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広報PR向けの「SEO対策」とは?生活者・メディアに届けるための5つの対策方法

広報PRにとって、自社の情報を生活者・メディアに届けることは重要です。自社に関する内容が検索された際に上位に表示されることは、多くの広報担当者が希望していることでしょう。検索エンジンで上位表示されるためには、「SEO対策」が有益な方法となりえます。

SEO対策はマーケティング方法の一種ではありますが、基本知識を知っておくと広報に役立つ内容も多いもの。SEO対策はテクニックがすべてのようにも認識されていることもあり、あまり良くないイメージを持っている人もいるかもしれません。しかし、本来SEO対策はユーザーのことを考え抜いたうえで行うものであり、欺くようなことではありません

本記事では、広報担当者も知っておきたいSEO対策の基本知識から、具体的な5つの対策方法について紹介します。

広報にも重要な「SEO対策」とは?

まず、「SEO対策」の言葉の意味から確認しておきましょう。

SEOとは「検索エンジン最適化(Search Engine Optimization)」の略。つまり、検索エンジンに自社のページを正しく評価してもらい、上位表示させるための方法のことです。

検索エンジンとは?
インターネット上に存在するコンテンツを検索するためのプログラムのこと。「Google」「Yahoo!」「 Bing」などが検索エンジンです。

日本でよく使われる検索エンジンは「Google」「Yahoo!Japan」の2つ。GoogleとYahoo!Japanは合わせると国内の検索エンジンの9割以上のシェアを占めています。

<日本での検索エンジンのマーケットシェア>

Source: StatCounter Global Stats – Search Engine Market Share

Yahoo!Japanの検索エンジンはGoogleと同じシステムを使っているため、日本でのSEO対策は、基本的にGoogleのアルゴリズムへの対策をするといいでしょう。

検索エンジンでは、インターネット上に無数に存在するWebコンテンツの中から、上位に表示させるページを決定するために「クローラー」と呼ばれるロボットですべてのページを読み込み、アルゴリズムを使って判断しています。

SEO対策とは、アルゴリズムで評価されるポイントをおさえたコンテンツを制作し、クローラーに正しく読み取ってもらうための方法だと認識しておくといいでしょう。

広報がSEO対策を行う必要性・メリットとは?

広報がSEO対策を行うメリット

SEO対策とは、GoogleやYahoo!で検索をしたときに上位に表示されるために行う対策方法だとわかりました。

では、SEO対策をすることで、どのようなメリットがあるのでしょうか。広報としてSEO対策をする必要性を確認していきましょう。

SEO対策イメージ

メリット1.検索時に見つけてもらいやすくなる

SEO対策をする1つ目のメリットは、検索時に自社の情報を見つけてもらいやすくなることです。

自らの興味・関心にしたがって自発的に検索をしているユーザーに対し、有益な情報を与える「インバウンドマーケティング」的なアプローチは広報にとっても重要です。メディアが必要としているタイミングで適切な情報を提供できることで、掲載につながることも多いでしょう。

検索エンジンで検索された際、検索結果の1位として表示された場合クリックされる確率は28.5%に対し、10位の場合は2.5%にとどまります

<2020年7月の検索順位別のクリック率(CTR)>

SISTRIX_ランキング例
参照:SISTRIX

検索結果の上位に出ることで、メディア(記者)、そして生活者にとっても情報が届きやすくなることは、広報にとって大きなメリットだといえるでしょう。

メリット2.ブランディングにつながる

SEO対策をする2つ目のメリットは、ブランディングにつながることです。

自社のサービス・商品に関するキーワードで上位に表示されている記事が多い場合、検索者にとって「◯◯といえばこの企業」といったイメージをつけることができます。

また、検索上位に出てくることで「有名なサービスである」「◯◯に専門性がある」との印象もつけられ、信頼を得やすくなるでしょう。

メリット3.広告よりもオーガニック検索のほうがCTRが高い

SEO対策をする3つ目のメリットは、広告よりもオーガニック検索のほうがクリック率(CTR)が高くなることです。

先ほど、検索結果1位になった場合のクリック率は28.5%だと紹介しました。一方、リスティング広告のクリック率は、3~6%程度にとどまるといわれています。

また、リスティング広告を本格的に運用するとなると数十万円〜のコストがかかり、運用し続けている間は費用が発生するのに対し、SEO対策は基本的にはコンテンツ制作費用のみです。自社コンテンツが上位表示された場合は、資産として残り、コスト面でも広告よりも抑えられるでしょう。

ネットリテラシーが高まる中、今後もリスティング広告のクリック率は低くなることも考えられます。指名検索された場合には、自社の情報がオーガニック検索(自然検索)で上位に表示されるようにしておくことで、広告を出稿するよりも高いクリック率が見込めることも、SEO対策を行えるといいでしょう。

SEO対策を誤解しないために、Googleが掲げる理念を理解する

SEO対策をするメリットから、「すぐに上位表示させるための対策を行いたい!」と思う人も多いでしょう。SEO対策に関する情報や、テクニックはインターネット上にもたくさん掲載されているため、ついすぐ試せるテクニックに挑戦したくなるかもしれません。

しかし、SEO対策をする際には、Googleの理念に沿うことが最も重要です。Googleは「10の事実」として以下の理念を掲げています。

<Google が掲げる10の事実>

1.ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
2.1 つのことをとことん極めてうまくやるのが一番。
3.遅いより速いほうがいい。
4.ウェブ上の民主主義は機能する。
5.情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない。
6.悪事を働かなくてもお金は稼げる。
7.世の中にはまだまだ情報があふれている。
8.情報のニーズはすべての国境を越える。
9.スーツがなくても真剣に仕事はできる。
10.「すばらしい」では足りない。

引用:Google が掲げる 10 の事実

Googleは上記の理念に従ってサービスを運営しています。そのため、小手先のテクニックで上位表示を目指すのではなく、コンテンツが「ユーザーファースト」であるのかが重要です。

Googleはユーザーファーストなコンテンツを評価できる仕組みになるよう、頻繁にアップデートを繰り返しています。アルゴリズムの裏をつくような方法をハックしたとしても、Googleは対策を行うため、長い目でみた場合は得策とはいえません。

本質的なSEO対策のためには、ユーザーのことを考え抜いたコンテンツを作ることが重要だと認識しておきましょう。

SEO対策の基本知識

広報が行いたい5つのSEO対策方法

SEO対策は、マーケティング部やWeb担当者が行うことが多く、広報にはあまり関係がないと思う人もいるかもしれません。しかし、広報視点でSEO対策を行うことで、マーケティング視点では対策できなかった部分を補える可能性もあります。

また、社内でSEO対策を担当している人がいなかった場合、SEO対策を行ったときのメリットを考えると、広報であっても積極的に対策をしたい部分でもあります。

次に、広報としてSEO対策を行う場合何をしたらいいのか、具体的な5つのSEO対策について紹介します。

広報が行いたい5つのSEO対策

対策方法1.対策するキーワードを検討する

広報が行いたい1つ目のSEO対策は、上位表示させたいキーワードを検討することです。どんなキーワードで検索された際に上位表示を目指すのか、対象となるキーワードを決定していきます。

まずは、自社の商品やサービスについて関連性が高いキーワードを洗い出しましょう。ペルソナや、ユーザーの検討段階にあわせてキーワードを検討できるといいですね。競合サービスが対策しているキーワードをリサーチしたり、「サジェスト」と呼ばれる検索窓に単語を入れた際に一緒に検索される可能性が高いキーワードも検討したりすることも役に立つでしょう。

また、キーワードの候補を検討したら、月間で検索されている回数を示す「検索ボリューム」も確認しましょう。検索ボリュームを把握することで、対策するキーワードの優先順位を決定できます。1語でのキーワードではボリュームが大きい場合は、複数の単語を組み合わせたロングテールキーワードを検討するのもおすすめです。

検索ボリュームは、Google広告の「キーワード プランナー」、GoogleトレンドUbersuggestAhrefsを始めとするツールを活用することで確認できます。

対策方法2.データを確認できるアナリティクスやSearch Consoleなどの外部ツールを導入する

広報が行いたい2つ目のSEO対策は、自社サイトのデータを確認できる外部ツールを導入することです。SEO対策の効果検証をする際には、外部ツールを活用してデータを取得する必要があります。

Googleが無料で提供している自社ページへのアクセス数が解析できる「Google アナリティクス」と、獲得しているキーワードが解析できる「Google Search Console」の2つは必ず導入しておきましょう。

対策方法3.専門性・信頼性・権威性を示せる&ユーザーのためになるコンテンツを作成する

広報が行いたい3つ目のSEO対策は、専門性・信頼性・権威性を示せるかつ、ユーザーのためになるコンテンツを作成することです。

Googleはユーザーファーストを理念としているため、ユーザーのためになるコンテンツを作成することが重要なことはすでに解説しました。

もう一つ知っておいてほしいことは、Googleはコンテンツの品質を「E-A-T」から判断していることです。E-A-Tとは、専門性(Expertise)、権威性(Authoritativeness)、信頼性(Trustworthiness)の頭文字を取った略語です。

e-a-tとは

専門性・権威性・信頼性のあるコンテンツは、Googleに高品質だと判断されやすくなります。具体的には、「専門家の監修を入れる」「専門家のプロフィールを提示する」「信頼性の高い公的機関のデータを用いる」などの方法が有効です。

特に、YMYL(Your Money or Your Life)と呼ばれる「幸福」「健康」「お金」に関する内容については、E-A-Tが重視されやすいです。金融、医療、法律などの情報はYMYLの分野に該当します。

Googleの評価基準は「検索品質評価ガイドライン」に掲載されています。ガイドラインは英語で書かれていますが、日本語のアルゴリズムにも共通する内容のため、Googleに評価されるコンテンツについて詳細を知りたい人は一読するとよいでしょう。

対策方法4.プレスリリースには自社やサービスのリンクを入れる(被リンクの獲得)

広報が行いたい4つ目のSEO対策は、被リンクを獲得することです。自社サイト以外のドメインのWebページに、自社サイトへのリンクが掲載されることを「被リンク」を獲得したといいます。被リンクの獲得は、SEOにも重要な影響があります。

他社のリンクを掲載する場合、「良質なコンテンツのため紹介したい」「根拠があり、信頼できるコンテンツ」との思いがあるのではないでしょうか。検索エンジンも、リンクを多く獲得しているページは、良質であり信頼できると判断しています。

つまり被リンクは、ユーザーファーストなコンテンツであるとお墨付きをもらったとのようなもの。そのため、被リンクを獲得しているページやサイトは上位表示されやすくなります。

「専門性が高い人がおすすめしているコンテンツ」と「素人がおすすめしているコンテンツ」では、前者のほうが信頼度が高いのと同様に、信頼性の高いドメインからの被リンクはより効果が高いともいわれています。

被リンクを獲得するのは一朝一夕では難しいものですが、プレスリリースを配信する際には、自社のサービスやサイトへのリンクを入れたり、他社のWebコンテンツに自社のサービスが紹介される場合はリンクを入れてもらうなど、積極的に自社ドメインのコンテンツへのリンクを集める取り組みができるといいでしょう。

獲得している被リンクは、GoogleSearch Consoleや、SEO対策を行う外部ツールを使って確認できます。

対策方法5.マーケティング部署や専門家との連携

広報が行いたい5つ目のSEO対策は、マーケティング部署や専門家と連携することです。

高度なSEO対策をする場合は、専門的な知識が必要となります。SEO対策は、技術的な面だけでなく、トレンドが頻繁に変わることなどもあり、広報業務と二足のわらじで行うのは難しい場面も出てくるでしょう。

よりSEOを強化したい場合は、専門家の手を借りるのも一つの方法です。SEO対策そのものを依頼したり、コンサルティングとして必要な対策や方法を教えてもらったりすることもできます。

また、マーケティング部署がある場合、マーケティング部でもSEO対策を行っている可能性が高いです。社内に担当者がいる場合は、連携して行ったり、広報視点から強化してほしいキーワードを共有することで、より効果が見込めるでしょう。

広報がSEO対策を行う際に知っておきたい注意点

SEO対策は、施策を行ってから効果が出るまで数ヵ月かかることもあるため、早く結果を出したく、焦る気持ちもあるでしょう。

しかし、注意しておきたいことは「ブラックハットSEO」と呼ばれる不正なやり方でSEO対策をしないことです。

人物イメージ_バツ

「リンクをたくさん集めるのがいいと聞いたから、リンクを購入しよう」「たくさんのキーワードで上位表示されたいから、とりあえずキーワードをたくさん並べておこう!ユーザーには見えないように文字は白色にしておいたら見た目にはわからないから大丈夫」など、コンテンツそのものを良質にするもの以外は、不正な方法であるケースが多いです。

過去はこのような対策を行って効果が出ていた時期もありますが、現在は禁止されています。不正な方法を用いてSEO対策をしていると、Googleからペナルティを受け、最終的にWebページが検索結果に表示されなくなることもあります

Googleが発表している具体的な禁止事項は以下です。

自動生成されたコンテンツ
リンク プログラムへの参加
オリジナルのコンテンツがほとんどまたはまったく存在しないページの作成
クローキング
不正なリダイレクト
隠しテキストや隠しリンク
誘導ページ
無断複製されたコンテンツ
十分な付加価値のないアフィリエイト サイト
ページへのコンテンツに関係のないキーワードの詰め込み
フィッシングや、ウイルス、トロイの木馬、その他のマルウェアのインストールといった悪意のある動作を伴うページの作成
構造化データのマークアップの悪用
Google への自動化されたクエリの送信

引用:ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン) | Google 検索セントラル

「リンクプログラムへの参加」は、検索順位を上げることを目的として意図的にリンクを作成したり、売買すること。

「クローキング」とは、一般の読者と検索エンジンに別のコンテンツを見せる方法です。違法な方法でコンテンツを提供しているのに対し、クローラーには別のページを表示させることで、ペナルティを逃れようとする方法です。

ユーザーに不誠実な行動や、アルゴリズムの裏をつくような方法は、最終的に首を絞めることに。倫理的にもNGですが、ペナルティを受けたときのダメージが大きいため、絶対にしないように注意しましょう。

より多くの人に情報を届けるためにSEO対策を行おう

SEO対策は、テクニカルな印象があったり、マーケティングの範囲だと思われたりと、一見広報業務の範囲外のようにも思えます。しかし、SEO対策から享受できるメリットは、広報活動にも大きく影響するでしょう。

本記事で紹介したSEO対策についての情報はあくまでも基本的な事項です。広報としてSEO対策を始める場合は、まずはSEO対策の考え方、そしてメリットを把握することから始めましょう。

まずは本記事でも紹介した基本の対策方法を試し、より高度で具体的なテクニックは、専門家の手を借りるのも方法です。

自社の情報を必要としている人に対して、情報を届けられる可能性を少しでも高めるために、SEO対策を始めてみてはいかがでしょうか。

広報PR向けの「SEO対策」に関するQ&A

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この記事のライター

海地 円香

海地 円香

PR TIMES MAGAZINEのディレクター兼SEO担当。韓国在住のフリーランスとして、日本国総領事館の広報や、SEO、マーケティング、データ分析、Webディレクションなどをしています。PRMAGのコンテンツが、みなさまの新しい発見や、行動のきっかけになれば嬉しいです✾

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