

事例8.大和財託株式会社

大和財託株式会社では、コーポレートロゴやスローガンを刷新。新たなスローガンの全社的な理解・実践に向け、ロールモデルとなる社員を称賛するべく、新たな社内表彰制度として「応超アワード」を創設しました。「期待に応えた・期待を超えた」といった会社の方針に合わせた部門を設計し、表彰しています。

参考:大和財託株式会社が、新たな社内表彰制度として「応超アワード」開催!

オフィス環境

【フリーアドレス】

事例9.SBテクノロジー株式会社

SBテクノロジー株式会社は、オフィスの全面リニューアルを実施。オフィスに求める環境などについて社員を対象にアンケートを実施し、オフィスの役割は「コミュニケーション」や「イノベーション」を生む場と定義しました。社内だけでなく多様な方々との交流の機会が生まれるようにカフェエリアを設置したり、フリーアドレスを導入したりしています。

参考:SBテクノロジー、新宿本社オフィスを全面リニューアル

【おごり自販機】

事例10.サントリー食品インターナショナル株式会社

「社長のおごり自販機」は、2人で社員証を同時にタッチすると、無料で飲料がもらえる自販機です。自販機の利用をきっかけに初めての人や普段接点のない人とも気軽にコミュニケーションが生まれやすくなるのが特徴。

参考:社員同士のつながりを重視する企業が増加 設置企業360社超え、雑談のきっかけをつくる「社長のおごり自販機」が“雑談”がちょっと生まれやすくなる条件を調査!

周年記念

事例11.株式会社OAGコンサルティンググループ

創業35周年の節目に従業員への「感謝」を伝えるイベントを実施。また、イベントでは新グループスローガンの発表も行われました。株式会社OAGコンサルティンググループは、働くすべての従業員とその家族が幸せで未来永劫ずっと存続していく企業を目指すという想いから、周年イベントでは従業員向けのイベントだけでなく、従業員の家族を招いたファミリーデーも実施。

参考:OAGグループ、創業35周年は従業員への感謝の思いを込めたanniversary eventに注力・新グループスローガンを発表

事例12.株式会社オンリーストーリー

創業10周年のタイミングで年次総会と会社設立10周年記念イベントを開催しました。年次総会では1年の振り返りを実施。創業当初から続く「ありがとうカード」の交換や「役員ノート」の公開も行われました。その後の10周年記念イベントでは創業期に在籍したメンバーも集まり、代表から一人ひとりに向けて手紙も手渡されました。

参考:【レポート】年次総会「サミット」&会社設立10周年記念イベントを開催!熱気とつながりを感じられる1日をレポート

社内イベント

【社内成人式】

事例13.株式会社アルテ サロン ホールディングス

株式会社アルテ サロン ホールディングスは、美容室チェーンを約350店舗展開する企業です。美容師は成人式ではお客様のサポート側の立場になるため、地方出身のスタッフは自身の成人式に参加できない場合も。そんな20歳になったスタッフのために、先輩が彼らにヘアアレンジと着付けをしてあげて、晴れ姿で来場してもらう「社内成人式」を実施しました。

参考:成人式は“サポート側”の新成人美容師を主役に 先輩がヘアアレンジと着付けで祝う『社内成人式』

【社内運動会】

事例14.メディアファイブ株式会社

社員間の懇親や社員の健康促進を目的として、年に一度の社内運動会を実施。社員だけでなく代表取締役、外部取締役、監査役ら役員を含めた総勢100人以上が参加しました。

参考:IT企業「メディアファイブ」が社員間の懇親や健康促進を目的に社内運動会を開催(東京)

【復職式】

事例15.オイシックス・ラ・大地株式会社

育児休業を終えて復職した従業員に対して「復職式」を実施。2020年から2022年は新型コロナウイルス感染症拡大防止のためオンラインで行い、2023年からはリアルでの開催を再開しています。

復職式では、復職証書の授与とオイシックス・ラ・大地株式会社ならではの野菜とお花の「ベジタブルブーケ」がプレゼントとして授与されました。

参考:「おかえりなさい」を直接伝えたい 育児休業から復帰のママ・パパ社員を歓迎する”復職式”を実施(4/28)

【社員旅行】

事例16.アチーブメント株式会社

社員旅行に行きたくないと考える人の割合は増加傾向にあるということを把握したうえで、「オフィス内では生まれづらいコミュニケーションの促進」「リフレッシュ」「適度な自由時間」などコンセプトを絞り込み、社員旅行を実施。子持ち世帯の増加や社会の変化に合わせて海外2泊3日だった社員旅行を国内1泊2日へ変更するなど社員の声を聞きながら計画し、従業員満足度も高い結果に。

参考:令和の時代に社員旅行は時代遅れ!?コロナ禍を経て6年ぶりに160名で社員旅行を実施

ランチ会

【部署間シャッフルランチ】

事例17.株式会社アントレ

株式会社アントレでは、所属部署以外のメンバーとの交流を目的とし、部署間シャッフルランチを実施。ランチというカジュアルな場でもあり、和やかに交流することでフランクに会話することができ、従業員間の理解が深まり、コミュニケーションのきっかけになっています。

参考:【2024年7月】出社回帰全社キックオフ・部署間シャッフルランチを開催 実施レポートを公開!

【オンラインランチ会】

事例18.株式会社アールナイン

株式会社アールナインは、共通の趣味を持つ従業員同士が、オンラインで語り合いながら昼食を食べる「オンラインランチ交流会」を開催。趣味をテーマにすることで、役職や部署を超えたコミュニケーションのきっかけ作りとしています。

参考:趣味でつながる昼休憩~役職・部署関係なく、「推し」を語り合うオンラインランチ開催しました

社内サークル・部活動

事例19.株式会社クラウドワークス

株式会社クラウドワークスは「“働く”を通して人々に笑顔を」をバリューとしており、その実現のための「One CrowdWorks」を掲げています。通常業務で部門と連携・協力しながら成果を生み出すことを大切にしており、部署間の交流を促進するために、参加任意の部活動やランチ会などを行っています。

参考:クラウドワークス、卓球ダブルス2連覇達成!恵比寿ガーデンプレイス主催卓球大会13チームの頂点に

事例20.株式会社ダイワコーポレーション

株式会社ダイワコーポレーションはこれまで年1回の社員旅行や社内懇親会を実施していましたが、新型コロナウイルス感染症の影響で2020年以降は社内交流が激減。インナーコミュニケーション活性化のため、2022年8月から全従業員を対象にあったら入りたいサークルのアンケートを実施し、希望者の多かった「ゴルフ」「釣り」「映画鑑賞」の社内サークルを新たに設立しました。

参考:アフターコロナで社員交流活動を再開 2023年度より社内サークルを3つ設立

成功事例から学ぶインナーコミュニケーションの成功のポイント

20の事例を見ていただくとわかるように、どれひとつとして同じ施策はありません。企業ごとに独自の施策を実施しています。特にこれからインナーコミュニケーションを始める方は、自社ではどうすればよいのかと悩む方も多いのではないでしょうか。ここからは、施策を進めていくうえでの成功ポイントをお伝えしていきます。

ポイント

ポイント1.企業の特徴や課題に沿った施策

「ファミリーデー」や「社内報」と施策の名称は同じでも、それぞれ企業によって特徴を活かしたまったく別の施策になっていると感じたのではないでしょうか。インナーコミュニケーションの施策を検討する際は、まず自社の特徴や伝えたいものは何かを把握し、言語化することが大事です。

また、従業員数や企業規模、企業の成長フェーズなど、企業の状況によってインナーコミュニケーションの課題は異なります。自社の実態を把握し、どこに課題があるのかを見極めたうえで、課題にあった施策を選びましょう。その際、成果をどこにおくのか目標を設定し、予算はどれくらい使えるのかについて認識合わせも一緒に行っていきましょう。

ポイント2.従業員を巻き込む

インナーコミュニケーションは、広報PR担当者や人事担当者など施策を行う部署だけが頑張るのではなく、従業員がどうやったら興味を持ってくれるか、どうすれば自発的に動けるようになるかを軸に考えることが重要です。

上記の成功事例の中で、フリーアドレスを導入したSBテクノロジー株式会社や、社員旅行を実施したアチーブメント株式会社など社内アンケートを行っている企業も多々ありました。事例のように、施策を始めるときに従業員にアンケートを取って意見を聞いたり、プロジェクトメンバーに広報PR担当者以外の方に入ってもらったり、一緒に考えているという意識を持ってもらうのもよいでしょう。今従業員は会社に対してどのように思っているのか、施策を通じてどのように感じてほしいのかを考えて、施策を実施していくことが大事です。

ポイント3.社会や時代に合わせて変化させる

既存で行ってきた施策も社会や時代に合わせて変化させていくことが重要です。

広報PR担当者は日々情報のインプットを行い、世の中の動向を把握していると思います。社外広報と同様、インナーコミュニケーションでも社会の動きを理解し、反映していきましょう。また、施策を実行した際は従業員へ実施後アンケートを行い、社内の反応を確認。新たに施策を考えるときだけでなく、既存の施策についても常に従業員の反応や社会の動向を把握し、アップデートしていきましょう。

まとめ:会社の「今」を知ることで適切な施策が見えてくる

今回は、企業のインナーコミュニケーションの成功事例を紹介しました。

どの企業も自社の特徴を生かした独自の施策になっていることがわかったと思います。上記のポイントにも記載した通り、自社の特徴や課題を把握し、自社にあった施策を行っていきましょう。

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