withコロナ時代のメディア環境の変化とニーズとは?【2020年総集編】#メディアアンケート

2020年は新型コロナウイルス感染拡大により、社会全体で大きな変化があった1年でした。

リモート勤務を取り入れた企業が多く、広報業務ではオンラインでのコミュニケーションやイベント開催、取材対応などが求められました。同様にメディアの業務も、メディアの運営体制や情報収集の手法などに変化が見られます。さらに、感染拡大の長期化により、変化した方法がニュースタンダードとなりつつあります。

今回は2021年以降の広報活動に向けた2020年の総集編として、withコロナ時代のメディア環境の変化に関するアンケートをPR TIMES MAGAZINE編集部で実施しました。雑誌編集部、ウェブメディア記者、新聞記者、テレビ局ディレクターなどから寄せられたアンケートの回答を抜粋し、本記事でご紹介します。

広報・PR業務を担う皆さんにとって、2021年以降のよりよい広報活動を行っていくヒントになれば幸いです。

2020年4〜5月:緊急事態宣言を機に変化したメディア環境

まずは改めて「4~5月の緊急事態宣言下当時の編集部の体制」について尋ねました。政府の外出自粛要請があり、メディアの取材活動は従来のオフラインでの対面形式ではなく、オンライン取材が中心になったとの声が多く聞かれます。

急な状況変化により、オンライン取材は初めてだったメディア関係者も多い様子。取材するメディア側も取材される企業側も、戸惑いながら試行錯誤した期間でした。取材環境の変化だけではなく、情報収集や取り上げる内容にも変化し始めた時期です。

”現場に出ることが少なくなりリモートでの取材活動が多くなりました。最初は機器への不慣れから負担が大きく戸惑いもありました。(テレビ局ディレクター)”

”往来規制で通常の訪問取材は、事務所のある近郊エリアに限られたことから、電話取材やオンライン取材が中心だった。情報収集の面では、距離感が近く日常的に電話やSNSでやり取りのある取材先については特段問題はなかった一方、定期的に訪問していた程度の取材先からの情報は極端に減った。(新聞社 支社長代理)”

”もともとイベントや新店オープン情報を掲載することが多かったので、ネタが少なく記事化できる情報もあまりなかったが、テイクアウトや通販で頑張るお店の情報を掲載したりした。(ウェブメディア記者)”

2020年後半:withコロナ時代のメディア環境の変化

緊急事態宣言が解除された2020年後半も、引き続きリモート勤務を継続したり、感染対策を求められる状況が続きました。「withコロナ」と謳われるこの期間、メディアを取り巻く環境はどのように変化したのでしょうか。

テレワークを取り入れるメディア関係者

出社割合は高いが、テレワークを取り入れるメディア関係者も

現在の就業体制(2020年12月時点)を尋ねると、アンケートに回答頂いたメディア関係者のうち半数以上が「ほぼ完全に出社している」「出社や外出の日が多い」と回答し、在宅は勤務時間全体の1割~4割という答えが多く見られました。

一方で、「テレワークの日が多いが出社や外出することもある」と回答し、5割~8割が在宅勤務という体制のメディアもあります。

就業体制について、メディアのほとんどがこの状況という断定はできず、社会的な感染状況や各社の方針によって異なるようです。広報担当者としてはコンタクトをとる相手がどのような勤務をしているかをできるだけ把握し、状況に応じた情報提供を心がけましょう。

オンライン取材が主流になる中、オフライン取材の価値の見直しも

「2020年後半(6月~12月)における各メディアの運営体制における最も大きな変化」を尋ねると、ウェブ会議ツールやメールを活用したオンライン取材が主流になったことが多く挙げられました。

回数を重ねることでオンラインでも従来に近い取材ができるようになったという声もある一方、対面ならではの良さや価値を実感する声も聞かれます。オンラインでの対応が一定普及した後の、考えの変化が見てとれます。

”取材に出向くことは少なくなり、メール取材が多くなった。(ウェブメディア記者)”

”少しずつ外での取材活動ができるようになりましたがリモートでも以前に近い取材ができるようになり両立した仕事ができるようになりました。(テレビ局ディレクター)”

”ウェブ会議でのインタビューが記事できるようになったが、やはり対面の取材のほうが相手の思っていることが良く伝わり、できるだけ対面の取材をしたいと思うようになりました。(新聞社記者)”

オンライン取材には次のようなメリットがあります。

  • 移動時間がないため拘束時間が短くて済む
  • 物理的な制約が少ない
  • 何気ない日常が垣間見えて素顔が見えることがある
  • レコーディングしやすい

一方で次のようなデメリットもあります。

  • 現場の空気感が掴みづらい
  • 音声やネットワークトラブルにより中断する
  • 写真撮影が難しい

オンライン取材が主流となる傾向はありながらも、今後も特有の価値を優先してオフライン取材を実施するケースもあることでしょう。

メディアが取り上げる情報の優先度にも変化

運営体制・編集方針の変化に伴い、これまでは優先度の低かった情報を取り上げるようになったメディアもあります。

背景として、取材に制限がかかったり、オフラインでのイベント中止が相次いだことから、「ネタ不足」に困ったメディアもありました。それに伴い、メディアの情報源としてのプレスリリースの重要性が増しているともいえそうです。

”独自取材が難しくなったため、優先度の低かったリリースや投げ込みに対応することが増えた。(新聞社 支社長代理)”

”飲食を共にする取材がしにくくなり、深い記事がなかなか出しにくくなっていると感じている。リリースや写真の提供だけで記事がかけるようになり、自分自身「手抜き」のように感じてしまうところに葛藤を感じている。(新聞社記者)”

“これまでタイトルだけ見て、中身に目を通さないリリースが大半だったが、ネタ不足の中でしきい値を下げた結果、意外と面白そうなものが多いことに気付いたのは収穫だった。コロナ禍の中で広報業務も難しくなっていると思われる中、さまざまな工夫で情報発信に努める熱心な広報担当者を見つけることができた点は、来年以降の業務に役立つものと期待している。(新聞社 支社長代理)”

”ブランドやメーカーのPRご担当者様にはZOOM等を活用してキャラバンしていただきました。ただ、モノの紹介となると実物を見たいという要望はありました。(雑誌編集部)”

深い情報を読者に届けづらいことに葛藤を抱え、試行錯誤しているメディア関係者もいます。

従来に比べ、メディア側からの取材やアプローチに制限が生じる場合があるため、企業側から能動的に充実した情報を届ける姿勢がポイントになります。

そのような状況下で、プレスリリースの情報価値が見直されたり、広報活動に期待を寄せられる様子も見受けられます。今だからこそできる広報活動のアップデートとして、プレスリリースによる発信機会を増やしたり、従来より深掘りした情報を発信する等、企業側の発信内容を工夫していきたいですね。

メディア関係者の情報収集方法の変化

次に、withコロナ体制に順応してきた2020年10月~12月の業務において、メディア関係者がどのように情報収集をしていたかをお聞きしました。直接足を運んだり、対面することが制限されたことを受け、インターネットやWEBなどオンラインを活用した情報収集が増えたという回答が多く見られました。

”やはりインターネットでの情報収集が増えました。(テレビ局ディレクター)”

”PR TIMESを利用した情報収集。(雑誌編集部)”

”ツイッターのキーワード検索で、世の中で起きていることを調べることや反応をみることが増えたように思います。(新聞社記者)”

さらに「オンラインのシンポジウムなど、通常では時間の都合で行けないものも聞けるようになり、勉強する機会が増えた」という声も聞かれます。イベントやセミナーのオンライン開催によりメディア関係者が参加しやすくなり、インプットの機会として活用しやすくなっているかもしれません。

広報担当者が知っておきたい、withコロナ時代のメディアの困りごと・ニーズは?

最後に、withコロナ時代にメディア業務上で困っていることを尋ねました。「電話コンタクトが取りづらい」「イベントに参加できない」「取材の調整が難しい」「対面での温度感が伝えられない」といったお悩みは、広報担当者だけではなくメディア側でも抱えています。

”新規でやり取りさせていただこうと思ったメーカーやブランドの広報部に電話しても、在宅勤務で繋がらないことがあり、掲載機会が喪失されていること。(雑誌編集部)”

”企業主催のイベントなどが軒並み中止になったことで、メイン以外の記事量が極端に不足していること(新聞社 支社長代理)”

現場の温度感を正確に伝えられない。やはり現場にいって熱量や空気を感じられなければその分内容が薄くなる。(テレビ局ディレクター)”

”対面取材がしにくいこと。コロナ後の選択肢が多様化していてつかみにくいこと。コロナ後のうごきで、一部の事例だけをとらえてあたかも全体がそうであるかのように見せることが増えているようにおもいます。(新聞社記者)”

コミュニケーション上の課題や、空気感など非言語の情報を捉えづらいという課題は未だ多く挙げられます。情報を伝える企業側では、オンライン体制でも社風やカルチャーまで伝えるような情報提供の工夫が求められています。

その前段階としては連絡窓口をわかりやすい導線で公開したり、オンラインツールの整備など、勤務体制や状況に関わらずコンタクトを取りやすい状況を整えることが必須になりつつあります。

答えの見えない社会情勢から情報が錯綜していると感じるメディアもいるようです。だからこそ、企業側のオフィシャルな情報発信や裏付けのある公式見解を正しく発信することがさらに求められることでしょう。

変化する環境に対応して広報PR活動をアップデート

メディア側のお悩みと広報担当者のお悩みは、表裏一体と言えるのかもしれません。広報が変革を迫られていることや悩んでいることは、メディア側も戸惑ったり、試行錯誤しているのです。

まずはプレスリリースを効果的に配信したり、オンラインイベントを開催して企業側からの情報発信を積極的に行い、能動的に情報を届けにいく行動が求められています。

メディア関係者との関係

その中でメディアが今求めていることや置かれている状況を理解し、メディアと協力しながら発信方法を工夫することで、これまで以上に広報活動がアップデートされる機会となることも期待できます。メディアの声としてぜひこの記事を活用してみてください。

PR TIMES MAGAZINEでは、コロナ禍における広報活動に関するヒントとなる情報を引き続き発信しています。

>>オンライン取材の方法を徹底解説!5つのおすすめツール・流れ・コツと注意点を教えます
>>コロナ禍におけるオフラインイベント開催は?開催時の注意点やポイント
>>コロナ禍でオフラインイベントの開催を判断するポイントは?実施する3つのリスクと代替案

2020年4月に発令された緊急事態宣言期間中に行ったメディアアンケート結果では、オンライン取材のメリット・デメリットや、本記事とは別のメディア関係者による当時の見解をまとめています。こちらも参考にしてみてください。

>>新型コロナウイルス影響下、メディア側の動向は? #メディア関係者アンケート<前編>
>>新型コロナウイルス影響下、メディアが求める情報は? #メディア関係者アンケート<後編>

(アンケート企画:大森 美野)

この記事のライター

根本 智帆

2016年にPR TIMES入社。化粧品・グルメ・美術館など様々な業界のPRパートナーとして、企画を立てたり、実行したり、イベントを開催したりしています。手探りで挑戦する広報さんや自分自身と向き合ってきたからこそ伝えたい、広報・PRやPR TIMESに関する情報をPR TIMES MAGAZINEで発信していきます。お茶とワインが好きです。

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