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【事例7選】企業を強くする「社内広報」とは?目的・役割・仕事内容を紹介

社外への情報発信やステークホルダーとの関係構築だけでなく、企業の従業員やその家族を対象とした社内広報も大切な広報活動のひとつです。

しかし、社外向けの広報とは違って、社内広報は各企業内で完結する活動のため、あまり情報が公開されていません。その結果、参考となる情報の収集が難しく、どのようなことを進めるべきなのか迷われている広報担当者も多いのではないでしょうか。

この記事では、社内広報の目的や役割、具体的な仕事内容をご紹介します。

社内広報とは?目的・役割を確認しよう

社内広報は、企業理念や経営方針など社内の重要事項を共有し、その結果、社員に気付きを与え、社内外に向けたより良い行動を促すことを目的としています

社内広報の目的は以下の6つです。

  • 企業理念や経営方針の浸透
  • 企業風土、文化の醸成
  • 社内コミュニケーションの強化
  • 社内情報、会社の状況などの共有
  • 従業員の働きがい向上
  • 従業員家族への理解促進

上記の中でも特に重要な目的は「経営理念の浸透」「社内情報の共有」「コミュニケーションの促進」です。

企業が継続的に成長していくためには、社員全員が共通の意識をもち、行動することが重要です。より団結力を持って企業活動に取り組むためにも、社内広報における情報伝達は重要な役割を果たします。

社内広報が社内に浸透していないことで起こりえるリスクとは?

広報PR活動へのリスク

社内広報が機能していない場合、もしくは「社内広報」の役割が社内でミスリードされている場合は、ヒヤッとする事態を巻き起こしかねません。まずは、社内広報が浸透していないことで起こりえる広報PR活動へのリスクを把握しておきましょう。

1.社内の情報収集ができず、発信すべきニュースを逃してしまう

社内広報が浸透していない場合、広報でどのような情報を発信すべきなのか社内に理解してもらえない状況にあるといえます。そのため、広報が知らない間にサービスがリリースされていたり、ユニークなイベントが開催されていたりしてしまうことも。発信すべきニュースバリューのある情報が広報に集まらず、発信の機会を逃してしまうのです。

このような事態を避けるためにも、広報によるニュース発信や、それによるメディア掲載が、企業や社員にどのような好機をもたらすのか浸透し、広報に情報を集める必要があります。

2.広報活動での社員の協力を仰ぎにくい

広報活動は、広報担当者だけで完結できるものは少なく、メディア取材やイベント登壇など、通常業務で忙しい社員に、広報活動のために時間を割いてもらわなければなりません。また、前日に急な取材依頼がくることもあり、広報担当者は普段から社員と良好な関係を築けているかが肝となります。

社内に「広報」の重要性を浸透させ、協力を得やすい環境を作っておくことが大切です。

3.必ずメディア掲載できると勘違いされてしまう

社内広報が浸透していないと、広報と広告の違いが理解されず、広報の取材記事を広告記事だと認識されてしまうことがあります。記事掲載の獲得のためには、メディア・記者とのリレーションや、ニュースバリュー、プレスリリースを発信するタイミングなどコントロールすべきことが多くありますが、前述の通り広報に対する理解がないと、どんな事案でも広告のように必ずメディア掲載ができると勘違いされてしまいます。

このようなリスクを回避するためにも、社内広報が広報の役割や、アウトプット方法、効果を正しく伝えて啓蒙していく必要があるといえるでしょう。

社内広報は具体的に何をしているの?主な7つの仕事内容

社内広報の仕事内容

社内広報は、社員やその家族に、企業理念や経営方針など社内のことを知ってもらい、気付きを与え、行動を促すことを目的にしていますが、そのアプローチ方法は多岐に渡ります。7つの具体的な仕事内容をご紹介します。

1.社内報やブログの企画・運営

社内報やブログは、社内コミュニケーションの活性化や情報の共有、ベクトルの統一に役立ちます。発行するだけでは意味がありません。社員が気になっているトピックスをリサーチし、読まれる企画を練りましょう。

2.メディア掲載報告

自社や社員がメディア掲載されるということは、世間から注目されている証拠です。全社に知らせることは、社員のモチベーション向上に役立ち、また協力してくれた社員への感謝を伝えるにも有効です。さらに、メディア掲載記事は営業ツールとしても活用できるため、積極的に共有しましょう。

3.競合・外部環境調査報告

広報担当者は、社外との接点として日々メディアや各企業とコミュニケーションをとっているため外部の状況が耳に入りやすいポジションです。また、社会トレンドや外部環境に敏感でなければ、効果的な広報PR活動ができないため、情報収集は欠かせません。集めた情報は、広報PR部門のみで活用するのではなく、社内の関係部署に展開することで、ビジネスのサポートにも役立ちます。

4.社内向けイベント企画

社内の一体感の醸成や社員同士のコミュニケーション活性化にはイベントが有効な手段です。目的にあわせて、人事・総務など各関係部署と連携しながらイベントを企画しましょう。例えば、全社総会やキックオフミーティングは、企業理念や経営方針の浸透に適しています。コミュニケーションランチや運動会、ファミリーデイなどは社員や社員の家族同士の交流や慰労に適しています。

5.新たな制度策定・運用

現状の制度が社員のモチベーション向上に効果的かどうか、定期的に見直す必要があります。社員アンケートや座談会などを通して制度の使用頻度や改善点などを把握し、新たな制度策定に活かしましょう。また、ユニークな制度は取材獲得のフックとなります。広報PR視点で新たな制度を提案してみるのも良いでしょう。

6.社内広報勉強会の実施

勉強会の様子

社内の広報への理解を高めることで、広報に発信すべき自社の情報が集まりやすくなります。そのために有効なのが広報勉強会です。広報と広告の違いや、広報の強み、広報の目的、他社の広報事例などをシェアしましょう。また、自社の広報活動の報告の場としても活用できます。

7.社内のネタ収集

ニュースバリューとなりえる自社の情報収集も大切な仕事です。情報収集の方法は、経営会議への参加や、他部署との定期的な情報交換会議の開催など、会議を通して行うのも良いですし、Slackや社内イントラなどのコミュニケーションツールを通して行う方法もあります。

社内広報の3つの評価基準

評価基準

社内広報の評価基準は、各企業の課題・活動内容に準じて設定します。例えば、社員のロイヤリティ向上が課題であれば、離職率が評価基準のひとつになります。下記はあくまで一例ですが、3つの評価基準をご紹介します。

1.企業理念・経営方針の浸透率

組織の強化や社内の一体感醸成が課題の場合、企業理念・経営方針の浸透率が評価基準になります。企業理念や経営方針が社員に理解されているかどうか、組織診断や社員アンケートを通して確認しましょう。浸透率が低ければ、経営層からのメッセージ発信の機会を増やすことが解決策のひとつです。

2.従業員満足度

社員のロイヤリティ向上が課題の場合、会社に対しての社員の評価を把握しておく必要があります。評価が低い項目については、理由を深掘りし、今後の活動内容に反映しましょう。

3.社内報・ブログPV数

社内コミュニケーションの活性化や情報の共有、ベクトルの統一のために、社内報やブログは有効な手段です。そのためには、社員から読まれるものになっている必要があります。PV数は最も分かりやすい評価基準ですが、各記事に対する社員からの感想など定性的な評価も、今後のブラッシュアップに役立ちます。

社内広報の成功事例7選

他社の社内広報を参考にする

社内広報の方法には、メールマガジンやブログ・SNS、社内報、イントラネットなどがあります。どれを選べばよいのか迷ってしまうかもしれませんが、重要なのは自社の状態や解決したい課題によって最適な手段を選択することです。

最適な手段を選択することが重要とはいえ、具体例がなければなかなか検討を進められないものです。他の企業では、いったいどんな社内広報が実施されているのでしょうか。

次に、社内広報の成功事例を7つご紹介します。懇親会や社内ラジオ、社内報など、自社の課題解決の参考になるアイデアを見つけてみてくださいね。

事例1.満足度が2倍になったグッドパッチの「社内懇親会」

UIデザイン・設計に特化したデザイン会社であるGoodpatchでは、毎月末に社員同士のコミュニケーションを目的とした社内懇親会「Pizzapatch」を実施しています。

組織の人数が増える中で、メンバー間の信頼や団結力を高めるために始まったPizzapatch。ところが、回数を重ねるごとに参加率が低下したり、企画がマンネリ化したりと改題が見えてきたのだそう。そこで、開催日・時間・企画を重点的に改善した結果、参加率と満足度とも2倍にアップしました。

Pizzapatchのケースでは、開催の目的は変えることなく、課題を的確に改善した手法が参考になりますね。

参考:https://www.wantedly.com/companies/goodpatch/post_articles/128839

事例2.社内報アワードグランプリ!マクロミルの「2つの社内報」

マーケティングリサーチ企業のマクロミルでは、紙とウェブで展開する「2つの社内報」によってミッション・ビジョン・バリューの浸透度の向上に成功しています

もともとは紙媒体で毎月発行していた社内報ですが、入稿から次回の企画までのサイクルが短くPDCAを回せないだけでなく、ウェブと比較して情報伝達速度が遅いという課題があったのだそう。
そこで紙の発刊を「四半期に1度」に変更し、ターゲットを「入社3年以内の社員」に再設定。さらに、全社員をターゲットとしてニュース性の高い情報を掲載する、ウェブ版の社内報もスタートしました。

あえてターゲットとコンセプトが異なる2つの社内報を作ることで、必要な情報が必要な人に届く仕組みを作り上げている点がポイントです。

参考:https://seleck.cc/1363

事例3.社員全員がライターなエン・ジャパンの「オープン社内報」

求人情報メディア・人材紹介サービス等の運営会社であるエン・ジャパンでは、なんとオウンドメディア「ensoku!(エンソク)」で社内報を一般公開しています。

「ensoku!(エンソク)」では、エン・ジャパンのメンバーが「レポーター」としてデイリーで社内報(記事)を更新。レポーターは広報担当者だけでなく、営業や人事、内定者などさまざまなメンバーがつとめます。「ワクワクする情報を社内に埋もれさせておくのはもったいない」という声から生まれたといい、社内イベントの様子や日々の勤務の様子、社員インタビューなど多彩な社内報が揃っています。

メンバー自身が更新するからこそ、距離の近さや情報のリアリティが感じられますよね。社内のメンバーだけでなく、メンバーの家族や採用候補者にも情報がオープンになるのも特徴的です。

参考:https://www.en-soku.com/

事例4.コミュニケーションを活性化したクレオフーガの「社内ラジオ」

社内ラジオを実施

音楽投稿コミュニティや音楽ライセンスと音楽クラウドソーシングプラットフォームを運営するクレオフーガでは、社内広報でも珍しい「社内ラジオ」を放送しています。

課題だったのは、東京・岡山の2拠点間のコミュニケーション不足。拠点間で得られる情報に差が生じ、「社長の考えが分かりにくい」という声まで出ていたのだとか。そこで、社内の録音スタジオでラジオづくりをスタートしました。1本あたり5〜10分で、月に20本を社長と社内のメンバーのトークでコンテンツ化しています。

社長自らが出演し生の声を用いることで、その熱量をメンバーに効果的に伝えています。コミュニケーション活性のほか、経営理念の浸透に成功した例として参考にしたいですね。

参考:https://hrnote.jp/contents/b-contents-composition-creofuga-180930/

事例5.経営陣との距離を縮めるfreeeの「社内スナック」

クラウド型会計ソフトなどのクラウドサービスを運営するfreeeの取り組みは、経営メンバーがマスター/ママをつとめる「社内スナック」です。

スナックが開店する場所はオフィスではなく、オフィス近くのコワーキングスナック組織が拡大しても経営陣とメンバーの距離を近く保ちたいという思いからスタートした施策で、マスター(経営メンバー)がもてなすのは、7〜8名ほどのお客さん(freeeのメンバー)です。

普段はコミュニケーションを取るチャンスが少ない経営陣とメンバー。それでも仕事からプライベートまでざっくばらんに会話を楽しめるのは、スナック形式でお酒の力や少人数の利点を活かしているからこそですね。

参考:https://www.wantedly.com/companies/freee/post_articles/123927

事例6.交流促進にもネタ収集にも!フィードフォースの「Slack」活用術 

BtoB向けのマーケティングサービスを開発・提供しているフィードフォースでは、ビジネスチャット「Slack」でコミュニケーション活性に取り組んでいます。

フィードフォースのSlack活用の要は、「チームの垣根を超えたコミュニケーション」の実現。なんと200を超えるチャンネルがあり(2019年12月時点)、仕事の会話だけでなく、質問用のチャンネルや雑談用のチャンネルなど、カジュアルに情報交換をできるのが特徴的です。

また、Slackならメールや電話などと違いスピーディに情報キャッチアップと意思決定ができるので、仕事の成果向上にも寄与できているのだそうです。企業活動では常にスピードが求められるので、ぜひ参考にしたい施策ですね。

参考:https://media.feedforce.jp/n/n47fb9556134b

事例7.表彰式から漫才大会まで!豪華なレバレジーズの「社員総会」

社内広報のミーティングをする

マーケティングや人材派遣、転職エージェントなどのサービスを展開するレバレジーズは、コンテンツ盛りだくさんの「社員総会」を社内広報に取り入れています。

年2回開催されるレバレジーズの社員総会の特徴は、そのコンテンツの多彩さ。成績優秀者の表彰から漫才大会、代表スピーチ、立食懇親会まで、全国のメンバーが一堂に会して行われます。代表スピーチで経営戦略を理解できるほか、全国のメンバーの前での表彰や漫才大会はメンバーを知ることにつながります。さらに、立食懇親会なら食事とともにフランクに会話を楽しむことができます。

会社のミッション理解とメンバー同士の交流を一挙に実現できる総会は、月に1度の開催でも効果があります。まずはスモールな形でなら、どんな企業でもすぐに実施できるのではないでしょうか。

参考:https://melev.leverages.jp/entry/2019/10/29/100000

組織を強くするために、社内広報に取り組もう!

今回は、社内広報の目的や役割、具体的な仕事内容をご紹介しました。

企業が継続的に成長していくためには、社員全員が共通の意識をもち、行動することが重要です。社員が現在働いている会社に対して、どれだけ信頼しているか、どれだけ貢献したいと考えているかがビジネスの発展に紐づいています。社外広報による企業の認知度向上やブランディングも大切ですが、組織を強するためには社内広報に目を向けると良いでしょう

社内広報の手法は多岐に渡り、どれから進めるか、どこまで範囲を広げるかは、企業の課題によって変わります。まずは自社の課題がどこにあるのか明らかにし、活動内容を決めていきましょう。施策を実施した後は、社員とコミュニケーションをとりながら振り返りをすることも大切です。

是非、上記を参考にしながら自社らしい社内広報に取り組んでみてください。

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この記事のライター

野崎 有希

PR Agency、HR TechにてPRとマーケティングを経験したのち、現在は通販会社(ショップジャパン)の広報部に所属。コーポレートPR、プロダクトPR、採用PRの戦略立案に従事。社会人キャリアはずっとコミュニケーションに関わる仕事をしています。人生のミッションは、「みんなの応援団」!周りの方が幸せになるきっかけをPRの力で作りたい。‟その人“の魅力を引き出すインタビュー記事は、読むのも書くのも好き。

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