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広報PRの仕事のやりがい・魅力とは?現役広報担当者が語るやりがいと、魅力を実感するための5つの行動

広報PRの仕事は職域が広く、社内外の多くの人との関わりがあり、経営に与える影響も大きいため、やりがいを感じられる場面が多々あります。具体的にどのようなときにやりがいを感じるのか、現役で活躍する広報担当者の方々に広報の魅力を伺いました

これから広報担当者になる方は、広報の仕事の魅力的な部分をぜひ知ってください。

すでに広報業務を経験しているものの、やりがいを見失ってしまっている方には課題別に対処方法をまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

広報の仕事はプレッシャーや厳しいこともあるが、やりがいも大きい

広報の仕事はメディア対応、社内調整、ステークホルダーとの連携、競合との露出比較などさまざまな業務を行います。とくには会社としての重大な判断を求められることもあり、業務や状況によっては多大な責任とプレッシャーを感じる場面も少なくありません。

一方で、広報活動へのポジティブな反響があった際には、大きな達成感があります。社内外から喜びや感謝の声が届き、会社の上場や売上拡大の一助にもなるため、筆舌に尽くしがたい、やりがいにあふれた職種ともいえます。

困難も多い一方で、会社の成長に貢献できる実感を得られるのが、広報PRという職種の醍醐味だといえるでしょう。

広報PRの仕事のやりがいとは?やりがいを感じた瞬間やエピソードも紹介

広報PRの仕事には、実際にどのようなやりがいがあるのでしょうか。

今回は、現役広報として活躍する3名に広報PRの仕事についてやりがいをお聞きしました。どの方も企業の成長を語る上で欠かせない、まさにプロの広報担当者です。彼女たちはどのようなことにやりがいを感じているのでしょうか。

1.マザーズ上場に貢献:株式会社ココナラ 柳澤芙美さん

2021年3月にマザーズ上場を果たした株式会社ココナラ。上場を支えた広報担当者であり、ひとり広報歴11年以上の柳澤さんが獲得した1年間の報道件数は130件にのぼります。

「社会的背景が大きいほど記者や読み手に届けたい熱意が生まれ、ストーリーを組み立てられる」と語る柳澤さんは、メディア関係者やユーザーに熱意が伝わり貢献できたときにやりがいを感じるといいます。

上場準備においては、切り口をいくつか考え、媒体ごとに提案したり、上場経験者の広報担当者にアドバイスを得ながら準備を進めたとのこと。

上場当日には24名の報道関係者が集まり注目を集めた会見ですが、結果的に日頃から熱意を伝え続け、成長を見守ってきてくれたメディア関係者が大々的に報道してくれたと、信頼を積み重ねる大切さ、感謝を改めて実感したといいます。

柳澤さんは上場後もチーム連携を強めながら、更なる拡大を目指しています。

株式会社ココナラ 広報PR

柳澤 芙美(Yanagisawa Fumi )

新卒で証券会社の法人営業をした後、2年間専門の学校で広報を学び、布団の昭和西川株式会社、グッドラック・コーポレーションの広報歴任後、2017年8月より現職に着任。また、2018年7月に設立した五反田にオフィスを構える複数の企業でスタートした一般社団法人五反田バレーに立ち上げ時から参加。個人のミッションは「世界の不均衡を均衡にすること」。

2.資金調達に寄与:Haneko Net株式会社 代表 羽幡咲嬉さん

PR会社を経営する羽幡さん。朝5時半に起床し、情報収集を兼ねたクリッピング作業を日課にしています。やりがいを感じる瞬間は、「協業や問い合わせなど、数字で図れる結果が出たとき」。

テレビをはじめとするメディア掲載をきっかけに資金調達に寄与した際も、羽幡さんが掲げる「広報を通して我が国に新規事業の総和を増やす」というミッションに近づく結果となり、大きなやりがいを感じたといいます。

過去にはテレビに取り上げられる機会がなく「無能」といわれたときもあったと振り返る羽幡さん。ひとつの企画書をメディア担当者と何回も修正したり、イベント開催時は企画段階からメディア掲載が見込める行政組織との協業を提案するなど提案を重ね、企業の成長に貢献しています。

Haneko Net株式会社 代表取締役社長

羽幡 咲嬉 (Hanehata Saki )

新規事業広報家, PR Agent。
早稲田大学第一文学部卒業後、(株)PHP研究所にて書籍編集の後、独立。ポーランドにてライター、編集者、通訳・翻訳者として活動する。帰国後、電子書籍の制作に関わる中で「新規事業」と出遭い、新規事業広報、スタートアップ広報、個人広報を行うHaneko Net株式会社を設立。

3.企業認知度の向上:株式会社カミナシ 宮地正惠さん

デザイン、マーケティング、事務とさまざまな職種を経験し、13年以上広報経験を積んできた株式会社カミナシの宮地さん。広報におけるやりがいは、「コミュニケーションの取り方次第で結果が変わること」だといいます。

例えば、プレスリリースを配信するか、イベントを開催するかで伝わり方が変わり、人の感情や行動が変わります。人の動きを設計することは困難を極める一方、日々の広報活動が実り、「カミナシのことを知っている」「カミナシが好き」といわれることが増えてきていることが大きな喜びだそう。

今までは資金調達や採用活動を目的とした広報活動が主だったのに対し、目標達成をした現在はマス向けの施策に取り組んでいる宮地さん。「ペーパーレス化のサービス」として認知されはじめている中、「ノンデスクワーカーの会社」という認知の変化を目指し活動をしています。

現在は、「どこの分野でNo.1をとるか」経営層と合意形成をとり、「身の丈DX」といったわかりやすいキーワードを選定。メディアリレーションズの構築、自社メディア更新をしながら、メンバーを巻き込み発信をしてもらうことで着実に企業認知度を向上させています。

株式会社カミナシ 広報PR

宮地 正惠(Miyachi Masae)

BtoB企業を中心に、ベンチャーでの広報の立ち上げを複数社経験。広報歴通算13年。
カミナシのミッションに強く共感し、2020年6月より参画。一人広報として、広報戦略からメディアリレーションのほか、事例取材、noteでの発信など、プロダクト、コーポレートの両面から広報を担当。猫5頭・犬1頭と暮らす大の動物好き。

広報PRの仕事の魅力とは?

実際に活躍をしている現役の広報担当者からのお話しからも、広報はやりがいや魅力にあふれている仕事であることがわかりました。改めて、広報業務を続けることによって得られることや魅力をまとめてご紹介します。

会議

1.社会への貢献を実感できる

広報PRは、単に情報を発信するだけでなく、自社の存在意義や価値を社会に届ける役割を担います。企業や団体が提供する商品・サービスが、どのように社会の「不(不便・不安・不満など)」を解消するのかを整理し、世の中に伝えることで、間接的に人々の課題解決に貢献することができます。

広報活動が社会的な意義を持ちうることは、仕事のやりがいとして大きな要素だといえるでしょう。

2.どんな環境でも活躍できる汎用性の高いスキルが身につく

広報は職域が広く、企画立案、対人折衝、調整業務、メディア対応など多岐にわたる業務をこなす必要があります。そのため、論理的思考力、コミュニケーション力、プロジェクトマネジメント力など、どんな職種でも活かせるスキルが自然と磨かれます。

広報の経験があれば、将来的に他業種への転職や、フリーランス、起業などのキャリアパスにも役立つでしょう。

3.社外で素敵な出会いがたくさんある

広報の仕事を通して、社内だけでなく社外のさまざまなステークホルダーとも関係性を作るため、素敵な出会いがあることも広報の魅力だといえるでしょう。

多くの専門知識や経験をもつメディア関係者からは、なかなか聞けない情報を見聞きしたり、時にはどのようにしたらニュース性が増すのか企画をブラッシュアップしてくれるケースもあります。メディア関係者に熱意が伝わり協力をしてくれるときは最高に嬉しい瞬間です。

また、広報担当者が集まるコミュニティーは数多く存在しており、交流が盛んです。お互い励ましあったり一緒にメディアキャラバンをしたりと心強い存在です。

4.露出時に与える影響、感謝や喜びのリアクションを受け取れる

広報活動は成果が数値で見えづらいと言われがちですが、メディア掲載やSNSでの反響、問い合わせの増加など、結果が形になった瞬間には大きな達成感を得られます。

望ましいかたちでメディアに掲載されたとき、ユーザー、従業員やその家族から喜びの反応をもらったときは、全ての努力が報われる瞬間といっても過言ではありません。

また、社内外から「ありがとう」「見たよ」といったリアクションを直接受け取れることもあり、自分の仕事が誰かの役に立っていると実感できるのは、広報ならではの魅力です。

5.自社と社会の未来をデザインできる

広報PRは、目の前の仕事をこなすだけでなく、自社のブランドや存在価値を中長期的に育てる「未来志向」の役割も担います。発信の仕方ひとつで、企業の印象や信頼性は大きく変わります。広報は、企業のブランドをデザインし、その価値を社会に定着させる戦略的な仕事でもあるのです。未来のステークホルダー(顧客・求職者・投資家など)とどうつながっていくかを考え、形にしていけることも、広報PRという仕事の大きな醍醐味です。

広報の仕事にやりがいを感じるために行動したい5つのこと

広報担当者になった方の中には、自分の意思というより、必要に応じて職務を全うしている方もいるかもしれません。もし今、もし今、広報の仕事にやりがいやモチベーションを感じられていないのであれば、一度立ち止まり、仕事への向き合い方や環境を見直すことが大切です。最後に、広報PRの仕事にやりがいを見出すための5つの行動指針を紹介します。

1.結果が見えないと感じたら:経営層とKPIをすり合わせる

広報活動は効果測定が難しく、メディアに掲載されていても競合他社の掲載量と比較をして「結果が出ていない」と焦ってしまったり、努力をしているのに「結果がでていない」と評価をされてしまうことも。このように、結果が見えない・出てないがゆえにやりがいを感じられていない場合は、目標を振り返るようにしましょう。

広報活動は効果測定が難しいため、成果(ゴール)が不明確なまま走り出すケースが多くあります。そもそもどこを目指していて、何をしたらいいのか。広報活動の目的によって媒体選定やKPIも異なります。

広報PR業務を行う前に、自社の目指す方向性(KGI)や課題に合わせたKPIを経営層と話し合い、進捗報告や相談を繰り返していくことが大切です。自社の経営課題や事業戦略に対して広報がどう貢献できるか、目標を定性的・定量的に設定することで、日々の業務の意義が見えやすくなります。

定性目標だけでなく、定量目標を立てることで、結果が見える化し、目の前の業務に向き合いやすくなるかもしれません。広報が「単なる作業」ではなく「経営に資する活動」であることを明確にすることで、やりがいを感じやすくなるでしょう。

2.メディア関係者・社内で意思疎通が円滑に進まない:勉強会開催

伝えたい意図と異なる形で報道に至ることや、社内における広報理解が乏しく意思疎通が難しいことで、意欲が下がっているケースもあるでしょう。広報として伝えたい情報が相手に明確に伝わっていない場合は、勉強会開催をおすすめします。

メディア関係者は多くの情報を扱うため知識が豊富ですが、業界知識や商品開発背景を丁寧に説明することが重要。自社が発信するメッセージを的確に伝えるためにもメディア向け勉強会やプレ取材などインプットの機会を提供し、自社の理念と異なる解釈が見られる場面ではハッキリとNOといえる勇気も必要です。

同時に、社内の広報理解も大切です。例えば「広報は無料の広告」など誤った認識がある場合、広報がもつ可能性を狭めてしまうだけでなく、広報担当者としても行動目標ばかりを追う状態に陥る可能性が高くなります。広報を学ぶ社内レクリエーションを行い、正しい情報をインプットしましょう。

3.業務過多により疲弊する:タスクの棚卸しと優先順位の見直し

作業に忙殺されて課題解決への時間が取れない中、新たに目の前の施策が増えるといった悪循環はどの職種でも起こりえること。特に広報は「なんでも屋」になりやすい職種です。「なんでこんなに忙しいんだ」と思った場合は勇気をもって業務仕分けの時間をとりましょう。

プレスリリースを月に決まった本数配信する、メディア開拓を何件しないといけないなど、目標を達成すること自体が目的になっているケース。つまり広報手段が目的化してしまい本質的なことができなくなると、やりがいを感じられなくなります。

業務の棚卸しをする際には、会社の目標や課題に今一度向き合い、「その作業は目的にかなっているか?」「他部門や外部に任せられないか?」という視点で優先順位を見直すことが大切です。タスクを棚卸しをすることで本質的な作業にあてる時間をつくれます。

場合によっては人員が必要なことが判明したり、コストを計算した上で業務委託や外注も視野に入れた業務分担などを検討したりなど、業務改革につながるかもしれません。時間と労力を、本当に成果を生む業務に集中させることで、達成感ややりがいも感じられるようになるでしょう。

4.自社サービスに自信がない:転職を検討しよう

自社、そして商品やサービスを世の中に広める立場である広報。自社の商品やサービスに自信が持てない場合、広報の仕事にやりがいを感じられなくなる可能性もあるでしょう。

世の中に情報発信をする上で自分に嘘をつきながら仕事を続けるのはつらいことです。自分が扱うサービスや内容に疑問があり、自分の力では問題が解決しないのであれば転職を検討するのも立派な手段です。

身近だからこそ自社サービスの魅力に気付けなくなってしまうこともあるでしょう。課題を棚卸して、今の環境でできることは本当にないのか、十分検討して転職活動をしましょう。自分自身のスキルや実現したい世界観を明確にした上で、目指す方向が合致する、役に立てる環境がある企業を探すとよいでしょう。

5.「広報としてどうありたいか」を定期的に見直す

やりがいを感じられない根本には、「自分自身のキャリアビジョンが曖昧になっている」ことがあるかもしれません。たとえば、広報として「社会にインパクトを与えたい」「経営と並走する存在になりたい」など、自分の理想像を定期的に見直すことで、迷いや不満が整理されます。

半年に一度でも良いので、振り返りの時間をつくり、「自分は今、何のために広報をしているのか」「目指す未来に近づいているのか」を考える習慣を持つことで、やりがいとの距離を縮められるでしょう。

自分次第でやりがいと魅力にあふれる、広報PRの仕事

広報担当者として活躍をする人は、広報が持つ可能性や価値を知っています。今回お話しを伺った方々も、自分が実現したい世界を描き、広報を通じて世の中をよりよくしたいという思いを原動力に、あらゆる手段で自身が持つスキルを最大化して広報PRに取り組んでいる印象を持ちました。

広報担当者は、人の心や行動を動かすことにやりがいを持って仕事をしている人が多いのではないでしょうか。もしあなたが広報にやりがいを感じられなくなってしまっている場合は、原因解明に努め、会社の方向性に賛同できていれば、まずはできることを全うしながら考えてもいいかもしれません。

企業、社員、ユーザーの気持ちや行動を変え、社会をよりよくする手伝いができる広報活動は、与える影響が大きいからこそ大変な場面は多いですが、それを超えるやりがいと大きな魅力をもった職業だといえるでしょう。広報の仕事を通して、あなただけのやりがいを見つけてみてはいかがでしょうか。

<編集:PR TIMES MAGAZINE編集部>

広報PRのやりがいに関するQ&A

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この記事のライター

坂下 彩花

坂下 彩花

合同会社KOUYO代表。スタートアップ企業で広報と人事を兼務しながら、広報業務を一通り経験。提供する情報がない中での企画作り、メディアアプローチが強みです。これまでの広報経験を生かして広報担当者さんの役に立ちたいと思いPRTIMES MAGAZINEに参画。現在シェアハウスの愉快な仲間たちと賑やかに暮らしています。

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